ECLECTIC / 小沢健二
二転三転した挙句ようやっとリリースされたシングル集『刹那』は、ジャケットが3種類もあるものの曲数が8曲プラス1トラックと、予想以上に厳選されてしまっているため、またしても謎が増えてしまった結果となったように思える。2年前、復活作として世に放った『ECLECTIC』の出来映えは素晴らしいものであったが、ここでも扉は開かれることなく、ついに表に登場することはなかった。タイミングの問題なのか、ポジショニングの問題なのか、契約上の問題なのか、何か決めあぐねずにはいられない環境なのかもしれない。元々、フリッパーズ・ギター〜小沢健二に距離を置いてきた自分にとって、アーバンソウルな洋楽インテリファンク的ハイ・フィデリティー・サウンドでバリバリ聴かせる『ECLECTIC』の変貌ぶりは特に気になることもなかったものだが、こう何年もだんまり決め込んでいるのは、さすがに気持ちが悪い。ブルーノートあたりでライブやっちゃえば良かったのに、小沢健二の沈黙とスティーブン・セガールの沈黙シリーズはいつまで続くのだろう。
posted on 2004/01/14