マグノリア
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
MAGNOLIA
1999年 アメリカ
みなさん、もう観てると思うけど、これは凄い映画ですよ。オチはどうでもいい。あれは、アルトマンが『ショート・カッツ』で地震を起こしたのと、ある意味同じようなものだ。やってることは相当に頭おかしいが・・・(う〜ん、ブリリアント!)、でも、本当にすごいのは3時間衰えないグイグイ観る者を画面に釘付けにして離さないテンションであり、映画そのものだ。不安であり、恐怖であり、謎であり、愛であり、怒りであり・・・とにかく全編ふっと気を抜かせてはシリアスに緊張感が高まっていく。描かれているのは悲劇まじりのリアルな日常。登場人物が微妙に重なりあっていく巧妙な構成。長まわしショットの多用。エイミー・マン(懐かしい!)の歌声が流れ出すオープニング・シーンから「とんでもない映画だ!」と、ビシビシ興奮を感じさせる。劇場で観なかった自分を本気で呪いたく思うほどの★★★★★作品だった。