チェ・ゲバラ 人々のために
監督:マルセロ・シャプセス
CHE, UN HOMBRE DE ESTE MUNDO
1999年 アルゼンチン
10月9日はチェ・ゲバラの命日だった。革命家としての思想に決定的な影響を与えた南米各国を旅した若き日のチェを描いた『モーターサイクル・ダイアリーズ』は、是非とも観たい映画のひとつだが、そもそも彼とは何者なのかを知っておくにはちょうどいいドキュメント作品。生前の彼を知る、ともに闘い、間近で接してきた者たちによる証言の数々。キューバでの革命が成功後も安住の道を選ばず、つねに現場へと身を投じ、民衆の解放を信念として生きたがために、最後はボリビアで無残な死を遂げてしまったチェ・ゲバラ。しかし、だからこそ厚く信頼され、真のリーダーとしての魅力は、ジョン・レノンをして「あの頃世界で一番かっこいいのがゲバラだった」と言わしめたほど、彼の死後衰えることはない。