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KNOW YOUR ENEMY / MANIC STREET PREACHERS

ALBUM

KNOW YOUR ENEMY / MANIC STREET PREACHERS

前作『THIS IS MY TRUTH, TELL ME YOURS』の成功に対する反動、初期に戻ったマニックスとして、この通算6枚目の新作を全面的に歓迎することは残念ながらできなかった。前作は三人マニックスのあり方を一身に受け入れたという意味において、とても感動的な作品だった。過去との決別をついに果たせたはずなのだ。それを成功による反動としてなのか、再びパンクス宣言してしまった。新たな気持ちで作品に取り組む心意気は立派だが、過去を取り戻そうとしたのは、やはり失敗だったのではないだろうか。寄る年波と肉付きによって、エッジも丸くなっていることは否めないし、何よりオーバープロデュースすぎるところが不満だ。その本心を証明するにはもっとソリッドで剥き出しのライブ演奏のような気迫と性急な焦燥感を表現すべきだったのだ。たとえ一本調子でも、生身の三人でやり遂げるべきだったのだ。デビッド・ホルムズもケビン・シールズも必要なかったのだ。いまだに大好きなバンドだし、三人のマニックスとしての誇りはキューバでのライブなどから十分に伝わった。それは本当に素晴らしいことだと思う。あとは中身をどう追いつかせるかだろう。