サザンオールスターズ [ 2003.08.30. 横浜国際総合競技場 ]
数こそ爆発的に売れたのは90年代以降と言えるかもしれないが、楽曲の素晴らしさを誇る黄金時代は一時活動休止となった85年の『KAMAKURA』までのものが思い入れもありすぎてやはり特別だったりする。僕がサザンを聴きまくっていたのはそれこそ15年ほど前の中学時代で、ちょうど「みんなのうた」で復活して盛りあがった頃だった。1978年6月25日「勝手にシンドバッド」でのデビューから25年というメモリアルな野外ライブツアー。新曲はシングルのみで、25年ぶっちぎってきた歴史を惜しげもなく披露するという、こんなファン冥利に尽きるライブはないのではないだろうか。開演前から一般客のオッサンが音頭を取ってウェーブが巻き起こる異常なテンションで、昨年同じ会場で行なわれたワールドカップ決勝戦や日本VSロシア戦に負けずとも劣らない熱気が凄い。超満員で60000人はいるのか? それだけで圧倒的だ。そして本当に聴いてしまったあの頃の名曲の数々。前半のメドレー状態で演奏された「当って砕けろ」から「わすれじのレイドバック」までというのは、ちょっと涙なしには観れませんでしたよ! 「朝方ムーンライト」や「素顔で踊らせて」とか聴けるとは思ってなかったし、明石家さんま+村上ショージがビデオで参加の「アミダばばあの唄」なんてのもビックリだし、一番まさか!だったのは「吉田拓郎の唄」。当時はアンチ吉田拓郎として「フォークソングのカス」と吐き捨てた歌だったのが、リスペクト吉田拓郎のものに修正された歌詞で歌われたというのは非常に感慨深かったなぁ。このときだけ歌詞がスクリーンに字幕で表示されてたし。後半は桑田佳祐はギターを持たず、ひたすら天賦のパフォーマンスをハチャメチャに繰り広げるという、ダンサーが登場したり火柱が上がったりの巨大野外ライブならではの仕掛けもたっぷりのお祭り状態。こんな形で25周年を祝える「勝手にシンドバッド」という曲は本当に大傑作! アンコール最後、先日亡くなったという前茅ヶ崎市長と長年映像を手掛けてきてくれたスタッフに追悼の意を表わして演奏した「YaYa」にまたも涙。約3時間のライブでこれだけ聴いても、まだまだやって欲しかった曲があるというのは、なんてったってサザンオールスターズなのだから仕方ないことなのかもしれない。横浜国際総合競技場へは距離的に近い小机は駅が小さすぎて混みまくりなので、新横浜を利用した方がいいですよ。
1.胸いっぱいの愛と情熱をあなたへ 2.DJ・コービーの伝説 3.ふたりだけのパーティー〜Tiny Bubbles(type-A) 4.当って砕けろ 5.お願いD.J. 6.C調言葉に御用心 7.朝方ムーンライト 8.夜風のオン・ザ・ビーチ 9.素顔で踊らせて 10.タバコ・ロードにセクシーばあちゃん 11.女流詩人の哀歌 12.吉田拓郎の唄 13.アミダばばあの唄 14.夕陽に別れを告げて 15.私はピアノ 16.My Foreplay Music 17.涙のアベニュー 18.思い出のスター・ダスト 19.シャ・ラ・ラ 20.わすれじのレイド・バック 21.雨上がりにもう一度キスをして 22.太陽は罪な奴 23.overture/愛の言霊〜Spiritual Message〜 24.真夏の果実 25.涙の海で抱かれたい〜SEA OF LOVE〜 26.イエローマン〜星の王子様〜 27.みんなのうた 28.ボディ・スペシャルII 29.マンピーのG★SPOT 30.勝手にシンドバッド
encore
31.希望の轍 32.HOTEL PACIFIC 33.いなせなロコモーション 34.Ya Ya (あの時代(とき)を忘れない)
少林サッカー
監督:チャウ・シンチー、リー・リクチー
少林足球
2001年 香港
先日、テレビ東京で深夜にあった『食神』をビデオに録画して、数年振りに観直してみた。やっぱり思いっきり面白い。当時いちばんの衝撃は『天使の涙』でヒロインを演じたカレン・モクが呆れるほどの壊れっぷりをさらしたその女優魂にあったわけだが、ミスター味っ子さながらのコテコテオーバーアクションを安っすい映像で強烈なインパクトを与える笑撃的手法はこのとき既に完成されていたのだった。はっきり言って『少林サッカー』と『食神』は80%以上同じである。少林寺と料理というびっくりな融合を果たした『食神』であったが、それがまんま少林寺とサッカーの融合に置き換わっただけと言ってもいいくらい話の筋も同じである。『食神』ではカルトだったチャウ・シンチーが『少林サッカー』でついに日本でもメジャーな知名度を獲得したのはとても喜ばしい。
ドニー・ダーコ
監督:リチャード・ケリー
DONNIE DARKO
2001年 アメリカ
この映画って『メメント』よりずっと面白いのに、リワインド・ムービーとか言われちゃったのが間違いだったように思える。オープニングのエコー&ザ・バニーメン「キリング・ムーン」に思いっきり反応してしまった人は、おそらくこの映画の凄みにハマっていくのではないだろうか。無気力な衝動を孕んだ学校生活。ティーンエイジャーとは、まさにドニー・ダーコとしか言いようがない。ティアーズ・フォー・フィアーズの長回しシーンにも凄く沸き立つものがありました。久々に見たゴースト・ダーティーダンシング、パトリック・スウェイジがかなりの異彩を放っていたこともポイント高し。
セクレタリー
監督:スティーブン・シャインバーグ
SECRETARY
2002年 アメリカ
精神病院を退院した女性が秘書として社会復帰した弁護士事務所でSMに目覚めるという物語。そこからサスペンスに発展したり、ラブストーリー的ロマンスに覆い尽くされたりはせず、あくまでSMで貫かれていたのには、思わず苦笑い。マギー・ギレンホールをトリコにする弁護士役のジェームズ・スペイダーがこれまた怪演しているのが嬉しいところ。『セックスと嘘とビデオテープ』みたく、やはり屈折した役どころは似合うなぁ。
シティ・オブ・ゴッド
監督:フェルナンド・メイレレス
CIDADE DE DEUS
2002年 ブラジル・アメリカ・フランス
六本木ヒルズに行ってしまった。ただ、その恥ずかしさを圧してでも行って観るだけの価値は十分にあった作品だと思う。馴染みがあるようでサンバとサッカーの国ぐらいのものしかないブラジルの我々の認識は甘かった。リオデジャネイロのスラム街を舞台に仁義なき戦いといえるギャングたちの生き様、死に様を実話を元に歴史を追いつつ鮮烈に描かれた素晴らしく見応えのある作品だ。実に楽しく聴き応えのあるサウンドトラックと太陽の日差しがフィルムを爽やかに彩りながらも、常に死がそこにある究極の状況下で生き抜く生活者たちのギラギラした感覚は物凄いものがある。なおかつ青春映画でもあるわけで、そこのところも凄く好きだ。
SUMMER SONIC 2003 [ 2003.08.02-03. 千葉マリンスタジアム&幕張メッセ ]
直前に長引いた梅雨が明け、慣れる間もなく灼熱の陽気が一気に照りつけた今年のサマーソニック。とにかく暑かったが、空調の効いたメッセ室内やスタジアムスタンド後方の日陰エリアといったエスケイプゾーンをうまく活用し、フジロックでもらった環境うちわを装備していたので、殺されるような危険は回避できたと思う。でもメッセからスタジアムまでの移動は何気にフジロック以上の距離があって、かなり過酷なものだったなぁ。メインステージもメッセでやるのって、ダメだろうか? 外がよいならGLAYが10万人集めた横の大駐車場ではダメか? 駐車場だと騒音の苦情が来るだろうけど。
■第1日
★Mew – indoor stage
新人バンドの中でも人気と評判が大きかった彼らだけに、暑かったということだけでなくこのインドアステージにはたくさんの人が集結。ラジオでかかりまくっていた唯一知ってる曲からスタートしたので、会場も大いに盛り上がる。ボーカルがあの高音男性ボーカルだけにドリーミーなのだが、メンバー全員が黒ずくめで、音もゴスな印象を受けた。コクトーツインズが黒ずくめでやってるような、性急じゃないプラシーボのような、どこか優雅なファンタジックな雰囲気がこのバンドはいいのかもしれない。最後の曲のコード進行の繰り返しと背景スクリーンの映像の絡みは素敵に思えたが、全体的に映像の方は室内に漏れた光で見えにくかっただけでなく、評判にするほど完成度は高くなかったと思う。
★Polysics – sonic/factory stage
今年新たに新設されたイベントホール内に設置された対面式ステージに移動。マイ・モーニング・ジャケットが始まる前には向かいのステージでポリシックスが演奏中だったのだが、これがとにかくやかましくて酷かった! ちょっと苦情の2、3件では済まされないレベルの騒音にしかなってなくて、何考えてエンジニアもあそこまでヴォリューム上げてやってるのか訳分からない。もう絶対にポリシックスのライブを観るのはイヤだと思った。
★My Morning Jacket – sonic stage
レコードでは枯れた歌モノとして素敵な印象らしいが、出てきたのはガツガツにロケンローな頭振り乱してアツ〜い演奏をするアメリカン・ガイズ! 軽く呆気に取られながらも構わずステージ上では激しく燃えた演奏を続けるガイズ達。ボーカルはニール・ヤング直系のものだったりするのだが、すっかりバンドもクレイジーホース状態でロッキンに刻み続けるのだった。スティックを天に突き上げたり、ドラムのアクションは特に面白かったなぁ。しまいには立ってたし。そんな感じでレコードとは違った印象なのかもしれないが、演奏は抜群に上手くて楽しかったです。
★Cheap Trick – outdoor stage
テクテクとスタジアムへ向かっていると既に「甘い罠」を演奏している音が! 後半から観戦となったチープ・トリックですが、しっかり下のグラウンドに降りて存分にベテランの味を楽しませていただきました。今にして思えばパワー・ポップの元祖といえる存在の彼ら。ヴェルヴェットのスーツを着ていたリック・ニールセンが観ているこっちも暑そうだったが、お約束らしいピックばら撒きはスタジアムのステージからもたっぷり披露。マイクスタンドにもびっちりピックが貼られていたのも笑ってしまった。極めつけの5ネックギターも最高! あれは目立てばOKな代物だけに、やっぱり弾きにくそうだったのが良かったなぁ。そんな「サレンダー」で暑さも忘れて盛り上がったチープ・トリックでした。わーお。
★The Jon Spencer Blues Explosion – outdoor stage
ジョンスペまでの間、一旦メッセに戻り休憩。お笑いステージで鉄拳やパペットマペットなどを観て過ごしたのだった。夕方となり外の暑さもだいぶ和らいだところで登場。サマーソニック初年度のトリを務めたものの、直前のジェームズ・ブラウンが唯我独尊持ち時間無視のフルセット演奏の煽りを食らい、演奏時間縮小を余儀なくされたわけだが、今日はほぼ定刻に始まった。ジョン・スペンサー、髪が幾分短くスッキリしてて、さらに男前な印象。ユダはそんなに変わってはいないが、比べてラッセルはさらに太ってないか? しかしまぁ、三人の演奏が始まるとグイグイ惹き込まれていくもので、本当にカッコいいなぁ〜と思いながら観ていましたよ。なんか今回抜群に冴えていたと思う。
★Devo – sonic stage
ラストは今回のサマーソニック最大のお目当て、D!E!V!O! 日本語ラップもここまで歌詞のレベルが低くていいものかと不安に思えたキック・ザ・カンクルーが終わると、DEVOの曲がインストでSEとして流れ、期待が徐々に高まっていく。ステージ前にはエナジードームをかぶったうらやましい人達もぽつぽつと確認。そして、いよいよ暗転するとスクリーンにオヤジ(ジェネラル・ボーイ)が映し出され、DEVOのいままでの映像コラージュが流れ出し、ついにメンバー登場で大興奮! メンバー全員が黄色いジャンプスーツにエナジードームをかぶったスタイルだ。年相応のオッサンと化し、マークとボブ2号はすっかり体が肥えていたりしたが、それでも無茶苦茶かっこいい!! DEVOによるDEVOたるステージパフォーマンスにひたすら感動の嵐が最大瞬間風速を記録しながら吹き荒れまくり。もはやたまのライブ出演でしか活動してないものの、よくぞ日本に来てくれたと感謝せずにはいられない。そりゃもう、ウィー・アー・ディーヴォ!と大喜びで叫ぶさ。とてつもなくたまらないライブ体験でした。
★Blur – outdoor stage
素晴らしかったDEVOの余韻に浸りながら、同時進行だったスタジアムのブラーを最後に一目確認しようと移動。アンコールだけながらスタンドから見届ける。わかっているけど、グレアムはいなかった。新曲が2曲続き、耳馴染みがないだけにそこは気にならず、相変わらずズシリと響くデイヴさんのドラムに感心したりしていたのだが、ラスト定番「THIS IS A LOW」を聴くに、やはりグレアムのプレイではないとわかってしまう分、ショックだった。ただデーモンもそのことはきっと重々承知だろうけど、決して表に出さずにステージを務め上げる姿勢は凄く立派だった。さすがはプロに徹したエンターテイナー。それでもやはりブラーとして観るなら、1997年の武道館公演が忘れられない者として、グレアムにはステージだけでも復帰して欲しいと夜空に打ち上がる花火に願わずにはいられなかった。嗚呼。
例年のサマーソニックであれば、ここでまた2時間以上かけて自宅まで日帰りとなるところだが、今年は某氏主催の夜の部開催ということで、広島からの参戦者を迎えて近くのホテルにて宴会宿泊とあいなりました。「黒真珠」なる産地沖縄以外では手に入りにくいという泡盛が非常に美味でありましたが、アルコール度数43度の威力も見事に発揮され、降霊ののち屈する者もしばしば。そうして楽しい夜は更けていったのでした。
■第2日
★The Polyphonic Spree – outdoor stage
9:05にセットされていた目覚ましよりも早く起床。2日目はチケットが完売してるとあってか、朝から続々と人が詰めかけてきている。昨日に引き続き猛烈な日差し。ポリフォニック・スプリーは日陰のスタジアム2階席から朝食のおむすびをほおばりながら観戦。総勢23名の白装束集団はここからでもかなり壮観で、一緒になって楽しまずにはいられない全身の思いを込めたパフォーマンスにすっかり虜になってしまいました。白装束で背中に日の丸という問題人物然とした格好でも、白い目で見るものは皆無の大歓声。これぞまさに幸せだと泣きたくなる音楽だと感銘を受けた次第です。
★Rooney – indoor stage
ブロンディまで特にスタジアムで観たいものがなかったので、とりあえずメッセに移動してそこでやってたルーニーを観る。なんか全然興味が持てなかったので、途中でトイレへと退出してしまった。ポリフォニック・スプリーの後だけに、かなりの薄味にしか見れなかった。
★Blondie – outdoor stage
再びスタジアムへ。太陽がいちばんギラギラしている時間帯ながら、今度はスタンディングエリア前方まで進んで、出番を待つ。ここまで頑張ってしまったのも、今日のお目当てブロンディのせい。氣志團もセカンドアルバムのジャケットでブロンディへの愛をまんま表現していたが、こんなクソ暑い時間にデボラ・ハリー(58歳!)がステージに立って歌っていると思うだけでも感動してしまうではないか! 確かに数年前に復活を果たしアルバムをリリースし、今回は新作が控えている状況ではあったものの、正直ここまで現役モードをアピールするとは思わなかった。いきなり初っ端新曲だったし、過去の曲も今のバンドの音としてリアレンジが施されていたりして、新旧ともども遜色なく、自信と貫禄に溢れた素晴らしいステージングに拍手喝采。「DREAMING」〜「HANGING ON THE TELEPHONE」の最初の盛り上がりで既にノックアウト状態でした。気が付けばポリフォニック・スプリーのメンバーらしき人物数名もセキュリティピットに降りてきて大喜びで楽しんでいる様子。まだまだ聴きたい曲がありすぎて、再来日の実現を願いたい!
★Stereophonics – outdoor stage
すっかり体力を消耗してメッセに戻る気力もなく、INTERPOLを諦め、スタジアム2階席で休憩。結局そのまま最後まで2階席で過ごしたのだが、これはこれでいいものだったと思う。グッド・シャーロットをかき氷食べながら眺めてたけど、こういうスタジアムで人の流れを管理するのは大変だなぁと思ったものです。確かにサマーソニックは今年も相変わらずフジロック以上の場内整理員がいながらもケチな導線で入退場が面倒だったり混雑が多発したりしてたけど、この施設だと仕方ないのかもしれないなぁ、なんて人の流れを見渡してると納得。あれだけの人数をスタンディングエリアに流し込むのって、絶対脅威だよな。いろいろボーっとしつつステレオフォニックスも眺めて見てましたが、なんか随分サポートメンバー多かったですね。女性コーラスまでいたし、どうなっちゃったの? 渋みや風格といったところが確かに本国イギリスでは大物バンドの域でもあるし強調されてきてるのだろうけど、3ピースで勢いのあった頃のほうがよかったなぁ。
★The Strokes – outdoor stage
アルバム一枚にしてロックスターの座を手に入れた近年最大の成功バンドではあれど、このストロークスに関しては全くの未聴という無関心を通してきてしまった。初めて彼らの楽曲をライブを通して味わったわけだが、若さと人気は認めるが、彼らがカッコいいとは大して思えなかったのが正直なところ。かなり単調だけどわざとなのか曲を短くしてキャンディポップと言っていいくらいキャッチーに聴かせることに成功しているとは思う。「マイウェイ」を布施明ヴァージョンでちょこっと歌ったところは面白かった。
★Radiohead – outdoor stage
スタジアム2階席もほとんど人で埋まった、満を持してのレディオヘッド。本年度のベストシングルと言っていいくらい素晴らしい「THERE THERE」のイントロがズンドコ鳴り出して、ついに開幕。もうサマーソニックというフェスの雰囲気を消して、明らかに別世界にいざなっていた無意識に真剣に向き合わずにはいられないステージは、まさに最高のエンターテインメントでもあった。「アツイデスネ〜」なんて日本語を普通のトーンで話し掛けたり、決してロックスターを気取らないものの、ロックスターとしてのオーラが半端じゃないトム・ヨークの存在感がなんとも不思議で興味深い。ジョン・グリーンウッドも比類ないレベルのギターヒーローとしてとにかく弾きまくって欲しいのに、本人はそこまでギターにこだわるつもりはないらしく、ギターをぶらさげながらでも鍵盤やつまみをいじってばかりだったりする。しかしながら、なんとなくだが彼のエゴがギターに向かわなかったのはレディオヘッドにとって大きかったのではないかという思いもする。アンコールの「CREEP」はまさかという思いと異様なフラッシュバック感覚でヒクヒク泣いてしまったわけで、自分のレディオヘッドに対する思いも無意識に巨大化していたんだなぁと思い知ったのでした。
放心状態で見上げた打ち上げ花火が2日間のサマーソニックの終わりを告げる。帰り道が辛いのは昨夜近場に泊まったせいなのか? 暑かったせいもあるけど、明らかにフジロックより疲れてしまったサマーソニック。多摩方面まで帰る電車賃、労力、時間を考えると、2日間行く場合はもう日帰りできないなぁとつくづく実感してしまいましたね。来年もラインナップ次第ですが、期待しておこうと思います。今年はとにかくDEVOに尽きる。ありがとう。できればまたカム・バック! ところで、レディオヘッドのウラでちょっと気になってた21世紀ドアーズはどうだったんだろう?
1.AM I WRY? NO 2.156 3.BEHIND THE DRAPES 4.SYMMETRY 5.SHE CAME HOME FOR CHRISTMAS 6.SHE SPIDER 7.SNOW BRIGADE 8.COMFORTING SOUNDS
Cheap Trick set list
1.HELLO THERE 2.BIG EYES 3.TOO MUCH 4.I WANT YOU TO WANT ME 5.BEST FRIEND 6.CLOCK STRIKES TEN 7.MY OBSESSION 8.DREAM POLICE 9.AIN'T THAT A SHAME 10.SURRENDER 11.SCENT OF A WOMAN
Devo set list
1.THAT'S GOOD 2.GIRL U WANT 3.WHIP IT 4.(I CAN'T GET NO) SATISFACTION 5.MONGOLOID 6.UNCONTROLLABRE URGE 7.BLOCKHEAD 8.JOCKO HOMO 9.SMART PATROL/MR.DNA 10.GUT FEELING/SLAP YOUR MAMMY 11.GATES OF STEEL
encore
12.FREEDOM OF CHOICE 13.COME BACK JONEE
Blur set list
1.AMBULANCE 2.BEETLEBUM 3.GENE BY GENE 4.FOR TOMORROW 5.GOOD SONG 6.MOROCCAN PEOPLES REVOLUTIONARY BOWLS CLUB 7.TENDER 8.CARAVAN 9.OUT OF TIME 10.CRAZY BEAT 11.SONG 2 12.TRIMM TRAB 13.BATTERY IN YOUR LEG 14.THE UNIVERSAL
encore
15.ON THE WAY TO THE CLUB 16.WE'VE GOT A FILE ON YOU 17.THIS IS A LOW
Blondie set list
1.DIAMOND BRIDGE 2.DREAMING 3.HANGING ON THE TELEPHONE 4.CALL ME 5.END TO END 6.MARIA 7.TIDE IS HIGH 8.GOOD BOYS 9.RAPTURE 10.GOLDEN ROD 11.ONE WAY OR ANOTHER
Stereophonics set list
1.HIGH AS THE CEILING 2.MADAME HELGA 3.NOTHING PRECIOUS AT ALL 4.BARTENDER AND THE THIEF 5.SINCE I TOLD YOU IT'S OVER 6.MAYBE TOMORROW 7.MR. WRITER 8.LOCAL BOY IN THE PHOTOGRAPH 9.CLIMBLING THE WALLS 10.I'M ALRIGHT 11.HAVE A NICE DAY 12.HELP ME
The Strokes set list
1.NYC COPS 2.HARD TO EXPLAIN 3.新曲(1) 4.THE MODERN AGE 5.SOMEDAY 6.新曲(2) 7.SOMA 8.BARELY LEGAL 9.新曲(3) 10.LAST NITE 11.TAKE IT OR LEAVE IT
Radiohead set list
1.THERE THERE 2.2+2=5 3.MORNING BELL 4.EXIT MUSIC 5.NATIONAL ANTHEM 6.BACKDRIFTS 7.SIT DOWN, STAND UP 8.NO SURPRISES 9.BONES 10.KID A 11.GO TO SLEEP 12.JUST 13.PUNCH UP AT A WEDDING 14.PARANOID ANDROID 15.IDIOTEQUE 16.EVERYTHING IN IT'S RIGHT PLACE
encore
17.PYRAMID SONG 18.WOLF AT THE DOOR 19.KARMA POLICE 20.CREEP
PIONEERS WHO GOT SCALPED : THE ANTHOLOGY / DEVO
サマーソニックでの来日公演が本当に楽しみ!ということで、DEVOが2000年に発表した2枚組アンソロジーをご紹介。ブライアン・イーノのプロデュースだった1978年のデビューアルバム『頽廃的美学論』から1990年の『ディーヴォのくいしん坊・万歳』(DEVOに関しては何かとクセのある邦題がついたりしてるのだが、さすがにこれは意訳のし過ぎじゃないのか?!)までのオリジナルアルバムに収められた代表曲の数々に加え、アルバム未収録のシングルヴァージョンや活動の合間にちょこちょこ映画サントラに提供してきた曲(この中にはNINE INCH NAILS「HEAD LIKE A HOLE」のカバーなんてのもあり。ちなみにメンバーのマーク・マザーズバーは現在映画音楽を手掛ける仕事が主な活動になっていて『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』も彼によるもののひとつ)などなどを網羅した全50曲のスペシャルアンソロジーだ。圧倒的に奇抜で特殊な知性を持ち合わせ、あくまで笑みがこぼれるほどポップなDEVOの音楽。ブックレットの写真を見てるだけでも楽しいのだが、いよいよその姿をライブで目撃できるのかと思うとワクワクして仕様がない。WE ARE DEVO!
FUJI ROCK FESTIVAL ’03(第3日) [ 2003.07.27. 苗場スキー場 ]
ついに苗場の地で雨にどしゃ降られたフジロック。にもかかわらず2日目土曜日のチケットは史上初の売り切れを記録し、3日間で10万人以上を動員と、興行的には輝かしい成功を収めたのだった。良くも悪くも人々のフジロックに対する期待と信頼が膨れ上がった結果だろうけど、あまり過大評価すべきではないことを伝えるには、いい雨だったのかもしれない。今年は土曜日に親戚の結婚式に出席する予定があり、日曜日のみの参加となったのだが、結果的にこれがいちばんよかったと思う。日曜は天気が良かったからだ! 本当に救われた気持ちになったのは、金曜土曜の惨劇を物語る会場のぬかるんだ地面を見たときで、雨が降らない今日はラッキーだなぁとつくづく思ったのだった。
★つじあやの – field of heaven
会場に着いてひとまずグリーンカレーとカルビの串焼きを食べて移動。晴れた日差しのおかげで徐々に回復しつつあるぬかるんだ山道をてくてく歩き、新しく設けられたボードウォークを気持ち良く抜けていく途中で始まった朝11:30のフィールド・オブ・ヘブン一発目つじあやの。ウクレレひとつで弾き語る彼女の音楽を聴くには、湿った空じゃなくてよかったなぁとしみじみ。唯一持ってる最初のミニアルバム『君への気持ち』からの曲はなかったものの、いくつも耳にした曲があるという、改めて彼女がヒットメーカーとして活躍していることを思い知るのだった。
★Counterfeit Beatles – green stage
本日のスペシャルゲストというかピンチヒッターとして登場したのが、前夜祭にも出演したらしい彼ら。いわゆるビートルズのれっきとしたものまねバンドなんだけど、お祭りにはもってこいでしたね。ちゃんとしたそつのない歌と演奏で、かなり楽しんでしまいました。サージェント・ペパーズの衣装で始まり、途中引っ込んだかと思えばポール役がソロで黒のハイネックに着替えて「YESTERDAY」。その後に再登場したメンバーはアビー・ロード仕様の衣装に変わってて、手抜きのないところが素晴らしい。「REVOLUTION」が聴けたのが嬉しかったです。
☆Yo La Tengo – white stage
移動しながら眺めてたグリーンステージのヴィンセント・ギャロがどうも歌う雰囲気ではなかったので、ホワイトステージ横の河原でトマトを食べたりしながら休憩して、いよいよお目当てのヨラテンゴへ。セットチェンジでやや時間が押してしまったせいか、あり得ないほど安そうなTシャツで登場したアイラが飛ばしまくる!! 曲が終わったらスタッフを待たず自ら楽器を取りに走り、決して楽器は壊さないものの怒りのテンションでノイズパフォーマンスもいつも以上に激しく動くのだった。名曲「TOM COURTNEY」を挟みつつもアイラのテンションは下がらず、後半から登場して共演したサン・ラのメンバーをも圧倒。どんなに誇張されて絶賛されてもおかしくない「NUCLEAR WAR」の名共演を残してステージを去ったものの、とにかく哀しいほど時間が足りなすぎた。12月に彼らが再来日することが決まったのが本当に救いだったが、こればかりは怒りを込めてフジロックを振り返らずにはいられない。
★Nick Lowe – field of heaven
格別だった真っ昼間のヨラテンゴで満たされなかった気持ちを引き摺りつつ、フィールド・オブ・ヘブンでニック・ロウをチラ見。最後の一曲「(WHAT’S SO FUNNY ‘BOUT) PEACE, LOVE AND UNDERSTANDING?」だけ聴けた。こないだ来たときと同じ弾き語りスタイルでした。バンド形態での再来日を改めて乞う。
★Steve Winwood – green stage
ステージ前方舗装部分と芝生のあいだの5メートル程度の帯が見事に深い泥沼と化していたため、今日は終始人垣はおろか立ち入る者さえまばらという有り様。これは主催者側も雨への備えが乏しかったと言わざるを得ないだろう。米所新潟だけに大量のワラでも用意しておけば、ここぞとばかりに撒けただろうに。そんなわけでドロドロ地帯の真後ろ、芝生地帯の一番前に座って観た大御所スティーブ・ウィンウッド。ステージ前ですら、ほんと局地的にしか人がいなかったのが申し訳なく思えるほど閑散としてましたが、彼のハモンドオルガンの有り難味、十分に堪能させていただきました。
★Elvis Costello – green stage
フェスティバルの大トリを拒否した本日のヘッドライナー、コステロ。最後の1コ前に出たおかげで祭がイマイチしっくり締まらなかった印象も否めないわけですが、コステロは好き勝手やって帰っていきましたよ。ばっちり楽しかったです。コール&レスポンスにこだわるしつこさは愛嬌として、往年のパフォーマーとしての力量凄まじく、前回の来日と同じほぼアトラクションズとの演奏も支え合ってるというより飛ばし合ってるテンションで駆け抜けたあっという間の90分。師匠ニック・ロウとの共演を願っていたのに、残念ながら実現せず。せっかく同じ会場に来てたのに、悔やまれますなぁ。
★Massive Attack – green stage
強烈なインパクトを与えた今年3月の来日公演から再び。そんなわけであのときの印象が強すぎて特別目が覚めるような思いはしなかったものの、「KARMACOMA」が新たなセットに加えられていたのが嬉しかった。「TEAR DROP」を聴きながらモグワイへ移動のため退場したのだが、コステロから居座ったままだった最前ブロックエリアはいつの間にか人がみっしりいて出るのが大変だった。
☆Mogwai – white stage
今日の最後を飾るモグワイ。といっても出演時間が22:30とかって、どう考えても遅すぎるよ! もう少しタイムテーブルを整理してもらって全体的に22時頃には終わるようにして欲しいなぁ。ステージ後方でも十分聞こえるほどデカすぎな音だったにも拘らず、体力的につらくて眠気が…。目潰しライトも避けたかったので、出口の橋に近い後ろのほうでほとんどウトウト聴いてました。ノイズという印象も特にはなかったし、いまのモグワイの音に接するにはウトウトでもいいのかなと思ったり。にしても音は異常にデカかったなぁ。ちょっと危険なデカさだったと思う。
今年は1日だけとあってか割と活発に動いてライブを観たような。でもやはり1日だけでは物足りないという思いもあり、せめてヨラテンゴだけでも全身満タンに満たして欲しかったという思いも強く残ってしまった今年のフジロック。来年こそは雨に降られない天気を祈りつつ3日間楽しみたいですね。あの泥のぬかるみを見ただけでもモチベーション下がったし、やっぱ今年は全体的に会場の空気がトーンダウンしてたように思う。梅茶漬けとかだまされたようなマズイ飯もいくつかあったしなぁ。僕自信も前日の結婚式での食べ過ぎ飲み過ぎがたたって胃腸がすぐれず、アルコールを全然口にしなかったしなぁ。まぁいろいろあったわけですが、今年の雨は苗場のフジロックにとって大きなターニングポイントとなってくれるのではないだろうか。赤字は出てないだろうから、ギャラの高いメンツを揃えたオールスターなラインナップに期待して、来年のフジロックを楽しみに待つとしよう。
1.お天気娘 2.サンデーモーニング 3.風になる 4.クローバー 5.明日によろしく 6.心は君のもとへ 7.雨音 8.春の陽射し 9.桜の木の下で 10.いつまでも二人で
Yo La Tengo set list
1.AUTUMN SWEATER 2.TODAY IS THE DAY 3.TOM COURTNEY 4.HOW TO MAKE A BABY ELEPHANT FLOAT 5.OUR WAY TO FALL 6.MOONROCK MANBO 7.LITTLE HONDA 8.NUCLEAR WAR
Steve Winwood set list
1.PEARLY QUEEN 2.DIFFERENT LIGHT 3.CIGANO(FOR THE GYPSIES) 4.BACK IN THE HIGH LIFE AGAIN 5.DEAR MR.FANTASY 6.BULLY 7.WHY CAN'T WE LIVE TOGETHER 8.GIMME SOME LOVIN'
Elvis Costello set list
1.I HOPE YOU'RE HAPPY NOW 2.TEAR OFF YOUR OWN HEAD (IT'S A DOLL REVOLUTION) 3.EVERYDAY I WRITE THE BOOK 4.BEYOND BELIEF 5.RADIO RADIO 6.EVERYBODY'S CRYING MERCY 7.CLUBLAND 8.CLOWN STRIKE 9.45 10.LESS THAN ZERO 11.(I DON'T WANT TO GO TO) CHELSEA 12.HONEY, ARE YOU STRAIGHT OR ARE YOU BLIND? 13.EITHER SIDE OF THE SAME TOWN 14.I CAN'T STAND UP FOR FALLING DOWN 15.UNCOMPLICATED 16.TART 17.DEEP DARK TRUTHFUL MIRROR〜YOU REALLY GOT A HOLD ON ME
encore
18.WATCHING THE DETECTIVES 19.PUMP IT UP 20.(WHAT'S SO FUNNY 'BOUT) PEACE, LOVE AND UNDERSTANDING?
Massive Attack set list
1.FUTURE PROOF 2.RISINGSON 3.ANGEL 4.BLACK MILK 5.KARMACOMA 6.TEAR DROP 7.MEZZANINE 8.NAME TAKEN 9.SAFE FROM HARM 10.INERTIA CREEPS
encore
11.ANTISTAR 12.UNFINISHED SYMPATHY 13.GROUP FOUR
Mogwai set list
1.KIDS WILL BE SKELETONES 2.MOGWAI FEAR SATAN 3.HUNTED BY A FREAK 4.YOU DON'T KNOW JESUS 5.HELICON 2 6.STOP COMING TO MY HOUSE 7.CHRISTMAS STEPS 8.HELICON 1 9.I KNOW YOU ARE BUT WHAT AM I? 10.RATTS OF THE CAPITAL
encore
11.ITHICA 27-9
鬼が来た!
監督:チアン・ウェン
鬼子來了
2000年 中国
2000年のカンヌ国際映画祭グランプリ作品に香川照之が準主役として出演していたことで少し話題になった作品(ちなみに同年カンヌの実質ナンバーワンの賞であるパルムドールは『ダンサー・イン・ザ・ダーク』だった)。監督のチアン・ウェンは本業はむしろ俳優のようで、『鬼が来た!』は監督第2作にあたるのだが、これは監督として物凄く立派であることを見せるには十分すぎる内容だ。単なる反戦、反日といったスローガンを掲げただけの戦争映画ではなく、あくまで戦争や死というものを独自の距離で見つめた映画。相当なリサーチをしたそうだが、中国映画において太平洋戦争中の日本軍がここまでしっかり冷静に描かれていることに驚かされる。農村を舞台に軍人と農民の奇妙な関係を笑いと緊張感で巧みに描きながら、戦争の狂気も暴き出すテンションに思わず凝視。香川照之も上手いが、軍人というより戦国時代の武将といった風格で、軍服着て日本刀持ってるからということだけではなく、戦における武士道とか大和魂といった精神的な部分を圧倒的に見せつける日本軍隊長を演じた澤田謙也が強烈な印象を残す。
ロード・オブ・ザ・リング
監督:ピーター・ジャクソン
THE LORD OF THE RINGS: THE FELLOWSHIP OF THE RING
2001年 アメリカ
ようやくビデオでその第一作「旅の仲間」を観た。これは物凄い作品だ。ほぼ同時期のファンタジー大作であるせいかクリス・コロンバスの『ハリー・ポッター』とよく比べられてはいるが、監督の資質の違いかこの『ロード・オブ・ザ・リング』は半端じゃなく面白い! 元々ピーター・ジャクソン監督は『ミート・ザ・フィーブル/怒りのヒポポタマス』や『ブレインデッド』の頃から贔屓にしてはいたけれど、悪趣味だったり偏執的だったりしても単に映像で気持ち悪がせるわけではなく、あくまでストーリーとして撮り上げて爽快なものにしてしまう天才的な演出の才能は目を見張るものがある。