

Broken Rage
監督:北野武
2024年 日本
たけし版『PERFECT DAYS』とも思えた、どこかわざとらしい前半。そんな老いた殺し屋のルーティーンを前振り扱いにして繰り返す、たけし版『ポプテピピック』という不気味な仕上がり。


映画 からかい上手の高木さん
監督:今泉力哉
2024年 日本
映画に先駆けて放送されたドラマ版が十分に素晴らしかった今泉力哉監督による実写版プロジェクト。中学生だった高木さんと西片が、10年経ち永野芽郁と高橋文哉になっての、すてきな両想い。おでこ全開で高木さんを演じ切る永野芽郁が眩しい!最後の教室でのふたりには、長年見守ってきた他人として、素直にグッと胸にきて、ものすごく良かった!!


blur:To The End
Blur: To the End
監督:トビー・L
2024年 イギリス
『blur:To The End』と『blur:Live At Wembley Stadium』を、全席スピーカー内蔵で振動も起こるシートという、みなとみらいの映画館で、それぞれ別料金だけど連続で! とにかくファン冥利に尽きる作品だった。ずっとファンでいるなんて、どうかしてるけど、幸せなことなんだとも思う。正論では幸せにならない。それでもやるかやらないかという関係性。特別視されるウェンブリー・スタジアム。旨味 umami って英語になってるんだという発見。『くるりのえいが』との近さ。


オルフェ
Orphee
監督:ジャン・コクトー
1950年 フランス
1950年の芸術家ジャン・コクトーによる監督作。The Smiths「This Charming Man」のジャケットのシーンが出てハッとする。このカットを抜き取るモリッシーのセンス! さらに鏡の中に入ったりの展開を見進めていくと、床の模様がツインピークス!! なんというタイミングだろう。まさしく芸術は永遠なのだなぁと強く感じた。


マイ・ボディガード
Man on Fire
監督:トニー・スコット
2004年 アメリカ
メキシコを舞台にした誘拐劇で、後に兄リドリー・スコットが撮った『ゲティ家の身代金』にも通じる話でもあった。デンゼル・ワシントンのここでの元CIAの凄腕工作員というキャラクターは、『イコライザー』シリーズにて見事に再生された原点だったように見て取れる。


世界の涯てに
Lost and Found
監督:リー・チーガイ
1996年 香港
1996年製作で公開当時は金城武フィーバーが凄くて観なかったんだと思う。これが最近アマゾンに追加されていて、観てみたらめちゃめちゃ良かった。美しきケリー・チャンの人気も爆発したのも納得。監督のリー・チーガイ作品では『月夜の願い』が大好きだったなぁ。トニー・レオンが過去にタイムスリップして父親レオン・カーフェイに会うという『異人たちとの夏』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』みたいな。


不死身ラヴァーズ
監督:松居大悟
2024年 日本
最高な見上愛から一方的に惚れられるという、ファンタジーでしかない印象ではあるけれども、いまのところ見上愛にとって一世一代の映画と言えると思う。東海道新幹線の平塚あたりで見える三角屋根の住宅街の景色がロケに使われている。


ビサイド・ボウイ ミック・ロンソンの軌跡
Beside Bowie: The Mick Ronson Story
監督:ジョン・ブリューワー
2017年 イギリス
改めてだけど、亡くなったのが46歳という若さに驚く。モリッシー『ユア・アーセナル』のプロデュースやフレディ・マーキュリー追悼コンサートでのボウイとの演奏が最晩年だったなんて。ロックギタリストとして文句なくカッコ良かったことに加えて、彼のプロデューサー&アレンジャーとしての才能も語られ、初期ボウイだったり、ルー・リード『トランスフォーマー』だったり、彼の功績を正しく評価されていて、嬉しかった。


SAND LAND
監督:横嶋俊久
2023年 日本
ひたすら手の込んだポップでユニークでキャッチーなビジュアル。かつての『タンク・ガール』がベースにあるのかもだけど、めちゃめちゃ面白くて、改めてスーパーレジェンド鳥山明の偉大さと、計り知れない喪失を味わう。


ピンピネロ:ブラッド&オイル ~荒野の運び屋~
Pimpinero
監督:アンドレス・バイス
2024年 コロンビア
コロンビアとベネズエラの内陸荒野の国境を跨いでガソリンを運ぶ裏稼業のワイルドさ。極端な価格差から実際に密貿易は盛んらしく、映画を見るにマッドマックス2以降の世界とほぼ変わらない。
