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モロ・ノ・ブラジル

CINEMA

モロ・ノ・ブラジル

MORO NO BRASIL
監督:ミカ・カウリスマキ
2002年 ドイツ・フィンランド・ブラジル

カウリスマキの兄の方、ミカ・カウリスマキによるブラジル音楽大好き追っかけドキュメント。ブラジルインディオ現住民族の儀式的な歴史の根本を感じさせる祭囃子としてひたすら打ち鳴らされるリズムに始まり、サンバはサンバであれど現代までサンバなりに移り変わっていった様々なスタイルのブラジルミュージシャンたちがめまぐるしく登場する。ライ・クーダとヴェンダースが追っかけした『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』の面々がそれなりのオーラや説得力があったのに比べると、ブラジルの彼らは皆、一様にどこか素人臭いというか垢抜けない雰囲気があって面白い。ミュージシャンに限らずとも音楽と身近に暮らしていることが素敵に思えます。

マッドマックス

CINEMA

マッドマックス

『マッドマックス』
MAD MAX
監督:ジョージ・ミラー
1979年 オーストラリア

『マッドマックス2』
MAD MAX 2
監督:ジョージ・ミラー
1981年 オーストラリア

『マッドマックス/サンダードーム』
MAD MAX BEYOND THUNDERDOME
監督:ジョージ・ミラー、ジョージ・オギルヴィー
1985年 オーストラリア

マッドマックスシリーズ全3作をまとめて観なおす。まずはパート1。メル・ギブソンがとにかく若く、短髪のハンサムボーイぶりは今となってはすごく新鮮かも。当時は無名で演劇学校に通っていたという話だけに、メル・ギブソン主演と言えど、超低予算映画だったということは映画を観れば一目瞭然だ。しかし低予算だからこその斬新なアイデアが見事に冴えまくっている。登場するマシンへのこだわり、速い車はカッコイイと単純に思わせるスピード感溢れる映像と復讐の鬼となったマックスのキャラクターが強烈な印象を残すのだった。傑作。パート2は現代劇だったパート1からいきなり時代が飛んで核戦争後の未来が舞台。子供の頃に観た記憶があったのは、どうやら「2」だったようだ。パート1とのつながりは特になく、未来なのか原始なのか何だかエラいことになっているアナーキー加減がいかにもマッドマックスでおもしろい。問題はパート3だ。いちばん金がかかってはいるが、なんだこれ!? メル・ギブソンもよく出演したなぁと思えるほどガッカリの出来。敵の女ボスがティナ・ターナーというのも謎びっくりだが、最後の最後でマックスを追い詰めたかと思ったら高笑いして去って行くという物凄いオチをやってくれている。これ以上、続編が作られなかったのも納得と言ったところで、なんとパート4製作中とのニュースが! メル・ギブソン&ジョージ・ミラーのタッグはそのままとのことだが、期待していいのやら。インターセプターは復活するのか?!

セッション9

CINEMA

セッション9

SESSION 9
監督:ブラッド・アンダーソン
2001年 アメリカ

夜中に観ても全然眠くならない、久々に手応えのある強烈な心理サスペンスだった。ストーリーに関しては半分以上が実際の筋とは関係ないことだったりするのだが、閉鎖された精神病院という舞台がとにかく怖い! 宮崎にはコツコツトンネルと呼ばれる恐怖スポットがあるのだが、そのトンネルの先には廃病院がある。そこも外見からして相当恐ろしいオーラを放っているところだったのだが、何を思ったか若かりし頃に中を覗いたことがある。物が異常に散乱してて、真っ昼間でもそれはそれは不気味でさすがに本気で怖かったものです。そんな思い出もありつつで、この映画の雰囲気だけで十分スリリングでありました。

ロジャー&ミー

CINEMA

ロジャー&ミー

ROGER & ME
監督:マイケル・ムーア
1989年 アメリカ

今年『ボーリング・フォー・コロンバイン』でアカデミー賞まで獲ってしまい、一躍有名になったマイケル・ムーアの長編ドキュメンタリー第一作。彼の地元ミシガン州フリントがゼネラル・モータース社の工場閉鎖を契機に失業者が溢れかえり街が荒廃していく資本主義社会下の不況の悲劇をまざまざと写し出している。この地元の現実をGMの会長ロジャー・スミスに見てもらいたいと彼らしく様々な接触を試みているわけだが、今作での突撃取材の成果はほとんど得られなかったのが現実だ。まだヒゲもなく若かったということなのかもしれないが、映画が各所の映画祭で賞を獲るなど認められたことは、彼のキャリアにとって非常に大きかったのではないだろうか。巨大なホテルやテーマパークを建設して、あっという間につぶれてしまう有り様は、僕の故郷宮崎に似て、いろいろと思ってしまう。この映画製作のために彼はあらゆる私財を売り払うだけに足らず、地元で賞金付きビンゴ大会を開催して資金を賄ったらしい。東京都のお台場カジノ計画も、実現していれば物凄い財源を生み出していたのかもしれない。

突入せよ!「あさま山荘」事件

CINEMA

突入せよ!「あさま山荘」事件

監督:原田眞人
2002年 日本

先日、群馬県にある川原湯温泉に行ってきた。数年後にはダムの完成とともに湖底に沈んでしまう運命にある切ない情緒が印象的な温泉地だったが、そこへの行きのバスでベテランらしきバスの運転手さんがいろいろとガイド的な薀蓄や季節の話題を披露してくれて、浅間山噴火による溶岩での被害のことも話してくれた。群馬と長野の県境に位置する浅間山。その浅間山の麓、軽井沢に河合楽器の保養所としてあったのが「あさま山荘」だ。1972年2月19日、5人の連合赤軍が人質をとり、あさま山荘に篭城。この戦後昭和の大事件のひとつ「連合赤軍あさま山荘事件」を当時警察庁から派遣され現場で任務にあたった佐々淳行(映画では役所広司が演じるその人)による原作を映画化したのが今作である。映画が進むにつれ感じる事件そのもののスケールの小ささは、ちょっと興醒めかもしれない。この事件では現場も会議室もバカばっかりだったんだなぁという皮肉がたっぷりだ。所詮、組織は有能無能をひっくるめての足の引っ張り合いか。ラストにおける任務終了の達成感より虚脱感の大きいこと。

ニューヨーク1997

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ニューヨーク1997

ESCAPE FROM NEW YORK
監督:ジョン・カーペンター
1981年 アメリカ

ジェームズ・キャメロンも裏方で働いたジョン・カーペンターの代表的カルト映画。舞台に設定されている1997年がすっかり過去になってしまったわけですが、このSF映画は最高でしょう。はっきり言ってB級だけど、そこも含めて無性にかっこいいんだよなぁ。犯罪の増加によりニューヨーク・マンハッタン島全体が監獄とされた1997年。そこにハイジャックされた大統領専用機が墜落し、大統領を救うために派遣されたのが元特殊部隊にいた犯罪王スネーク。ニューヨークが囚人だらけだからなんかすごくえらいことになってて、出てくるキャラクターがクセものだらけでおもしろい。囚人のボスがアイザック・ヘイズだったりキャスティングもいいです。最後にスネークが大統領に言うセリフがシビれます。あなたを救うために大勢の人が死んだが、そのことをどう思う?

ズーランダー

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ズーランダー

ZOOLANDER
監督:ベン・スティラー
2002年 アメリカ

すっかりコメディ俳優としてお馴染みベン・スティラーの『リアリティ・バイツ』『ケーブル・ガイ』に次ぐ監督第3作。自身がスーパーモデル役で主演というわけで、想像通りバカ映画ではあるけれど、彼が積み上げてきたキャリアの成功を思わせる出演者&ゲストが凄くて、トム・フォードからデビッド・ボウイまでという豪華さはさすがに観ていて楽しい。あくまでド派手なイメージだけで描くには無理がありすぎるファッション業界も80年代チックな設定であればバカに徹底できるという、やはり80年代というのはアメリカにとってポップで幸せな時代だったのかもしれない。本編終了後の特典映像はかなりしつこかったです。

座頭市喧嘩旅

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座頭市喧嘩旅

監督:安田公義
1963年 日本

たけちゃんの『座頭市』が何かと話題なので、勝新の座頭市を観る。勝新太郎の座頭市は誰もが見れば納得。いま観ても物凄く面白い。盲目にして居合斬りの達人、座頭市。座頭市はヤクザである。こんなヤクザ時代劇が寅さんと同じくかつて昭和の正月映画として人気を博していたのは、何と言ってもこのアウトローのヒーローが斬新でカッコ良かったからだろう。今回の『座頭市喧嘩旅』はシリーズ第5作。見事過ぎる殺陣シーンは勿論のこと、ヒロインの娘・藤村志保と旅をする座頭市との清純な関係がなかなか見所です。結構、饒舌なところも魅力的であります。

少林サッカー

CINEMA

少林サッカー

Shaolin Soccer
監督:チャウ・シンチー、リー・リクチー
2001年 香港

先日、テレビ東京で深夜にあった『食神』をビデオに録画して、数年振りに観直してみた。やっぱり思いっきり面白い。当時いちばんの衝撃は『天使の涙』でヒロインを演じたカレン・モクが呆れるほどの壊れっぷりをさらしたその女優魂にあったわけだが、ミスター味っ子さながらのコテコテオーバーアクションを安っすい映像で強烈なインパクトを与える笑撃的手法はこのとき既に完成されていたのだった。はっきり言って『少林サッカー』と『食神』は80%以上同じである。少林寺と料理というびっくりな融合を果たした『食神』であったが、それがまんま少林寺とサッカーの融合に置き換わっただけと言ってもいいくらい話の筋も同じである。『食神』ではカルトだったチャウ・シンチーが『少林サッカー』でついに日本でもメジャーな知名度を獲得したのはとても喜ばしい。

ドニー・ダーコ

CINEMA

ドニー・ダーコ

DONNIE DARKO
監督:リチャード・ケリー
2001年 アメリカ

この映画って『メメント』よりずっと面白いのに、リワインド・ムービーとか言われちゃったのが間違いだったように思える。オープニングのエコー&ザ・バニーメン「キリング・ムーン」に思いっきり反応してしまった人は、おそらくこの映画の凄みにハマっていくのではないだろうか。無気力な衝動を孕んだ学校生活。ティーンエイジャーとは、まさにドニー・ダーコとしか言いようがない。ティアーズ・フォー・フィアーズの長回しシーンにも凄く沸き立つものがありました。久々に見たゴースト・ダーティーダンシング、パトリック・スウェイジがかなりの異彩を放っていたこともポイント高し。