小説家を見つけたら
監督:ガス・ヴァン・サント
FINDING FORRESTER
2000年 アメリカ
ガス・ヴァン・サントにとって『グッド・ウィル・ハンティング』再びといった趣の作品。すっかりメジャーに落ち着いちゃった感じがしますが、ストーリーテリングの巧さは相変わらず。ただあまりに『グッド・ウィル・ハンティング』しすぎな気もする。最後にわざわざマット・デイモン出てきちゃうし。悪くはないけど個人的にいろいろ難癖つけたくもなる映画。ショーン・コネリーがひたすら渋い。いくつになってもカッコよろしいです。
WONSAPONATIME / JOHN LENNON
何年か前にジョン・レノン・アンソロジーとしてリリースされたアウトテイク集。ほとんど知ってる曲なので、普通に楽しめて良い。1曲目から「I’M LOSING YOU」の歌いっぷりがシビれますね。もし曲作りの才能がなかったとしても、この人はノドだけで世界を変えてたかもな。奥田民生が「体は黒人、脳は日本人、ノドは白人がいい」って理想を言ってたけど、ジョン・レノンこそ白人の喉のベスト・オブ・ベストだろう。
あの頃ペニー・レインと
監督:キャメロン・クロウ
ALMOST FAMOUS
2000年 アメリカ
かつては僕もロック評論家に憧れたりしたものだけど、なれなくてよかったなぁとつくづく思う。第一あんな長文書けないし、知識偏重で音楽に接しても楽しいわけないし、独自のスタンスで勝手に音楽を好きでいるほうが絶対にいい。義務も義理もないけれど、好きだからこそ言いたいこともあるわけで、でもそれは少なくとも僕はこの自分のホームページでなんにも気にせず書くだけでいいし、そのほうが性に合ってる。仕事云々に拘らず、誰もが純粋な音楽ファンであればなと思う。この映画が気持ち良くてステキに思えるのは、主人公やペニーが純粋に音楽を感じるまま愛している姿を描いているからだ。サイモンとガーファンクル『ブックエンド』のLPをお姉さんが母親に取り上げられちゃうけど、あのLPは名作ですよ。中年ロック評論家がラジオ局で「イギー・ポップ最高!」って言ってたけど、あのときのイギー・アンド・ザ・ストゥージズ『ロー・パワー』は本当にカッコいいよね。
キリンジ [ 2002.03.01. NHKホール ]
カゼをひいてしまい、I’M NOT FINEのさなか、2階と3階を間違えるほど薬漬けの状態で、家に帰りつく頃にはムーンリバーを渡るようなステップのつもりがフラフラでしたが、ライブは本当に良かったデス! テレビで見る紅白やポップジャムのような派手なセットはNHKホールであっても皆無でしたが、バンドと音楽だけで十分。特に歌声の存在感は凄まじくて、カラオケライブでもいいと思えるほど良かったなぁ。胸がしめつけられます。最新作『Fine』から全曲やってくれたし、初期の曲が「冬のオルカ」「双子座グラフィティ」「Drive me crazy」って連発されたのも嬉しかった! 今度はキリンジを肴に酒が飲める状態でまた観たいです。早くカゼを治さなきゃ。
1.燐 2.君の胸に抱かれたい 3.イカロスの末裔 4.冬のオルカ 5.双子座グラフィティ 6.Drive me crazy 7.雨は毛布のように 8.ポップコーン 9.ニュータウン 10.玩具のような振る舞いで 11.フェイバリット 12.地を這うものに翼はいらぬ 13.切り花 14.アルカディア 15.Drifter 16.牡牛座ラプソディ 17.太陽とヴィーナス 18.ムラサキ☆サンセット 19.グッデイ・グッバイ
encore
20.エイリアンズ 21.Music!!!!!!!
ギター弾きの恋
監督:ウディ・アレン
SWEET AND LOWDOWN
1999年 アメリカ
これもいい映画ですねぇ〜。そして切ないです。いきなり『アニー・ホール』のようなオープニングで驚きましたが、ドキュメンタリーのエッセンスを加えて、伝説の天才ギタリストの半生を描くというアレン流の手法はお見事です。ここまでロクデナシな男であっても、ギターを爪弾いて鳴らされたその音の説得力。天才であるが故の夢想家でありエゴイスト的な生き方であっても、根本としてある人間としての情や優しさを不器用に見せる姿にとても愛着を感じてしまう。ショーン・ペンの哀愁たっぷりの表情がまたいいんだなぁ。サマンサ・モートンも素晴らしかったおかげで、最後は本当に切ない。
ジュエルに気をつけろ!
監督:ハラルド・ズワルト
ONE NIGHT AT McCOOL’S
2001年 アメリカ
リヴ・タイラーがセクシーだなぁーっていう、それだけの映画。それ以上でも以下でもなく、ほんとにそれだけだけど、それだけで満足だったりして。とにかく彼女のサービスショット満載でセクシービーム出しまくりなのだ。こんなの男なら誰だってこの映画のマット・ディロンみたいに振りまわされたくもなるってなもんよ! ま、どう考えても現実にはあり得ないけどね。個人的には『クッキー・フォーチュン』のリヴの方が好きです。それにしてもマット・ディロンはすっかりヘタレな二枚目という役柄に落ち着いちゃって、合ってはいるんだけど、ちょっと残念な気も。『聖者の眠る街』の頃が懐かしい。
TO THE BONE / THE KINKS
先日、ちっちゃな中古屋でキンクスの3枚組リマスター盤を1800円の安値で購入したのが、ちょっとした喜びだったりする。それは1970年までの楽曲が全60曲も収められている立派なもの。有名曲以外にも、かなりいい曲がたくさんあって、すっかり惚れこんでしまった。それまでキンクスを聴くというと、ここで紹介する1996年発表の2枚組ライブ盤くらいしかなかったので、かなりいい買い物だったなぁと思ってしまう。芸歴も40年近いとなると、あまりにタイトルが多いので、このライブ盤はキンクスへのファーストコンタクトとして最適と言えます。冒頭の「ALL DAY AND ALL OF THE NIGHT」のギターリフでたいていの人はガツンと目が覚めるのではないでしょうか。「YOU REALLY GOT ME」もしっかり入ってますが、これしか知らないというのはちょっと勿体無いぞ! これ聴いてるとライブ観たくてたまらなくなってくるんだよなー。そろそろやってくんないかなー。あ、その前にレイ・デイヴィスさん、ヨ・ラ・テンゴとレコーディングした曲もお願いします! ♪カム・ダーンシン!!
花様年華
監督:ウォン・カーウァイ
花様年華 / IN THE MOOD FOR LOVE
2000年 フランス・香港
1960年代香港。同じ日に引っ越してきた隣り同士の夫婦。男(トニー・レオン)の妻と女(マギー・チャン)の夫が不倫関係となり、後に残された男と女。被害者同士の倫理観、近所の世間体に抑えられながらも惹かれ合うふたり。やがて本気の恋愛感情が芽生えるも、距離を置き、すれ違い続ける切なさがたまらない。結ばれるも引き裂かれるも運命なのかもしれないが、ふたりがお互いを思う、その愛の姿は、ため息出るほど美しいと思った。
GERROA SONGS / ARCHER PREWITT
弾力形状弛緩系マンガ「SOF’BOY」の作者のソロ・アルバムを買ってみました。早い話がシー・アンド・ケイクのおっさんなんですが、かなり良いです。素晴らしいです。傑作です。冬の傑作と呼ぶにふさわしいような、静かに音が聞こえてくるイメージがストーブを炊いた部屋で聴くと一段と胸にジーンと染みますね。浜辺にひとりのおっさんとカンガルーの群れというジャケットも泣かせてくれます。
LOVERS ROCK “FAMILY SONG” [ 2002.02.11. 新宿リキッドルーム ]
出演:POLARIS、NATHALLIE WISE、special guest 永積タカシ
SPECIAL GUEST DJ:渡辺俊美
結論から言えば、フィッシュマンズとソウルセットは巨大すぎる存在なんだなということが、この日改めてわかったように思う。前身バンドと比較されてしまうことは非常につらいことだろうと思うけど、ポラリスには「光と影」という大名曲が出来ている以上、逃げずに戦って欲しい。おそらく日本で最高レベルの音とリズムを表現し得るプレイヤーがいるだけに、全てはオオヤユウスケにかかっているのかもしれない。ライブはとても気持ちのいいものだったが、手放しで絶賛するにはまだまだ早い、そんな状態。長い目で見守っていきましょう。ナタリーワイズはダメってわけじゃないけど、個人的には好きになれないというか、とにかくもどかしかったし、立って観てるのがつらかった。ビッケも座ったままで、無理やり自分を抑え込んでいるように思えて、その反動はいつかソウルセットで爆発してくれるのか? 頼むぞビッケ! そして、この日のおスペだった永積タカシはスーパー・バター・ドッグからひとりで登場。高野寛つながりで中村一義じゃないかと少しだけ期待してたけど、こっちでした。バター犬は全く聴いたことなかったのだけど、随分と渋い拓郎チックな歌を唄うんだなぁと思った。