

TEENAGE FANCLUB 2003.03.03. 新宿リキッドルーム
ものすごく良いのだけど、ものすごく大好きだから、1時間ちょっとの尺ではどうにも物足りなく思えるわけで、昨年リリースしたベスト盤より曲が少ないのは辛い。『13』からは一曲だけだし、佳曲揃いの『SONGS FROM NORTHERN BRITAIN』からたくさん演奏してくれたはいいが、「SPEED OF LIGHT」が聴けなかったのはとても残念だ。まあでもこの人たちにはいつまでもバンドを続けて欲しいし、ポール・マッカートニーのように60歳になってもライブやって、そこでも一緒に歌を口ずさみながら観たいものです。とりわけ好きな「YOUR LOVE IS THE PLACE WHERE I COME FROM」に、サマーソニック以来の「EVERYTHING FLOWS」は嬉しかったなぁ。髪を切ったノーマンはちょっとだけおすぎに見えた。
1.ABOUT YOU 2.START AGAIN 3.DON'T LOOK BACK 4.YOUR LOVE IS THE PLACE WHERE I COME FROM 5.DID I SAY 6.STAR SIGN 7.WHAT YOU DO TO ME 8.VERISIMILITUDE 9.PLANETS 10.I NEED DIRECTION 11.MELLOW DOUBT 12.AIN'T THAT ENOUGH 13.THE WORLD'LL BE OK 14.THE CABBAGE 15.SPARKY'S DREAM 16.EVERYTHING FLOWS
encore
17.I DON'T WANT CONTROL OF YOU 18.DISCOLITE 19.THE CONCEPT〜SATAN


小島麻由美 2003.02.28. 赤坂ブリッツ
昨年に引き続き新作『愛のポルターガイスト』を発表した彼女の単独ライブを観ることができて、本当に幸せだ。歌ってないときは相変わらずハラハラさせられっぱなしだったけど、アクションも表情も最小限にあの見事なほど妖艶な声で歌う彼女はとにかくカッコ良い。ASA-CHANGを中心としたおっさんばかりの激渋バンドは、ゲストに新作で参加したサックス・菊地成孔を加え、それはそれは大変に艶やかで素晴らしく、客として何とも贅沢な気分を味わうことができた。赤いホットパンツにブーツという彼女に春の訪れを感じた一夜でした。
1.愛のポルターガイスト 2.恋はサイケデリック 3.ショートケーキのサンバ 4.ロックステディガール 5.真夜中のパーティー 6.セシルカットブルース 7.月の光 8.蜜蜂 9.はつ恋 10.背後に気をつけろ! 11.赤と青のブルース 12.ハードバップ 13.黒猫 14.眩暈 15.黒い革のブルース 16.結婚相談所 17.パレード 18.愛しのキッズ 19.恋の極楽特急 20.皆殺しのブルース


奥田民生 2003.02.01. 日本武道館
昨年リリースしたアルバム『E』に伴う全国ホールツアーのファイナル、武道館2DAYSの最初の日に行ってきました。思えば昨年1月、川崎クラブチッタで観たとき話の流れで「次のツアーで衣装でも作りますか」と言ってたけど、本当にバンドメンバーも含めて全員同じスーツで今回のツアーは決めてきたみたいで、毎度飽きさせない新しいことをやってくるところはさすが。サックスを二度三度手に取って吹いたりもしてたし、古田たかしさんが宙に舞いあがったり、珍しいもの見せてくれます。中でも、「御免ライダー」のときの超巨大ミラーボールは笑ったけど、感動したなぁ。あれ一曲だけしか出番がないなんて、ちょっと勿体無かった気もするほど、デカかった! ツアーファイナルとあって、途中ゲストとしてドラムにチャーリー・ドレイトン、ベースに小原礼も参加する一幕も。その際、ドラムセットのセットチェンジの最中、小ネタを挟んだりと、いろいろ楽しませてくれました。何と言っても歌と演奏は申し分ないわけで、「ヘヘヘイ」の高揚感は特別凄かったです。楽曲がこうしてナマの場ででき上がるわけで、やはり民生はライブを堪能してこそですね。
1.俺は知ってるぜ 2.まんをじして 3.海へと 4.家に帰れば 5.E 6.トリコになりました 7.AND I LOVE CAR 8.HORSES(斉藤有太ソロ曲) 9.人間 10.荒野を行く 11.鼻とフラワー三世 12.鼻とフラワー 13.ヘヘヘイ 14.イージュー★ライダー 15.さすらい 16.The STANDARD - instrumental (サックス奥田民生&キーボード斉藤有太) 17.みんな元気 18.抱きしめたい 19.The STANDARD 〜消灯〜 〜白い恋人たち 20.御免ライダー 21.花になる 22.手紙 23.マシマロ 24.哀愁の金曜日 25.ドースル?
encore 1
26.ショッピング 27.CUSTOM
encore 2
28.BEEF


MANIC STREET PREACHERS 2003.01.26. 東京ベイNKホール
special guest:くるり
東京ディズニーリゾートの奥まった一角に存在するNKホールまで行くのは相当な覚悟が必要だったりするものだけど、それだけのものが間違いなく観れたと思う。まずはギリギリ間に合ったくるり。実はくるりを観るのはずっと縁がなかったのか、今回が初めてだった。ドラムが脱退ということで、この日のバイト君は元ナンバーガールのイナザワアヒト。もうひとりギターのサポートを入れてシンプルな構成で、少し緊張気味だったけど、生身のロックバンドの音を出していたと思う。ラスト2曲を飾った「街」と「東京」を聴いて、くるりも一回りしたのかなと思った。めがねもフッ飛ばして、演奏してたし、なんか感慨深くて良かったなぁ。くるりが終わって、それから30分、ついに暗転してデビッド・ボウイの「SPEED OF LIFE」(!!!!!)をバックにメンバー登場! 「享楽都市の孤独」で幕開いたグレイテストヒッツと銘打った今回のライブツアーはその名の通り惜しげもなく年代問わず次から次へとシングル曲が披露されていく。早々と「モータウン・ジャンク」も演奏され(そういえばこのときのイントロ前にジェームズはこれまたボウイの「REBEL REBEL」を弾いていたなぁ)、「スイサイド・イズ・ペインレス」まで歌ってしまう開き直りっぷりは凄い。こっちがもう演奏されることはないだろうと思っていた曲とともに純白のレスポールカスタムを持ってクルクルケンケンしながらジェームズは歌いつづけ、ショーンはひたすらビートを叩き込み、ニッキーはミニスカ姿で大股ジャンプを繰り返していた。気が付けばともに騒ぎ涙を流して歌っていた自分。ラスト「YOU LOVE US」の狂乱の中、ニッキーはベースアンプの上に仁王立ちして、そこからベースを叩き落してぶっ壊したかと思えば、ジェームズはフロアに飛び降りて絶唱! この時代遅れのパンクスは本当に素敵だと心の底から思えると同時に、これで終わりなのかもしれないという気持ちにもなってしまった。
くるり set list
1.GUILTY 2.ARMY 3.新曲 4.GO BACK TO CHINA 5.リボルバー 6.街 7.東京
MANIC STREET PREACHERS set list
1.MOTORCYCLE EMPTINESS 2.YOU STOLE THE SUN FROM MY HEART 3.THE MASSES AGAINST THE CLASSES 4.THERE BY THE GRACE OF GOD 5.MOTOWN JUNK 6.THEME FROM M*A*S*H (SUICIDE IS PAINLESS) 7.KEVIN CARTER 8.SLASH 'N' BURN 9.TSUNAMI 10.LIFE BECOMING A LANDSLIDE 11.SHE IS SUFFERING 12.OCEAN SPRAY 13.STAY BEAUTIFUL 14.LITTLE BABY NOTHING 15.FASTER 16.FROM DESPAIR TO WHERE 17.ROSES IN THE HOSPITAL 18.THE EVERLASTING 19.EVERYTHING MUST GO 20.IF YOU TOLERATE THIS YOUR CHILDREN WILL BE NEXT 21.A DESIGN FOR LIFE 22.YOU LOVE US


ソウル・フラワー・ユニオン 2002.12.17. 新宿リキッドルーム
opening act:ズボンズ
年末ソウルフラワー祭のチケットプレゼントが当たったので、行ってきました。終演後「中川敬語録」という本を買った人へのサイン会もあるという、何やら楽しげな雰囲気。結局、サイン会の様子は見ずに帰ったものの、とても楽しいまさに祭なイベントでした。まず登場のズボンズ。彼らを観るのはいつだったか代々木公園でのフリーライブ以来だけど、相変わらず凄まじいテンションのドン松尾でしたが、彼の異様に痩せた体に思わず「細っ!」と発してしまいました。昔の体型の記憶はないけど、かなり細かったです。まぁ、そんなことは置いといて前座としては盛り上げすぎだろうと思えるほど激しく熱く楽しいライブでした。「Mo’ Funky」で踊りまくり。ズボンズのライブのノリは大好き。中川敬も「ズボンズに入りたい」というほど、ライブバンドとして本当に魅力があるなぁと感じました。その後のソウルフラワーは往年のキャリアの余裕を見せてるような見せてないような姿勢でとてもフレンドリーに楽しませつつも、いわゆる浪花節のコブシの効いた独特のロックで次第に場もお祭状態になってましたね。アンコールではニューエスト・モデル時代の「EMPTY NOTION」もプレイ(わー!)。さらに二度目のアンコールではズボンズを迎えてストーンズの名曲「悪魔を憐れむ歌」をドン松尾のボーカルでプレイ(わーわー!)。ステージもフロアも激しくエネルギッシュに燃えて気持ち良く終演。いい祭だったなぁ。
1.サヴァイヴァーズ・バンケット 2.リキサからの贈りもの 3.ターキッシュ・ソング 4.神だのみより安上がり 5.クレイジー・ラヴ 6.夕立とかくれんぼ 7.ビッグ・アップル〜戦火のかなた 8.満月の夕 9.風の市 10.荒れ地にて 11.PEOPLE GET READY 12.パンチドランカーの夢 13.ノー・リグレッツ 14.こたつ内紛争 15.殺人狂ルーレット 16.海行かば山行かば踊るかばね
encore 1
17.乳母車と棺桶 18.エンプティ・ノーション
encore 2
19.悪魔を憐れむ歌(with ズボンズ)


UA 2002.12.02. 赤坂ブリッツ
最新作『泥棒』に伴う形での今回のツアー。バイオリンやチェロを擁し、凛とした佇まいが際立っていたため、スタンディングで観るライブとしては多少腰が痛くなってしまったけど、ステージが神がかって見える瞬間は何度かあって、特に「ドア」と最後にやった「閃光」では驚異的なテンションを感じさせる鳥肌立ちまくりのパフォーマンスでした。アンコールで歌ってくれた「ミルクティ」は純粋に嬉しかったです。
1.泥棒 2.TORO 3.夜の風 4.数え足りない夜の足音 5.男と女 6.記憶喪失 7.青い鳥はいつも不満気 8.瞬間 9.空耳ばかり 10.青空 11.スカートの砂 12.ブエノスアイレス 13.ドア 14.世界
encore
15.ミルクティー 16.彼方 17.閃光


PRINCE 2002.11.18. 日本武道館
モーレツに素晴らしすぎるエンターテインメント・パフォーマンスでした! ジャジーでファンク色の強かった最新作『RAINBOW CHILDREN』で魅せた高級感を維持しつつも、超絶テクニシャンを従えた最強のバンドで、終始ノリノリだったプリンス本人のテンションの高さに煽られて、会場全体一丸となって血湧き肉踊れとやんややんやの大騒ぎ。早々と「POP LIFE」が炸裂し、狂熱に取り憑かれるや否や、眩しすぎるシンボルギターが登場しての「PURPLE RAIN」大合唱に激しく感動。ダンス大会やピアノソロも披露され、何度となく発せられる殿下の「トキオー!」にいちいち湧いてしまうすべてが楽しい。あぁ幸せ。
0.PRINCE DRUM SOLO 1.RAINBOW CHILDREN 2.POP LIFE 3.XENOPHOBIA 4.PURPLE RAIN 5.THE WORK PT.1 6.MELLOW 7.1+1+1 IS 3 (HOUSEQUAKE 〜 LOVE ROLLERCOASTER) 8.THE QUESTION OF U 9.STRANGE RELATIONSHIP 10.PASS THE PEAS 11.THE RIDE 12.SIGN 'O' THE TIMES 13.TAKE ME WITH U 14.RASPBERRY BERET 15.THE EVERLASTING NOW
encore 1
16.CONDITION OF THE HEART 〜 THE MOST BEAUTIFUL GIRL IN THE WORLD 〜 DIAMONDS AND PEARLS(Prince Piano Solo) 17.ADORE 18.THE BEAUTIFUL ONES 19.NOTHING COMPARES 2 U 20.THE LADDER 21.STARFISH AND COFFEE 22.SOMETIMES IT SNOWS IN APRIL
encore 2
23.DAYS OF WILD


PAUL McCARTNEY 2002.11.13. 東京ドーム
こんなに感動するなんて!というのが正直な感想です。もう、本当に良かった。ギャンブルに匹敵する高額なチケット代も100%救われた。オープニングショーを務めたダンサー達がすーっと引いて、スクリーンにカール・ヘフナーのバイオリンベースを掲げて立つポールのシルエットが映った瞬間から「ハロー・グッバイ」へ突入する喜びの凄まじさ。その後、幾度となく押し寄せるクライマックスの数々はセットリストを見ての通りであります。MC同時通訳字幕チームも手伝って親密に歌を演奏する姿も印象的で、特にジョージを追悼したウクレレを持っての「サムシング」は本気で涙が出ましたね。初来日時(1990年)のワールドツアーを収録したライブアルバムを高校時代に繰り返し聴いたものですが、遠く見つめるステージから連発される名曲に涙腺がこうも緩んでしまうのは、ド真ん中を打ち抜く超越的なメロディと自分自身に内在した思いが凄く強く残っているということなのだろうなぁ。とにかくいたく感動したわけで、ありがとうございましたとお礼を言わせていただきます。
1.Hello Goodbye 2.Jet 3.All My Loving 4.Getting Better 5.Coming Up 6.Let Me Roll It 7.Lonely Road 8.Driving Rain 9.Your Loving Flame 10.Black Bird 11.Every Night 12.We Can Work It Out 13.You Never Give Me Your Money~Carry That Weight 15.Fool On The Hill 16.Here Today 17.Something 18.Eleanor Rigby 19.Here, There And Everywhere 20.Michelle 21.Band On The Run 22.Back In The U.S.S.R 23.May'be I'm Amazed 24.Let 'Em In 25.My Love 26.She's Leaving Home 27.Can't Buy Me Love 28.Live And Let Die 29.Let It Be 30.Hey Jude
encore 1
31.The Long And Winding Road 32.Lady Madonna 33.I Saw Her Standing There
encore 2
34.Yesterday 35.Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band(Reprise) 36.The End


NICK LOWE 2002.11.08. 渋谷クラブクアトロ
昨年予定されていた来日公演ではツアーバンドのドラマーがヴァン・モリソンのツアーに駆り出された都合で中止になっちゃったみたいだが、今回は完全ひとりぼっちの弾き語りライブ。開演前に細野晴臣とピーター・バラカンに遭遇してしまいましたが、ほぼ満員に会場を埋めたほとんどがそんな世代だったわけで(しかも圧倒的に男)、パブロックの空気は多分にあったと思われます。アコースティックギター一本のみというパフォーマンスでしたが、これがさすがとしか言いようのない職人的実力十分の巧さと美しさで、元ベーシストの片鱗もうかがわせる見事なプレイでした。懐かしの曲も披露してくれたけど、その辺はいまの激渋の味わいに加えてバンドで観てみたかったという思いが正直なところなので、次は是非バンドで来て欲しいものです。ほんとにこの人は並外れたポップ職人ですからね。愛と平和と相互理解の何が悪い? WHAT’S SO FUNNY ‘BOUT PEACE, LOVE AND UNDERSTANDING?というセリフって最高にカッコイイよなぁ。

ホイホイ祭 2002.11.04. 武蔵大学大講堂
出演:渋さ知らズオーケストラ、DOUBLE FAMOUS、こだま和文 from DUB STATION、スマーフ男組
寒い。昼間ですら外に立ってるのがつらいような寒さの中、屋台で物売ったりしてる学生はどういう気分なのだろう。もう少し早い時期にやればいいのにな。もう、3つ目に出てきたDJのスマーフ男組がダメだったので外に出たらあまりに寒くて最後のこだま和文を観ずして帰ってしまいましたが、渋さ知らズオーケストラとDOUBLE FAMOUSでとても満足してたので潔く帰ることができました。まず渋さですが、相変わらず大所帯すぎてムチャクチャな感もありますが、ダンスホールキャバレーと前衛劇団を融合させたような構成員たちによってひたすらに狂騒を演出するという日本なりのロックオペラとでも言うようなインパクトは強烈でした。お祭りには申し分ないですね。会場の古い建物とのマッチングもよかったと思います。続いてのDOUBLE FAMOUSは、畠山美由紀が参加していないものの音楽とリズムだけで成せる最高に素晴らしいライブステージだったと思います。ラテン風味たっぷりの情熱的な旋律とダンスを煽る見事な鼓動を打ち鳴らされ、これは本当に楽しくて素敵で良かったです。
