

スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
STAR WAS EPISODE.3 : REVENGE OF THE SITH
監督:ジョージ・ルーカス
2005年 アメリカ
終わりであり始まりであり最中でありのエピソード3。終始興奮、圧巻、壮絶。ストーリーをほとんど忘れるほど印象が薄かった、エピソード1&2に続けて、2と3の間の物語が描かれたカートゥーンアニメ「クローン大戦」vol.1&2を短期集中で見直した甲斐もあって、とことん楽しむことができました。惜しみないバトルシーンのすべてが、ダース・ベイダー誕生の悲劇へと導かれていくだけに、暗黒面の持つ刹那さいっぱいで本当にたまらない。上映時間141分。一気にたたみ掛け、つなぎとしての役割も見事に果たし、とうとう完結してしまった。深い感動と、終わってしまった喪失感で、何度大きなため息をついたことか。伝説の最後を映画館で実体験できて、本当によかった。


ショーン・オブ・ザ・デッド
SHAUN OF THE DEAD
監督:エドガー・ライト
2004年 イギリス
甦る腐った死体、ゾンビ。人間を襲い増殖を繰り返すループゾンビ。ドラキュラからキョンシーまで、派生したキャラクターも含めてゾンビ映画は出尽くしたかと思いきや、この作品は想像以上に素晴らしい最高にポップな爆笑ゾンビ映画でありました! ホント、これ大傑作です! あくまでゾンビの基本を守ってホラーな話としてしっかり展開していきながらも、イギリスらしいユーモアでユルみきったシーンの応酬にたまらずゲラゲラ笑ってしまいます。ゾンビ、すごくノロいし。あと主人公がレコード盤で攻撃するくだりや、クイーン「Don’t Stop Me Now」が流れる格闘シーンは必見。オチまで斬新に決めてくれて、とにかく終始楽しかった!


誰も知らない
監督:是枝裕和
2004年 日本
ロリポップな衝動はまぁおいとくとして、なんともいたたまれない物語に涙でありました。元フェアチャイルドのYOUさんの母親役が、この話としては合わないとの声もあったりしましたが、この程度の甘さがあったことが、映画としてはよかったのかもしれません。それだけ子供たちの現実が厳しく、こんなたまらん生き方ってないだろう。


エターナル・サンシャイン
ETERNAL SUNSHINE OF THE SPOTLESS MIND
監督:ミシェル・ゴンドリー
2004年 アメリカ
人間の消したい部分の記憶を消去することに葛藤する主人公の姿を描いた、たまらなく切ない恋物語。ジム・キャリーがコメディ映画でみせるしつこい芝居を封印し、まさにチャーリー・カウフマンが書き上げた男をバッチリ演じてくれている。同じセリフが何度となく使われ、あらゆるシーンを行き来しながらも、奥深くからわき起こり激しく揺さぶられる感情を捨てなかった主人公とともに、あらゆる感情を味わいながら最後を締めくくる極上の音楽に男泣き。BECKがカヴァーしたKORGISの「Everybody’s Gotta Learn Sometimes」が、彼の新作に日本盤ボーナストラックとしてでも収録されていないのが惜しい。


ドラッグストア・ガール
監督:本木克英
2004年 日本
エンドロールのバグルスが謎でしたが、面白かったです。黄昏男子の老いて甦る青春のトキメキ。大学生役のこんなラブリーな田中麗奈と知り合いになりたいです。彼女の主演作は『がんばっていきまっしょい』『はつ恋』『東京マリーゴールド』と、なかなか良いですね。


ロスト・イン・ラマンチャ
LOST IN LA MANCHA
監督:キース・フルトン、ルイス・ペペ
2001年 アメリカ、イギリス
狂人「ドン・キ・ホーテ」の物語を映画化するという、テリー・ギリアム監督10年来の企画を実現すべく、ついに動き始めた制作現場のメイキング・ドキュメント。撮影わずかにして、テリー・ギリアムの余りある夢と野望を御破算にさせてしまった、容赦ない現実の記録が痛々しく刻まれている。笑おうが泣こうが、そこにはファンタジーの入り込む余地すらない。制作中止となったこの企画を再度映画化することを監督は決意したらしいが、監督自身がドン・キ・ホーテになってしまうのか、なんとも救いが見出せないのが残念だ。立派な絵コンテがあるだけに、宮崎駿が買って、この際共同監督とかでアニメでも作っちゃえばいいのになぁ。ドン・キ・ホーテの呪い、日本では無理か・・・。『未来世紀ブラジル』と『フィッシャー・キング』は本当に大傑作でした。


ドッグヴィル
DOGVILLE
監督:ラース・フォン・トリアー
2003年 デンマーク
舞台となる「ドッグヴィル」という小さな村を、これといったセットもなく、床に描いた白線だけで表現された、壮大な実験作というイメージが強すぎて、正直なかなか観るのに気乗りしなかったわけですが、観てよかった。面白いです。映画としてはかなりの挑戦だったと思うけど、ストーリーは明解。ラース作品に共通する人間の醜態を、壁のないセットなだけに筒抜けで撮りまくってます。そんな撮影環境を記録したメイキングドキュメント『ドッグヴィルの告白』も観てみると、構図によってはセット全体がカメラに写るため、ほぼ全編にわたって役者全員が芝居に集中しなければいけないという、そんな緊張と疲労がアリアリで、かなり過酷そうでした。しかもスウェーデンの山奥のスタジオに約2ヶ月の合宿状態。まあでも監督ラース・フォン・トリアーの精神状態が一番つらそうに見えましたが、映画作家としてどこまで突き進んでくれるのか、まだまだ興味が尽きない才能の持ち主だと思う。


ロスト・イン・トランスレーション
LOST IN TRANSLATION
監督:ソフィア・コッポラ
2003年 アメリカ・日本
西洋人セレブの目線で綴る日本滞在記。結局のところ不思議の国ということで勝手に面白がられて終わっている薄いものでしかなく、何がよくてヒットしたのかさっぱりわからない、つまらない映画だった。外国人に受けるならまだしも、日本人がこれを面白いと思えるのか、かなり疑問だ。代官山で遊んでいる人たちなんか、全員頭悪そうだったしなぁ。ヴィム・ヴェンダースの『東京画』や『都市とモードのビデオノート』と比べれば全然たいしたことないし、オシャレでもなければ、アートでもない。映画のビル・マーレイが冷めた芝居をしていたように、冷めた気分で観てしまった。


華氏911
FAHRENHEIT911
監督:マイケル・ムーア
2004年 アメリカ
マイケル・ムーア監督が自身の持論に信念を抱き、時論として発展させるために作り上げた、マイケル・ムーアなりの『ゆきゆきて神軍』ともいえる、今のアメリカ・ブッシュ政権へのカウンターとしてのドキュメンタリープロパガンダ映画。好きも嫌いも賛否両論いろいろあれど、この作品が2004年を最も象徴する映画として世の中に果たした役割は非常に大きいのではないだろうか。同時多発テロ発生以降、アメリカの主要メディアは政府のプロパガンダとしての性格を一層強めたといわれているこの時代、インターネットで知ることができる情報も確かに多いが、一般市民にとってこの映画で見る実際の映像のインパクトはものすごいものだと思う。そしてムーアの才能に拠るところが大きく、この映画は全米でも大ヒットした。アメリカの戦争はハリウッドの先行投資と言われたりもしてきたが、とうとう現行の政権そのものを敵とする、この映画がウケてしまった。「体制と犠牲、予定通り予定外、もうわからない!、責任者出て来い!」とは斉藤和義の歌の歌詞にあったけど、田中宇のサイトを読んだり、朝まで生テレビを見たりして、一般のテレビや新聞報道が伝えない情報を見聞きしても、アメリカ国家というのは混沌としまくっていて本当によくわからない。イラクで戦死した米軍兵士の母親が涙ながらに嘆く「知っているようで何も知らない」という言葉が、強烈なメッセージとして突き刺さる。


陽だまりのイレブン
UMA AVENTURA DE ZICO
監督:アントニオ・カルロス・ダ・フォントウラ
1998年 ブラジル
ほのぼのレイクのCMが懐かしい、今となってはサッカー日本代表監督を務めるジーコのほのぼの主演映画。しかもジーコの一人二役! かたやマジメで論理的なジーコ本人「オリジナル」、そしてもう一方は陽気で無邪気なジーコ複製人間「ジーコピー」を熱演しています。ブラジル全国から選抜されたちびっこたちがジーコサッカースクールに招待され、ジーコから直接指導を受けながら、サッカーを学び楽しみ成長していく過程で、ジーコピーが作られる珍事件があったりという、楽しんで観るにはもってこいの映画です。ツッコミどころ満載ながら、こういう仕事も気取らずやってしまうジーコって、やっぱ素敵ですよ。代表監督でなんやかんや言われながらもなぜか結果を残しているように、この映画もブラジルでは大ヒットしたらしい。運も実力のうちと言うけれど、ジーコの強運は本物なのだろう。
