THE VERY BEST OF ELTON JOHN / ELTON JOHN
コアなロックファンにとってエルトン・ジョンはおおよそ無視された存在なのかもしれない。『ライオン・キング』の音楽をやったことで、なおさら評価対象から外されることに拍車がかかったことだろう。しかしながら、彼の音楽、とりわけ70年〜80年代の音楽を聴くに、どこも否定しようのない素晴らしい音楽であることは間違いなく、この2枚組のベスト盤は本当に愛聴してきているものだ。今でこそ誠実そうないいおじさんでも、ハチャメチャな私生活を送ってきた変人ロックンローラーであること。普遍的なメロディーをあんなにも生み出す才能があっても詩が書けず、作詩家のバニー・トウピンとコンビを組んで大成功したこと。カツラには億単位とウワサされているほど金が注ぎ込まれていること。音楽的な接点が全くないようなビースティ・ボーイズが「BENNIE AND THE JETS」(かなり好きな名曲です)をカバーしていたり、グラミーのステージでエミネムと共演したりしたこと。何かと逸話が多いのも、凄みを感じてしまうが、とにかく「サー」の称号を持つエルトン・ジョンの名曲はいつ聴いても素晴らしいということだ。