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スターダスト・メモリー

CINEMA

スターダスト・メモリー

STARDUST MEMORIES
監督:ウディ・アレン
1980年 アメリカ

ウディ・アレン好きとはいえ、あまりに作品を量産してらっしゃる方なので、ところどころ取りこぼしてるわけですが、こいつがまたうなるほどの傑作でした。『アニー・ホール』、『マンハッタン』、『カイロの紫のバラ』をベスト3に挙げてしまいがちですが、これもかなり肉迫するくらい好きかも。ずば抜けた皮肉と笑いのセンスで気を抜かせたあとに、ほとばしるロマンチックな描写にノックアウト。シャーロット・ランプリングを見つめるシーンに恋人のいない僕も至福を感じてしまいました。でもこれは恋人のいるいないも、男も女も関係ないでしょう。アレン版『8 1/2』といえる彼の趣味・嗜好も色濃く出た、見応え十分、必見の一本。

まわり道

CINEMA

まわり道

FALSCHE BEWEGUNG
監督:ヴィム・ヴェンダース
1975年 西ドイツ

人はそのときどきにおいて壁にブチ当たったり途方に暮れたりしてしまうものだ。僕にもよくあることだが、特に2ヶ月前は仕事もなく本当にどうしようもない状況で、とにかく徹底的に痛めつけられているような気分の毎日だった。そんな時にこの映画を観た。書けなくなった小説家が母親の勧めで旅に出て、その先々で出会う見知らぬ人達といつしか行動を共にする。非常に低いテンションで先の見えぬ旅を続ける姿につられるまでもなく気分はロウのままであったが、最後を締める「結局僕はまわり道ばかりしてるのかもしれない」という言葉が僕にとってかなりの救いだったのかもしれない。

チェブラーシカ

CINEMA

チェブラーシカ

CHEBURASHKA
監督:ロマン・カチャーノフ
1969年 ロシア

生まれてこのかたペットらしいペットを飼ったことがない僕ですが、チェブラーシカとならいっしょに暮らしたいなと思ってしまいました。なんかめちゃめちゃウマが合いそう。自分が何物かがわからないアイデンティティの所在のなさが決定づけている、こんなキャラクターにあるまじき地味な性格。ひとりぼっちで内気でほとんど視線は下向きだけど、ちょっぴり天然で純粋なまんまるい目と時折見せる笑顔があまりにチャーミング!! しんみりしつつも強烈にシンパシーを抱いてしまったのであります。

代官山物語

CINEMA

代官山物語

監督:新藤三雄
1998年 日本

先日、初めて行った代官山。特に街をぶらつくこともなく「代官山食DO」でランチを食べて、さっさと帰ってしまった。こういうのを観ると自分が東京的なファッションやオシャレに対して歪んだコンプレックスを持っているというか、なんかものすごい嫌悪感を感じてしまう。テイ・トウワがレコードを万引きするのはカラックス『ボーイ・ミーツ・ガール』へのオマージュのつもりか。でもテイ・トウワのヘンな感じはおもしろかった。さすが吉本。あとはあの髪型でない小山田圭吾の姿が観れるのはここだけかも。単に女装してるだけだけど。

シベリア超特急

CINEMA

シベリア超特急

監督:水野晴男
1996年 日本

悠長にグレープフルーツジュースでも飲みながら観ようかと思ってコップに口をつけた瞬間吹き出してしまった。監督の期待とは全く別の意味で評判となりシリーズ第3作が作られようとしている現在、すっかり水野晴男は日本のエド・ウッドの地位を手中にしたかに見える。巨大なおばけタコがハリボテの作り物だったように、舞台のシベリア特急は決して前へ進まない。その他大勢の映画評論家がコキ下ろせばコキ下ろすほどに、水野晴男の立場がより強固なものへと確立されていく大逆転の構造を生み出したわけで、ある意味日本映画史に残る作品といっていいだろう。

フォーエバー・フィーバー

CINEMA

フォーエバー・フィーバー

FOREVER FEVER
監督:グレン・ゴーイ
1998年 シンガポール

いわゆるシンガポール版の『サタデー・ナイト・フィーバー』なのだが、エスニックな東南アジアの要素が絡み合って異様な映画になっていて、かなり笑ってしまった。ブルース・リーに憧れる青年が『サタデー・ナイト・フィーバー』を観て、突如ダンスに目覚める。コンテストに出場し、その優勝賞金でバイクを買うのが夢だ。しかし、弟が突然、性転換手術を受けるとカミングアウト! 妄想で出てくる似てないジョン・トラボルタに指南され、成長していく主人公の、アヤシイ青春ダンシング・ムービー。

シックスティナイン

CINEMA

シックスティナイン

6IXTYNIN9
監督:ベンエーグ・ラッタナルアーン
1999年 タイ

ウォシャウスキ兄弟の『バウンド』を彷彿とさせるサスペンス映画。こちらもかなりおもしろい。突然会社を不運にもくじ引きで解雇された女性が100万バーツの大金を手にしたことから次々と巻き起こる危険な出来事。恐ろしく冷静な主人公にドキドキさせられっぱなし。ラストのカポーティの言葉が印象深い。

メトロポリス

CINEMA

メトロポリス

監督:りんたろう
2001年 日本

緻密で繊細な画の表現技術は世界一だろう。手塚治虫の原作を読んでないので、どこまで大友克洋が脚色したものか確認できないが、ラストの持っていき方や加速する破壊へのクライマックスは、かなり大友のカラーが出てたように思える。人間の底無しの欲望、無限に発達する科学文明への警鐘。ロボットと人間の共生をテーマに主人公の純粋な愛の姿に思わずホロリとさせられました。

サイコ・ビーチ・パーティー

CINEMA

サイコ・ビーチ・パーティー

PSYCHO BEACH PARTY
監督:ロバート・リー・キング
2000年 アメリカ

1960年代のマリブ・ビーチを舞台にした、二重人格少女を主人公にした青春サスペンス・コメディ。ひっさびさにくっだらない映画を観たなーって感じで、すごく楽しめた。オカマ警部役の人が書いた舞台が元らしいが、なんかみんなわかりやすいキャラがあってチャーミング。「ダーマ&グレッグ」のグレッグがカリスマ・サーファー役で出演している。

NYPD15分署

CINEMA

NYPD15分署

THE CORRUPTOR
監督:ジェームズ・フォーリー
1999年 アメリカ

チョウ・ユンファ、登場シーンから寝転び二丁拳銃という大サービス。映画はソツのない中国マフィア対NY市警モノではあったが、ユンファのアメリカ進出後、いちばんいい出来のように思う。ただ耳を噛み千切る怪演を知っているファンとしては、キレっぷりがいまいちだったのが残念なところ。