

ディエゴ・マラドーナ 二つの顔
Diego Maradona
監督:アシフ・カパディア
2019年 イギリス
マラドーナのナポリ時代を中心に構成された大興奮の絶頂集。80年代のまだまだルールの緩かった時代だからこそ、体を張るしかなかったマラドーナの凄まじい生き様。もう全部がたまらない映画だった。帰りに閉店して片付け中だった売店の人に声かけてパンフ売ってもらった。


オン・ザ・ロック
On the Rocks
監督:ソフィア・コッポラ
2020年 アメリカ
アップルとA24の制作。夫婦のこじれ、父と娘、ニューヨーク。そんなめっちゃウディ・アレンな映画だけど、なかなかというか、もの凄く良かった。ジャズにこだわらず、最後にパートナーでもあるフェニックスの曲が流れるのがソフィア流なのかも(フェニックスはスコアと選曲も担当)。生まれも育ちもスーパーセレブの監督としては、ウェス・アンダーソンの映画よりずっといいと思う。ソフィア・コッポラの最高傑作。


サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ
Sound of Metal
監督:ダリウス・マーダー
2019年 アメリカ
ハードコアバンドのドラマーがライブツアーの最中に聴力を失ってしまう話。視力はメガネやらレーシックやらで矯正が効いても、こと聴力に至ってはまだまだ技術に限界があり(ほぼ絶望する感覚が映画音響で表現されている)、生き方、考え方の変化を容赦無く突き付けられる。主演したリズ・アーメッドの好演は今年の各映画賞で軒並みノミネート&受賞と、物凄く評価が高い。監督デビューとなったダリウス・マーダーはデレク・シアンフランス監督の傑作『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ 宿命』の共同脚本を担当した一人。


シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション
Nicky Larson et le parfum de Cupidon
監督:フィリップ・ラショー
2018年 フランス
フランス映画の実写版『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』。観たのはもちろん吹替版!キャラクターの再現度に限らず、おなじみのお色気も含めたアクション・コメディとしてめっちゃ面白かった!民放でやったら、かつてのジャッキー・チェン映画のように、小学生で話題沸騰になりそうな。後藤久美子がヒロインだったジャッキー版シティーハンターもあったけど、面白さは断然こっち。監督&主演のフィリップ・ラショーが熱烈な大ファンということで、北条先生に自ら企画を持ち込んで実現させたらしい。ロジャー・ムーア時代の007ぽい軽さで楽しめるし、シリーズ化に期待!


新感染半島 ファイナル・ステージ
Peninsula
監督:ヨン・サンホ
2020年 韓国
東京国際映画祭で『新感染半島 ファイナル・ステージ』。『新感染 ファイナル・エクスプレス』の4年後が舞台だけど、ストーリーに連続性はない。監督は同じくヨン・サンホ。前作が年間ベスト級の大傑作だったことを思えば、今作はちょっと期待し過ぎだったか全然傑作ではない。感情的に血が躍るところとシラけるところと半々な感じで起伏が激しい。ロメロに加えて、ジョージ・ミラーとジョン・カーペンターは偉大だなと。いろいろてんこ盛りだったけど、プラトーンはどうなんだろう。子役のドライビングシーンは超最高。日本公開はお正月。


TENET
Tenet
監督:クリストファー・ノーラン
2020年 アメリカ
まさにポスターのONLY IN THEATERSの言葉通り、音響世界の凄まじき劇場体験としては申し分ない作品だった。191cmのエリザベス・デビッキ、185cmのロバート・パティンソンも見切れることなくIMAXで堪能。目新しそうなデジタル機器が登場することは無く、キン・ザ・ザに出てきそうなヘンなパーツがめちゃめちゃ軽そうに扱ってて笑ってしまった。このままIMAXでメイキングが見たいと思った。


ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー
Booksmart
監督:オリビア・ワイルド
2019年 アメリカ
ケイトリン・デヴァーということで待望の『ブックスマート』を観た。ジョナ・ヒル妹(ビーニー・フェルドスタイン)とのペアがとにかくナイス!!!そんでもってキャリー・フィッシャーの娘(ビリー・ロード)のイカれっぷり!!! ハイクラスで住む世界が違うし、誰もが高校生に見えないけど、めちゃめちゃ愛おしい!『リズと青い鳥』に次ぐ、新しい青春映画の傑作。


レイニーデイ・イン・ニューヨーク
A Rainy Day in New York
監督:ウディ・アレン
2019年 アメリカ
ここ数年ドロ沼状態となっているウディ・アレンのプライベートなトラブルとは裏腹に、モテと知性を全面にした、めちゃめちゃ甘々な作品だった。年下設定のセレーナ・ゴメスがいちばん大人として描かれるというのも、スウィートでラブリーな映画だなと。80を過ぎても若い観客をキュンとさせる匠の技たるや! 制作のアマゾンはアメリカ本国での公開を延期にしたままで、すっかりアメリカでは干された状況だけど、次回作はヨーロッパ資本によりスペインで撮影済みらしい。残る余生も映画製作を全うしてくれることを願う。


劇場版SHIROBAKO
監督:水島努
2020年 日本
クリエイティブ仕事に携わる人にとって教典とも言える作品『SHIROBAKO』。アニメーション制作会社を舞台にアニメ業界を描いた傑作テレビシリーズから4年後、会社もメンバーもみんなが途方に暮れる姿を見て、映画館再開後のタイミングで観てよかったと思えた。空回りかもしれないけれど、ジタバタし続けて、逞しくなるしかない。劇場版も猛烈に素晴らしかった。


ハスラーズ
Hustlers
監督:ローリーン・スカファリア
2019年 アメリカ
ジャネット・ジャクソン「コントロール」のイントロから最高!!!ある意味『ウルフ・オブ・ウォールストリート』の別視点からの物語で素晴らしかった!!ジェニファー・ロペスがすっかり姉御となり、初期の『アウト・オブ・サイト』級(1998年のスティーヴン・ソダーバーグ監督作。超傑作!!!)の代表作になったと思う。
