

サン・ピエールの生命
LA VEUVE DE SAINT-PIERRE
監督:パトリス・ルコント
1999年 フランス
ジュリエット・ビノシュ、ダニエル・オートゥイユ、エミール・クストリッツア(監督としてご存知の方も多いと思うが、今回映画初出演)といった三人の抑えた渋い演技が印象的な愛と犠牲の中世劇。悪くはないが、いまいち決定力に欠けるか。ここまで毎回作風を変えられると、ルコントってどういう監督なのかよくわからなくなってくる。


EVERYTHING, EVERYTHING / UNDERWORLD
自身の音楽リスナー人生を振り返って、最大の罪を懺悔するならば、それはいまだUNDERWORLDのライブを経験していないことである。なぜなら、音楽人生最大の幸福がそこにはあったからだ。同じ思いをした人が11月の幕張に集うのだろう。しかし、そのステージにダレン・エマーソンはもういない。ダレンとともに極まれしUNDERWORLDの絶頂集。


ERA / 中村一義
感動した。もう、この一言だけでいいと思う。すでにさまざまなメディアやWEB上、あるいは人づてに聞かされた絶賛の声(妄想は除く)、それらはみな正しい。あらゆる言葉で表現される感動が、このアルバムには詰まっていて、それを受け入れる多くの人がいる。中村一義は、すべてが人並みのレベルをまたひとつグッと引き上げた。素晴らしき世界へと導いたのだ。


ラプンツェル / Cocco
ミュージック・ステーション出演時は、そのエキセントリックというより妖怪然とした佇まいと語りによって、場に生放送ということ以上の緊張感を創造してみせた彼女。その後の歌が完璧だったことはいうまでもない。昨今の注目を浴びている日本のどのディーバと呼ばれるひとたちよりも、Coccoの声が好きだ。渾身と充実のロック溢れるサード。


ブラッドシンプル/ザ・スリラー
BLOOD SIMPLE
監督:ジョエル・コーエン
1999年 アメリカ
コーエン兄弟『ビッグ・リボウスキ』(別称『びっくり棒、好き』)以来の新作は自身1983年の長編第1作を再編集したもの。ストーリー・テリングの巧さは先天的な才能であろう。スリリングな展開で、緊迫した描写が最後まで飽きさせることなく続く。特に生き埋めのシーンはゾッとした。11月4日からシネマライズで公開だが、元はビデオ屋に行けばあるでしょう。フランシス・マクドーマンドが非常に若い。


オータム・イン・ニューヨーク
AUTUMN IN NEW YORK
監督:ジョアン・チェン
1999年 アメリカ
リチャード・ギア=モテモテ・リッチなオジさん(オジさま)。ウィノナ・ライダー=キュートな22歳、重い心臓病持ち。こんなお二人のラブ・ストーリーです。期待度ゼロという期待を見事に裏切らない映画です。


マルコヴィッチの穴
BEING JOHN MALKOVICH
監督:スパイク・ジョーンズ
1999年 アメリカ
ジョン・マルコヴィッチは知らなくとも、その狙った邦題にそそられて面白半分に観に行った客は、この映画をどう思うものだろうか。確かにシュールなお笑い多々あれど、こうもシリアスな人間ドラマが展開されようとは。ジョン・マルコヴィッチともうひとりの本人役の活躍に心から拍手を送りたい。


WIRE00 2000.09.02. 横浜アリーナ
DJ : TAKKYU ISHINO, WESTBAM, SVEN VATH, HELL, FUMIYA TANAKA, CLAUDE YOUNG, DJ TASAKA
LIVE : DENKI GROOVE, THOMAS SCHUMACHER, ZOMBIE NATION, BEROSHIMA
テクノはよくわかんないんだけど、楽しかったワイヤー・パーティ。協賛のホンダのブースで写真とってもらってアンケートに答えてくじひいたらヘッドフォンもらっちゃったし、なんかいろいろあって楽しかった。奇行炸裂ゾンビ・ネイションのライブ、ドイツっ子の怪しさが滲み出た髪型がとってもヘンだったHELLのDJがよかった。16000人が踊り明かした12時間の長く幸せな夜は、石野卓球のアンコールで幕を閉じた。来年のWIRE01も行きたいな。


イルボン2000 / 電気グルーヴ
歓喜の嵐に包まれた3月の「ツアー・ツアー」からの音源を1時間に編集・ミックスしてリリースされた一枚。ツアー観に行った人も行けなかった人も、どうぞ聴いてください楽しんでください。ライブでは狂気と愛に満ち溢れた石野卓球の眼がすごく印象に残っているが、かえすがえすも本当にすばらしかった。究極のアッパー・エンタテインメント・ショーの大記録がここに凝縮。
