open-air

FUJI ROCK FESTIVAL ’01(第2日) 2001.07.28. 苗場スキー場

LIVE

FUJI ROCK FESTIVAL ’01(第2日) 2001.07.28. 苗場スキー場

今宵その夜限りの歴史的ライブが重なり、二者択一で「今宵その夜」を聴くことを諦めるという愚かな自分を許してください。フジロックフェスティバルへの参加は豊洲以来。苗場に会場が移ってから、僕自身初参戦となった今年、土曜日の第2日のみながら行ってきたわけだけど、ルーキーがチケットも寝床もなくフジをサヴァイブするのは、やはり無謀だったと認めざるを得ない。越後湯沢からシャトルバスで12:00過ぎに会場に着くまでは順調だったけど、あてにしてた売人方がチケットを持ってないという予想を裏切る展開。それでも定価の14500円(高い!)で入場し、意気込んで今度はこの場で会おうと思っていた方々に連絡を試みるも全く携帯電話が通じない! これには完全にお手上げ。本当に残念。本当に無念。砂埃の舞う会場をざっと見渡して、ビールで一息ついたところで、なんというか充足感で満たされてしまったけど、ロック・フェスということを思い出し、ライブ観戦へ。

Patti Smith – green stage
そんなナンダカンダでまともに観る本日の一発目は15:30のパティ・スミス。もう言葉にならないくらい猛烈に感動してしまい、しょっぱな「グロリア」でウルウル。四方を山に囲まれた見事なロケーションにパティの声が爆音でこだまするわけですよ。相変わらず声が出るわけですよ。そんでもって「ビコーズ・ザ・ナイト」や「ロックンロール・ニガー」をブチかましてくるわけですよォ! 今回のベスト・アクト、早くも決定。苗場に来てよかった・・・。

Stereophonics – green stage
パティ・スミスでさらに充足感に満たされてしまい、サウスを見逃すという失態を犯してしまった。素晴らしかったとあとから聞いて、大後悔。フジロックによくある風景に僕も染まってしまったようだ。ステレオフォニックスは前半にヒットメドレー、後半に新作からという感じのものであった。落ち着いてしまったのか、疲れているのか、いまいち冴えがないような印象。

☆Mogwai – white stage
すっかり日も暮れて、モグワイを初めて観る。弦楽四重奏部隊の重厚なエレクトリック・ノイズがドやかましく鳴り響くも、4つはあった床置きミラーボールの威力も凄まじく、エレクトリカルなライトショーと重なり不思議な感動をいざなう。次回の単独公演は必ず行こうと思った。スチュワート、小さい。

Echo & The Bunnymen – red marquee
イントロが鳴るたびに大歓声が沸き起こり、ここは一体・・・とヘンな気分になったりもしたが、盛り上がるのも納得の絶好調過ぎるパフォーマンス。こんなにタフなバンドだったのか? 相変わらずイアン・マッカロクは寝癖あたまで無愛想な音程で歌っているのだが、やっぱいい声持ってるよなぁ、としきりに感心。

☆New Order – white stage
本日の目玉。このためにはるばる新幹線に乗ってやって来たのは、僕だけではない。期待が大きい。ビリー・コーガンがゲストという効果もあったと思うが、危険なまでに期待が大きすぎる。そして、ELECTRAGLIDEのときのアンダーワールドと同じになるんじゃないかという不安は的中。代名詞的に下手と言われ続けてきたライブを目の当たりにして、本気で当惑してしまった。なぜなら、本当に下手だったから! そして、バーニーとフッキーは突き出た腹をものともせず、見事に決まらないアクションを繰り返す。どれもこれもカッコ悪くて、何も知らない人に「このバンド、死ぬほど好きなんだよ」とか言っちゃうと、僕自身のセンスを疑われること間違いなしだろう。それでも目の前で演奏している人たちはジョイ・ディヴィジョン〜ニュー・オーダーと生涯を生きてきた人たちであって、その事実は否定できない。開き直っているように見えて、本質はなんにも変わっていなかったことが、十分にわかった。ありがとう、ニュー・オーダー。やっぱり僕のヒーローだ。

深夜0:00過ぎ、以上でクラブテントとサーカス以外のプログラムは終了した。大混線の携帯電波が徐々に減ってゆく。疲労も限界、気温も低下。ダヴ・スクワッドも田中フミヤも楽しむ余裕はなかった。長袖Tシャツ、ウインドブレーカー、カッパと着込んで横になったり、うろうろしたりしながら、ようやく朝を迎える。4:00過ぎ、本陣の湯という温泉につかる。一気に体が軽くなった。最高に気持ちいい。あとは寝るだけ。覚醒しきった頭と身体で、お昼、帰宅。たっぷりうがい、バタンキューで、フジロック苗場初挑戦の幕が下りた。

SET LIST
Patti Smith set list
1.GLORIA 2.PRIVILEDGE 3.DEAD CITY 4.FREDERICK 5.GLITTER IN THEIR EYES 6.DANCING BAREFOOT 7.HEART SHAPED BOX 8.SEVEN WAYS OF GOING 9.BECAUSE THE NIGHT 10.PISSING IN A RIVER 11.BABELOGUE 〜 ROCK’N'ROLL NIGGER

Stereophonics set list
1.LOCAL BOY IN THE PHOTOGRAPH 2.MORE LIFE IN A TRAMPS VEST 3.A THOUSAND TREES 4.TRAFFIC 5.THE BARTENDER AND THE THIEF 6.JUST LOOKING 7.PICK A PART THAT’S NEW 8.I WOULDN’T BELIEVE YOUR RADIO 9.VEGAS TWO TIMES 10.MR. WRITER 11.HAVE A NICE DAY 12.STEP ON MY OLD SIZE NINES 13.ROOFTOP

Mogwai set list
1.SINE WAVE 2.FEAR SATAN 3.YOU DON’T KNOW JESUS 4.HELICON 1 5.SECRET PINT 6.2 RIGHTS MAKE 1 WRONG 7.MY FATHER MY KING (JEWISH HYMN)

Echo & The Bunnymen set list
1.LIPS LIKE SUGAR 2.RESCUE 3.AN ETERNITY TURNS 4.DANCING HORSES 5.BACK OF LOVE 6.KILLING MOON 7.THE CUTTER 8.ANGELS AND DEVILS 9.FLOWERS 10.HEADS WILL ROLL 11.DO IT CLEAN
encore
12.VILLIERS TERRACE 13.OCEAN RAIN

New Order set list
1.ATMOSPHERE 2.CRYSTAL 3.REGRET 4.LOVE VIGILANTES 5.ISOLATION 6.YOUR SILENT FACE 7.SLOW JAM 8.TURN MY WAY 9.BIZARRE LOVE TRIANGLE 10.CLOSE RANGE 11.TOUCHED BY THE HAND OF GOD 12.TRUE FAITH 13.TEMPTATION 14.LOVE WILL TEAR US APART
encore
15.RUINED IN A DAY 16.60 MILES AN HOUR 17.BLUE MONDAY
代官山物語

CINEMA

代官山物語

監督:新藤三雄
1998年 日本

先日、初めて行った代官山。特に街をぶらつくこともなく「代官山食DO」でランチを食べて、さっさと帰ってしまった。こういうのを観ると自分が東京的なファッションやオシャレに対して歪んだコンプレックスを持っているというか、なんかものすごい嫌悪感を感じてしまう。テイ・トウワがレコードを万引きするのはカラックス『ボーイ・ミーツ・ガール』へのオマージュのつもりか。でもテイ・トウワのヘンな感じはおもしろかった。さすが吉本。あとはあの髪型でない小山田圭吾の姿が観れるのはここだけかも。単に女装してるだけだけど。

スカート / CHARA

SINGLE

スカート / CHARA

ジェームズ・イハのソロについて、否定的な意見というのを僕は聞いたことがない。スマッシング・パンプキンズも解散してしまって、とっととソロ作を作れよ!と思うファンをよそに、なーんか自分のブランドデザインやったり、やきもきさせているところに今回のシングルである。やはり、いま求められているのはシンプルに良い曲に良いメロディだと思う。それを実現させるにCHARAのイハの起用は圧倒的に正しかった。アンディ・チェイス、岡村ちゃん、その他ポップ職人がごっそり参加したアルバムにも、良い曲に良いメロディがあふれていることだろう。

CRYSTAL / NEW ORDER

SINGLE

CRYSTAL / NEW ORDER

歓喜のニュー・シングル。表題の新曲だけならアルバムまで待っても、往復ビンタ執行猶予つきで許されたかもしれないが、1998年レディングのライブ音源を耳にしてしまっては即購入するしか術はなかった。「TRUE FAITH」「TEMPTATION」に、JOY DIVISION時代の「ATMOSPHERE」「ISOLATION」である。まさに歓喜のシングルである。もはや、フジロックの土曜日はなにがあろうと出陣するしかない。「ATMOSPHERE」はビリー・コーガンが歌ってしまうのだろうか? 興味は尽きないが、新曲についてひとこと。モナコとエレクトロニックをうまく2001年風にブレンドした感じ。当たり前だけど、まるで違和感のないニュー・オーダーでした。ジャケットはもちろん、ピーター・サヴィル。

LOST SOULS / DOVES

ALBUM

LOST SOULS / DOVES

マンチェスター。かつての狂騒の中では沈んでいた彼ら。失われた魂(複数)というタイトルに込められたその思いはマイナーコードの調べとともに美しく結実した。昨今のUKシーンを見回しても、彼らほど洗練され熟練されたバンドはいないのではないだろうか。敗北あってのロック。どんなに古くさい思想だろうが、やはりロックの本質はそこなのだ。

シベリア超特急

CINEMA

シベリア超特急

監督:水野晴男
1996年 日本

悠長にグレープフルーツジュースでも飲みながら観ようかと思ってコップに口をつけた瞬間吹き出してしまった。監督の期待とは全く別の意味で評判となりシリーズ第3作が作られようとしている現在、すっかり水野晴男は日本のエド・ウッドの地位を手中にしたかに見える。巨大なおばけタコがハリボテの作り物だったように、舞台のシベリア特急は決して前へ進まない。その他大勢の映画評論家がコキ下ろせばコキ下ろすほどに、水野晴男の立場がより強固なものへと確立されていく大逆転の構造を生み出したわけで、ある意味日本映画史に残る作品といっていいだろう。

SUBSTITUTE 〜 THE SONGS OF THE WHO

ALBUM

SUBSTITUTE 〜 THE SONGS OF THE WHO

本作に収録されているデビッド・ボウイによる「リリーのおもかげ」を聴く。ボウイさんがフーのトリビュートに参加することは特に珍しいことではない。元々、彼はモッズであったし、かつてのカヴァー集『PIN UPS』でも2曲もフーの曲を取り上げているほど。今回の「リリーのおもかげ」は、もう膝から崩れ落ちんばかりの悶絶モンのトラックである。聴いたか? 彼はまだ絶倫を維持しているのかもしれない。参った。 

マテリアル / ACO

ALBUM

マテリアル / ACO

新作と同じくして刊行された彼女の単行本に掲載された数々の写真を見るに、人間としてちょっとどうかと思ってしまったりもしたものだが、このアルバムに苦言を申すことは誰もできまい。デビューしたてだった頃のACOはいまいずこ。エイドリアン・シャーウッド&スキップ・マクドナルドのチームに加え、ニック・イングマン、下田法晴、前作に続いての砂原良徳らとのコラボレートが奏でる、最高級のポップ・ミュージック。ついに彼女のアーティスト性が極まった、ACOという女性の仕事を称えよ!

フォーエバー・フィーバー

CINEMA

フォーエバー・フィーバー

FOREVER FEVER
監督:グレン・ゴーイ
1998年 シンガポール

いわゆるシンガポール版の『サタデー・ナイト・フィーバー』なのだが、エスニックな東南アジアの要素が絡み合って異様な映画になっていて、かなり笑ってしまった。ブルース・リーに憧れる青年が『サタデー・ナイト・フィーバー』を観て、突如ダンスに目覚める。コンテストに出場し、その優勝賞金でバイクを買うのが夢だ。しかし、弟が突然、性転換手術を受けるとカミングアウト! 妄想で出てくる似てないジョン・トラボルタに指南され、成長していく主人公の、アヤシイ青春ダンシング・ムービー。

LIVE

青山陽一 2001.06.17. ヴァージンメガストア新宿店

日本のヒットチャートを賑わす無駄に騒々しいキンキン・サウンド、やたら力みすぎの人たちなど、決定的に歌心が欠けてる連中に興味が芽生えることは絶対にない。もうどれもこれも疲れてしまいます。その点、青山陽一は僕がいちばん日本に求めているものといっていいだろう。短い時間だったが、生で彼の音楽に触れて、ものすごく心が晴れる思いがした。ラストはスペシャルゲスト鈴木茂(TIN PAN)の「砂の女」をデュエット。素晴らしい貴重なシーンだった。

SET LIST
1.BIG CHILD 2.難破船のセイラー 3.キキミミタテル 4.4D RAVEN 5.砂の女