ELECTRAGLIDE 2001 [ 2001.11.30. 幕張メッセ ]
LIVE:APHEX TWIN、MOUSE ON MARS、PLAID、BUFFALO DAUGHTER
DJ:FATBOY SLIM、DARREN EMERSON、LAURENT GARNIER、HOWIE B、RICHARD MARSHALL
苦手なオールナイトイベントですが、今年も遥々行ってきましたエレクトラグライド幕張メッセ。そして体力の続く限り頑張ってきました。なんか去年より人が多い気がしたけど、仕切りが一本増えちゃって会場ブチ抜きの開放感がなくなったせい? DJサイドがメインに置き換わり、盛り上がりの絶えない様子はそれだけで圧倒される。でもDJで楽しんだのはリチャード・マーシャルとファット・ボーイ・スリムの入れ替わり時期90分程度で、ダレンのときはエイフェックス終了後で体力低下とあまりの人数に即退去。勿体無かったけど、今年はやはりエイフェックス・ツイン!!! 予定時間より20分も早く始めるという、2時間半にも及ぶクールな熱演。クマさんも登場せず、リチャード本人が堂々と顔を出してやってるのが逆に意外だったけど、本気の裸一貫ステージに後半の90分はとにかく凄まじかった。縦横無尽に高性能殺傷ビート炸裂のやりたい放題な展開と、その見事な構成力に、リチャード健在を強く印象付けられた。最後なんてドカンドカン爆発音だけだったし。もう、よくわからないけど凄い。よくわからない凄みに乾杯! その他ライブ勢ではバッファロー・ドーターが日本代表でカッコよかったです。「AUTOBACS」が嬉しかった。寝転がって天井見ながら聴いたマウス・オン・マーズも気持ち良かったです。やっぱり疲れたけど、今年も楽しめました。
Fine / キリンジ
堀込兄弟がふたりで活動をはじめた当初、「ホリゴメズ」と名乗っていた事実が示すように、キリンジのその庶民性と実はスゴい奴らだったりするギャップがとてもステキだ。もうこれ以上ないんじゃないかと思えるほどのこの快作は踊るように聴くしかない! 切ないけど大きく励ましてくれる特別な存在として一生の愛を注いでもいいと断言できる、これぞMusic!!!!!!!
ハンニバル
監督:リドリー・スコット
HANNIBAL
2000年 アメリカ
映画として、可もなく不可もなくといったところに落ち着いたのは仕方ないといえば仕方がないのかもしれない。今作はレクター博士にスポットを当てた物語で、彼の美的でインテリな感じを映画全体から終始感じさせる作りとなっており、演じるアンソニー・ホプキンスの見事さは本当に文句のつけようがない。ただ相対するクラリスと今回の敵役(あれがゲーリー・オールドマンだったのね)が、レクターとの力関係において圧倒的に差がありすぎたため、その分ドラマで見せようと頑張ってはいるけれど、なんとなく時間切れで終了といった感じで終わってしまって、ちょっと勿体無かったように思える。脳味噌よりも高レベルな頭脳のスリリングな駆け引きがもっと見たかったな。
METAL BOX – SECOND EDITION / PUBLIC IMAGE LIMITED
いまこの作品を説明するには「POPTONES」や「RADIO 4」といったタイトルの曲が含まれたアルバムと言えば、いちばん「おーっ!」と思われるのかもしれない。PILのセカンドアルバムとして1979年に発表。セックス・ピストルズを抜けたジョン・ライドンが新たに結成したこのPILは、アラン・マッギーに限らず、熱心なロック・リスナーからは絶大な支持を得ているグループだ。ピストルズの方が圧倒的に聴きやすいけど、PILはとにかくスリリング! 好きです。
LET IT COME DOWN / SPIRITUALIZED
僕が東京に出てきて間もない頃、スピリチュアライズドの初来日を観に行きまして、ドエライものを観てしまった衝撃が未だに忘れられない記憶となって残っております。傑作『宇宙遊泳』から4年、ロイヤル・アルバート・ホールの傑作ライブ盤を挟み、ついにリリースされた新作はJ SPACEMANことジェイソン・ピアーズの音楽的宇宙世界の全てが詰まった作品となった。最後はほとんど聖歌のように盛り上げちゃって、これでまた来年早々に決定した来日公演で骨抜きにされるんだろうなぁ。
BELLE AND SEBASTIAN [ 2001.11.14. 赤坂ブリッツ ]
素晴らしかったです。総勢13名によるモダン・ロック楽団が奏でる珠玉ソングの数々。半ば膠着状態の客席ではあったけれど、誰もが最近忘れてる何かを目の前のステージを凝視して思い出していたことだろうと思う。あくまで普段のままのキャラクターで、あくまで純粋に、あくまで音楽は楽しく、そして何より美しい。音楽共同体の理想形として、永遠に戦い続けて欲しいと思った。
1.LE PASTIE DE LA BOURGEOISIE 2.THERE'S TOO MUCH LOVE 3.THE MAGIC OF A KIND WORD 4.IF YOU'RE FEELING SINISTER 5.MAYFLY 6.JONATHAN DAVID 7.BLACK AND WHITE UNITE 8.THE MODEL 9.IN A NUTSHELL 10.LAZY LINE PAINTER JANE 11.SIMPLE THINGS 12.THE BOY WITH THE ARAB STRAP 13.YOU MADE ME FORGET MY DREAMS 14.FAMILY TREE 15.THE STATE I AM IN 16.JUDY AND THE DREAM OF HORSES 17.THE WRONG GIRL 18.WOMEN'S REALM 19.LEGAL MAN
MUSIC OF THE SPHERES / IAN BROWN
いわゆる極道の世界の人ではないにせよ、獄中生活を終えて出てきたイアンはどことなく男をあげたように思えるわけで。それは僕が忠誠を誓ってもいいようなファンだからなのかもしれないけれど、上昇と下降の波瀾に満ちた人生を送りながら三十路を過ぎてなお男として一皮むけていく様は、やはり猛烈に憧れてしまう。現在の公私の充実が素直にそのままあらわれた、とても快い立派な作品だ。12月の来日公演が待ち遠しい!
CHARA [ 2001.11.03. 赤坂ブリッツ ]
名越由貴夫(G)、會田茂一(G)、山崎透(key)、五十嵐慎一(key)、ASA-CHANG(Per)、新居昭乃(Cho)、YOSHIYOSHI(Cho)に、GREAT3から高桑圭(B)、白根賢一(Dr)のリズム隊を加えた豪華なバックバンドを従えた今回のツアー。普段のオトボケおやじから一転、ギター弾きに徹したアイゴンのカッコイイこと! 会場内のGREAT3の知名度の無さは個人的にショッキングだったものの、存在感十分のふたり。特に賢ちゃんとASA-CHANGの打の共演はかなり見応えがあった。なぜか締めのあいさつも賢ちゃんがやらされてたし(かなりはにかんでた)。そんな周囲をひとつにまとめ、際立つ存在感で圧倒してたCHARAはやはり凄いと思った。「スカート」のつかみから完全に持って行かれた感じ。一体となった空気が生んだ「やさしい気持ち」の至福感、「Duca」の開放感。窮屈なステージ前方を気遣う姿も印象的な、とっても素敵なライブだった。
1.スカート 2.ため息の実 3.イエローバルーン 4.キャラメルミルク 5.SWALLOWTAIL BUTTERFLY 〜あいのうた〜 6.あたしなんで抱きしめたいんだろう? 7.やさしい気持ち 8.ミルク 9.この遊びを恋と笑らって 10.70%−夕暮れのうた 11.タイムマシーン 12.LULU 13.ミシン 14.TADD 15.DUCA 16.あたしのかわいい手
encore
17.しましまのバンビ 18.ボクにうつして
奥田民生 [ 2001.10.30. 渋谷AX ]
奥田民生はカッコいい。有無を言わせぬ抜群のカッコ良さである。何度観ても、いつになってもその思いを変えさせない、圧倒的な奥田民生の世界を表現してみせる凄み。一挙手一投足一言一句一フレーズ全てが様になる彼の眩しすぎるオーラは一体なんなんだ? クラブクラスのスタンディング・ライブで間近にその姿を観て、完全に参った。参りました。登場後一曲目の「The STANDARD」からウルウル。その後何度もいっしょに歌を口ずさんでは涙腺がゆるくなりこみあげてきてしまう始末。巨大モニタービジョンの演出もなかなか凝ったもので、ユニコーン時代のメモリアル映像が流れ出したときはもう! 選曲もレアです。本当に素晴らしいよ。はぁーっ。ため息も出ますよ。ふはぁーっ。家に帰って「健康」を聴いて、ひとりまた泣きました。「♪幸せな毎日を過ごしてると思ってる/素晴らしい人生を生きてるよな気がしてる/陰で隠れて泣いてる」
1.The STANDARD 2.哀愁の金曜日 3.月を超えろ 4.夕陽ヶ丘のサンセット 5.ワインのばか 6.オーナーは最高 7.愛する人よ 8.健康 9.674 10.手引きのようなもの 11.新曲 12.最後のニュース 13.ときめきファンタジーIII 14.マシマロ 15.カヌー 16.手紙 17.近未来 18.イージュー★ライダー 19.さすらい 20.CUSTOM
encore
21.BEEF
KINGSIZE / THE BOO RADLEYS
あまりに静かなアナウンスのみの唐突の解散劇。『GIANT STEPS』以来の大傑作アルバムといえるこの『KINGSIZE』は最初からそのつもりで制作されたのだろうか。結局アルバムリリース後の日本ツアーも行われず消えてしまったわけで、3年近く経ったいまでも未だに解散を受け入れられない思いが続いている。CREATIONに終止符を打ったアラン・マッギー自身のモチベーションにも影響を与えたはずだ。おそらく売れてない98年発表のラスト・アルバム、機会があれば手にとって聴いて欲しいと思う。BOO FOREVER!