

デッド オア アライブ 犯罪者
監督:三池崇史
1999年 日本
絶句・・・・・・。ウワサには聞いていたけど、このラストって・・・、いやー、興奮しました。オチでまさか、クゥあぁぁー、書かない方がいいですね。哀川翔VS竹内力。竹内力が悪役の表情に徹していた分、刑事哀川翔が人間味のある演技で想像以上に格好いいが、ラストであんなことが起こせるのは竹内力以外に考えられないわけで、それだけの凄みが竹内力には備わっているということだ。とにかく必見!と僕も言わさせていただきます。


アンドロメディア
監督:三池崇史
1998年 日本
話題の三池崇史が過去に撮ったアイドル映画。メインにSPEED、サブにDA PUMPという布陣。このいたしかたないキャスティングではあっても、しっかりアイドルたちを引き立たせた立派におもしろい映画だった。ファン以外の一般の目で観ても楽しめるという点で、さすがだなと思う。ファンタジーが強すぎて、僕は泣くには至らなかったけど、ストーリーをまとめてラストは美しく感動的。もちろん、角川映画ではありません。


イディオッツ
IDEOTERNE / THE IDIOTS
監督:ラース・フォン・トリアー
1998年 デンマーク
カメラは手持ちでなくてはならないなどといった10のルールに則って映画を製作する「ドグマ95」という組合がある。ラースはそれの代表にもなっており、この作品は「ドグマ95」の2番目の作品として制作されたものである。一言で言えば、今作はドグマの教則映画で、退屈なものだった。『奇跡の海』のように慈悲深い激愛でもなければ、『キングダム』のように黒々しいギャグに暴走するでもない。内容的にもどっちつかずで、いまいち振り切れないシコリが残る。いままでオクラになっていただけに、ラース作品だから観たいという人たちも多いと思うが、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』と同じ期待を『イディオッツ』にかけるのは、よした方がいいだろう。2001年3月23日より恵比寿ガーデンシネマにてレイトショー。


リトル・ヴォイス
LITTLE VOICE
監督:マーク・ハーマン
1999年 イギリス
とっくに結婚して、娘までいるのに、ユアンのこの清々しさといったら! 伝書バト飼ってるってのが、またイイ。中年の名優ふたりもハツラツとしてて、なんだか全体的に異様なテンションで押し切られた映画でした。最後のオチは、しっかりイギリス映画特有の空気だったけど、それもまたよしです。LVの歌声よりも、普通の声が本物なのか気になる。


オースティン・パワーズ デラックス
AUSTIN POWERS:THE SPY WHO SHAGGED ME
監督:ジェイ・ローチ
1999年 アメリカ
マイク・マイヤーズのつくり笑顔。これができたら人生困らないだろうなあ。「シャガデリック」な美女にモテモテ。一生困らないだろうなあ。ヘザー・グレアムがキュートだったので、『デラックス』のほうが好みかな。60’sテイストを持ってくるセンスはお見事。バカラックも出てるし(コステロは余計だったが。オッサン、人間も身体も丸くなりすぎ)。全然関係ないけど、マイク・マイヤーズとつんく、似てると思った。


真夜中の虹
ARIEL
監督:アキ・カウリスマキ
1988年 フィンランド
よかった。感覚としては北野武に非常に近いものを感じた。ナレーションは一切無し。数少ないセリフといい、また映像に関しても無駄に説明を加えるようなことは何ひとつしていない。この潔くも淡白な映画は、だからこそ多くを表現している。73分という短さといい、文句のつけようのないプロフェッショナルな作品だ。


ゲット・オン・ザ・バス
GET ON THE BUS
監督:スパイク・リー
1996年 アメリカ
100万人の黒人男子(ブラザー)が集うデモ行進に参加するため、LAからワシントンD.C.へ1台のバスの道中を描いたロード・ムーヴィー。ともにバスで移動する仲間たちのふれあい、いざこざ、お説教、うたの数々。同じ黒人同士でも、正しい正しくないは無理に問わず、直接的な意見のぶつかり合いは絶えず劇中繰り広げられる。ひとつの黒人と括らず、キャラクター豊かに個々の人間として彼らを捉えているところが重要なポイント。『ガール6』で、もう終わったと思っていたが、スパイク・リー健在と見直すには十分な価値ある感動作だ。


ブルワース
BULWORTH
監督:ウォーレン・ビーティ
1998年 アメリカ
完全にウォーレン・ビーティの独壇場。冒頭シーンでは想像できないほどハチャメチャに壊れまくるウォーレン・ビーティが無性にカッコイイ。いままであったか、こんなウォーレン・ビーティ。思いっきり見直してしまいました。この映画にしても言えることは、選挙の結果なんてどうだっていいってことだ。とにかく見所はウォーレン・ビーティの言動と行動につきる。ラップして、DJやって、ハッパ吸って、踊りまくって、若い黒人女性とツルんで、しまいには半ズボンで金持ち連中を罵倒する。これはこれでものすごいエネルギーだが、バカだとは思わない。僕は正直な気持ちで、ブルワースに一票を投じたい。


ケス
KES
監督:ケン・ローチ
1969年 イギリス
イギリスの名匠ケン・ローチ1969年の作品。絶望的日常を生きる少年を通して、当時のリアルな世相が描かれている。ロクデナシな兄貴、ロクデナシなクラスメイト、ロクデナシな教師、ロクデナシな大人、ロクデナシな未来・・・。ロクデナシな社会での集団生活の中で、少年はひとりタカを訓練することに自分の生きがいを感じる。劇中におけるそんな少年の言葉はどれも真実だが、社会全体が行き場を失っている現実は無情であり、ここといまからは逃げられない。


僕たちのアナ・バナナ
KEEPING THE FAITH
監督:エドワード・ノートン
2000年 アメリカ
ハッピー・エンディングな良質のラブ・コメディ。それ以上でも以下でもないが、個人的にはこの手のものが大好きだったりする。恋に飢えていながら、映画で現実逃避をしている臆病者なのだ。今作は男性的観点から描かれているので、親友同士のベン・スティラーとエドワード・ノートンの役は非常に深みのあるものだったと思う。だからこそ彼らに比べると、ジェナ・エルフマンの役が薄いというのは否めないが、彼女の存在感はしっかり映画の印象に焼きついた立派なものだった。テレビの『ダーマ&グレッグ』とは全く違う、一切ボケ無し、しっかり者のキャリア・ウーマンだったのが新鮮に思えたのかも。
