KNOW YOUR ENEMY / MANIC STREET PREACHERS
ALBUM

KNOW YOUR ENEMY / MANIC STREET PREACHERS

前作『THIS IS MY TRUTH, TELL ME YOURS』の成功に対する反動、初期に戻ったマニックスとして、この通算6枚目の新作を全面的に歓迎することは残念ながらできなかった。前作は三人マニックスのあり方を一身に受け入れたという意味において、とても感動的な作品だった。過去との決別をついに果たせたはずなのだ。それを成功による反動としてなのか、再びパンクス宣言してしまった。新たな気持ちで作品に取り組む心意気は立派だが、過去を取り戻そうとしたのは、やはり失敗だったのではないだろうか。寄る年波と肉付きによって、エッジも丸くなっていることは否めないし、何よりオーバープロデュースすぎるところが不満だ。その本心を証明するにはもっとソリッドで剥き出しのライブ演奏のような気迫と性急な焦燥感を表現すべきだったのだ。たとえ一本調子でも、生身の三人でやり遂げるべきだったのだ。デビッド・ホルムズもケビン・シールズも必要なかったのだ。いまだに大好きなバンドだし、三人のマニックスとしての誇りはキューバでのライブなどから十分に伝わった。それは本当に素晴らしいことだと思う。あとは中身をどう追いつかせるかだろう。

posted on 2001/04/03
ワールド・イズ・ノット・イナフ
CINEMA

ワールド・イズ・ノット・イナフ

監督:マイケル・アプテッド
THE WORLD IS NOT ENOUGH [ 1999年 イギリス ]
「世界ではもの足りない」という007史上に残るジェームズ・ボンドのセリフにシビれましょう。ボンドとしては安定期に入った伊達男ピアース・ブロスナン、ロバート・カーライルとソフィー・マルソーという異様な組み合わせの悪玉コンビ、裏切り者でここでも殺される悪役商会ゴールディ、そしてボンド・ガールは若さに軍配デニース・リチャーズ(彼女の出演作っていいよね!)というキャストの顔ぶれだけでも楽しい。アンチ・マッチョな僕でも、ボンドには憧れてしまいます。

posted on 2001/03/29
DISCOVERY / DAFT PUNK
ALBUM

DISCOVERY / DAFT PUNK

彼らが生前に残した(だって今のダフト・パンクって一回死んでサイボーグとして復活した姿なんでしょ?)シングルは本当にSTARDUST名義の「MUSIC SOUNDS BETTER WITH YOU」も含めて、よく聴いたものだ。今回のアルバムはなんともまあ、とにかくキャッチーでスカスカの80年代エレポップということで、笑える。おもしろい。ちょっぴり哀しくて切なくて、チャーミング。でも、本気で真剣にこの音楽を鳴らしている。そこがいい。正直言って、今作のダフト・パンクよりもいい音楽はたくさん存在すると思う。しかし、地球規模の巨大な単位で共有することのできる感動が味わえるのは、今年はこの一枚しかないのではないか。いつの日かこのアルバムをリアルタイムで聴いていたことを思い出して、センチメンタルな気持ちになるときがやって来るだろう。

posted on 2001/03/26
MONDAY
CINEMA

MONDAY

監督:サブ
[ 2000年 日本 ]
サブ監督作品には過去の3作ともスタンディング・オーベイションを送ってきた僕でも、今回のシュールすぎる展開には、いい意味ではない方向で思わずうなってしまった。毎度シュールといえばシュールなのだけど、いまいち抜けきれていない歯切れの悪さのほうが目立ってしまっている。おなじみ堤真一が主演といえ、酒に酔っただけの主人公だったのがダメだったのかもしれない。ちょっと今作はムダにメッセージ性を盛り込んだり意識しすぎたか。

posted on 2001/03/25
AJICO [ 2001.03.19. 赤坂ブリッツ ]
LIVE

AJICO [ 2001.03.19. 赤坂ブリッツ ]

完璧と形容するにはあまりに容易すぎて恥ずかしい気もするのだけど、CD以上に本当に言葉を失うくらい最高レベルのライブ・パフォーマンスだった。思い思いに歌を歌い、思い思いにギターを刻み、思い思いにベースと戯れ、思い思いにドラムを打ち鳴らす。バンドの4人の個性がそれぞれ強烈に際立ちつつも、一糸乱れぬ完全体の結晶と化す叙情的なAJICOのグルーヴ。彼らの旅が終着を迎えようとも、至高のライブ体験となったこの日のステージを忘れることはないだろう。

set list
1.青い鳥はいつも不満気 2.TAKE5 3.すてきなあたしの夢 4.美しいこと 5.金の泥 6.GARAGE DRIVE 7.毛布もいらない 8.悲しみジョニー 9.深緑 10.ペピン 11.歪んだ太陽 12.フリーダム 13.波動
encore
14.ひまわり 15.午後 16. カゲロウソング
posted on 2001/03/20
スナッチ
CINEMA

スナッチ

監督:ガイ・リッチー
SNATCH [ 2000年 イギリス ]
観た人誰もが『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』と同じだと思ったことだろう。悪意まる出しのケチはいくらでもつけられる映画かもしれないけど、やっぱりそれでも面白かったと僕は思う。ロンドンが舞台だし、だいたいそんなに真剣に観る必要のない、単純に楽しんでもらう映画として立派に出来ているのだ。登場人物の多さも、ちゃんと使っては消されているし(ベニチオも早かった!)、勢いで見せきる編集の巧さと音楽の使い方は相変わらず抜群のセンスを発揮している。ブラッド・ピットのヘタレ英語もよかったです。犬、大活躍!

posted on 2001/03/19
ミッション・トゥ・マーズ
CINEMA

ミッション・トゥ・マーズ

監督:ブライアン・デ・パルマ
MISSION TO MARS [ 2000年 アメリカ ]
これはすごい。地球史の驚くべき事実が明らかに! といってもサイエンス・フィクションなわけだけど、こういうのは好き。宇宙人がいるいないの議論には興味はないけど、SFの空想世界を映像で表現されるものには素直に心が惹かれてしまう。『2001年宇宙の旅』や『スターウォーズ』、『未知との遭遇』、『エイリアン』といった懐かしのものから、『ガタカ』、『コンタクト』など最近の素晴らしかったSF作品など、とてもワクワクしながら観たものだ。『スネーク・アイズ』に続いてゲーリー・シニーズが主演。彼は今後もデ・パルマ作品の常連となるのだろうか。

posted on 2001/03/11
日なたの窓に憧れて / スピッツ
SINGLE

日なたの窓に憧れて / スピッツ

東京へ出てきて3年が経とうとしている。東向きの部屋で3年が経とうとしている。引っ越したいとずっと考えている。日なたの窓に憧れている。落書きだらけの夢を見ている。今日、何度となくこの曲を聴いている。

posted on 2001/03/10
ビタミン / 電気グルーヴ
ALBUM

ビタミン / 電気グルーヴ

自らを祝福する石野卓球のステキなファンファーレで幕開ける1993年発表の大傑作アルバム。昨今の電気の扱われ方は、なんとも大マジメすぎて、悪くはないんだけど、なんというかこの状況はビースティ・ボーイズに非常に似てるなぁと思うのであります。深い考察はヒトにまかして、おいしい『ビタミン』は聴きカジルに限ります。「ハイキング」大好き! おめでとう自分。

posted on 2001/03/08
I WANT YOU あなたが欲しい
CINEMA

I WANT YOU あなたが欲しい

監督:マイケル・ウィンターボトム
I WANT YOU [ 1998年 イギリス ]
主演のレイチェル・ワイズに見惚れてしまう、魅惑のサスペンス劇場。ウィンターボトムといえばってことで、『バタフライ・キス』でのニュー・オーダー「WORLD IN MOTION」、『ウェルカム・トゥ・サラエボ』でのストーン・ローゼズ「I WANNA BE ADORED」など音楽でキメてくるのが定番となってますが、今作はタイトルまんまエルビス・コステロ「I WANT YOU」。おかげでいまコステロの『BLOOD & CHOCOLATE』を数年ぶりに聴いてます。

posted on 2001/03/04

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