

フェラーリ
Ferrari
監督:マイケル・マン
2023年 アメリカ・イギリス・イタリア・サウジアラビア
レースに勝つためにクルマを売る、その稀有な高級スポーツカーメーカーたるフェラーリの哲学を悟った創始者エンツォ。今も昔もレースの主軸はF1であるけれども、映画で触れるのはそこではなかった。イタリアンな愛憎劇と、牧歌的な時代のレースだからこその即死の世界。儚い美学。フェラーリのクルマの美しさは永久に不滅だ。


親密さ
監督:濱口竜介
2012年 日本
突然のスリーパーホールドにハッとする。恐るべし濱口竜介。かつての東急東横線渋谷駅の望遠。丸子橋の夜明けの対話。JR田町駅からのラスト。超長尺の中に潜む、カメラが捉える傑出したシーンに圧倒される。


PASSION
監督:濱口竜介
2008年 日本
2008年、濱口竜介監督が東京藝術大学大学院映像研究科で撮った修了作品。その後の作品にも通じる習作でありながら、観ている方が恥ずかしくなるところが全然ない。渋川清彦が活き活きとしている。同級生の瀬田なつきが助監督で参加。同大学の月川翔監督が自らのキャリアを振り切るきっかけとなった、学生としては突き抜けた作品。


ボーイズ・ステイト
Boys State
監督:ジェシー・モス、アマンダ・マクベイン
2020年 アメリカ
政治に関心のある高校世代の若者が一同に集まり、無作為に2つの党に分けられ、模擬選挙を行なう1週間の政治体験プログラムを追ったドキュメント。トップである知事を目指す者、判事を目指す者、ジャーナリストを目指す者など、個人・集団それぞれの戦いと情熱と友情の姿に、アメリカナイズされてるとはいえ、学びのある作品だった。


チャレンジャーズ
Challengers
監督:ルカ・グァダニーノ
2024年 アメリカ
10年を越える男女三人巡り合わせのビッグマッチ。カンケイを弄ぶ最高なゼンデイヤ。突如鳴り出すキマった音楽。因縁のサーブからラストシークエンスの大絶頂! クレイジーセクシークールな圧倒的おもしろさ!!!


手紙と線路と小さな奇跡
Miracle: Letters to the President
監督:イ・ジャンフン
2021年 韓国
韓国KORAIL嶺東線の両元(ヤンウォン)駅は実在する秘境駅。道路のない山の中の集落に暮らす人々によって作られた駅というのは実話らしい。いまでは渓谷の絶景を売りにした観光列車が走るようになっているようで、めっちゃ行ってみたい。映画は少女時代のユナが高校生役で戸惑うも、その強引さも含めて女神ユナの存在はありがたかった。


関心領域
The Zone of Interest
監督:ジョナサン・グレイザー
2023年 アメリカ・イギリス・ポーランド
壮絶な映像体験だった『サウルの息子』や、基礎教養としての『シンドラーのリスト』等を前提に成立させる新たな手法で、凄まじいサウンドデザインによる映画体験。いちいち気を取られてしまう赤子の泣き狂う声と、鬼嫁芝居の絶対王者となったサンドラ・ヒュラーの存在感。超強烈。


MINAMATA
Minamata
監督:アンドリュー・レビタス
2020年 アメリカ
社会で習う水俣病。1971年に依頼を受け水俣を訪れ、現地で暮らし、世界に発信した写真家ユージン・スミス。彼を演じ製作も兼ねた、ジョニー・デップの代表作といえる素晴らしさ。真田広之をはじめ日本の俳優陣も誇りを持って演じている。


コレクティブ 国家の嘘
Colectiv
監督:アレクサンダー・ナナウ
2019年 ルーマニア・ルクセンブルク・ドイツ
ルーマニアのライブハウス火災事件を発端に明るみになる、政治・企業・病院による腐敗・汚職・不正・癒着の実態。韓国の加湿器殺菌剤事件を描いた『空気殺人 TOXIC』にも通じる、利権の犠牲となる人命の軽さ。


恋の潜伏捜査
She’s on Duty
監督:パク・フンジョン
2005年 韓国
刑事が女子高生に扮して高校に潜入するアクション・コメディ。キム・ソナが元スケバンという設定で、コテコテなノリも含めてめちゃめちゃ面白い。若かりしコン・ユのカッコ良さよ。ハ・ジョンウも若い!
