ひかりのまち
CINEMA

ひかりのまち

監督:マイケル・ウィンターボトム
WONDERLAND [ 1999年 イギリス ]
人と人が出会いスレ違う、どこにでもある現代の生活模様。恋人同士や他人同士、夫婦や親子の人間関係。みんなギリギリのところで生きていて、ギリギリのところでつながっている。そんな登場人物たちに共感してしまうのは僕だけではないだろう。生まれてくる次の世代はもっと大変なんだろうなとふと思った。

posted on 2001/10/14
回路
CINEMA

回路

監督:黒沢清
[ 2001年 日本 ]
かなり根暗な映画だなと思った。黒沢清の色は映像にあらわれていたと思うけど、もうひとつ物足りなさを感じてしまう。インターネットの表現があまりにリアリティを欠いていて、そこから幽霊を結び付けていくのがちょっと辛かった。オカルトホラーとしても、都市生活への問題提起としても、内容が弱かったように思える。最初と最後の役所広司もこじつけっぽいし。黒沢作品の本格的なホラーをえなりかずき主演で撮ったら物凄くハマると思うのだけど、一度やってくれないかな。

posted on 2001/10/07
バトル・ロワイアル
CINEMA

バトル・ロワイアル

監督:深作欣二
[ 2000年 日本 ]
目が覚めるような映画だった。暴力描写が問題となり、国会でも話題になるほどだったが、文部省選定作品にならずとも映画は見事に大ヒットした。不謹慎かもしれないが、中学生がクラスメイトを殺しあうのは、とてもおもしろかった。矛先をルールを作った大人に向けても、かなわないと思い知るやその矛先は瞬間的に仲間たちに向けられる人間の性。愛や友情も次々と裏切られていくのは極限の精神状態だからであろうか。映画は確かに極限の状況だが、実際の社会でも自殺や殺人に追い込む危険な要素はいくつもあって、そうした事件は多発しているからこそ、積極的に見せるべきだったように思える。中には「いま、そこにある危機」を想定した肉体修行を積む寺門ジモンのような人間も5人くらい増えちゃうかもしれないけど、これは人を信じるなと言っているのではない。人を信じられない世の中にするなと言っているのだ。ラストの「走れ。」というメッセージに目の覚めるような感動を覚える傑作だと思う。

posted on 2001/09/29
ハイ・フィデリティ
CINEMA

ハイ・フィデリティ

監督:スティーブン・フリアーズ
HIGH FIDELITY [ 2000年 アメリカ ]
「失恋するから音楽を聴くのか。音楽を聴くから失恋するのか。」とはこの映画につけられたよくできたコピーである。当然ながら客観視できるわけもなく、なんとなくハッピーエンドで終わったのが良かったのかどうなのか。あの状況でヨリが戻るのは不思議でしょうがないが、階級の違ってしまっているキャサリン・ゼタ・ジョーンズを最低と思う気持ちや、一本入魂のテープ作りで他人の詞に自分の思いを託すところなど、大肯定できる場面がやはりほとんどだったりして。陰気な音楽ファンというのは、どうしてこうも難しい人種なんだろうね、まったく・・・。わかってくれるかなぁ、わかってほしいなぁ、わかってもらえないと困るなぁ、と思うのであります。♪High Fidelity・・・。

posted on 2001/09/25
クラークス
CINEMA

クラークス

監督:ケヴィン・スミス
CLERKS [ 1994年 アメリカ ]
しがないコンビニ店員とビデオ屋店員のしょーもない会話の掛け合いをメインに軽快に楽しませてくれる、ヘンな客、友人、売人、ガールフレンドたちが織り成すショートコント集のような映画。僕も学生の頃、ビデオ屋でバイトしてたけど、座ってビデオ見てたり、がやがやお喋りしてたり、好き放題やってたもの。うっとおしいあいさつを強要するような社員教育のない個人経営の店でよかったよかった。いまはもうなくなってしまった店だけど、あそこにもいろんな客がいたものです。

posted on 2001/09/21
ケイゾク/映画
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ケイゾク/映画

監督:堤幸彦
[ 2000年 日本 ]
話題となった刑事ドラマの映画版は同じスタッフとキャストが作った悪ふざけ? かなり出来の悪いパロディでしかなくて、ドラマと同じテンションで観る必要は全然なかったようだ。途中から違和感アリアリの無理矢理というか完全に投げてるとしか思えないヘンな展開で、ダメさ加減が凄まじい。とにかくそのあまりあるギャップをチェックするという意味において楽しめる映画。やはり「ケイゾク」はドラマで完結していたということだ。ドラマの完成度は群を抜いて素晴らしいものだった。

posted on 2001/09/16
スターダスト・メモリー
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スターダスト・メモリー

監督:ウディ・アレン
STARDUST MEMORIES [ 1980年 アメリカ ]
ウディ・アレン好きとはいえ、あまりに作品を量産してらっしゃる方なので、ところどころ取りこぼしてるわけですが、こいつがまたうなるほどの傑作でした。『アニー・ホール』、『マンハッタン』、『カイロの紫のバラ』をベスト3に挙げてしまいがちですが、これもかなり肉迫するくらい好きかも。ずば抜けた皮肉と笑いのセンスで気を抜かせたあとに、ほとばしるロマンチックな描写にノックアウト。シャーロット・ランプリングを見つめるシーンに恋人のいない僕も至福を感じてしまいました。でもこれは恋人のいるいないも、男も女も関係ないでしょう。アレン版『8 1/2』といえる彼の趣味・嗜好も色濃く出た、見応え十分、必見の一本。

posted on 2001/09/06
まわり道
CINEMA

まわり道

監督:ヴィム・ヴェンダース
FALSCHE BEWEGUNG [ 1975年 西ドイツ ]
人はそのときどきにおいて壁にブチ当たったり途方に暮れたりしてしまうものだ。僕にもよくあることだが、特に2ヶ月前は仕事もなく本当にどうしようもない状況で、とにかく徹底的に痛めつけられているような気分の毎日だった。そんな時にこの映画を観た。書けなくなった小説家が母親の勧めで旅に出て、その先々で出会う見知らぬ人達といつしか行動を共にする。非常に低いテンションで先の見えぬ旅を続ける姿につられるまでもなく気分はロウのままであったが、最後を締める「結局僕はまわり道ばかりしてるのかもしれない」という言葉が僕にとってかなりの救いだったのかもしれない。

posted on 2001/09/02
チェブラーシカ
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チェブラーシカ

監督:ロマン・カチャーノフ
CHEBURASHKA [ 1969年 ロシア ]
生まれてこのかたペットらしいペットを飼ったことがない僕ですが、チェブラーシカとならいっしょに暮らしたいなと思ってしまいました。なんかめちゃめちゃウマが合いそう。自分が何物かがわからないアイデンティティの所在のなさが決定づけている、こんなキャラクターにあるまじき地味な性格。ひとりぼっちで内気でほとんど視線は下向きだけど、ちょっぴり天然で純粋なまんまるい目と時折見せる笑顔があまりにチャーミング!! しんみりしつつも強烈にシンパシーを抱いてしまったのであります。

posted on 2001/08/28
代官山物語
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代官山物語

監督:新藤三雄
[ 1998年 日本 ]
先日、初めて行った代官山。特に街をぶらつくこともなく「代官山食DO」でランチを食べて、さっさと帰ってしまった。こういうのを観ると自分が東京的なファッションやオシャレに対して歪んだコンプレックスを持っているというか、なんかものすごい嫌悪感を感じてしまう。テイ・トウワがレコードを万引きするのはカラックス『ボーイ・ミーツ・ガール』へのオマージュのつもりか。でもテイ・トウワのヘンな感じはおもしろかった。さすが吉本。あとはあの髪型でない小山田圭吾の姿が観れるのはここだけかも。単に女装してるだけだけど。

posted on 2001/07/23

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