

線は、僕を描く
監督:小泉徳宏
2022年 日本
爽快なくらい江口洋介の映画だった。


パブリック 図書館の奇跡
The Public
監督:エミリオ・エステベス
2018年 アメリカ
11年かけて完成させた製作・脚本・監督・主演のエミリオ・エステベス入魂の一作。『狼たちの午後』や『聖者の眠る街』をちょっと思い出した。『怒りの葡萄』の一説を引用するシーンに感銘を受ける。


ジュディ 虹の彼方に
Judy
監督:ルパート・グールド
2019年 イギリス
47歳の若さでこの世を去ったジュディ・ガーランド。母親とスタジオに支配された壮絶な生涯と、精神の病の深さを思うと、十二分に生命を全うしたと、賛辞を送りたくなるのではないだろうか。晩年期の彼女を、全霊を込めて演じたレネー・ゼルウィガー。ボロボロでも、いざステージで輝きを放つ天才性を見事に表現していて、本当に素晴らしかった。


アイネクライネナハトムジーク
監督:今泉力哉
2019年 日本
人それぞれ出会うことをきっかけに全てが始まっている。家族や友人たち、10年経っての変化と継続。三浦春馬が今もどっこい生きていたら良かったのになぁと思う。じんわり心に残るいい映画だった。


幸福なラザロ
Lazzaro Felice
監督:アリーチェ・ロルバケル
2018年 イタリア
無私無欲なラザロという聖人キャラを通じて抉り出す貧しき人の世。時代不詳のまま物語が始まり、次第に明らかになっていく展開は、ミルチョ・マンチェフスキの『ビフォア・ザ・レイン』のよう。素晴らしかった。


英雄の証明
A Hero
監督:アスガー・ファルハディ
2021年 イラン・フランス
借金問題から収監された男が、一時出所中の行いを周囲やメディアから美談とされ、ハイプ的に時の人となっていく。それにより一件落着とはならず、世間の手のひら返しから信用を失い、再起の道を絶たれてしまう。罪なき罪に振り回され、いまの時代の世知辛さを証明している。


トスカーナの幸せレシピ
Quanto Basta
監督:フランチェスコ・ファラスキ
2018年 イタリア
暴力沙汰から出所した一流シェフが、奉仕活動を通じて再出発を目指す。先日観た『それだけが、僕の世界』に近い話だけど、お国柄というかだいぶカジュアル。出てくる料理が全部美味しそう。完璧なトマトソース、味わってみたい。


それだけが、僕の世界
Keys to the Heart
監督:チェ・ソンヒョン
2018年 韓国
韓国版『レインマン』のような物語。イ・ビョンホンとユン・ヨジョンという代表クラスを揃え、ズルい配役とベタな話ではあれど、文句なしに良質な素晴らしい作品だった。


スザンヌ、16歳
16 Printemps
監督:スザンヌ・ランドン
2020年 フランス
主演のスザンヌ・ランドンが監督・脚本も務めたフランスの青春映画。主人公は割と真面目だけど『なまいきシャルロット』な雰囲気あって、とても眩い。ハッとさせられるダンスシーンが秀逸。


最後まで行く
A Hard Day
監督:キム・ソンフン
2014年 韓国
2014年の韓国オリジナル版。主人公も大概なワルだけど、悪魔的な知性・腕力・執念で超えてくる一級品が出てくると、映画も異常にブーストかかって、どんな暴力も満面笑顔で楽しめる。緩急と間合いがお見事。面白かった!
