

X エックス
X
監督:タイ・ウェスト
2022年 アメリカ
『悪魔のいけにえ』シチュエーションに始まり、老人vs若者の生存バトルの見せ方が、あるあるたっぷりで面白い。自らの老いと失ったものを自覚しながら、若さを徹底的に敵視する末路の恐怖。ミア・ゴスの二役がハマって、過去とその後の続編加えた3部作になるらしい。


神々の山嶺
Le Sommet Des Dieux
監督:パトリック・インバート
2021年 フランス・ルクセンブルク
同原作を元に日本で実写映画化されたものもあるけど、こちらはフランスで製作されたアニメ版。圧倒的に素晴らしかった。これまでのエベレスト映画、山岳映画、登山映画において、最高峰の傑作だと思う。東野幸治の「アドベンチャー魂」に出てきた冒険家の方達の顔も浮かんできた。


おらおらでひとりいぐも
監督:沖田修一
2020年 日本
郊外に暮らす独居老人の物語。死にはしないけど、半分くらい彼女の走馬灯を見てるかのように思えた。ゴキブリをしばくシーンが画角も含めて良かった。


星の子
監督:大森立嗣
2020年 日本
『こちらあみ子』と同じく今村夏子原作。カルト教団に盲信する両親を持つ家族の物語。家を出て絶縁した姉に理解しつつ、成長とともに揺れ動きながらも両親からの愛情を決して否定しない。芦田愛菜の素晴らしさが際立っている。新音と見上愛のサポートも目を惹いた。


ペトルーニャに祝福を
Gospod Postoi, Imeto I’ e Petrunija
監督:テオナ・ストゥルガル・ミテフスカ
2019年 北マケドニア・ベルギー・スロベニア・クロアチア・フランス
主人公の彼女に対する露骨な憎悪が、女人禁制の神事に飛び込んでしまったことで決定的になっていく。伝統やしきたりという名目の元に残り続ける男性優位な社会に対する、強烈なカウンター。神とは?宗教とは?幸せとは?ラストがとにかく秀逸。


こちらあみ子
監督:森井勇佑
2022年 日本
どこまでも無垢なままのあみ子。かと言って『地下鉄のザジ』のようなポップな世界に彩られることはなく、とても残酷に家族が崩壊していく。逞しく生きろ、と言うは易しだよなぁと思う。素晴らしい作品であるとともに、受け止めきれない自分の小ささを知る。


劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM
監督:幾原邦彦
2022年 日本
幾原邦彦監督のTVアニメ『輪るピングドラム』を前後編4時間半に再構築された劇場版。繰り返されるフラッシュバック。ふんだんに使われるARB。何層もの物語から、運命に導かれ、運命に抵抗する、幼少期に深い傷を負った登場人物たち。久々の生存戦略を堪能した。


PIG
Pig
監督:マイケル・サルノスキ
2021年 アメリカ
オレゴンの山中深くに暮らすニコラス・ケイジと豚。トリュフ採取の相棒だった豚が拉致され、必死の捜索とともに明かされていくニコラス・ケイジの過去。トリュフのブローカー親子の関係を見るに「美味しんぼ」の一編のような話だった。


ホワイト・バレンタイン
White Valentine
監督:ヤン・ユノ
1999年 韓国
1999年のチョン・ジヒョンの映画デビュー作。流石に初々しくもあるも、十分なスター性をしっかり刻んでいる。直後に『イルマーレ』『猟奇的な彼女』とスペシャルなキャリアが続くのがすごい。


メタモルフォーゼの縁側
監督:狩山俊輔
2022年 日本
BL漫画を通じて、高3受験生書店バイトの芦田愛菜と老婦人の宮本信子が年の差を越えて友達となり、やがては無二の存在ソウルメイトとなっていく、優しい眼差しに溢れている。ただただ素晴らしかった。
