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TEAM ROCK / くるり

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TEAM ROCK / くるり

真っ青なジャケットが示すように、悟っているかのようでいて、くるりの音楽はアオい。勇み足のように思えなくもない打ち込みへのアプローチではあれど、生粋のオタクセンスでうまくカバー・・・・・・できているかどうかも微妙だが、僕がくるりを好きなのは彼らのそのオタク感覚であって、音楽にしろ歌詞にしろ微妙であればあるほどそれはくるりらしくていいのだ。屈指の名曲となった「ばらの花」で、なぜジンジャーエールなんて語感の悪いモノを3度も出すほどこだわらなければいけないのか。そういったツッコミを許してしまうところがくるりの魅力であり弱点であるように思う。弱点より魅力の勝る、いまのTEAM ROCK=くるりは強い。

深緑 / AJICO

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深緑 / AJICO

これは素晴らしい。抑えたテンションが熱を誘い、妖艶かつ官能的なはかなくも美しい調べに魅せられる。3つの楽器とふたりのヴォーカルが奇跡的に融合した、いまでしかないタイミング、いまでしかないAJICOの季節を大事にしたい。

FROM HERE TO ETERNITY LIVE / THE CLASH

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FROM HERE TO ETERNITY LIVE / THE CLASH

最高! 最っ高!! パンクの思想を最期まで実践し続けた唯一のバンド、時代の先を行き過ぎていた音楽性、ボビー・ギレスピーのカリスマ云々・・・とにかくそんなゴタクは後回しでいい。クラッシュはカッコいい! むちゃくちゃカッコいい!! それが再確認できる絶好のライブ盤。

ロスエンジェルス / ザ・ブリリアントグリーン

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ロスエンジェルス / ザ・ブリリアントグリーン

今年、民生とともに何度となく聴いているブリリアントグリーン通算3枚目の最新作。歌詞がすべて日本語詞となり、UKロック直系のハモンドを巧く効かせたギター・バンド・サウンドと日本人好みな甘くポップなメロディは、さらに深みと強度を増している。普遍的なロックのツボを押さえた曲のよさが今作も際立っていて、とても好きです。歌が多少下手だろうが、川瀬智子の声には独特の存在感があって、これもまた魅力的です。日本のポップシーンの代表格にまで成長したことをさらに決定付ける一枚。

US AND US ONLY / THE CHARLATANS

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US AND US ONLY / THE CHARLATANS

シャーラタンズはストーンズに最も近いバンドだと僕は前々から思っている。マンチェスター・ムーヴメントの括りで全英No.1デビュー。ギタリストの交代、ベーシストの鬱病。最愛のメンバー、ロブ・コリンズの逮捕劇、そして衝撃的な死。年月と音楽シーンの激しい移り変わりの中、バンド内の様々な致命的出来事を乗り越え、しっかりと存在感のある作品を発表し続けてきた彼らの不動の人気は揺るごうともしない。リリース当初、地味な印象のため諸手を挙げて絶賛する声は少なかったものの、こうして1年以上が経過し聴きなおしてみると、こうもいいアルバムだったのか!と今作の素晴らしさを再発見してしまう。作品の熟成具合からしてもストーンズだなぁ、と僕はまた思うのであります。

SO ALIVE / ザ・イエロー・モンキー

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SO ALIVE / ザ・イエロー・モンキー

先頃の1月8日東京ドームでのライブを最後に活動を休止したザ・イエロー・モンキー。活動を一旦休止するという事実のみで、あとは全くの白紙状態。吉井和哉は「力を付けて帰ってくることを約束する」と大阪ドームで宣言し、「普通の野良犬に戻ります」と言って東京ドームのステージを去ったらしい。彼らはなにかにつけ不細工でカッコ悪く、垢抜けないもどかしさを引き摺りながらも、真っ直ぐなロックバンドとして、誰よりも熱く、ファンを感動させ、そして愛され、巨大化していった。バンドのひとつの極みを見せた「SO YOUNG」以降、再びもどかしい格闘に突入し、ついには未来図の見えぬ形でいまを迎えたザ・イエロー・モンキー。1998/99年のパンチドランカー・ツアーを収録したこのライブ・アルバムが僕はとても好きだ。

CAR SONGS OF THE YEARS / 奥田民生

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CAR SONGS OF THE YEARS / 奥田民生

早速聴きまくり状態の民生のカー・ソング・ベスト。2年前のキャノンボール・ツアーの流れでこういうのがリリースされていてもおかしくなかったが、この新録8曲、うち新曲4曲(すばらしい!)を含む今作がなんの抵抗もなく聴きいれられるのは、やはり入魂の大傑作『GOLDBLEND』を前年にリリースしているからだと思う。今作に深い意味はなにもない。一曲一曲がまさにパーツとしてあって、ちょいちょいと寄せ集めたモノに過ぎない。しかし、そんな適当な感じが垣間見えるにつれ、奥田民生の凄さがこれまたビンビンに感じられる恐るべき一枚でもあるのだ。やることなすことカッコいい民生にいさん。女は惚れろ!

HOWDY! / TEENAGE FANCLUB

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HOWDY! / TEENAGE FANCLUB

よい。とてもよいです。もはやプレッシャーもなにもない中年となった彼らの音楽的素養がそのままにあらわれた、とても清々しい快作です。どんなにユルかろうが、それはそれで実はよかったりするから許せてしまう。ファンとしてもひとまわりしてしまったってことなのだろうか。しかし、サマーソニックでの自分も含めてオーディエンスの熱狂&合唱の凄まじいテンションを思うに、単に愛されているだけではなく、いまだに必要に時代に求められている幻想郷であるのも事実。今月末のライブも事件の予感がするのであります。

WAR ON PLASTIC PLANTS / REGULAR FRIES

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WAR ON PLASTIC PLANTS / REGULAR FRIES

イギリス的なインテリ臭さのせいか、今回もすごく充実した作品を発表しておきながら、ほとんど話題にならなかったレギュラー・フライズ。しかし、昨年のモービーのように、十分に大化けする可能性があるだけに、いまこそライブが観てみたい(99年のフジで来てるが、フジは未見だ)。メロウなミドル・ナンバーでのメロディ・センスも光る、プライマル・スクリームが示した近未来型ロック・バンドの裏街道を行ってるような、目が離せないお気に入りのバンドだ。

BOWIE AT THE BEEB / DAVID BOWIE

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BOWIE AT THE BEEB / DAVID BOWIE

デビッド・ボウイが好きだ。本当に大好きだ。かといって、盲目的に全肯定するつもりはない。芸歴が長いので、信じ難いほど素晴らしい作品もあれば、救い難いほどヒドイものもある。今作は1968年から1972年にかけてイギリスのラジオ番組「BBCセッション」用に録音された音源をまとめた2枚組。まさに、信じ難いほど素晴らしい作品を量産していた時代の貴重なテイクが37曲である。珠玉。