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エル・トポ

CINEMA

エル・トポ

EL TOPO
監督:アレハンドロ・ホドロフスキー
1967年 アメリカ・メキシコ

鮮烈のカルト作家による異色ウエスタン。後の『ホーリー・マウンテン』ではさらに過激さを増す、鮮血、死体、暴力、フリークスといった目に飛び込んでくる映像のインパクトはやはり強烈だ。自ら神と名乗る主人公エル・トポと砂漠に住む4人の銃の達人との決闘。死後甦ったエル・トポは地底生活者を救うため町へと続くトンネルを掘る。オープニングから結末まで不思議かつ好奇な感覚で満たされる、奇妙で神秘的な映画体験。

キングピン ストライクへの道

CINEMA

キングピン ストライクへの道

KINGPIN
監督:ピーター・ファレリー、ボビー・ファレリー
1996年 アメリカ

ファミリー向けではないブラックテイストなギャグ満載! 性や宗教、身障者にハゲと一部良識派には刺激が強すぎるかもしれないけど、こういうの大好きです。ファレリー兄弟の続く『メリーに首ったけ』と同じく、ジョナサン・リッチマンが登場して歌っているのも嬉しい。それにしてもボーリングとダメ男の相性って、どうしてこうもバッチリはまってしまうのか不思議ですね。

セシル・B ザ・シネマ・ウォーズ

CINEMA

セシル・B ザ・シネマ・ウォーズ

CECIL B. DeMENTED
監督:ジョン・ウォーターズ
2000年 アメリカ・フランス

こんなにも純朴な壊れ方ができるウォーターズ監督は本当にステキだ。何もかも仕組まれた結果でしかない映画=マイ・ワールドを取り戻す。ハリウッドの映画システムに言及し、主人公達の繰り広げる過激な自主映画作りのテロリズムは、無言の抑圧はびこる現代社会を生きる僕たちにとっても痛快で爽快! 健全なる狂人魂ここにあり。

ワイルドバンチ

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ワイルドバンチ

THE WILD BUNCH
監督:サム・ペキンパー
1969年 アメリカ

「動いたら 殺せ / IF THEY MOVE, KILL ‘EM」 冒頭のウィリアム・ホールデンのセリフで緊張感が一気に高まり、市民を巻き込んだ凄まじい銃撃戦へ。追う者、追われる者、支配する者・・・、戦う者たちすべてが悪という図式。善悪の区別なく男を描いているのが素晴らしく魅力的だ。その男たちのプライドと友情、郷土愛が交錯し、死を決してのラストの大銃撃戦へと物語は導かれる。巨匠サム・ペキンパーの最高傑作であり、アメリカ西部劇の金字塔。

ナビィの恋

CINEMA

ナビィの恋

監督:中江裕司
1999年 日本

沖縄県栗国島を舞台にした老若男女の恋愛模様。ズバリ言って、老の部がよいです。若の西田尚美&村上淳カップルも健闘してるけど、思いを馳せる待ち人が60年経って約束を果たしに島に戻ってくるなんて、ロマンチックすぎるぜ!ってことで、老の部がよいです。嗚呼、行ってみたいな栗国島。

クレイジー・イングリッシュ

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クレイジー・イングリッシュ

CRAZY ENGLISH
監督:チャン・ユアン
1999年 中国

「英語を話せるようになってお金持ちになろう! 恥を捨てて体全体で英語を学ぼう!」と、中国全土を説いてまわる政府公認のスーパースター、リー・ヤン先生のドキュメンタリー。欧米、日本への対抗意識を「MAKE MONEY!!」の単純論法で植え付けるその熱い姿勢は痛快であり、脅威に思える。これがカルト現象ではない事実にア然としてしまった。2000年紀、中国の時代はすぐそこなのかもしれない。実はこのリー先生、映画のプロモーションで来日したようだが、それまで外国に行ったことがなかったことが判明。驚いた。この先生、やっぱ狂ってる。でもすごい。

1984

CINEMA

1984

NINETEEN EIGHTY-FOUR
監督:マイケル・ラドフォード
1984年 イギリス

デビッド・ボウイの傑作アルバム『ダイアモンドの犬』(1974年発表)は、この映画の原作であるジョージ・オーウェルのSF小説をミュージカル化するというアイデアから生まれたものだ。結局ミュージカル化は著者の未亡人が許可しなかったため制作されることはなかったが、その後に出会ったウイリアム・バロウズの精神性と融合し、『ダイアモンドの犬』となったのである。スクリーンで監視され、政治プロパガンダ放送がひっきりなしに流れ、言葉を制限し、歴史の史実は日々作り変えられる、徹底的に管理された国。思想犯罪は容赦ない拷問と洗脳の末に処刑される、自由や異とすることを思っては生きていけない世界。教科書の言葉が消えていったり、変わっていったりしている今の日本を考えると、この物語も2001年にしてフィクションとして語れなくなっているようで恐ろしい。

ワンダーランド駅で

CINEMA

ワンダーランド駅で

NEXT STOP WONDERLAND
監督:ブラッド・アンダースン
1998年 アメリカ

最近の日本の恋愛ドラマは毎度高視聴率を上げているようだが、全く観ていないのでさっぱりよくわからない。なかにはよいものもあるのかもしれないけど、この映画の粋な完成度を越えるなんてものは絶対ないと自信を持っていえるほど、これは素晴らしく良い映画でございました。ストーリー、俳優、セリフ、カメラワーク、演出、ボストンという街・・・そのどれもが日本のドラマ関係者が悔しがる(パクリたい)ような冴えたセンスを放っていて、とにかくステキすぎます。この映画のように、都市生活の孤独からサヨナラしたいな。

ワールド・イズ・ノット・イナフ

CINEMA

ワールド・イズ・ノット・イナフ

THE WORLD IS NOT ENOUGH
監督:マイケル・アプテッド
1999年 イギリス

「世界ではもの足りない」という007史上に残るジェームズ・ボンドのセリフにシビれましょう。ボンドとしては安定期に入った伊達男ピアース・ブロスナン、ロバート・カーライルとソフィー・マルソーという異様な組み合わせの悪玉コンビ、裏切り者でここでも殺される悪役商会ゴールディ、そしてボンド・ガールは若さに軍配デニース・リチャーズ(彼女の出演作っていいよね!)というキャストの顔ぶれだけでも楽しい。アンチ・マッチョな僕でも、ボンドには憧れてしまいます。

MONDAY

CINEMA

MONDAY

監督:サブ
2000年 日本

サブ監督作品には過去の3作ともスタンディング・オーベイションを送ってきた僕でも、今回のシュールすぎる展開には、いい意味ではない方向で思わずうなってしまった。毎度シュールといえばシュールなのだけど、いまいち抜けきれていない歯切れの悪さのほうが目立ってしまっている。おなじみ堤真一が主演といえ、酒に酔っただけの主人公だったのがダメだったのかもしれない。ちょっと今作はムダにメッセージ性を盛り込んだり意識しすぎたか。