HERE TO STAY / NEW ORDER
かつてニュー・オーダーがオーナーだったマンチェスターの有名クラブ、ハシエンダを舞台にした映画『24HOUR PARTY PEOPLE』のサウンドトラックにも収録されているケミカル・ブラザーズプロデュースの新曲。去年からの勢いを持続したまま、これまたニュー・オーダーでしかないニュー・オーダー節が大放出された、ニュー・オーダーの楽曲としてまさにパーフェクトな内容。スタジオワークは見事なのに、ライブだとどうしてあそこまでショボイ音しか出せないのか、ほんと不思議だ。
BEAUTIFUL SONGS [ 2002.04.12. 東京国際フォーラム ホールA ]
大貫妙子、奥田民生、鈴木慶一、宮沢和史、矢野顕子、この5名による美しく燃える歌の競演。とにかく素晴らしくて楽しくて全部が全部見所聴き所の贅沢すぎるステージだった。はちみつぱいの「センチメンタル通り」に民生の「それはなにかとたずねたら」「陽」、さらにはブーム懐かしの「君はTVっ子」「星のラブレター」なんて涙モノの嬉しすぎる名曲が飛び出して胸いっぱい。アンコールの「ひとつだけ」はホント泣きそうでした。「けれども今気付いたこと とっても大切なこと ほしいものはただひとつだけ あなたの心の白い扉開く鍵/はなれているときでも 私のこと 忘れないでほしいの ねぇ お願い/かなしい気分のときも 私のこと すぐに呼び出してほしいの ねぇ お願い」 この歌詞なんだけど、本当にいいなぁーって思いますね。♪はなれているときでも〜ってステージのバックメンバーも全員がひとり一回ずつ歌って、横で大貫妙子や鈴木慶一がマイク持ってあげたりして、すっごい幸福感に満ちてて良かったなぁ。初めて観る矢野顕子はひたすらチャーミングでステキ☆だったのがとても印象的。テレビっ子の♪好き好きーのコーラスが振り付きでベリーグーでしたよ。今回もNHKがこのツアーの模様を放映する予定らしいので、行けなかったみなさんも是非チェックしてみてください。
1.マシマロ 2.花咲く乙女よ穴を掘れ 3.緑の風 4.さよならは夜明けの夢に 5.風の道 6.ありがとう 7.それはなにかとたずねたら 8.自転車でおいで 9.ただ 10.陽 11.センチメンタル通り 12.MONEY SONG 13.なし 14.テディ・ベア 15.船出(大貫妙子) 16.船出(奥田民生) 17.船出(宮沢和史) 18.船出(鈴木慶一) 19.船出(矢野顕子) 20.君はTVっ子 21.イージュー★ライダー 22.星のラブレター
encore
23.ひとつだけ
花になる / 奥田民生
昨年出した2枚のシングル以降、シンプルなものをと心がけてきた結果、曲調より何より詞が直球な言葉へとなっていっていて、これが奥田民生の生きる道としての強烈なメッセージを感じる。すごい男、強い男、頼りになる男、魂の男といっても単なるマッチョイズムではなく、そこには夢や愛が語られ、何より「花になる」という言葉に民生なりのロマンが集約されている。さすが憧れの男ですよ。これもまた名曲ですね。カップリングのザ・フォーク・クルセダーズのカヴァー「悲しくてやりきれない」の弾き語りもとても懐かしくて嬉しかった。これも名曲です。
テルミン
監督:スティーヴン・M・マーティン
THEREMIN AN ELECTRONIC ODYSSEY [ 1993年 アメリカ ]
電子楽器テルミンとその発明家レフ・セルゲイヴィッチ・テルミンのドキュメンタリー・フィルム。独特の浮遊感と哀愁を感じさせるテルミンの持つ不思議な音色のように、テルミン博士自身の人生も謎と波瀾に満ちた97年間だった。年老いた博士が淡々と飾ることなく昔を語り、テルミンを実演し、愛する旧友と再会する姿は、この映画を観て彼の人生、生き様を知った後だけに、胸にくるものがあった。人生における劇的なダメージに屈せず97年生きたことは何より強いメッセージだったように思う。また最後まで博士を愛し、信じ続けたクララ・ロックモア。この女性も素晴らしい。
THIS IS WHERE I BELONG : THE SONGS OF RAY DAVIES & THE KINKS
お待たせしました!のキンクストリビュート。レイ・デイヴィス本人によるライナーの日付が2001年7月13日になってるから、それから今までどういうわけかリリースが遅れてたみたいだけど、無事に出て良かったです。そのまま夏のフェスティバル来て欲しいほどメンツもかなり立派ですが、各々の個性と原曲のメロディラインを大事にしたとても好感の持てる内容で、僕もお気に入りです。ゆるゆるのジョナサン・リッチマン然り、ローテンポのラムチョップ然り、ドリーミーなヨ・ラ・テンゴ然り、今回のタイトル曲をスパっと歌い上げたロン・セクスミス然り・・・。ギターがややおとなしいのはレイ・デイヴィスの個人名があてがわれてるため? トリビュートといっても今までカーペンターズのやつぐらいしか気に入ったモノがなかったけど(あと『BRIDGE』というニール・ヤングトリビュートはずっと欲しいと思っているのだけど、いまだめぐり逢わないままなんだよな)、これも中々のモノですよ。キンクスファンがこれで増えるといいなぁ。ザ・フーやポール・マッカートニーより、僕はいまキンクスが観たいー!!
DAYS OF SPEED / PAUL WELLER
「ああ、ポールっ!」とシェイクスピア劇のように声高く叫んでしまいそうなほど、このアコースティック弾き語りライブアルバムは素敵だ。昨年、まさにこの形態で日本でもライブを行なったのに、丁度その頃僕自身が最悪の生活状況だったので見送ってしまったことが、とにかく悔やまれる。ソロになってからジャムやスタイル・カウンシル時代の曲を披露したのはこれが初めてだったはず。「ENGLISH ROSE」なんて名曲が解禁されてるなんて・・・。大きなため息が出ちゃうよなぁ。どの曲もすごく冴えてるし、ギター一本持ってひとりだけでライブツアーをやってしまうポール・ウェラーはやっぱり頼もしい。
STEREO FUTURE
監督:中野裕之
[ 2000年 日本 ]
映像に関しては中野監督の面目躍如といったところだけど、ストーリーはちっともピンと来るものがなかったな。永瀬正敏と桃生亜希子のカップルがラブラブだった頃のシーンを見てもそうだし、別れてからのその後で永瀬が三流役者として時代劇に出ようが、桃生が失語症になろうが、「それがどうした」としか思いようがない。人付き合いってこんなにドライなものなのか? どんなにキレイな女の人が出ていても、この映画に僕の居場所は見つかりませんでした。東京23区内に住めないわけだ。
NUM-AMI-DABUTZ / ナンバーガール
これは2002年度ナンバーワンの一曲となるのではないか。音そのものはポストパンク時代に『Y』などのセンセーショナルな傑作を残したTHE POP GROUPまんまなのだが、2002年のいまだからこそ再びこの圧倒的なテンションに満ちた音は猛烈な説得力を有している。いよいよもってナンバーガールは孤高の高みに達したのかもしれない。今度のライブツアーは意地でも観に行かないとな。
岸和田少年愚連隊 カオルちゃん最強伝説
監督:宮坂武志
[ 2001年 日本 ]
もう誰もリキを止められない! 竹内力があのイカツイ身体と極悪モードの形相そのままに中学〜高校生を演じているのだ! ブツくさメンチを切りまくり、ほとんど何言ってるかわからないセリフまわしがまたスゴい・・・。そんなので恋とかしちゃってるし(その娘の親父を半殺しのボコボコに!)、コワすぎるよ! 加えて、なんだかんだとカラんできては雑魚にされる同級生が田口トモロヲって! とにかくムチャクチャなんだけど、この配役も含めて間違ってないんだな、これが。おもしろければOK納得ってことですね。強烈バカパク。
夏至
監督:トラン・アン・ユン
A LA VERTICALE DE L’ETE [ 2000年 フランス・ベトナム ]
グッド・モーニング・ベトナム。グッド・モーニング・ヴェルヴェット・アンダーグラウンド。そして、真っ黒い髪の女性たちの美しさよ(ホレボレ)。目覚めにかける「ペイル・ブルー・アイズ」や「コニー・アイランド・ベイビー」が映えまくる素敵な朝のシーンが印象的なように、映画全体もこれらの曲が象徴してるような喜びと悲しみの情景深い愛のある生活が格別の映像で美しく描かれている。このロマンス描写と生活描写が本当に素晴らしい。最後のアラブ・ストラップ「ソープス」がまた秀逸。ほのかな瑞々しい気持ちとともに情熱が込み上げてくる。