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3 / キリンジ
彼らを見出したかせきさいだぁは日に日に存在感を失っているように思えなくもない昨今でございますが、それこそ無趣味で地味な全く華のない兄弟=キリンジのこの売れっ子ぶりは正直予想できなかったです。テレビブロスにコラムを持つことはあっても(これがまたホトホト地味なのだ)、夏のツアー全公演完売になろうとは! これは世の中の価値観が変わってきてるのか、キリンジ側が歩み寄った結果なのか。まあでもこのアルバムは相当に素晴らしいものでした。「エイリアンズ」の世界観は何度聴いても秀逸。これからの季節にぴったりだなぁ。
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GET READY / NEW ORDER
前作93年の『REPUBLIC』をかろうじてリアルタイムで聴いていたことを思い出す。あれからもう8年になるけど、まさかの復活。本当に前作が最後のアルバムだと思っていただけに、フジのステージは訳もわからず観に行ってしまったようなものだ。新作は思いのほか素晴らしい出来映えである。久々に音でイギリスを感じることができる悦びに満ちたアルバムだ。
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THE LAST SUPPER / 電気グルーヴ
この1ヶ月、購入した新譜は結局これひとつだけだけど、他に何が必要? もうこの初回限定盤があれば1ヶ月なんて十分でしょう。おめでとう自分のメジャーデビュー10周年セルフトリビュートとあって、リミックスしてる他人も内輪で豪華に固めた濃厚なトラックが満載。ドリルキング・アンソロジー再びのムードが多大にあって最高です。21世紀もお世話になります。モテたくて、電気グルーヴっすよォ〜!
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LOST SOULS / DOVES
マンチェスター。かつての狂騒の中では沈んでいた彼ら。失われた魂(複数)というタイトルに込められたその思いはマイナーコードの調べとともに美しく結実した。昨今のUKシーンを見回しても、彼らほど洗練され熟練されたバンドはいないのではないだろうか。敗北あってのロック。どんなに古くさい思想だろうが、やはりロックの本質はそこなのだ。
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SUBSTITUTE 〜 THE SONGS OF THE WHO
本作に収録されているデビッド・ボウイによる「リリーのおもかげ」を聴く。ボウイさんがフーのトリビュートに参加することは特に珍しいことではない。元々、彼はモッズであったし、かつてのカヴァー集『PIN UPS』でも2曲もフーの曲を取り上げているほど。今回の「リリーのおもかげ」は、もう膝から崩れ落ちんばかりの悶絶モンのトラックである。聴いたか? 彼はまだ絶倫を維持しているのかもしれない。参った。
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マテリアル / ACO
新作と同じくして刊行された彼女の単行本に掲載された数々の写真を見るに、人間としてちょっとどうかと思ってしまったりもしたものだが、このアルバムに苦言を申すことは誰もできまい。デビューしたてだった頃のACOはいまいずこ。エイドリアン・シャーウッド&スキップ・マクドナルドのチームに加え、ニック・イングマン、下田法晴、前作に続いての砂原良徳らとのコラボレートが奏でる、最高級のポップ・ミュージック。ついに彼女のアーティスト性が極まった、ACOという女性の仕事を称えよ!
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SINCE I LEFT YOU / THE AVALANCHES
すでにUKのメディアが大絶賛してるらしいが、確かにこれは素晴らしく良いです。これからいろんな言われ方で紹介されると思うけど、そういうのに振りまわされる前に自分の耳で聴くべし。導入から心を掴んで包み込む音のパラダイス、脳みそとろけるような圧倒的な高揚感、ダンスとポップの見事なバランス感覚。時空を超えたタイムレスなものであるかは時が経たないとわからないものだけど、間違いなくここではないどこかへといざなってくれる至福の音楽体験に、いまは溺れまくりであります。
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REVEAL / R.E.M.
すごく丁寧なアルバムだと思う。もはやドラムのビル・ベリーが脱退して以降、歩を進めるというより立ち止まって三人でのあり方模索することに専念してきたわけで、かつてほどエキサイティングなバンドではなくなってしまっているが、それでもR.E.M.というバンドにこだわってきた彼らの姿勢は決して否定すべきではない。新たな追求の旅へと向かい、いまの三人で再び大傑作を生み出す可能性をまだ秘めていると思わせてくれる。ライブが観たいのに、どうして来てくれないのだろう。マイケル・スタイプは俳句の本まで出しているというのに・・・。
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LAST SPLASH / THE BREEDERS
偉大なピクシーズは時が経ってもたまに話題に上ったり、『ファイトクラブ』のように映画で使われたりと世間(というよりロック・ファン)の認知度は保たれているように思われるが、それならばもう少し先までフォローしておいて欲しいと思い紹介するのが、このブリーダーズ。ピクシーズのベーシストだったキム・ディールが結成したバンドで『LAST SPLASH』は1993年に発表されている。まさにグランジ絶頂のさなか、このアルバムは天然ともいえる突き抜けた気持ち良さを耳に届けてくれる一際異端な存在だったとも言える。名曲「CANNONBALL」は一度は耳にしたことがあるのではないだろうか。いまでも全然カッコいいです。
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SUBSTANCE / NEW ORDER
フジロック2001への出演が決定して以来、やはりどうにも落ち着かない! その場で目にするもの自体には、実は大きな期待を寄せるには不安だらけだったりする。他の皆さんには自信を持って「絶対にニール・ヤングを観ろ!」と勧めておく。ぶっちゃけると僕は、単純に「NEW ORDERのライブを観た」という自分だけの勲章が欲しいだけなのだ。哀しきUKロック道を歩んできた者の宿命だと感じている。あわれと思われても仕方がない。もう、あんまり書いても虚しいので、『SUBSTANCE』の説明を。1987年発表のCD2枚組仕様のコンピレーションアルバム。NEW ORDERとして1981年発表のデビューシングル「CEREMONY」から1987年当時の最新シングル「TRUE FAITH」まで12枚のシングル曲を12インチ盤に収録されたバージョンでリリース順に収録されたものが1枚。そしてもう1枚がシングルのB面曲を収録したものになっている。音楽的にどれほど優れたバンドであるかが、これだけで十二分に理解してもらえることと思います。