GOLDEN GREATS / IAN BROWN
サマーソニック2001でのオリジナルメンバーによるストーン・ローゼズ再結成ライブの企画案が進行中らしい。96年のローゼズ消滅以降、イアンのソロ作品は立派だった。特にこの2作目は素晴らしい。イアンの存在感はソロでも十分なものであることが、嬉しいほど実感できた作品だった。そんな充実したソロ作品を発表してきたイアンに今こそ僕はやって欲しい。もう一度だけ夢を見させてくれないか!
斉藤和義 [ 2001.02.26. 渋谷 ON AIR EAST ]
数限りなく観てきたライブ人生のなかで、はじめての出来事だった。客電が点いてもしきりにアンコールを求め、今日はそれが実現した。本当に愛されているファンの前で、最後にもう一曲と歌ってくれた感動は、一生忘れはしないだろう。2度もギターの弦が切れる熱演から、「歌うたいのバラッド」弾き語りスタイルまで披露してくれて、とにかくよかった!素晴らしかった! あまりのカッコ良さに、心底ホレボレしてしまいました。
1.幸福な朝食 退屈な夕食 2.歩いて帰ろう 3.WONDERFUL FISH 4.アゲハ 5.JACK POT 6.古い話 7.歌うたいのバラッド 8.HONEY ROASTED PEANUTS 9.MOJO LIFE 10.ささくれ 11.僕の踵はなかなか減らない 12.COLD TUBE
encore
13.月影
TEAM ROCK / くるり
真っ青なジャケットが示すように、悟っているかのようでいて、くるりの音楽はアオい。勇み足のように思えなくもない打ち込みへのアプローチではあれど、生粋のオタクセンスでうまくカバー・・・・・・できているかどうかも微妙だが、僕がくるりを好きなのは彼らのそのオタク感覚であって、音楽にしろ歌詞にしろ微妙であればあるほどそれはくるりらしくていいのだ。屈指の名曲となった「ばらの花」で、なぜジンジャーエールなんて語感の悪いモノを3度も出すほどこだわらなければいけないのか。そういったツッコミを許してしまうところがくるりの魅力であり弱点であるように思う。弱点より魅力の勝る、いまのTEAM ROCK=くるりは強い。
深緑 / AJICO
これは素晴らしい。抑えたテンションが熱を誘い、妖艶かつ官能的なはかなくも美しい調べに魅せられる。3つの楽器とふたりのヴォーカルが奇跡的に融合した、いまでしかないタイミング、いまでしかないAJICOの季節を大事にしたい。
ヴァージン・スーサイズ
監督:ソフィア・コッポラ
THE VIRGIN SUICIDES [ 1999年 アメリカ ]
ボーイ・ミーツ・ガールのドキドキ胸キュンな感覚と、自殺という決定的な断絶が脳裏に刻まれるいたたまれぬ傷を負わされる感覚が同居する。人生の輝けるほんの一瞬の時間。過去の美しい思い出を心の中でリピート再生したまま、残りの空虚な日々を生き続ける男たちの哀しい性。世界は女で回っているとはよく言ったものだ。自称ファッションなヒトたちのお手本が詰まった映画でもあるけれど、ソフィア・コッポラにここまで達者にやられるとは。エールの音楽が鳴った時点で、もうお見事でした。
J MASCIS & THE FOG [ 2001.02.17. 赤坂ブリッツ ]
OPENING SPECIAL GUEST:NUMBER GIRL
まさにROCKTRANSFORMED状態の壮絶なライブだった。両者による気合の入った演奏には誰もが心を奪われたことだろう。チケットの売れ行きが芳しくないことからオープニング・ゲストに白羽の矢が立った福岡市博多区出身ナンバーガール。「タッチ」から始まった1時間弱の演奏は、インターミッションのほとんどない濃厚すぎる怒涛の直球勝負。激しくも鋭く高度な演奏力で、向井くんのメガネもズレ気味!チャコちゃん、今回もステキにカッコよかった! しかし、やはり本日の真打はJ マスシス!! ナンバーガールがなんぼのモンじゃいと、それほどの勢いでギター弾きまくってて、顔までしかめたりして、それでも弾きまくってて、歌い出すとやっぱりJ マスシスで、それはもう果てしなくロックな佇まいだった。アンコールでのサーストン・ムーア飛び入り(!)「MORE LIGHT」〜キュアー「JUST LIKE HEAVEN」のカヴァー〜「FREAK SCENE」の流れは、会場全体、究極のカタルシスが渦巻き、とめどなく激しい感動が!(泣) ロック幸せ!
1.タッチ 2.ZEGEN VS UNDERCOVER 3.TUESDAY GIRL 4.OMOIDE IN MY HEAD 5.鉄風 鋭くなって 6.SASU-YOU 7.SAMURAI 8.TATTOOあり 9.日常に生きる少女 10.我起立一個人 11.転校生
J MASCIS & THE FOG set list
1.RAISANS 2.SAME DAY 3.I'M NOT FINE 4.I'VE HAD IT 5.REPULSION 6.WHERE'D YOU GO 7.ALL THE GIRLS 8.OUT THERE 9.BIG TRAIN 10.WAISTIN 11.BLOWIN' IT/LIVE FOR THAT LOOK 12.KEEP THE GLOVE 13.BACK BEFORE YOU GO 14.LOOSE 15.GET ME 16.THE LUNG 17.AMMARING 18.TV EYE
encore
19.MORE LIGHT 20.LITTLE FURY THINGS 21.JUST LIKE HEAVEN 22.THE WAGON 23.FREAK SCENE
FROM HERE TO ETERNITY LIVE / THE CLASH
最高! 最っ高!! パンクの思想を最期まで実践し続けた唯一のバンド、時代の先を行き過ぎていた音楽性、ボビー・ギレスピーのカリスマ云々・・・とにかくそんなゴタクは後回しでいい。クラッシュはカッコいい! むちゃくちゃカッコいい!! それが再確認できる絶好のライブ盤。
奇人たちの晩餐会
監督:フランシス・ヴェベール
LE DINER DE CONS [ 1998年 フランス ]
バカ映画のセンスに関して、フランスはかなり突き抜けたものがあると思う。狙っているのだろうけど、キャラがリアルすぎて戦慄的ナンセンス・ギャグの応酬がたまらない。大ヒットを記録し、セザール賞も受賞。さすがはエスプリの国である。あー、おもしろかった。
LIVE JAPAN Vol.7 [ 2001.02.07. 新宿リキッドルーム ]
出演:GREAT3、SUGIURUMN、NORTHERN BRIGHT
ノーザン・ブライト、真城めぐみのカラオケで盛り上がったスギウラムに続き、4日のときとはセットを入れ替え、この日のGREAT3も申し分ないカッコ良さだった。主催者ロッキング・オンJAPAN編集長、鹿野淳が「この日はLOVE NIGHTにしたい」という意向だったためかわからないけど、アンコールの「SOUL GLOW」はまさにこの日を象徴する彼らからの愛のプレゼントだったと思う。「誰ひとりとしてわかりあえない冷酷かつ無情な世界、それでも愛だけは悪戦苦闘しても忘れたくない、疑いたくもない・・・」 歌詞が非常に身にしみた素晴らしいライブが終わり、ひとり家路に着くのであった。
1.OPEN MY EYES 2.マイ・ウェイ 3.BEE 4.QUINCY 5.影 6.R.I.P 7.METAL LUNCH BOX 8.エデン特急
encore
9.SOUL GLOW
マグノリア
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
MAGNOLIA [ 1999年 アメリカ ]
みなさん、もう観てると思うけど、これは凄い映画ですよ。オチはどうでもいい。あれは、アルトマンが『ショート・カッツ』で地震を起こしたのと、ある意味同じようなものだ。やってることは相当に頭おかしいが・・・(う〜ん、ブリリアント!)、でも、本当にすごいのは3時間衰えないグイグイ観る者を画面に釘付けにして離さないテンションであり、映画そのものだ。不安であり、恐怖であり、謎であり、愛であり、怒りであり・・・とにかく全編ふっと気を抜かせてはシリアスに緊張感が高まっていく。描かれているのは悲劇まじりのリアルな日常。登場人物が微妙に重なりあっていく巧妙な構成。長まわしショットの多用。エイミー・マン(懐かしい!)の歌声が流れ出すオープニング・シーンから「とんでもない映画だ!」と、ビシビシ興奮を感じさせる。劇場で観なかった自分を本気で呪いたく思うほどの★★★★★作品だった。