STYLE 2001 Vol.18 [ 2001.02.04. 渋谷クラブクアトロ ]
LIVE

STYLE 2001 Vol.18 [ 2001.02.04. 渋谷クラブクアトロ ]

出演:THE SEA AND CAKE、GREAT3
レコードの音を再現するのはもちろん、さらにナマとして観る者を圧倒するライブ空間という別世界を演出するにふさわしい両者による、素晴らしい演奏だった。GREAT3は新作のミックスがジョン・マッケンタイアということで、モロにシー・アンド・ケイクな新曲を披露したあと、大盛り上がりの『ロマンス』大会! 昨年、病欠だったベースの高桑さんは酒飲んで来てたけど、まったく問題なし。片寄さんの額がどんなに広がろうが、まったく関係なし。バンドの熱量にひたすら感動しっぱなし。グレイト!! 後半登場のシー・アンド・ケークはレコード同様ソフトな感触ではあれど、凄まじいテンションが充満したとにかく強烈なものだった。ヴィンテージ・シンセのどうにも気持ち良い温かみとジョン・マッケンタイアの流麗で圧巻な悶え身のドラミングはライブでなければ絶対に味わえない。誰かしら日本に来てるようでいて、シー・アンド・ケークとして実は5年ぶりの貴重な来日公演。今回観れて本当に幸せだったと思う。

GREAT3 set list
1.OH BABY 2.BEE 3.SUNDOWNER 4.玉突き 5.バナナ 6.影 7.R.I.P 8.エデン特急 9.マイ・ウェイ 10.OPEN MY EYES
posted on 2001/02/05
醜聞(スキャンダル)
CINEMA

醜聞(スキャンダル)

監督:黒澤明
[ 1950年 日本 ]
なんか黒澤明っていうだけで身構えてしまいがちだけど、そんな力む必要のない普通に観て楽しめるエンタテインメント作品が実に多い。それは代名詞的存在の『七人の侍』や『用心棒』のような時代劇に限らず、現代劇においても素晴らしいユーモアに満ちている。今作は有名人カップルのでっちあげ記事に対する裁判劇として話は展開するのだが、半世紀が経ったいまでも、かなりおもしろく観ることができる。志村喬のダメ弁護士ぶりがいいです。弁護士事務所が4階建てビルの屋上(名刺では5階と表記している)だなんて、『マルコヴィッチの穴』だよな〜と思ったりもして。

posted on 2001/02/03
TEENAGE FANCLUB [ 2001.01.30. 渋谷クラブクアトロ ]
LIVE

TEENAGE FANCLUB [ 2001.01.30. 渋谷クラブクアトロ ]

感無量でございます。えがった! いいライブでした。昨年のサマーソニックのときのような緊張感は皆無でしたが、3人のヴォーカル&コーラス・ワークがある限り、このバンドは永遠にティーンエイジ。やっぱ楽曲の良さは絶大でしたね。ノーマンの絶えない笑顔をみながらほのぼのとステージは進んでいきましたが、気が付けばステージ前方でこぶしを振り上げて熱狂の輪に加わっていました。「THE CONCEPT」が聴けて、本当に幸せ・・・。嬉しすぎるアンコール、最高に幸せ・・・。ライブ後、予定外ながらノーマン、レイモンド、ジェラルドの3人に加え、ドラムのフランシス(元メンバー)とキーボードのクリス(ベルセバ)という来日メンバー全員からサインを貰う。嬉し恥ずかしのサンキュー・ベリー・マッチ!

set list
1.NEAR YOU 2.I CAN'T FIND MY WAY HOME 3.START AGAIN 4.DON'T LOOK BACK 5.YOUR LOVE IS THE PLACE WHERE I COME FROM 6.I DON'T WANT CONTROL OF YOU 7.I NEED DIRECTION 8.ACCIDENTAL LIFE 9.VERISIMILITUDE 10.EVERY PICTURE I PAINT 11.MELLOW DOUBT 12.CUL DE SAC 13.THE CABBAGE 14.AIN'T THAT ENOUGH 15.MY UPTIGHT LIFE 16.SPARKY'S DREAM 17.THE CONCEPT〜SATAN
encore
18.GOD KNOWS IT'S TRUE 19.SPEED OF LIGHT 20.ABOUT YOU 21.ALCOHOLIDAY 22.RADIO
posted on 2001/01/31
ロスエンジェルス / ザ・ブリリアントグリーン
ALBUM

ロスエンジェルス / ザ・ブリリアントグリーン

今年、民生とともに何度となく聴いているブリリアントグリーン通算3枚目の最新作。歌詞がすべて日本語詞となり、UKロック直系のハモンドを巧く効かせたギター・バンド・サウンドと日本人好みな甘くポップなメロディは、さらに深みと強度を増している。普遍的なロックのツボを押さえた曲のよさが今作も際立っていて、とても好きです。歌が多少下手だろうが、川瀬智子の声には独特の存在感があって、これもまた魅力的です。日本のポップシーンの代表格にまで成長したことをさらに決定付ける一枚。

posted on 2001/01/29
ギャラクシー・クエスト
CINEMA

ギャラクシー・クエスト

監督:ディーン・パリソット
GALAXIE QUEST [ 2000年 アメリカ ]
「スタートレック」のパロディを下敷きにしながら、話は妙な方向へでっかく展開。旬を過ぎた営業で食いつないでいる元ギャラクシー・クエストの役者たちが、いま一度、一致団結し、捨て身の大冒険を決行する。「NEVER GIVE UP ! NEVER SURRENDER !」という決めゼリフは、あまりに陳腐すぎて失笑されるのが普通だろうけど、これが劇中で猛烈な感動を呼びおこす。本気で戦っている人は、本気で楽しませて感動させてくれる。思いっきり笑ったり泣いたりしたい僕たちにとって、シガニー・ウィーバーのお色気も許せてしまうかけがえのない一本。

posted on 2001/01/28
ロザリー・ゴーズ・ショッピング
CINEMA

ロザリー・ゴーズ・ショッピング

監督:パーシー・アドロン
ROSALIE GOES SHOPPING [ 1989年 西ドイツ ]
あまりにも有名すぎる『バグダッド・カフェ』に比べると、こちらの方がカルト映画と呼ぶにはふさわしいように思えるパーシー・アドロン監督作品。アーカンソーの田舎で暮らすドイツ系子沢山変わり者一家の妻ロザリーを同じく『バグダッド・カフェ』のマリアンネ・ゼーゲブレヒトが演じている。一家のやりくりのため、ロザリーは犯罪的なまでにお金に執着。自ら犯した罪や悪事を全部カソリック神父に懺悔しつつも、クレジットカードや小切手に細工を加え、ドイツから旅行で来た両親の帰りの航空券をだまって売却し、しまいにはコンピューター・ハッキングを堂々かまして一財を築いてしまう。まさにカルトなヘンチクリンな映画。

posted on 2001/01/25
US AND US ONLY / THE CHARLATANS
ALBUM

US AND US ONLY / THE CHARLATANS

シャーラタンズはストーンズに最も近いバンドだと僕は前々から思っている。マンチェスター・ムーヴメントの括りで全英No.1デビュー。ギタリストの交代、ベーシストの鬱病。最愛のメンバー、ロブ・コリンズの逮捕劇、そして衝撃的な死。年月と音楽シーンの激しい移り変わりの中、バンド内の様々な致命的出来事を乗り越え、しっかりと存在感のある作品を発表し続けてきた彼らの不動の人気は揺るごうともしない。リリース当初、地味な印象のため諸手を挙げて絶賛する声は少なかったものの、こうして1年以上が経過し聴きなおしてみると、こうもいいアルバムだったのか!と今作の素晴らしさを再発見してしまう。作品の熟成具合からしてもストーンズだなぁ、と僕はまた思うのであります。

posted on 2001/01/24
SO ALIVE / ザ・イエロー・モンキー
ALBUM

SO ALIVE / ザ・イエロー・モンキー

先頃の1月8日東京ドームでのライブを最後に活動を休止したザ・イエロー・モンキー。活動を一旦休止するという事実のみで、あとは全くの白紙状態。吉井和哉は「力を付けて帰ってくることを約束する」と大阪ドームで宣言し、「普通の野良犬に戻ります」と言って東京ドームのステージを去ったらしい。彼らはなにかにつけ不細工でカッコ悪く、垢抜けないもどかしさを引き摺りながらも、真っ直ぐなロックバンドとして、誰よりも熱く、ファンを感動させ、そして愛され、巨大化していった。バンドのひとつの極みを見せた「SO YOUNG」以降、再びもどかしい格闘に突入し、ついには未来図の見えぬ形でいまを迎えたザ・イエロー・モンキー。1998/99年のパンチドランカー・ツアーを収録したこのライブ・アルバムが僕はとても好きだ。

posted on 2001/01/23
EUREKA
CINEMA

EUREKA

監督:青山真治
[ 2000年 日本 ]
台詞の言葉数こそ少ないが、だからこそ発せられる言葉のひとつひとつが重く、鮮明に心に響く。セピアな色調(クロマチックB&W)でプリントされた目にやさしい見事な映像は、主人公達を、映画を繊細なまでに深く深くさらけ出す。変わらない日常を生き続ける僕たちも、傷を負った主人公達の共同生活や旅姿を追いながら、ただ逃げているだけの日々を送っているのか、漠然とでも何かを始めようとしながら生きているのか、自らの存在意義、探し求めているものは何なのか、自らの哲学を問い考える。物語終盤、ジム・オルークの「ユリイカ」が流れる特別で秀逸なシーンを思い出しながら、また考える。変わらない日常でありつづけようが、行きようと意志を持った瞬間にすべてが色づきはじめるマジック。3時間37分の長尺を気にしてはいけない。静かな感動が波打つ、2000年代を代表する傑作。九州人として、九州が素敵に懐かしく思えた映画でもあった。

posted on 2001/01/21
リアル・ブロンド
CINEMA

リアル・ブロンド

監督:トム・ディチロ
THE REAL BLONDE [ 1997年 アメリカ ]
ブラボー!! マジでブラボーですよ!! この映画が公開されたときはウディ・アレンの後継者とかいわれて気にしてはいたんだけど、今日になって観て、いやはや素晴らしかったです。ウディ・アレン狂な僕からしても、まんまウディ・アレンな映画でしたが、故意的にマネようという意図であったとしても(ニューヨークが舞台の恋愛群像劇で精神科医もちゃっかり出てくる)、この巧さと完成度では認めざるを得ないでしょう。トム・ディチロ、スゲーよ!と思っていたら、調べたところ『ジョニー・スウェード』(ブラピ主演の空からブーツが降ってくるニック・ケイヴもヘンな人で出てくる奇妙な映画)をデビュー作として撮ってた人でした。な〜るほどねぇ〜。

posted on 2001/01/17

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