TOUR DE FRANCE SOUNDTRACKS / KRAFTWERK
出ました17年振りの新作。「TOUR DE FRANCE」そのものは1983年にリリースされたシングルで、電気グルーヴ懐かしの変名コンピレーション『ドリルキング・アンソロジー』でのペダル踏弥「ツルっとフランス子守唄」の元曲だったりもするのだが、2003年、TOUR DE FRANCE100周年を記念して一新、長編アルバム化、ただしジャケットはそのまんまという、クラフトワークの芸の術を見事なまでに注ぎ込まれた会心の一枚。実を言うと、懺悔しますが、かの前作『エレクトリック・カフェ』は大学のときに買ったものの、あまり聴かなくて売ってしまったのであります。若かりし頃に、こうすんなりクラフトワークに行っちゃうのも、気味悪い気もするし、まぁ良しとしてやってください。1998年、2002年と見逃し続けたライブも、再度新たにチャンス到来! 来年の単独公演が本当に楽しみでなりません!!
クレイジーケンバンド [ 2003.10.25. 日本大学湘南校舎体育館アリーナ ]
わざわざ藤沢まで出掛けて行ったのも、20000円もするディナーショーですら軒並み完売させてしまう勢いのクレイジーケンバンドを1800円のお手ごろ価格でありながら難なくチケットが取れてしまったからでありまして、こういったショービジネスと区別された昔ながらの学祭コンサートというのはとても素敵なことだと思います。一部、普通のライブ料金並のチケット代でもって話題取りだけで有名どころを呼んだりして、学生のプライドがあまり感じられず興味がないものもありますが、総じて学祭は小さくとも大いに一生懸命盛り上がって欲しいものであります。今回行ってきた日本大学の湘南校舎は生物資源学部のみの大学施設ということで、勝手に古くて高校並みのスケールだろうと想像していたのですが、なんともまあ恵比寿ガーデンプレイスのような嫌味に立派で新しくデカいとこでした。ライブ会場の体育館というのも観客スタンドがあるくらい大きくて後ろ半分は可動式の座席が出てたり、ほぇ〜、とか思ってしまいました。で、剣さんですが、初めて観た感想として、やはりカッコよかった!ということです。誰もに一言目には「カッコいい」と言わせてしまうカッコ良さが物凄くあります。オモシロ可笑しく真剣に楽しませるショーを実践せんとしたバンドのコンビネーションも素晴らしく、珍しく歌詞を飛ばしてしまった剣さんを見事にフォロー。イイネ!も余計に出てました。最後は客もいっしょにみんなでお金持ちになろう!と百万円コール〜一千万円コール〜一兆円コール。一兆円で剣さん転倒! 一兆円で多すぎるのもあんまり良くないということで、三億円くらいが丁度いいとして、三億円コールでお見事大団円。さすが。
1.美人 2.香港グランプリ 3.BRAND NEW HONDA 4.I LIKE SUSHI 5.ウォーカーヒルズ・ブーガルー 6.夜のヴィブラート(藤桜祭仕様) 7.肉体関係 8.長者町ブルース 9.ボサボサノヴァノヴァ 10.パパ泣かないで 11.イカ釣り船 12.けむり〜ざくろ 13.ヨコスカンショック 14.Let's Go! Crazy Ken Band〜タイガー&ドラゴン 15.あ、やるときゃやらなきゃだめなのよ。 16.GT
encore
18.老人と子供のポルカ 19.Surf Side 69 20.涙のイタリアン・ツイスト 21.葉山ツイスト 22.クリスマスなんて大嫌い!なんちゃって♥ 23.まっぴらロック〜ゲバゲバ90秒
BEFORE AND AFTER SCIENCE / BRIAN ENO
最近のメキシコ映画に『天国の口、終わりの楽園』という作品がある。羨ましいほど青い男子学生ふたりとワケありの人妻との青春ロードムービーで、なかなかの秀作である。クリス・コロンバスの後を継ぎ、ハリー・ポッターシリーズの次回作『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』を監督することが決定したらしい監督のアルフォンソ・キュアロンは、この映画を撮るにあたってエンドクレジットで流れるフランク・ザッパの曲にインスピレーションを受けたことが契機となったみたいだが、僕がこの映画の音楽で最も印象的だったのが、劇中、ブライアン・イーノの曲「BY THIS RIVER」が車のラジオから流れて、曲の途中でラジオが故障するシーンだったりする。単音のメロディが切なく訴えかける美しい名曲「BY THIS RIVER」を収録したアルバム『BEFORE AND AFTER SCIENCE』は、ベルリンでデビッド・ボウイの傑作群をプロデュースしていた頃とほぼ同じ時代の1977年発表。その後のアンビエントの世界へと突入していく直前のもので、曲調にその辺りの影響が既に表れてはいるものの、まだまだイーノもほとんどの曲で歌っており、非常にバランスのいい優れたアルバムだと思う。
岡村靖幸 [ 2003.10.14. ZEPP TOKYO ]
何から書けばいいのだろう。もう本当に言葉にならないくらい感動したライブだった。散々言われてきたように、体型については申し分ないウエイトを有していたと思うが、はっきりしたのは、どんなに腹が突き出て顔が膨らんでも、岡村靖幸は岡村靖幸でしかあり得ないということだ。岡村ちゃんの歌は岡村ちゃんにしか歌えないのであって、靖幸ちゃんの言葉は靖幸ちゃんにしか発することはできないという、ライブを初めて体感して強烈に浴びせられた岡村靖幸という表現者としての凄まじき説得力。7年の時を経て再結集したバンドとともに、ステージの白いカーテンが開かれたときから全力で徹頭徹尾エンターテインメントなショーを展開したわけで、もはやリハビリなどではなく完全復活の手応えをこの日の岡村ちゃんは確信したのではないだろうか。アンコール最後、バンドメンバーのMCで「今日は凄くあっと言う間な気がする」と打ち明けていたことをバラされ、予定外の一曲を即興セッションという形でやり、舞台監督に自ら時間を確認してダメ出しされるまで続けた岡村ちゃん。ステージを去るとき、本心から出た感謝の言葉「ありがとうございました」の一言がどんなに嬉しかったことか。ともに歌い、踊り、涙を流して歓迎したこの日のお客さんも、本当に素晴らしかった。
1.いじわる 2.聖書 3.生徒会長 4.あの子僕がロングシュート決めたらどんな顔するだろう 5.Dog Days 6.カルアミルク 7.Vegetable 8.Super Girl 9.ターザンボーイ 10.Water Bed 11.(E)na
encore 1
12.come baby 13.Punch↑ 14.ステップ UP↑ 15.マシュマロ ハネムーン 16.セックス
encore 2
17.弾き語り即興〜はじめて〜だいすき〜友人のふり 18.イケナイコトカイ 19.マシュマロ ハネムーン 20.Co' mon 21.家庭教師 22.即興セッション〜愛の才能 23.Out of Blue
朝霧JAM [ 2003.09.27-28. 朝霧高原アリーナ ]
前日の報道で噴気を観測したことが明らかになった、いよいよやばいぞ富士山の麓、静岡県朝霧高原で開催された朝霧JAM。3回目の開催となる今年、某氏の呼び掛けにより初参加とあいなりまして、いろいろと紆余曲折があったみたいですが、5名が集結。全員素人参加なので、キャンプはせずに近くの温泉宿に宿泊というインドア志向プランにて、のんびり楽しんだ2日間でした。
■第1日:POLARIS、EGO-WRAPPIN’、東京スカパラダイスオーケストラ、THE SKATALITES、TELEVISION、JAMES HOLROYD、THE CHEMICAL BROTHERS
駐車場に車を止めて、1時間ほどバスを待ち、会場に到着したのが丁度2時のポラリス出演時間。ひとまず陣地のシートを敷いて、富士宮の焼きそばとビールを食す。焼きそばはソースより塩のほうが旨かった。天気も良く、ステージ後方に空が広がり、見事なロケーション。クラムボンの原田郁子がキーボードで参加したこの日のポラリスではあったが、結局一度もステージ前まで足を運ばず、ダラダラと聴き過ごしたのだった。朝霧JAMとは、そういうノリのものなのだ。音は十分聞こえるし、あとは勝手気ままに過ごせばいいだけ。この1ステージ+DJフィールドというスケールが、フジロックのようにあちこちステージを移動するのが正直得意でないウチらにとって、まさにベストな環境。そんなわけで差し入れのコッポラ印ワイン(旨い。某氏も絶賛してました)を飲んだりしながら、エゴラッピンも適当に過ごしたのでした。続くスカパラの途中でようやくステージ前へ。燃える30代は黒いスーツで熱く楽しませてくれました。フィッシュマンズ欣ちゃんのドラムは上半身が小刻みに揺れる様にグッときてしまう。「銀河と迷路」で歌唱も披露。とてもよかった。夕暮れ、会場入りしたときの快晴からすっかり変貌した暗い雲に覆われる。そして小さな雨。気温も低下。山の天気をナメてはいけない、というセリフが何度も飛び交う素人チーム。そんな状況下に始まったスカタライツで、不思議とみんな熟睡。ライブの音は子守唄なのか。途中寒くなったので、地元のものらしいなんとか鍋を食べる。旨い。去年のフジでも観たスカタライツ。意外と言ってはなんだが、物凄い盛り上がりだった。フリーダ〜ム!のカウントダウンも大受けでした。このスカの流れから出て来ざるを得ないテレビジョンはちょっと場違いだったか、狙ってたかのようにスカスカな状況は可哀相だったなぁ。応援に駆けつけたものの、途中でステージ前をあっさりと離れ、「マーキー・ムーン」が鳴っているときには既に屋台を物色してたわけですが、往年の曲が聴けたのは素直に嬉しかったです。本日の最後はDJタイム。ひとり最初につなぎで出てきて、ケミカルにバトンタッチ。ケミカルといってもDJなので、特に期待することはなく、その通りって感じ。持ち曲の元ネタを挟みはするのだが、それなら持ち曲かけろよと思ってしまうもの。やはりDJはテクノのタイプではなく、スクラッチバリバリのヒップホップDJの方が面白い。そんなこんなで10時半で切り上げて、一路、宿へと向かう。温泉に浸かって疲れを癒し、その後は小さく酒盛り。某氏からコブラが入った蛇酒を譲り受ける。ありがとう。
■第2日:陣馬の滝太鼓、DONAVON FRANKENREITER BAND、DOUBLE FAMOUS、曽我部恵一、JACK JOHNSON、TONY ALLEN
快晴。朝風呂から富士山という景色が素晴らしい。朝食後、宿の近くの観光名所らしい白糸の滝へ散歩。これが思ったより随分スケールのある滝で感動。やたらと清々しい気持ちになれました。そんなマイナスイオンに包まれた勢いで、10時の滝太鼓に間に合わせるべく会場へ出発。しかし、シャトルバスで事件が起こった。駐車場で三重駐車をした客が乗車していることが発覚し、挟まれた車が移動できないという。スタッフが車の移動を求めるも、なんかブツくさ言いながらバスを降りたカップルに、バス発車後ブーイング炸裂。そんなすったもんだのおかげで10時10分頃に到着してしまい、時既に遅し。滝太鼓のパフォーマンスは予想より遥かに短かったようで終わってしまっていたのだ。残念。しばらく間があいて、ドナボンなんたらバンド登場。ジミヘンのアメリカ国歌という派手派手しい登場曲ではあったものの、彼ら自体はアコースティックギター+ドラムというジャック・ジョンソンを彷彿とさせるタイプ。快晴の野外には丁度よかったかも。最後はボニー・ピンクがゲストで出てきて大盛り上がり。CD、Tシャツ購入者にサイン会やるよ〜!の呼びかけが功を奏し、ライブ終了後は売り場に長蛇の列が。プロモーションは大成功だったようだ。お次のダブル・フェイマスも演奏するには最高の時間帯だったのではないだろうか。富士山見えてるし、マッタリ目に気持ち良く聴かせてくれました。これまた最後にゲストが登場。アルバムで共演したエゴの中納良恵が元気いっぱい歌ってくれましたよ。ほとんど昼寝状態で過ごしてきたので、曽我部恵一をステージ前で観戦。ソロライブを観るのはこれが初めて。今回のメンツの中では唯一まっとうなギターロックだったわけで、なかなかに良かったです。「ありがとう」「気持ちいい」「最高」を連発してニッコニコの曽我部恵一。歌がやたら巧く聞こえました。本日の締めはジャック・ジョンソン。2枚のヒットアルバムまんまの歌世界を堪能。3人のバンド演奏も素晴らしく良かったです。プロサーファーとしての名声がありながら、このようにギターが弾けて歌も唄えるなんて、丘サーファーの代表のような我々チームからすれば敵であるわけで、中途半端な音楽であろうものならボロクソ言ってるところだけど、ジャック・ジョンソンの音楽はウチらを黙らせるだけの説得力はありますね。ジャックの勝ち。そんなところで、最後トニー・アレンは観ずにジャック・ジョンソンを聴きながら帰りのバスに乗り込んで、我々の朝霧JAMは終了した。帰り道、東名高速の渋滞30キロに萎えながらも、車に帽子を置き忘れながらも、無事に帰宅。お疲れ様でした〜。今回、初めてだったものの、MAX7999人の朝霧JAMはとても楽しかったです。抜群のロケーションと快適なゆるさが実に良かった。街おこしとして地元も一生懸命やりながら楽しんでる様子だったのも、印象深い。一回きりのワールドカップやオリンピックを呼ぶのより、こういう新しい形のイベントが地方で根付いていくことの方が、絶対に有益だろう。あとはやっぱり天気の良さ。野外イベントで雨だけは絶対に避けたいものです。
DEATH CAB FOR CUTIE [ 2003.09.24. 原宿アストロホール ]
デス・キャブ・フォー・キューティーの祝!初来日公演。と言っても、今回は新作のプロモーションが目的のスケジュールだったのだろう。たった一日のみのライブで、業界関係者らしきあんましどうでもよかった感じの人も多かったわけで、ショーケース的な意味合いも強いものだった。しかしながらチケットを即日完売させた熱きファンの気持ちはしっかりと彼らには伝わったはず。音源よりもアグレッシブな演奏で、たぶん普段よりも多めに曲が演奏されたのでは?と思うほど、新旧こだわらず、たくさんの曲を演奏してくれたのは本当にありがたかったです。
1.TITLE TRACK 2.THE NEW YEAR 3.I WAS A KALEIDOSCOPE 4.WE LAUGH INDOORS 5.WHY YOU'D WANT TO LIVE HERE 6.PHOTOBOOTH 7.PRESIDENT OF WHAT? 8.DEATH OF AN INTERIOR DECORATOR 9.FOR WHAT REASON 10.COMPANY CALLS 11.COMPANY CALLS EPILOGUE 12.EXPO '86 13.THE SOUND OF SETTLING 14.STYROFOAM PLATES 15.YOUR BRUISE 16.PICTURES IN AN EXHIBITION 17.A MOVIE SCRIPT ENDING 18.INFORMATION TRAVELS FASTER〜ALL IS FULL OF LOVE 19.BLACKING OUT THE FRICTION 20.PROVE MY HYPOTHESES
encore
21.A LACK OF COLOR 22.FAKE FROWNS
LOU REED [ 2003.09.20. 東京厚生年金会館 ]
今年は新作『THE RAVEN』に2枚組ベスト盤『NYC MAN』と立て続けにリリースし、それに伴いワールドツアーを敢行と、老いてますます盛んなルー・リード、61歳。ついにその伝説の男のライブを観るということで、こっちはそれなりに緊張して待っていたのだが(しかも開演前は何の音楽もかかっていないという今までにない状況!)、登場して「SWEET JANE」(凄い。初っ端からヴェルベッツ!)のイントロを少し弾くやいなや、いきなり演奏をストップして一喝するのかと思いきや、「よく3コードで曲が書けますね、ってよく言われるけど、この曲はコードが4つなんだ」って喋った上、ギターで説明してみせて笑いをつかむという予想外な展開で幕が開けたのだった。今回はドラムレスの変則的なバンド編成で弾き語り的なムードを醸し出した、ルー・リードの歌の本質を味わえる、そんなマニアックなステージだったわけですが、後半「ALL TOMORROW’S PARTIES」の演奏中、いきなりカンフー道着のおっちゃんが出てきて太極拳の型をやり始めたときは突然過ぎて絶句してしまいました。なんとこの人、ルー・リードの太極拳の先生みたいで今回のツアーはいっしょに回っているみたい。ていうか、え?! ルー・リードが太極拳習ってるなんて!! いやー、大笑いでしたけど、そんなルー・リードがとても素敵だなぁと思えましたよ。かつては「HEROIN」という曲を書いた男も、今は今でめちゃくちゃカッコいいです。61歳と言っても、彼の音楽的感覚は一生衰えることはないだろうと、この日のライブで確信しました。本当に素晴らしかった。
1.SWEET JANE 2.SMALLTOWN 3.TELL IT TO YOUR HEART 4.MEN OF GOOD FORTUNE 5.HOW DO YOU THINK IT FEELS? 6.VANISHING ACT 7.ECSTASY 8.THE DAY JOHN KENNEDY DIED 9.STREET HASSLE 10.THE BED 11.REVIENS CHERIE 12.VENUS IN FURS 13.DIRTY BLVD. 14.SUNDAY MORNING 15.ALL TOMORROW'S PARTIES 16.CALL ON ME 17.THE RAVEN 18.SET THE TWILIGHT REELING
encore 1
19.CANDY SAYS 20.PERFECT DAY
encore 2
21.WALK ON THE WILD SIDE
ニューヨーク1997
監督:ジョン・カーペンター
ESCAPE FROM NEW YORK
1981年 アメリカ
ジェームズ・キャメロンも裏方で働いたジョン・カーペンターの代表的カルト映画。舞台に設定されている1997年がすっかり過去になってしまったわけですが、このSF映画は最高でしょう。はっきり言ってB級だけど、そこも含めて無性にかっこいいんだよなぁ。犯罪の増加によりニューヨーク・マンハッタン島全体が監獄とされた1997年。そこにハイジャックされた大統領専用機が墜落し、大統領を救うために派遣されたのが元特殊部隊にいた犯罪王スネーク。ニューヨークが囚人だらけだからなんかすごくえらいことになってて、出てくるキャラクターがクセものだらけでおもしろい。囚人のボスがアイザック・ヘイズだったりキャスティングもいいです。最後にスネークが大統領に言うセリフがシビれます。あなたを救うために大勢の人が死んだが、そのことをどう思う?
ズーランダー
監督:ベン・スティラー
ZOOLANDER
2002年 アメリカ
すっかりコメディ俳優としてお馴染みベン・スティラーの『リアリティ・バイツ』『ケーブル・ガイ』に次ぐ監督第3作。自身がスーパーモデル役で主演というわけで、想像通りバカ映画ではあるけれど、彼が積み上げてきたキャリアの成功を思わせる出演者&ゲストが凄くて、トム・フォードからデビッド・ボウイまでという豪華さはさすがに観ていて楽しい。あくまでド派手なイメージだけで描くには無理がありすぎるファッション業界も80年代チックな設定であればバカに徹底できるという、やはり80年代というのはアメリカにとってポップで幸せな時代だったのかもしれない。本編終了後の特典映像はかなりしつこかったです。
座頭市喧嘩旅
監督:安田公義
1963年 日本
たけちゃんの『座頭市』が何かと話題なので、勝新の座頭市を観る。勝新太郎の座頭市は誰もが見れば納得。いま観ても物凄く面白い。盲目にして居合斬りの達人、座頭市。座頭市はヤクザである。こんなヤクザ時代劇が寅さんと同じくかつて昭和の正月映画として人気を博していたのは、何と言ってもこのアウトローのヒーローが斬新でカッコ良かったからだろう。今回の『座頭市喧嘩旅』はシリーズ第5作。見事過ぎる殺陣シーンは勿論のこと、ヒロインの娘・藤村志保と旅をする座頭市との清純な関係がなかなか見所です。結構、饒舌なところも魅力的であります。