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列車に乗った男

CINEMA

列車に乗った男

監督:パトリス・ルコント
L’HOMME DU TRAIN
2002年 フランス・ドイツ・イギリス・スイス

そのタイトル(邦題)からして、ヴィム・ヴェンダース初期のロードムービーのようなものを期待してしまいましたが、列車のカットはオープニングしかなくて、とんだアテ外れでありました。しかしながら、とある田舎町の駅で列車を降りた男(物静かな銀行強盗)と、その町に住むひとり暮らしの老紳士(銀行強盗を夢見る元学校教師)という、地味渋に描かれる男ふたりの短い友情物語は、かつて『タンデム』という作品がルコントにはありましたが、ユーモアのエッセンスも含めた哀愁がやたら切なくさせる良作だったと思います。