

AIR
Air
監督:ベン・アフレック
2023年 アメリカ
1984年、NIKEがマイケル・ジョーダンとの契約に至るまでのプロセス。結果の大勝利がわかっていてもめちゃめちゃ痺れた。NBAの当時の規定を破ってナイキが罰金払ってでも色を足すことを決めたプロトタイプデザインのシーン、ゾクゾクした。素晴らしいチーム、そして母は強し。大傑作。


さかなのこ
監督:沖田修一
2022年 日本
のんがさかなクンで、さかなクン自身が演じるもう一つのあり得たかもしれないさかなクンとの対比。幼少からの狂人的に純真な好きを貫きながら、さまざまな出会いとタイミングがどんなに大事か。さかなクンとのんが売れる世の中で本当に良かったと思える、素晴らしい作品だった。


ヒューマン・ハイウェイ
Human Highway
監督:バーナード・シェイキー、ディーン・ストックウェル
2021年 アメリカ
原発の街にイカれた登場人物たちということで、この映画の魂はザ・シンプソンズが引き継いでいるのかも。ニール・ヤングが私財を投じて制作し、監督主演した1982年の自主映画。劇中「Hey Hey, My My」をDEVOと一緒にブージー・ボーイ(DEVOのキャラ)のボーカルで演奏している。


ザ・スイッチ
Freaky
監督:クリストファー・ランドン
2020年 アメリカ
殺人鬼ヴィンス・ヴォーンと入れ替わってしまうブロンド高校生女子キャスリン・ニュートンが福原遥だった。監督は『ハッピー・デス・デイ』のクリストファー・ランドン。


グッバイ・シングル
Familyhood
監督:キム・テゴン
2016年 韓国
わがまま女優と中学生妊婦の共同生活。誰も殴らず、それを見守るマ・ドンソク。コメディとしての無理くりな展開も、終わってみれば超感動!『JUNO』を少し思い出した。


シラノ
Cyrano
監督:ジョー・ライト
2021年 イギリス・アメリカ
「シラノ・ド・ベルジュラック」の映画としては、ジェラール・ドパルデューの(1990年版)が好きだけど、今回のはエリカ・シュミットによるミュージカル戯曲(2018)を元にした映画化。音楽は舞台版と同じく、すっかり売れっ子となったThe Nationalのデスナー兄弟で、ナショナル感たっぷりだった。


チャンシルさんには福が多いね
Lucky Chan-Sil
監督:キム・チョヒ
2019年 韓国
『ジプシーのとき』を観て映画業界入りを決意し、小津安二郎が最も敬愛する映画監督(タイトルバックが小津オマージュ)だという彼女が、映画プロデューサーの仕事を失い、人生を見つめ直す物語。ブエノスアイレスな自称レスリー・チャンの幽霊がいい奴。大家さんがオスカー女優ユン・ヨジョン。初監督となるキム・チョヒはホン・サンス作品のプロデューサーをやってた人らしい。


ハケンアニメ!
監督:吉野耕平
2022年 日本
スタッフロールで辻村深月の小説が原作であることを知る。映画での劇中アニメのプロットも書いたらしい。アニメ制作が舞台の作品に興味を持ったなら、是非とも水島努監督の超傑作アニメ『SHIROBAKO』も観てほしいと思う。


BLUE GIANT
監督:立川譲
2023年 日本
漫画原作にはない音。その音楽制作とピアノを担当した上原ひろみ、サックス馬場智章、ドラム石若駿。物語も映像も声優も素晴らしかったが、何と言ってもこのスーパースペシャルな3人の演奏をスクリーンで浴びる至上の映画体験に、描かれるライブの観衆同様、滂沱の涙を流すのだった。


FLEE フリー
Flee
監督:ヨナス・ポヘール・ラスムセン
2021年 デンマーク・スウェーデン・ノルウェー・フランス
アフガニスタン内戦でロシア・モスクワに脱出し、難民として西側への亡命を果たした青年の、生存するために秘密にしてきた壮絶な半生のドキュメント。秘匿性の観点からアニメで描かれる事実の重さ。難民ボートを客船から見つめる無感情な人々は、映画を観る我々の写し鏡なのかもしれない。
