恋愛睡眠のすすめ
監督:ミシェル・ゴンドリー
LA SCIENCE DES RÊVES
2006年 フランス・イタリア
ワンカットワンカット猛烈に手の込んだ映像に唸りながら、ラブコメの面白さも十分楽しみながら、ハッピーとは言えない、病を癒しきれない傷というか悲壮感というか、重さがズシっと胸に残る映画でありました。ガエルが珍しくギラギラしてないけど、別の魅力で女性ファンが新たに増えそうです。シャルロットはなまいき盛りをとっくに過ぎて、かわいさよりカッコよさを極めていきそうな、もっと年取ったらパティ・スミスみたいになりそうな感じでした。
バベル
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
BABEL
2006年 アメリカ
監督の芸風は特に変わりはないものの、重さは徐々に軽くなっているのかもなので、今作がいろんな賞レースに顔を出すなど、いちばん一般受けするのも納得の内容。話題の菊池凛子は女子高生としては無理がある気もしますが、制服姿と外国人目線では高校生として問題ないのでしょう。露出が多すぎでしたが役はよかったと思います。もっと絶望的な映画かと思いましたが、となりの人の手を握りたくなるような映画でした。全体的に途中で終わっちゃった気もしないでもない・・・。
東京裁判
監督:小林正樹
1983年 日本
第二次世界大戦終戦後に行われた
東京裁判こと極東国際軍事裁判のドキュメント映画。日本の歴史教育は縄文時代が出発点であるため、近現代史のところがうやむやであることが多いわけで、こうした当時の映像で生々しく戦争の時代を振り返ることは、重要なことなのかもしれない。朝まで生テレビなどでよく話題になる東京裁判が、裁判として問題だらけの正当性を欠いた一方的なものであったことを、ようやくはっきりと知ることができたし、日本人戦犯をアメリカ人が弁護していたことなど、いろいろ驚きや発見のある映画だった。時代は変わると言えども、戦争と敗戦を経験して今の日本があることを、しっかり認識しておかねばなぁと思う。
ロッキー・ザ・ファイナル
監督:シルヴェスター・スタローン
ROCKY BALBOA
2006年 アメリカ
シリーズ第6作『ロッキー・ザ・ファイナル』。タイトル通り、ロッキーシリーズの最後を見届ける、切なさとわびしさが全編を覆っていながらも、サービス精神満載で気持ちの良い、実にロッキーな映画だったと思う。とうとう最後までレギュラーを務めたポーリーが「オレはロクでなしな兄貴だった」と語ったところが、今回いちばんグッときたなぁ。如何にしてロッキーはリングからエイドリアンと叫ぶに至ったか、その小さな美しい物語から30年。この原点の第一作が本当に素晴らしくて素晴らしくて大好きで、そこだけはわかってほしいと強く願うのであります。
インファナル・アフェア
監督:アラン・マック、アンドリュー・ラウ
INFERNAL AFFAIRS
2002年 香港
『インファナル・アフェア』三部作をまとめて鑑賞。ハリウッドリメイクの『ディパーテッド』がアカデミー賞を獲ったりしたこともあり、前後の話も観てみようかと思ってやってみました。ストーリーの時制順に『II』『I』『III』の流れで観ましたが、『III』は現在と過去が入り乱れでかなり混乱するなぁ。ヤンとラウとサムと警視の四者がものすごく高いレベルで、ギリギリの駆け引きを繰り広げる映画のテンションを思うと、やっぱ『I』の完成度が群を抜いております。素晴らしいです。
イン・ザ・プール
監督:三木聡
2004年 日本
松尾スズキが精神科医を好演してますが、奥田英朗の原作を松尾スズキをイメージしながら読むほうが、実は楽しかったりしますね。原作と映画は別物だとわかっていても、イコールで結びつけたくもあり、そこが難しいところです。
メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬
監督:トミー・リー・ジョーンズ
THE THREE BURIALS OF MELQUIADES ESTRADA
2005年 アメリカ・フランス
トミー・リー・ジョーンズの監督・主演でテキサス南部を舞台にしたローカルな一本。男の友情、仁義をためらわず、彼なりに落とし前をつけさせるまでを描いた静かなロードムービーでもありました。
プロジェクトBB
監督:ベニー・チャン
ROB-B-HOOD
2006年 香港
ジャッキー、そしてユン・ピョウ。もうこれだけで観るぞ!と思い立って観てしまいました。内容は『スリーメン・アンド・ベイビー』みたいな、赤ちゃんに四苦八苦するファミリー映画なので、ストーリーに緊張感がないため決死のアクションも無駄に体張ってる感じがしてならなかったですが、ジャッキーファンは楽しめると思います。セグウェイ乗ってみたいなぁ~。
絶対の愛
監督:キム・ギドク
TIME
2006年 韓国・日本
邦題がイマイチ惹かれない気もいたしますが、これが最高におもしろかったぁ!!! こんなに狂ってて激しいラブストーリーは、フランス映画の専売特許だったように思ってたけど、キム・ギドク恐るべしですよ。整形後の主人公を演じた主演女優ソン・ヒョナ自身も、整形をカミングアウトしてるみたいだけど、非常に見応えがありました。
ディア・ウェンディ
監督:トマス・ヴィンターベア
DEAR WENDY
2005年 デンマーク
ラース・フォン・トリアー脚本による命短し銃に恋する少年少女を描いた、現代の西部劇のようなアメリカン・ニューシネマのような。ゾンビーズがたくさん流れました。