突入せよ!「あさま山荘」事件
CINEMA

突入せよ!「あさま山荘」事件

監督:原田眞人
[ 2002年 日本 ]
先日、群馬県にある川原湯温泉に行ってきた。数年後にはダムの完成とともに湖底に沈んでしまう運命にある切ない情緒が印象的な温泉地だったが、そこへの行きのバスでベテランらしきバスの運転手さんがいろいろとガイド的な薀蓄や季節の話題を披露してくれて、浅間山噴火による溶岩での被害のことも話してくれた。群馬と長野の県境に位置する浅間山。その浅間山の麓、軽井沢に河合楽器の保養所としてあったのが「あさま山荘」だ。1972年2月19日、5人の連合赤軍が人質をとり、あさま山荘に篭城。この戦後昭和の大事件のひとつ「連合赤軍あさま山荘事件」を当時警察庁から派遣され現場で任務にあたった佐々淳行(映画では役所広司が演じるその人)による原作を映画化したのが今作である。映画が進むにつれ感じる事件そのもののスケールの小ささは、ちょっと興醒めかもしれない。この事件では現場も会議室もバカばっかりだったんだなぁという皮肉がたっぷりだ。所詮、組織は有能無能をひっくるめての足の引っ張り合いか。ラストにおける任務終了の達成感より虚脱感の大きいこと。

posted on 2003/11/13

PAGE TOP