パッチギ!
CINEMA

パッチギ!

監督:井筒和幸
[ 2004年 日本 ]
もはや井筒和幸監督に、この先これ以上の作品はできないだろうと言いたいのも納得というか(みうらじゅんに至っては「これで遺作にしよう!」とまで言っておりましたなぁ)、『ゲロッパ!』のあとだけに、とにかく清々しい快心の一本でありました。最後のイムジン河でうるっとさせる大衆性を持ちつつ、社会啓蒙的にも良い作品だったと思います。

posted on 2005/09/07
リンダリンダリンダ
CINEMA

リンダリンダリンダ

監督:山下敦弘
[ 2005年 日本 ]
女子高生役にしては香椎由宇もペ・ドゥナも貫禄ありすぎなわけですが、めっさ良かったです。軽音楽部の部室にビート・ハプニングや民生「恋のかけら」のポスター、リチャード・アシュクロフトの切り抜きなど貼ってるのは、高校生のセンスじゃないだろうと思ったわけですが、映画は本当にめっさ良かったです。最後は音楽がからむとどうにも泣けてしまいました。『アバウト・ア・ボーイ』の発表会のステージでロバータ・フラック歌うシーンでも泣いたくらいですからね。

posted on 2005/08/21
バットマン・ビギンズ
CINEMA

バットマン・ビギンズ

監督:クリストファー・ノーラン
BATMAN BEGINS [ 2005年 アメリカ ]
これは本当に大傑作ですよ!!! スターウォーズがちっと霞むと言っても過言ではないかも。スターウォーズも最高によかったけど、映画としては迷わず『バットマン・ビギンズ』を強く推したいです。そんなわけで大興奮だった『バットマン・ビギンズ』だったわけですが、上映中地震発生でちょっと驚きました。ただ地下だったため、そこまでの衝撃はなくいつもよりやや揺れがあるくらいかな、という感覚で映画に没頭してたら、電車が止まったりするレベルだったようで、新宿駅の混乱を見てようやく事の大きさに気付いたのでした。

posted on 2005/07/25
スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
CINEMA

スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐

監督:ジョージ・ルーカス
STAR WAS EPISODE.3 : REVENGE OF THE SITH [ 2005年 アメリカ ]
終わりであり始まりであり最中でありのエピソード3。終始興奮、圧巻、壮絶。ストーリーをほとんど忘れるほど印象が薄かった、エピソード1&2に続けて、2と3の間の物語が描かれたカートゥーンアニメ「クローン大戦」vol.1&2を短期集中で見直した甲斐もあって、とことん楽しむことができました。惜しみないバトルシーンのすべてが、ダース・ベイダー誕生の悲劇へと導かれていくだけに、暗黒面の持つ刹那さいっぱいで本当にたまらない。上映時間141分。一気にたたみ掛け、つなぎとしての役割も見事に果たし、とうとう完結してしまった。深い感動と、終わってしまった喪失感で、何度大きなため息をついたことか。伝説の最後を映画館で実体験できて、本当によかった。

posted on 2005/07/18
ショーン・オブ・ザ・デッド
CINEMA

ショーン・オブ・ザ・デッド

監督:エドガー・ライト
SHAUN OF THE DEAD [ 2004年 イギリス ]
甦る腐った死体、ゾンビ。人間を襲い増殖を繰り返すループゾンビ。ドラキュラからキョンシーまで、派生したキャラクターも含めてゾンビ映画は出尽くしたかと思いきや、この作品は想像以上に素晴らしい最高にポップな爆笑ゾンビ映画でありました! ホント、これ大傑作です! あくまでゾンビの基本を守ってホラーな話としてしっかり展開していきながらも、イギリスらしいユーモアでユルみきったシーンの応酬にたまらずゲラゲラ笑ってしまいます。ゾンビ、すごくノロいし。あと主人公がレコード盤で攻撃するくだりや、クイーン「Don’t Stop Me Now」が流れる格闘シーンは必見。オチまで斬新に決めてくれて、とにかく終始楽しかった!

posted on 2005/05/25
誰も知らない
CINEMA

誰も知らない

監督:是枝裕和
[ 2004年 日本 ]
ロリポップな衝動はまぁおいとくとして、なんともいたたまれない物語に涙でありました。元フェアチャイルドのYOUさんの母親役が、この話としては合わないとの声もあったりしましたが、この程度の甘さがあったことが、映画としてはよかったのかもしれません。それだけ子供たちの現実が厳しく、こんなたまらん生き方ってないだろう。

posted on 2005/05/16
エターナル・サンシャイン
CINEMA

エターナル・サンシャイン

監督:ミシェル・ゴンドリー
ETERNAL SUNSHINE OF THE SPOTLESS MIND [ 2004年 アメリカ ]
人間の消したい部分の記憶を消去することに葛藤する主人公の姿を描いた、たまらなく切ない恋物語。ジム・キャリーがコメディ映画でみせるしつこい芝居を封印し、まさにチャーリー・カウフマンが書き上げた男をバッチリ演じてくれている。同じセリフが何度となく使われ、あらゆるシーンを行き来しながらも、奥深くからわき起こり激しく揺さぶられる感情を捨てなかった主人公とともに、あらゆる感情を味わいながら最後を締めくくる極上の音楽に男泣き。BECKがカヴァーしたKORGISの「Everybody’s Gotta Learn Sometimes」が、彼の新作に日本盤ボーナストラックとしてでも収録されていないのが惜しい。

posted on 2005/04/09
ドラッグストア・ガール
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ドラッグストア・ガール

監督:本木克英
[ 2004年 日本 ]
エンドロールのバグルスが謎でしたが、面白かったです。黄昏男子の老いて甦る青春のトキメキ。大学生役のこんなラブリーな田中麗奈と知り合いになりたいです。彼女の主演作は『がんばっていきまっしょい』『はつ恋』『東京マリーゴールド』と、なかなか良いですね。

posted on 2005/04/05
ロスト・イン・ラマンチャ
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ロスト・イン・ラマンチャ

監督:キース・フルトン、ルイス・ペペ
LOST IN LA MANCHA [ 2001年 アメリカ、イギリス ]
狂人「ドン・キ・ホーテ」の物語を映画化するという、テリー・ギリアム監督10年来の企画を実現すべく、ついに動き始めた制作現場のメイキング・ドキュメント。撮影わずかにして、テリー・ギリアムの余りある夢と野望を御破算にさせてしまった、容赦ない現実の記録が痛々しく刻まれている。笑おうが泣こうが、そこにはファンタジーの入り込む余地すらない。制作中止となったこの企画を再度映画化することを監督は決意したらしいが、監督自身がドン・キ・ホーテになってしまうのか、なんとも救いが見出せないのが残念だ。立派な絵コンテがあるだけに、宮崎駿が買って、この際共同監督とかでアニメでも作っちゃえばいいのになぁ。ドン・キ・ホーテの呪い、日本では無理か・・・。『未来世紀ブラジル』と『フィッシャー・キング』は本当に大傑作でした。

posted on 2005/03/08
ドッグヴィル
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ドッグヴィル

監督:ラース・フォン・トリアー
DOGVILLE [ 2003年 デンマーク ]
舞台となる「ドッグヴィル」という小さな村を、これといったセットもなく、床に描いた白線だけで表現された、壮大な実験作というイメージが強すぎて、正直なかなか観るのに気乗りしなかったわけですが、観てよかった。面白いです。映画としてはかなりの挑戦だったと思うけど、ストーリーは明解。ラース作品に共通する人間の醜態を、壁のないセットなだけに筒抜けで撮りまくってます。そんな撮影環境を記録したメイキングドキュメント『ドッグヴィルの告白』も観てみると、構図によってはセット全体がカメラに写るため、ほぼ全編にわたって役者全員が芝居に集中しなければいけないという、そんな緊張と疲労がアリアリで、かなり過酷そうでした。しかもスウェーデンの山奥のスタジオに約2ヶ月の合宿状態。まあでも監督ラース・フォン・トリアーの精神状態が一番つらそうに見えましたが、映画作家としてどこまで突き進んでくれるのか、まだまだ興味が尽きない才能の持ち主だと思う。

posted on 2005/01/09

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