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METAL BOX – SECOND EDITION / PUBLIC IMAGE LIMITED

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METAL BOX – SECOND EDITION / PUBLIC IMAGE LIMITED

いまこの作品を説明するには「POPTONES」や「RADIO 4」といったタイトルの曲が含まれたアルバムと言えば、いちばん「おーっ!」と思われるのかもしれない。PILのセカンドアルバムとして1979年に発表。セックス・ピストルズを抜けたジョン・ライドンが新たに結成したこのPILは、アラン・マッギーに限らず、熱心なロック・リスナーからは絶大な支持を得ているグループだ。ピストルズの方が圧倒的に聴きやすいけど、PILはとにかくスリリング! 好きです。

LET IT COME DOWN / SPIRITUALIZED

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LET IT COME DOWN / SPIRITUALIZED

僕が東京に出てきて間もない頃、スピリチュアライズドの初来日を観に行きまして、ドエライものを観てしまった衝撃が未だに忘れられない記憶となって残っております。傑作『宇宙遊泳』から4年、ロイヤル・アルバート・ホールの傑作ライブ盤を挟み、ついにリリースされた新作はJ SPACEMANことジェイソン・ピアーズの音楽的宇宙世界の全てが詰まった作品となった。最後はほとんど聖歌のように盛り上げちゃって、これでまた来年早々に決定した来日公演で骨抜きにされるんだろうなぁ。

MUSIC OF THE SPHERES / IAN BROWN

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MUSIC OF THE SPHERES / IAN BROWN

いわゆる極道の世界の人ではないにせよ、獄中生活を終えて出てきたイアンはどことなく男をあげたように思えるわけで。それは僕が忠誠を誓ってもいいようなファンだからなのかもしれないけれど、上昇と下降の波瀾に満ちた人生を送りながら三十路を過ぎてなお男として一皮むけていく様は、やはり猛烈に憧れてしまう。現在の公私の充実が素直にそのままあらわれた、とても快い立派な作品だ。12月の来日公演が待ち遠しい!

KINGSIZE / THE BOO RADLEYS

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KINGSIZE / THE BOO RADLEYS

あまりに静かなアナウンスのみの唐突の解散劇。『GIANT STEPS』以来の大傑作アルバムといえるこの『KINGSIZE』は最初からそのつもりで制作されたのだろうか。結局アルバムリリース後の日本ツアーも行われず消えてしまったわけで、3年近く経ったいまでも未だに解散を受け入れられない思いが続いている。CREATIONに終止符を打ったアラン・マッギー自身のモチベーションにも影響を与えたはずだ。おそらく売れてない98年発表のラスト・アルバム、機会があれば手にとって聴いて欲しいと思う。BOO FOREVER!

VESPERTINE / BJÖRK

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VESPERTINE / BJÖRK

アイスランドのエキセントリックな少女から世界を代表する21世紀母親へと変貌を遂げてきたビョーク。スワンと一心同体となった新作は音数を極力抑え、天性の生声を全面に押し出した非常に素晴らしいものとなっている。脇を固める敏腕音楽創造戦士たちのファンタスティックな仕事を差し押さえても、やはりビョークのボーカルは凄まじく圧倒的だ。彼女と同じ時代を生きていることを感謝したいと思う。アイドル視してた頃がちょっと懐かしい・・・。

AND THEN NOTHING TURNED ITSELF INSIDE-OUT / YO LA TENGO

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AND THEN NOTHING TURNED ITSELF INSIDE-OUT / YO LA TENGO

午前1時、雨が降っている。ヨ・ラ・テンゴを聴こう。とてもステキな音楽が流れ出す。静かな残響が、まるで毛布のように暖かく包みこんでくれる。ぼーっと過ごす、ゆっくりと流れる時間。お腹が空いた。ポテトチップスを食べよう。今日の一日も終わったと一息ついて午前2時。「YOU CAN HAVE IT ALL」のほんわかダンスをまた思い出してしまった。

CHANGE IS COMING / MONEY MARK

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CHANGE IS COMING / MONEY MARK

大好きなマニー・マークの新作は全編インストなので、素敵な歌声が聴けないのがかなり残念なところだけど、音楽はしっかり豊潤に聴かせてくれてます。ラテンの味がとても心地いいです。音楽を楽しむ発想がズバ抜けてる人なんだろうなぁと思ってしまいます。申し分ない実力、自由な表現、距離の取り方、ユーモアもたっぷりで親しみやすいという、なんてかっこいいのでしょう! 彼の場合、音楽的というより人間として憧れてしまいます。こういう大人になりたいものです。

HERE’S TO SHUTTING UP / SUPERCHUNK

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HERE’S TO SHUTTING UP / SUPERCHUNK

先週の来日公演を見逃したことへの後悔が日に日に募るばかりである。枯れたサウンドとメロディで聴かせる彼らの最新作が、あまりに良い。ひとりちゃぶ台の前に座り、肉だんごとふりかけで昼ごはんを食べながら、音を消したテレビでは出雲駅伝が流れるという暗くて寂しいこの部屋のシチュエーションでも、この音楽が救ってくれる小さな幸せ。

MODJO / MODJO

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MODJO / MODJO

昨年、ヒットシングルを連発。リリースされたデビューアルバムもファンキーディスコポップチューン満載で、フランスのジャミロクアイといった様相だ。どれもおんなじに聞こえるけど、いい意味で何も考えずに聴くには最適の一枚。オフィシャル・サイトがなかなかカッコ良いです。上のALBUMアイコンからどうぞ。

GIRLS! GIRLS! GIRLS! / ELVIS COSTELLO & THE ATTRACTIONS

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GIRLS! GIRLS! GIRLS! / ELVIS COSTELLO & THE ATTRACTIONS

それは大学1年の前期試験直前の週末だったと思う。宮崎から飛行機で大阪へ飛び、コステロ&ジ・アトラクションズのライブをフェスティバルホールで観てカプセルホテルで一泊し、翌日また飛行機で帰宅。自分にとって初めての海外アーティストのライブが、1994年エルビス・コステロ&ジ・アトラクションズのブルータル・ユース・ツアーだった。いまのコステロとは比べ物にならない飛ばしまくりのアグレッシブなステージで、僕は当然のごとく打ちのめされてしまい現在に至るわけですが、その当時とにかくよく聴いてたのがワーナー移籍以前の楽曲がランダムにコステロ自身によって編集された、この2枚組アルバム。結局、コステロのアルバムは全部揃えてしまったけど、彼の天性のソングライターとしての魅力を知る入門編としてはいちばん最適だと思います。あれから7年の時間が流れた今、コステロのことを思い書くなんて、さながら「時からはずれた男(MAN OUT OF TIME)」? やっぱりでもこの人がいるおかげで僕は堂々と眼鏡をかけていられる、そのくらい大きい存在であることは今も変わりません。またアトラクションズとライブやってくれないかなぁ・・・。