

FUJI ROCK FESTIVAL ’03(第3日) 2003.07.27. 苗場スキー場
ついに苗場の地で雨にどしゃ降られたフジロック。にもかかわらず2日目土曜日のチケットは史上初の売り切れを記録し、3日間で10万人以上を動員と、興行的には輝かしい成功を収めたのだった。良くも悪くも人々のフジロックに対する期待と信頼が膨れ上がった結果だろうけど、あまり過大評価すべきではないことを伝えるには、いい雨だったのかもしれない。今年は土曜日に親戚の結婚式に出席する予定があり、日曜日のみの参加となったのだが、結果的にこれがいちばんよかったと思う。日曜は天気が良かったからだ! 本当に救われた気持ちになったのは、金曜土曜の惨劇を物語る会場のぬかるんだ地面を見たときで、雨が降らない今日はラッキーだなぁとつくづく思ったのだった。
★つじあやの – field of heaven
会場に着いてひとまずグリーンカレーとカルビの串焼きを食べて移動。晴れた日差しのおかげで徐々に回復しつつあるぬかるんだ山道をてくてく歩き、新しく設けられたボードウォークを気持ち良く抜けていく途中で始まった朝11:30のフィールド・オブ・ヘブン一発目つじあやの。ウクレレひとつで弾き語る彼女の音楽を聴くには、湿った空じゃなくてよかったなぁとしみじみ。唯一持ってる最初のミニアルバム『君への気持ち』からの曲はなかったものの、いくつも耳にした曲があるという、改めて彼女がヒットメーカーとして活躍していることを思い知るのだった。
★Counterfeit Beatles – green stage
本日のスペシャルゲストというかピンチヒッターとして登場したのが、前夜祭にも出演したらしい彼ら。いわゆるビートルズのれっきとしたものまねバンドなんだけど、お祭りにはもってこいでしたね。ちゃんとしたそつのない歌と演奏で、かなり楽しんでしまいました。サージェント・ペパーズの衣装で始まり、途中引っ込んだかと思えばポール役がソロで黒のハイネックに着替えて「YESTERDAY」。その後に再登場したメンバーはアビー・ロード仕様の衣装に変わってて、手抜きのないところが素晴らしい。「REVOLUTION」が聴けたのが嬉しかったです。
☆Yo La Tengo – white stage
移動しながら眺めてたグリーンステージのヴィンセント・ギャロがどうも歌う雰囲気ではなかったので、ホワイトステージ横の河原でトマトを食べたりしながら休憩して、いよいよお目当てのヨラテンゴへ。セットチェンジでやや時間が押してしまったせいか、あり得ないほど安そうなTシャツで登場したアイラが飛ばしまくる!! 曲が終わったらスタッフを待たず自ら楽器を取りに走り、決して楽器は壊さないものの怒りのテンションでノイズパフォーマンスもいつも以上に激しく動くのだった。名曲「TOM COURTNEY」を挟みつつもアイラのテンションは下がらず、後半から登場して共演したサン・ラのメンバーをも圧倒。どんなに誇張されて絶賛されてもおかしくない「NUCLEAR WAR」の名共演を残してステージを去ったものの、とにかく哀しいほど時間が足りなすぎた。12月に彼らが再来日することが決まったのが本当に救いだったが、こればかりは怒りを込めてフジロックを振り返らずにはいられない。
★Nick Lowe – field of heaven
格別だった真っ昼間のヨラテンゴで満たされなかった気持ちを引き摺りつつ、フィールド・オブ・ヘブンでニック・ロウをチラ見。最後の一曲「(WHAT’S SO FUNNY ‘BOUT) PEACE, LOVE AND UNDERSTANDING?」だけ聴けた。こないだ来たときと同じ弾き語りスタイルでした。バンド形態での再来日を改めて乞う。
★Steve Winwood – green stage
ステージ前方舗装部分と芝生のあいだの5メートル程度の帯が見事に深い泥沼と化していたため、今日は終始人垣はおろか立ち入る者さえまばらという有り様。これは主催者側も雨への備えが乏しかったと言わざるを得ないだろう。米所新潟だけに大量のワラでも用意しておけば、ここぞとばかりに撒けただろうに。そんなわけでドロドロ地帯の真後ろ、芝生地帯の一番前に座って観た大御所スティーブ・ウィンウッド。ステージ前ですら、ほんと局地的にしか人がいなかったのが申し訳なく思えるほど閑散としてましたが、彼のハモンドオルガンの有り難味、十分に堪能させていただきました。
★Elvis Costello – green stage
フェスティバルの大トリを拒否した本日のヘッドライナー、コステロ。最後の1コ前に出たおかげで祭がイマイチしっくり締まらなかった印象も否めないわけですが、コステロは好き勝手やって帰っていきましたよ。ばっちり楽しかったです。コール&レスポンスにこだわるしつこさは愛嬌として、往年のパフォーマーとしての力量凄まじく、前回の来日と同じほぼアトラクションズとの演奏も支え合ってるというより飛ばし合ってるテンションで駆け抜けたあっという間の90分。師匠ニック・ロウとの共演を願っていたのに、残念ながら実現せず。せっかく同じ会場に来てたのに、悔やまれますなぁ。
★Massive Attack – green stage
強烈なインパクトを与えた今年3月の来日公演から再び。そんなわけであのときの印象が強すぎて特別目が覚めるような思いはしなかったものの、「KARMACOMA」が新たなセットに加えられていたのが嬉しかった。「TEAR DROP」を聴きながらモグワイへ移動のため退場したのだが、コステロから居座ったままだった最前ブロックエリアはいつの間にか人がみっしりいて出るのが大変だった。
☆Mogwai – white stage
今日の最後を飾るモグワイ。といっても出演時間が22:30とかって、どう考えても遅すぎるよ! もう少しタイムテーブルを整理してもらって全体的に22時頃には終わるようにして欲しいなぁ。ステージ後方でも十分聞こえるほどデカすぎな音だったにも拘らず、体力的につらくて眠気が…。目潰しライトも避けたかったので、出口の橋に近い後ろのほうでほとんどウトウト聴いてました。ノイズという印象も特にはなかったし、いまのモグワイの音に接するにはウトウトでもいいのかなと思ったり。にしても音は異常にデカかったなぁ。ちょっと危険なデカさだったと思う。
今年は1日だけとあってか割と活発に動いてライブを観たような。でもやはり1日だけでは物足りないという思いもあり、せめてヨラテンゴだけでも全身満タンに満たして欲しかったという思いも強く残ってしまった今年のフジロック。来年こそは雨に降られない天気を祈りつつ3日間楽しみたいですね。あの泥のぬかるみを見ただけでもモチベーション下がったし、やっぱ今年は全体的に会場の空気がトーンダウンしてたように思う。梅茶漬けとかだまされたようなマズイ飯もいくつかあったしなぁ。僕自信も前日の結婚式での食べ過ぎ飲み過ぎがたたって胃腸がすぐれず、アルコールを全然口にしなかったしなぁ。まぁいろいろあったわけですが、今年の雨は苗場のフジロックにとって大きなターニングポイントとなってくれるのではないだろうか。赤字は出てないだろうから、ギャラの高いメンツを揃えたオールスターなラインナップに期待して、来年のフジロックを楽しみに待つとしよう。
つじあやの set list
1.お天気娘 2.サンデーモーニング 3.風になる 4.クローバー 5.明日によろしく 6.心は君のもとへ 7.雨音 8.春の陽射し 9.桜の木の下で 10.いつまでも二人で
Yo La Tengo set list
1.AUTUMN SWEATER 2.TODAY IS THE DAY 3.TOM COURTNEY 4.HOW TO MAKE A BABY ELEPHANT FLOAT 5.OUR WAY TO FALL 6.MOONROCK MANBO 7.LITTLE HONDA 8.NUCLEAR WAR
Steve Winwood set list
1.PEARLY QUEEN 2.DIFFERENT LIGHT 3.CIGANO(FOR THE GYPSIES) 4.BACK IN THE HIGH LIFE AGAIN 5.DEAR MR.FANTASY 6.BULLY 7.WHY CAN'T WE LIVE TOGETHER 8.GIMME SOME LOVIN'
Elvis Costello set list
1.I HOPE YOU'RE HAPPY NOW 2.TEAR OFF YOUR OWN HEAD (IT'S A DOLL REVOLUTION) 3.EVERYDAY I WRITE THE BOOK 4.BEYOND BELIEF 5.RADIO RADIO 6.EVERYBODY'S CRYING MERCY 7.CLUBLAND 8.CLOWN STRIKE 9.45 10.LESS THAN ZERO 11.(I DON'T WANT TO GO TO) CHELSEA 12.HONEY, ARE YOU STRAIGHT OR ARE YOU BLIND? 13.EITHER SIDE OF THE SAME TOWN 14.I CAN'T STAND UP FOR FALLING DOWN 15.UNCOMPLICATED 16.TART 17.DEEP DARK TRUTHFUL MIRROR〜YOU REALLY GOT A HOLD ON ME
encore
18.WATCHING THE DETECTIVES 19.PUMP IT UP 20.(WHAT'S SO FUNNY 'BOUT) PEACE, LOVE AND UNDERSTANDING?
Massive Attack set list
1.FUTURE PROOF 2.RISINGSON 3.ANGEL 4.BLACK MILK 5.KARMACOMA 6.TEAR DROP 7.MEZZANINE 8.NAME TAKEN 9.SAFE FROM HARM 10.INERTIA CREEPS
encore
11.ANTISTAR 12.UNFINISHED SYMPATHY 13.GROUP FOUR
Mogwai set list
1.KIDS WILL BE SKELETONES 2.MOGWAI FEAR SATAN 3.HUNTED BY A FREAK 4.YOU DON'T KNOW JESUS 5.HELICON 2 6.STOP COMING TO MY HOUSE 7.CHRISTMAS STEPS 8.HELICON 1 9.I KNOW YOU ARE BUT WHAT AM I? 10.RATTS OF THE CAPITAL
encore
11.ITHICA 27-9


DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN 2003.06.27. 渋谷クラブクアトロ
ライブアルバム発売とセカンドアルバム録音完了というタイミングで、第2期デートコースのスタートを告げるこの日のライブ。ギターの大友良英が先頃脱退したものの、新ギタリストのジェイスン・シャルトンがうっかりアメリカに帰ったままというハプニングで、その大友良英が代理ヘルパーとして出場。いきなり笑いと拍手が起こる。予告通りアンコールを含めて150分。後半は盛り上がったものの、全体として思ったほどファンキーではなかったかなというのが正直な感想。演奏が小慣れてくるともっとグルーヴ感が増すのかもしれないが、いまいちなんか腰にくる感じが乏しかったんだよなぁ。デートコースでは菊地さんのサックスプレイが観れないのが残念なところ。
1.STRUCTURE (LA STRUCTURE DE AMERIQUE MEDIEVALE) 2.STRUCTURE (LA STRUCTURE DU SOLIDE ROTATOIRE ET DE LA PROSTITUTION) 3.PLAYMATE AT HANOI 4.STAIN ALIVE 5.STRUCTURE (LA STRUCTURE DE LA MAGIE MONDERNE) 6.CIRCLE/LINE〜HARD CORE PEACE 7.HEY JOE
encore
8.STRUCTURE (LA STRUCTURE DU PORT ET DES LIEUX DE PLAISIRE) 9.STRUCTURE (LA STRUCTURE DU PARADISE ET DEEGLISE)


THE FOLK IMPLOSION 2003.06.14. 渋谷NEST
もう7年になるのか。20歳のときだったんだ・・・。96年のREADINGでセバドーを観たもので、彼らは初日セカンドステージのトリ前だったことを思い出す(トリは銀ギラ衣装でキメていたロケット・フロム・ザ・クリプトだった)。当時から向こうではそういう評価だったんだなぁ。メインステージで演奏中のレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンをルー・バーロウが茶化していたっけ。今回はフォーク・インプロージョン名義での来日で新作のタイトル通り「ニュー・フォーク・インプロージョン」と自己紹介。「スミマセ〜ン」と日本語で笑いをとりつつも、ルーさんの体調が少しすぐれないのか、曲の合間は随分疲れてそうな表情を見せていた。抜群な歌唱を披露しつつも、そんな感じで本編が1時間でサクっと終了したので、今日は仕方ないのかなと思いきや! 日本公演最終日を名残惜しみながら酒と演奏が進むとともに気分が乗ってきたのか、ギタリストを肩車して弾き語るなんて光景が客に大ウケ。2度のアンコールに応えた第2部アコースティックステージはまさにルー・バーロウ独演会だったわけで、朗々と歌い上げては、もう1曲、もう1曲、と自ら時間を要求して、やりにやったり1時間! その割には映画『KIDS』の「NATURAL ONE」や『アメリカン・ビューティ』の「FREE TO GO」はやらなかったわけだが、最後には12歳の頃に初めて作った曲までいとこが横で吹いてたらしいトランペットの口マネ付きでゴキゲンに披露してくれましたよ。狭すぎた会場だったこと以外はとても満足して楽しめたライブだった。

NOAHLEWIS’ MAHLON TAITS 2003.06.08. タワーレコード渋谷店 STAGE ONE
1950年代あたりの古いレコードを集めるコレクターは結構いたりするのかもしれないが、当時の音楽を再現してみようとした趣味人の心意気の強いバンドは彼らぐらいなのかもしれない。スローライフってなんとも胡散臭い言葉が流行り出してる昨今の東京であれど、彼らのようなゆったりほんわかとムーディに奏でる音楽は、どうにも似合う街ではないことは確かだと思った。


MARKO HAAVISTO & POUTAHAUKAT 2003.05.10. 恵比寿ガーデンプレイス・センター広場
アキ・カウリスマキの映画『過去のない男』に救世軍バンドとして出演したマルコ・ハーヴィスト&ポルタハウカの無料コンサートを観た。フィンランドから遠路はるばる、この大都会村東京恵比寿をどう思ったことだろう。映画でも演奏していた曲も含め、約1時間。カントリーロックの懐かしい響きを屋外の広場で真っ昼間に聴くというのは、ある意味なんとも贅沢な恵比寿的な心地よい時間だった。


GREAT3 2003.05.09. 渋谷AX
開演前、今日のライブはDVDとCDになって作品化されるというアナウンスがされて、盛り上がる。さすがに物凄く真剣な、幾分緊張もあったかもしれないけれど、テンションの高いパフォーマンスは素晴らしいものだった。今回ギターとして参加のシュガー吉永がガンガンに男勝りなプレイを見せつけたのも印象深い。あとライブに足りないものというか、無理を言って求めたいものとして、意表を突いた選曲で畳み掛ける展開がどこかにあればなぁ、とつくづく思う。そんなわけで「GOLF」(シングルにすればよかった、と今更ながら思ったらしい名曲)と「UP TIGHT」(ライブでやるのは初めてだったらしい名曲)には思わず泣きそうになってしまった常連客のひとりとして、放ったらかしにされている名曲の数々をライブで蘇らして欲しいと思うのであります。
1.想い出のアートロック 2.Devil's Organ 悪魔のオルガン 3.腰抜けマシーン 4.Red Wind America 5.Bee 6.HAIKU 熊穴に入る 7.Golf 8.Ladeira 9.Caravan 10.Honey 恋人よ 11.DAN DAN DAN ダン・ダン・ダン 12.Charm Against Evil 渦巻いた世界 13.影 14.METAL LUNCHBOX 15.Volvox ボルボックス 16.Soul Glow 17.Dummy Oscar 誰かの唇
encore 1
18.Up Tight 19.Thorn
encore 2
20.Oh Baby 21.嫉妬
encore 3
22.I.Y.O.B.S.O.S.


モーニング娘。 2003.05.04. さいたまスーパーアリーナ
guest:ココナッツ娘。、カントリー娘。
なんだか凄いことになっているのだろうなぁという予想はあったものの、予想は一見に如かず。凄い。迷ってる人は行ってスッキリしてきなさい。ステージ真裏の席だったにせよ、驚くほど間近で観れた娘。たちのアイドルとしての完璧なパフォーマンスと圧倒的な可愛さには男として心底ドキドキ幸せな気分にさせられたものだし、目と目が合ったという妄想ミラクルを起こす気持ちもよおくわかった。はちきれんばかりの躁状態で野生のジャンプと本能の叫びを繰り返す25000の熱きファンの群れ。会場の外までをもガラっと雰囲気を変えてしまう彼らのことは確かに気持ち悪いかもしれないが、そんな彼らの異常なエネルギーによって生まれるライブにおける一体感は普段のロックコンサートの比ではなく、それはそれは爽快で面白く、衝撃的感動的なるものなのだった。オーディエンスが主役の時代と言われてもう結構な年月が経ったわけだが、勘違いしてる客が増えてないか? ここまで熱心にライブに情熱を賭けるモーニング娘。のファンはそういう意味で物凄く立派だ。アンコール最後の曲では藤本美貴を含む新規メンバー4人も登場。保田圭卒業前日、彼女たちにまだ涙はなく、溢れんばかりの笑顔だけが脳裏に残っている。
1.AS FOR ONE DAY 2.TOP! 3.「すっごい仲間」 4.モーニング娘。のひょっこりひょうたん島 5.恋愛レボリューション21 6.強気で行こうぜ! 7.ズルイ女/ココナッツ娘。 8.初めてのハッピーバースディ!/カントリー娘。に石川梨華(モーニング娘。) 9.シェルブールの雨傘/飯田圭織 10.WOW WOW WOW/プッチモニ 11.ロックンロール県庁所在地/ミニモニ。 12.LOVEマシーン 13.「すごく好きなのに…ね」 14.Yes!POCKY GIRLS 15.女神〜Mousseな優しさ〜 16.そうだ!We're ALIVE 17.I WISH 18.ザ☆ピ〜ス! 19.ここにいるぜぇ!
encore
20.卒業旅行〜モーニング娘。旅立つ人に贈る唄〜 21.Do it! Now


MASSIVE ATTACK 2003.03.25. 東京ベイNKホール
special guest:DJ SHADOW
意表を突いて丁寧な自己紹介のあいさつを行なってスタートしたDJ SHADOW。ターンテーブルとCDJが2台ずつとサンプラーでやりますよー、なんて機材紹介までして、飾らないナイスガイっぷりもカッコ良く、本日のプレイはDJというより自身のライブというモードでサンプラーのボタンを随分と押しまくるという、その妙技も素晴らしく楽しませてくれました。サンプラーとVJの映像がシンクロするのが凄いと思った。あれは面白い。楽しい1時間を満喫して、舞台は闇に変わり、いよいよマッシブ・アタック。イラク攻撃で犠牲になった罪の無い市民のために1分間の黙祷が行なわれ、ショーがスタート。今回のツアーの目玉となっているインターネットで彼らのサイトから打ち込んだメッセージが反映されるという、インタラクティブLEDスクリーン(電光掲示板)が起動したときのワクワク感たるや! スペシャリスト揃いのミュージシャンによる演奏で、闇を切り裂く圧倒的なテンションのマッシブ・アタック協奏曲が全身に響く音圧で迫ってくる興奮。ホレス・アンディ、ドット・アリソン、デボラ・ミラーといったゲストボーカルのパフォーマンスも印象的だった。DJだったマッシュルームが脱退してしまったため、当の本人達はボーカルを取る曲以外はステージ上にいないという、DADDY Gに至っては2回ほどしか出番がなかったわけだが、あの巨大スクリーンによって彼らのライブにおける表現はスケール感を増し、メッセージもより強固なものとして感じられたと思う。猪木「小泉は甘っちょろい」、って出たときは大笑いしたけど、「戦争」「反対」「平和」とデカデカと出たときのインパクトは凄かったなぁ。かつてバンド名からアタックを伏せられた彼らの世界ツアー攻撃を僕は支持したいと思う。
1.FUTURE PROOF 2.EVERYWHEN 3.RISINGSON 4.BLACK MILK 5.ANGEL 6.SPECIAL CASES 7.BUTTERFLY CAUGHT 8.FADE AWAY 9.TEARDROP 10.MEZZANINE 11.HYMN OF THE BIG WHEEL 12.SAFE FROM HARM 13.INERTIA CREEPS
encore 1
14.ANTISTAR 15.UNFINISHED SYMPATHY
encore 2
16.GROUP FOUR


THE ROLLING STONES 2003.03.16. 東京ドーム
晩年の頃のジャイアント馬場がリングに立っている姿を観るときのように、現役ストーンズに対しても彼らの十分過ぎる年齢を前提に考えてしまいがちかもしれない。しかし、実際のストーンズはめちゃめちゃ動いていて、ミック・ジャガーの異常な声量と40年前から変わらない腰つきを目の当たりにすれば、年齢を気にしてあげてることが無駄だとわかるはずだ。正真正銘ロックンロール・スターとしての存在感がモノ凄くて、どうにも本当にカッコ良い。カッコ良いとしか言いようがない。ゴキゲンでポーズを決めまくるキース・リチャーズにホレボレ。可動式スクリーンを使った演出も嬉しく、4人が横並びに大写しになっただけでウルウル。Bステージではかろうじて顔も肉眼+メガネで確認できました。幸せ、満足、声もカラカラ。またいつの日か。
1.BROWN SUGAR 2.START ME UP 3.IT'S ONLY ROCK'N ROLL 4.DON'T STOP 5.ALL DOWN THE LINE 6.ANGIE 7.MONKEY MAN 8.MIDNIGHT RAMBLER 9.TUMBLING DICE 10.SLIPPING AWAY 11.HAPPY 12.SYMPATHY FOR THE DEVIL 13.WHEN THE WHIP COMES DOWN (B-Stage) 14.MANISH BOY (B-Stage) 15.YOU GOT ME ROCKING (B-Stage) 16.GIMME SHELTER 17.HONKY TONK WOMEN 18.STREET FIGHTING MAN 19.(I CAN'T GET NO) SATISFACTION
encore
20.JUMPIN' JACK FLASH


THE BREEDERS 2003.03.07. 渋谷クラブクアトロ
昨年9年振り!となるアルバムをリリースしたものの、いまいちどうなんだ?という思いもあって、結局は未聴のまま。さらには今回の来日決定!に勢い勇んでチケットを買ったものの、やっぱりどうなんだ?という思いではあった。しかし、会場のクアトロは複雑な思いを吹き飛ばすほど、待ち侘びた観衆で超満にごった返していたのだった。ブリーダーズを観たいと思う客がこんなにいることが嬉しかったし、そんな熱狂的歓迎を受けたバンドもとにかくよかった。見た目こそ、バンドの男性陣以上にフランク・ブラック並に恰幅よくなっていたキム&ケリー・ディール姉妹であれど、ピクシーズ時代から引き継がれ研ぎ澄まされてきたバンドとしてのエッジは全然死んでなかった。中盤、早くも「CANNONBALL」が炸裂し、「FLIPSIDE」ではダイブ続出! 客やバンド同士で談笑してはノリでドゥービーブラザーズ「LONG TRAIN RUNNIN’」を1コーラスやったり、ほんと楽しい! アンコールではまさかのピクシーズ時代にキムが歌っていた「GIGANTIC」が!! さらに「DIVINE HAMMER」で終わって、ドラムが20本近くスティックを投げ入れて帰っちゃったので、もう終わりだろうなと思っていたら、2度目のアンコールに登場! 「スティック返して」って言ってたのが可笑しかったなぁ。最後は映画『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』から「ANGRY INCH」を披露し、客をバックに記念撮影の大団円で幕となりました。ここまでベストなライブとなるとは、嬉しすぎる誤算ということで、観に行って本当によかった。ピクシーズとブリーダーズは返す返すも偉大なり。
1.TIPP CITY 2.LITTLE FURY 3.HUFFER 4.SAINTS 5.FLIPSIDE 6.HEAD TO TOE 7.I JUST WANNA GET ALONG 8.OFF YOU 9.CANNONBALL 10.SAFARI 11.HAPPINESS IS A WARM GUN 12.NO ALOHA 13.FULL ON IDLE 14.PACER
encore 1
15.NEW YEAR 16.I DON'T CARE ABOUT YOU 17.IRIS 18.DRIVIN' ON 9 19.GIGANTIC 20.DIVINE HAMMER
encore 2
21.BUFFY THEME 22.FORTUNATELY GONE 23.ANGRY INCH
