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俺たちフィギュアスケーター
監督:ジョッシュ・ゴードン、ウィル・スペック
BLADES OF GLORY
2007年 アメリカ
セガールの「沈黙シリーズ」のように、ウィル・フェレルの「俺たちシリーズ」第二弾という意味合いの邦題なのかはわかりませんが、『俺たちニュースキャスター』に負けずとも劣らない、大爆笑映画でありました。骨太なウィル・フェレルの体型が全くフィギュアスケーターに見えない! けど面白い!! コメディだけどスポ根だった『クール・ランニング』のような大マジな展開には一切ならず、終始フィギュアスケートをおちょくってるような内容でしたが、フィギュアスケートの持つファンタジーな要素を強引に豪快に思いっきりコメディに仕立てて表現してみせた快作。
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イカとクジラ
監督:ノア・バームバック
THE SQUID AND THE WHALE
2005年 アメリカ
監督は『ライフ・アクアティック』を共同脚本書いた人らしく、今作ではそのウェス・アンダーソンが製作でもあるということで、実に文系なねちっこい作品でありました。インテリ気取った男子が痛々しく描かれてまして、ジェフ・ダニエルズの哀れな父親っぷりが巧かったです。『ピアノレッスン』のアンナ・パキンが大学生役で出てて、クレジット見るまでわからなかったけど、キルスティン・ダンストやクリスティーナ・リッチもすっかり大人になってるように、彼女の成熟というか成長に驚きました。音楽はLUNAを解散させたディーン&ブリッタ夫妻が担当してまして、まあ何かと文系なツボをついた映画だったと思います。
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ラブソングができるまで
監督:マーク・ローレンス
MUSIC AND LYRICS
2007年 アメリカ
ヒュー・グラントとドリュー・バリモアの共演ということで、期待を裏切らないラブコメの見事な仕上がり。いくつか曲を書いたファウンテインズのアダムもいい仕事しております。いまとなっては80年代もポジティブに理解されてきていると思いますが、高校や大学のころはまだまだ恥ずかしいという負のイメージが強くて、堂々というよりこっそりという気持ちで、80年代の音楽や青春映画を楽しんだものです。『フットルース』とか『恋しくて』とか『ルーカスの初恋メモリー』とか『君がいた夏』とか『ブレックファストクラブ』とか『旅立ちのとき』とか、あの辺の青春映画は傑作が多い! 80年代とメガネに対する評価は、昔とは随分かわったなぁと感じる今日この頃であります。
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ダイ・ハード4.0
監督:レン・ワイズマン
DIE HARD 4.0 / LIVE FREE OR DIE HARD
2007年 アメリカ
運が悪いのか良いのかで区別したら、明らかに運が良すぎる超人ジョン・マクレーン刑事が久々の登場。今回も最早ギャグでしかない死ななさで盛り上げてくれます。マクレーンを一生懸命やっつけようと痛めつけても敵が死んでしまう儚さは、吉田戦車のいじめてくんを思い出させます。戦闘機に撃墜されても死なないなんて爽快だなぁ!
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ボビー
監督:エミリオ・エステベス
BOBBY
2006年 アメリカ
ロバート・F・ケネディ上院議員が暗殺された舞台となった、ロサンゼルスのアンバサダー・ホテルでの一日を描いた群像劇。父親マーティン・シーンや元恋人デミ・ムーアのみならず、出演者がとんでもなく豪華ですが、そんな俳優陣まかせではなく、今は亡きロバート・アルトマンが乗り移ったかのような出来映えでした。
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世界最速のインディアン
監督:ロジャー・ドナルドソン
THE WORLD’S FASTEST INDIAN
2005年 ニュージーランド・アメリカ
愛する二輪マシン「インディアン」でもって世界最速記録に挑んだおじいさんの物語。かつて『ライトスタッフ』という音速に挑んだ男を描いた傑作がありましたが、これもまさに男のロマンとおじいさんならでは愛嬌がたっぷり詰まった胸熱くなる傑作! 男たるものチャレンジ&ユーモア精神を失ってはいかんなと。
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悪魔とダニエル・ジョンストン
監督:ジェフ・フォイヤージーグ
THE DEVIL AND DANIEL JOHNSTON
2005年 アメリカ
素晴らしいです。ここまでボロボロに生きながら、飛行機が落ちても死なない彼の生命力は驚異的。彼の音楽に興味がなくても必見の音楽ドキュメンタリー。
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ポリス インサイド・アウト
監督:スチュワート・コープランド
EVERYONE STARES: THE POLICE INSIDE OUT
2006年 アメリカ
メンバー本人が撮ってた映像をメンバー本人が映画にしたものだけに、あまりポリスの音楽性を掘り下げたりとか、思わず熱くなるような出来のいいライブ映像があるだとか、そういうのではなくて、単純にホームビデオを懐かしんで若かったあの頃を思い出してる、そんな塩梅なので音楽ドキュメンタリーとしては物足りないかも。まあでもポリスは本当にカッコいいよ。1977年から86年。この時代だからトーキング・ヘッズと同じくらいカッコいいバンドです。来日が楽しみだー。
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デート・ウィズ・ドリュー
監督:ブライアン・ハーズリンガー、ジョン・ガン、ブレット・ウィン
MY DATE WITH DREW
2004年 アメリカ
ドリュー・バリモアの大ファンである一般人ブライアン・ハーズリンガーが、ドリューとデートすることを妄想ではなく現実に実現させるべく取り組んだ、魂のドキュメンタリー。ドリューに近づこうとする過程で、エリック・ロバーツやコリー・フェルドマンやナレーターや有名無名関係あるなし多数の人が、協力的に出てきてしまうあたりが好感持てますね。
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悪い女
監督:キム・ギドク
BIRDCAGE INN
1998年 韓国
娼婦を住み込みで雇っている民宿を舞台にした家族ドラマ。立場は違えど負い目を背負って生きる者同士の関係性が非常に見応えあり。これもまた傑作でありました。ギドク作品に『悪い男』というのもあるけど、それとは特に関係なしです(どちらも娼婦の話ですが)。