

放課後アングラーライフ
監督:城定秀夫
2023年 日本
港町に転入した女子高生が学校で釣りに勧誘されてという『放課後ていぼう日誌』まんまの設定だけど、主人公が前の学校でいじめられていた傷を背負っている分、気持ちの部分で注意深く描かれていて、これはこれでとてもいい作品だった。


アンダーグラウンド
Underground
監督:エミール・クストリッツァ
1995年 フランス・ドイツ・ハンガリー
大昔に観て以来だったので、新鮮に食らう。とてつもない傑作。かつてあった一つの国、ユーゴスラヴィア。映画のマジックと奇跡を目の当たりにする。奇しくも4Kリマスター版で再上映されるらしい。民族と土地と営みが権力に翻弄されるのは今も変わらないのか。


フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛をこめて
Fisherman’s Friends
監督:クリス・フォギン
2019年 イギリス
コーンウォールはイギリス南西の端っこ。そこで暮らす船乗りの唄が、偶然の旅行者だった音楽業界人の目に止まりデビューする物語。実際に彼らFisherman’s Friendsをマネージメントした人物がイアン・ブラウンという名前で、エンドクレジットで「え?」と思ったけど、ストーン・ローゼズのイアンとは別人だった。


君の誕生日
Birthday
監督:イ・ジョンオン
2019年 韓国
2014年のセウォル号沈没事故で息子を失った遺族の物語。こんなにもいたたまれない話はない。自我と家庭が崩壊する寸でで生き耐える姿に、親人生を生きる端くれとしても、なおさらそう思う。それでも寄り添うこと、共有し合うことが、日常を生きるギリギリの力になっていく。夫婦を演じたソル・ギョングとチョン・ドヨン、そして娘役のキム・ボミンが素晴らしかった。


天国にちがいない
It Must Be Heaven
監督:エリア・スレイマン
2019年 フランス・カタール・ドイツ・カナダ・トルコ・パレスチナ
イスラエル・ナザレ出身のパレスチナ人であるエリア・スレイマン監督作。社会的メッセージを声高に語らずも、シュールかつ中心を意識した緻密にデザインされた映像に、ウェス・アンダーソンにはない凄味が伝わってくる。ラストシーンとタイトルに突如はじまったイスラエルの現状を思わずにはいられない。


ぼくの歌が聴こえたら
The Box
監督:ヤン・ジョンウン
2021年 韓国
EXOチャニョルが音楽の才能がありながら、人前で歌うことができず、ダンボール箱に隠れて演奏するのは『ぼっち・ざ・ろっく!』かと思った。ベタな選曲で彼の歌を堪能しながら韓国各地を旅する、さらっとしたテンポ感がいい。


ミセス・ハリス、パリへ行く
Mrs. Harris Goes to Paris
監督:アンソニー・ファビアン
2022年 イギリス
戦後のロンドン・バタシーに暮らすおばちゃんが、パリのクリスチャン・ディオールでオートクチュールドレスを作る物語。なんともチャーミングでめちゃめちゃ素敵な映画だった。原作は「ハリスおばさん」シリーズで、他にもニューヨークに行ったり、モスクワに行ったり、国会に行ったり、いろいろあるみたい。モデル役で目を惹くアルバ・バチスタは、先日クリス・エヴァンスと結婚している。


ハロー!?ゴースト
Hello Ghost
監督:キム・ヨンタク
2010年 韓国
臨死体験から幽霊が見えるようになった主人公も実は死んでいた!というオチではないけども、緊張感の無さから最後は衝撃を受けた。


キャノンフィルムズ 爆走風雲録
The Go-Go Boys: The Inside Story of Cannon Films
監督:ヒラ・メダリア
2014年 イスラエル
チャック・ノリス『デルタフォース』やスタローン『オーバー・ザ・トップ』等の監督として認知していたメナハム・ゴーランのドキュメント。資金集めの達人だった従兄弟のヨーラン・グローバスと組み、イスラエルからハリウッドに渡り、Vシネの如く映画を製作しまくったという。低予算映画に限らず、カサヴェテスやゴダール、アルトマンの作品も手がけていたことは初めて知った。80年代の時代を捉えた狂人の生き様に深く魅入ってしまった。


四畳半タイムマシンブルース
監督:夏目真悟
2022年 日本
森見登美彦『四畳半神話大系』とヨーロッパ企画『サマータイムマシン・ブルース』が合体!四畳半の懲りない面々が躍動する楽しさに満ちあふれている。ほとんど早回しのようなテンポの効果もあるのか、珍しくわが子も最後まで観てた。
