LIVE IN JAPAN / GEORGE HARRISON WITH ERIC CLAPTON AND BAND
ALBUM

LIVE IN JAPAN / GEORGE HARRISON WITH ERIC CLAPTON AND BAND

ジョージが死んだ。突然、インターネットで余命一週間というニュースを目にしたとき、本気で戸惑いショックを受けた。そして本当に帰らぬ人となってしまった。僕は高校の頃、ビートルズ本体を置いといて、なぜか各人のソロをよく聴いていた。そして、ちょうどその頃、1991年12月、ジョージが親友クラプトンの全面支援協力を受けて来日公演を行った。残念ながら九州の田舎に住んでいたので、ライブを観に行くことはできなかったが、2枚組でリリースされたその時のライブ盤を、僕は本当によく聴いた。ビートルズ時代からのベスト的な選曲で、何よりオリジナルを凌駕するほど絶好調なのが嬉しい。だからこそレコードになったんだと思うけど、これがもう二度と実現しないと思うと本当に哀しくなってくる。いま一度歌詞を読み返すと、涙がこぼれてきた。神を知りたいと願った歌も、控えめな男のラブソングも、本当に素直な優しい歌なのだ。ジョージの歌声がそれをよく物語っている。素晴らしい音楽をありがとう。

posted on 2001/12/04
少林寺木人拳
CINEMA

少林寺木人拳

監督:チェン・チーホワ
少林木人巷 / SHAOLIN WOODEN MEN [ 1977年 香港 ]
ジャッキー・チェン初期カンフー作品の最高傑作との友人の評価は見事に当たっていた。これは観る人が観たら体中電流走りまくりの衝撃の一本だ。父の仇を討つため少林寺で修行を積む失語症の青年ジャッキー。一人前として少林寺を卒業する最後の関門が、木人の攻撃をかわし、何十体もの木人が並ぶ木人道を通り抜ける、木人拳の習得である。この手足が機械仕掛けでギコギコ動く木人とジャッキーの手に汗握る攻防シーンがとんでもなかった! 木人があんなに動くなんて(しかもまとめて!)、まさに奇々怪々。その未だかつて見たことのなかったびっくり映像に仰天爆笑! その後も仇を討つまで物語は続き、安い演出が随所に散りばめられ、最後の決闘シーンで筋肉パワーを出す瞬間も見逃せないぞ。ジャッキーは超人なり。アーミーダーボー。

posted on 2001/12/02
ELECTRAGLIDE 2001 [ 2001.11.30. 幕張メッセ ]
LIVE

ELECTRAGLIDE 2001 [ 2001.11.30. 幕張メッセ ]

LIVE:APHEX TWIN、MOUSE ON MARS、PLAID、BUFFALO DAUGHTER
DJ:FATBOY SLIM、DARREN EMERSON、LAURENT GARNIER、HOWIE B、RICHARD MARSHALL
苦手なオールナイトイベントですが、今年も遥々行ってきましたエレクトラグライド幕張メッセ。そして体力の続く限り頑張ってきました。なんか去年より人が多い気がしたけど、仕切りが一本増えちゃって会場ブチ抜きの開放感がなくなったせい? DJサイドがメインに置き換わり、盛り上がりの絶えない様子はそれだけで圧倒される。でもDJで楽しんだのはリチャード・マーシャルとファット・ボーイ・スリムの入れ替わり時期90分程度で、ダレンのときはエイフェックス終了後で体力低下とあまりの人数に即退去。勿体無かったけど、今年はやはりエイフェックス・ツイン!!! 予定時間より20分も早く始めるという、2時間半にも及ぶクールな熱演。クマさんも登場せず、リチャード本人が堂々と顔を出してやってるのが逆に意外だったけど、本気の裸一貫ステージに後半の90分はとにかく凄まじかった。縦横無尽に高性能殺傷ビート炸裂のやりたい放題な展開と、その見事な構成力に、リチャード健在を強く印象付けられた。最後なんてドカンドカン爆発音だけだったし。もう、よくわからないけど凄い。よくわからない凄みに乾杯! その他ライブ勢ではバッファロー・ドーターが日本代表でカッコよかったです。「AUTOBACS」が嬉しかった。寝転がって天井見ながら聴いたマウス・オン・マーズも気持ち良かったです。やっぱり疲れたけど、今年も楽しめました。

posted on 2001/12/01
Fine / キリンジ
ALBUM

Fine / キリンジ

堀込兄弟がふたりで活動をはじめた当初、「ホリゴメズ」と名乗っていた事実が示すように、キリンジのその庶民性と実はスゴい奴らだったりするギャップがとてもステキだ。もうこれ以上ないんじゃないかと思えるほどのこの快作は踊るように聴くしかない! 切ないけど大きく励ましてくれる特別な存在として一生の愛を注いでもいいと断言できる、これぞMusic!!!!!!!

posted on 2001/11/29
ハンニバル
CINEMA

ハンニバル

監督:リドリー・スコット
HANNIBAL [ 2000年 アメリカ ]
映画として、可もなく不可もなくといったところに落ち着いたのは仕方ないといえば仕方がないのかもしれない。今作はレクター博士にスポットを当てた物語で、彼の美的でインテリな感じを映画全体から終始感じさせる作りとなっており、演じるアンソニー・ホプキンスの見事さは本当に文句のつけようがない。ただ相対するクラリスと今回の敵役(あれがゲーリー・オールドマンだったのね)が、レクターとの力関係において圧倒的に差がありすぎたため、その分ドラマで見せようと頑張ってはいるけれど、なんとなく時間切れで終了といった感じで終わってしまって、ちょっと勿体無かったように思える。脳味噌よりも高レベルな頭脳のスリリングな駆け引きがもっと見たかったな。

posted on 2001/11/25
METAL BOX – SECOND EDITION / PUBLIC IMAGE LIMITED
ALBUM

METAL BOX – SECOND EDITION / PUBLIC IMAGE LIMITED

いまこの作品を説明するには「POPTONES」や「RADIO 4」といったタイトルの曲が含まれたアルバムと言えば、いちばん「おーっ!」と思われるのかもしれない。PILのセカンドアルバムとして1979年に発表。セックス・ピストルズを抜けたジョン・ライドンが新たに結成したこのPILは、アラン・マッギーに限らず、熱心なロック・リスナーからは絶大な支持を得ているグループだ。ピストルズの方が圧倒的に聴きやすいけど、PILはとにかくスリリング! 好きです。

posted on 2001/11/21
BELLE AND SEBASTIAN [ 2001.11.14. 赤坂ブリッツ ]
LIVE

BELLE AND SEBASTIAN [ 2001.11.14. 赤坂ブリッツ ]

素晴らしかったです。総勢13名によるモダン・ロック楽団が奏でる珠玉ソングの数々。半ば膠着状態の客席ではあったけれど、誰もが最近忘れてる何かを目の前のステージを凝視して思い出していたことだろうと思う。あくまで普段のままのキャラクターで、あくまで純粋に、あくまで音楽は楽しく、そして何より美しい。音楽共同体の理想形として、永遠に戦い続けて欲しいと思った。

set list
1.LE PASTIE DE LA BOURGEOISIE 2.THERE'S TOO MUCH LOVE 3.THE MAGIC OF A KIND WORD 4.IF YOU'RE FEELING SINISTER 5.MAYFLY 6.JONATHAN DAVID 7.BLACK AND WHITE UNITE 8.THE MODEL 9.IN A NUTSHELL 10.LAZY LINE PAINTER JANE 11.SIMPLE THINGS 12.THE BOY WITH THE ARAB STRAP 13.YOU MADE ME FORGET MY DREAMS 14.FAMILY TREE 15.THE STATE I AM IN 16.JUDY AND THE DREAM OF HORSES 17.THE WRONG GIRL 18.WOMEN'S REALM 19.LEGAL MAN
posted on 2001/11/15
LET IT COME DOWN / SPIRITUALIZED
ALBUM

LET IT COME DOWN / SPIRITUALIZED

僕が東京に出てきて間もない頃、スピリチュアライズドの初来日を観に行きまして、ドエライものを観てしまった衝撃が未だに忘れられない記憶となって残っております。傑作『宇宙遊泳』から4年、ロイヤル・アルバート・ホールの傑作ライブ盤を挟み、ついにリリースされた新作はJ SPACEMANことジェイソン・ピアーズの音楽的宇宙世界の全てが詰まった作品となった。最後はほとんど聖歌のように盛り上げちゃって、これでまた来年早々に決定した来日公演で骨抜きにされるんだろうなぁ。

posted on 2001/11/14
MUSIC OF THE SPHERES / IAN BROWN
ALBUM

MUSIC OF THE SPHERES / IAN BROWN

いわゆる極道の世界の人ではないにせよ、獄中生活を終えて出てきたイアンはどことなく男をあげたように思えるわけで。それは僕が忠誠を誓ってもいいようなファンだからなのかもしれないけれど、上昇と下降の波瀾に満ちた人生を送りながら三十路を過ぎてなお男として一皮むけていく様は、やはり猛烈に憧れてしまう。現在の公私の充実が素直にそのままあらわれた、とても快い立派な作品だ。12月の来日公演が待ち遠しい!

posted on 2001/11/09
CHARA [ 2001.11.03. 赤坂ブリッツ ]
LIVE

CHARA [ 2001.11.03. 赤坂ブリッツ ]

名越由貴夫(G)、會田茂一(G)、山崎透(key)、五十嵐慎一(key)、ASA-CHANG(Per)、新居昭乃(Cho)、YOSHIYOSHI(Cho)に、GREAT3から高桑圭(B)、白根賢一(Dr)のリズム隊を加えた豪華なバックバンドを従えた今回のツアー。普段のオトボケおやじから一転、ギター弾きに徹したアイゴンのカッコイイこと! 会場内のGREAT3の知名度の無さは個人的にショッキングだったものの、存在感十分のふたり。特に賢ちゃんとASA-CHANGの打の共演はかなり見応えがあった。なぜか締めのあいさつも賢ちゃんがやらされてたし(かなりはにかんでた)。そんな周囲をひとつにまとめ、際立つ存在感で圧倒してたCHARAはやはり凄いと思った。「スカート」のつかみから完全に持って行かれた感じ。一体となった空気が生んだ「やさしい気持ち」の至福感、「Duca」の開放感。窮屈なステージ前方を気遣う姿も印象的な、とっても素敵なライブだった。

set list
1.スカート 2.ため息の実 3.イエローバルーン 4.キャラメルミルク 5.SWALLOWTAIL BUTTERFLY 〜あいのうた〜 6.あたしなんで抱きしめたいんだろう? 7.やさしい気持ち 8.ミルク 9.この遊びを恋と笑らって 10.70%−夕暮れのうた 11.タイムマシーン 12.LULU 13.ミシン 14.TADD 15.DUCA 16.あたしのかわいい手
encore
17.しましまのバンビ 18.ボクにうつして
posted on 2001/11/04

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