列車に乗った男
CINEMA

列車に乗った男

監督:パトリス・ルコント
L’HOMME DU TRAIN [ 2002年 フランス・ドイツ・イギリス・スイス ]
そのタイトル(邦題)からして、ヴィム・ヴェンダース初期のロードムービーのようなものを期待してしまいましたが、列車のカットはオープニングしかなくて、とんだアテ外れでありました。しかしながら、とある田舎町の駅で列車を降りた男(物静かな銀行強盗)と、その町に住むひとり暮らしの老紳士(銀行強盗を夢見る元学校教師)という、地味渋に描かれる男ふたりの短い友情物語は、かつて『タンデム』という作品がルコントにはありましたが、ユーモアのエッセンスも含めた哀愁がやたら切なくさせる良作だったと思います。

posted on 2004/11/23
歓楽通り
CINEMA

歓楽通り

監督:パトリス・ルコント
RUE DES PLAISIRS [ 2002年 フランス ]
父親も知れず、娼館で生まれ、娼館で育ち、娼館で働く中年男の物語。主人公が心から愛したひとりの娼婦に対して、自分は彼女の相手としてはふさわしくないと確信しているが故に彼女の世話をすることに終始し、彼女が恋に落ちる運命の男を探し出そうと頑張ったり、結果その男に自分は納得しなくとも、体を張って彼女の幸せのため、夢を壊さないためにひたすら尽くすという、ルコントらしいと言えばらしいのだが、ストイックなのにも程があると思わざるを得ない。『愛しのエレーヌ』や『夢見るシングルズ』のような映画はもう撮らないのかなぁ。ミシェル・ブランとのコンビをそろそろ復活して欲しいルコントであります。

posted on 2003/03/21
サン・ピエールの生命
CINEMA

サン・ピエールの生命

監督:パトリス・ルコント
LA VEUVE DE SAINT-PIERRE  [ 1999年 フランス ]
ジュリエット・ビノシュ、ダニエル・オートゥイユ、エミール・クストリッツア(監督としてご存知の方も多いと思うが、今回映画初出演)といった三人の抑えた渋い演技が印象的な愛と犠牲の中世劇。悪くはないが、いまいち決定力に欠けるか。ここまで毎回作風を変えられると、ルコントってどういう監督なのかよくわからなくなってくる。

posted on 2000/09/29

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