ベルンの奇蹟
監督:ゼーンケ・ヴォルトマン
DAS WUNDER VON BERN
2003年 ドイツ
戦後ドイツの社会背景と西ドイツが初優勝を飾った1954年スイスでのワールドカップをストーリーに絡めつつ、ソ連収容所から帰国した父と息子、その家族の関係を描いた、『ビッグフィッシュ』じゃないけれどファンタスティックな気持ちになれる一本。最後の赤い列車もカッコよかったです。サッカーに興味のないひとが観ても感動できるのでは?
バス男
監督:ジャレッド・ヘス
NAPOLEON DYNAMITE
2004年 アメリカ
すんごいよかったです!!! 狙った邦題ほどブームになりそうもありませんが、これは必見の映画ですよ。カッコ悪いことはなんてカッコいいんだろうというか、よくここまでカッコ良く描けたなぁと思える傑作。
チャーリーとチョコレート工場
監督:ティム・バートン
CHARLIE AND THE CHOCOLATE FACTORY
2005年 アメリカ
ディズニーランドフリークに大受けというのも納得の気持ち悪さ。ティム・バートンの遊びが随所にみられて楽しい!最たるものがやはりウンパ・ルンパですかね。ジョニー・デップはマイケル・ジャクソンというよりフレディ・マーキュリーに見えたなぁ。なんかすごく似てたと思うのですが。
パッチギ!
監督:井筒和幸
2004年 日本
もはや井筒和幸監督に、この先これ以上の作品はできないだろうと言いたいのも納得というか(みうらじゅんに至っては「これで遺作にしよう!」とまで言っておりましたなぁ)、『ゲロッパ!』のあとだけに、とにかく清々しい快心の一本でありました。最後のイムジン河でうるっとさせる大衆性を持ちつつ、社会啓蒙的にも良い作品だったと思います。
リンダリンダリンダ
監督:山下敦弘
2005年 日本
女子高生役にしては香椎由宇もペ・ドゥナも貫禄ありすぎなわけですが、めっさ良かったです。軽音楽部の部室にビート・ハプニングや民生「恋のかけら」のポスター、リチャード・アシュクロフトの切り抜きなど貼ってるのは、高校生のセンスじゃないだろうと思ったわけですが、映画は本当にめっさ良かったです。最後は音楽がからむとどうにも泣けてしまいました。『アバウト・ア・ボーイ』の発表会のステージでロバータ・フラック歌うシーンでも泣いたくらいですからね。
バットマン・ビギンズ
監督:クリストファー・ノーラン
BATMAN BEGINS
2005年 アメリカ
これは本当に大傑作ですよ!!! スターウォーズがちっと霞むと言っても過言ではないかも。スターウォーズも最高によかったけど、映画としては迷わず『バットマン・ビギンズ』を強く推したいです。そんなわけで大興奮だった『バットマン・ビギンズ』だったわけですが、上映中地震発生でちょっと驚きました。ただ地下だったため、そこまでの衝撃はなくいつもよりやや揺れがあるくらいかな、という感覚で映画に没頭してたら、電車が止まったりするレベルだったようで、新宿駅の混乱を見てようやく事の大きさに気付いたのでした。
スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
監督:ジョージ・ルーカス
STAR WAS EPISODE.3 : REVENGE OF THE SITH
2005年 アメリカ
終わりであり始まりであり最中でありのエピソード3。終始興奮、圧巻、壮絶。ストーリーをほとんど忘れるほど印象が薄かった、エピソード1&2に続けて、2と3の間の物語が描かれたカートゥーンアニメ「クローン大戦」vol.1&2を短期集中で見直した甲斐もあって、とことん楽しむことができました。惜しみないバトルシーンのすべてが、ダース・ベイダー誕生の悲劇へと導かれていくだけに、暗黒面の持つ刹那さいっぱいで本当にたまらない。上映時間141分。一気にたたみ掛け、つなぎとしての役割も見事に果たし、とうとう完結してしまった。深い感動と、終わってしまった喪失感で、何度大きなため息をついたことか。伝説の最後を映画館で実体験できて、本当によかった。
ショーン・オブ・ザ・デッド
監督:エドガー・ライト
SHAUN OF THE DEAD
2004年 イギリス
甦る腐った死体、ゾンビ。人間を襲い増殖を繰り返すループゾンビ。ドラキュラからキョンシーまで、派生したキャラクターも含めてゾンビ映画は出尽くしたかと思いきや、この作品は想像以上に素晴らしい最高にポップな爆笑ゾンビ映画でありました! ホント、これ大傑作です! あくまでゾンビの基本を守ってホラーな話としてしっかり展開していきながらも、イギリスらしいユーモアでユルみきったシーンの応酬にたまらずゲラゲラ笑ってしまいます。ゾンビ、すごくノロいし。あと主人公がレコード盤で攻撃するくだりや、クイーン「Don’t Stop Me Now」が流れる格闘シーンは必見。オチまで斬新に決めてくれて、とにかく終始楽しかった!
誰も知らない
監督:是枝裕和
2004年 日本
ロリポップな衝動はまぁおいとくとして、なんともいたたまれない物語に涙でありました。元フェアチャイルドのYOUさんの母親役が、この話としては合わないとの声もあったりしましたが、この程度の甘さがあったことが、映画としてはよかったのかもしれません。それだけ子供たちの現実が厳しく、こんなたまらん生き方ってないだろう。
エターナル・サンシャイン
監督:ミシェル・ゴンドリー
ETERNAL SUNSHINE OF THE SPOTLESS MIND
2004年 アメリカ
人間の消したい部分の記憶を消去することに葛藤する主人公の姿を描いた、たまらなく切ない恋物語。ジム・キャリーがコメディ映画でみせるしつこい芝居を封印し、まさにチャーリー・カウフマンが書き上げた男をバッチリ演じてくれている。同じセリフが何度となく使われ、あらゆるシーンを行き来しながらも、奥深くからわき起こり激しく揺さぶられる感情を捨てなかった主人公とともに、あらゆる感情を味わいながら最後を締めくくる極上の音楽に男泣き。BECKがカヴァーしたKORGISの「Everybody’s Gotta Learn Sometimes」が、彼の新作に日本盤ボーナストラックとしてでも収録されていないのが惜しい。