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深緑 / AJICO

ALBUM

深緑 / AJICO

これは素晴らしい。抑えたテンションが熱を誘い、妖艶かつ官能的なはかなくも美しい調べに魅せられる。3つの楽器とふたりのヴォーカルが奇跡的に融合した、いまでしかないタイミング、いまでしかないAJICOの季節を大事にしたい。

ヴァージン・スーサイズ

CINEMA

ヴァージン・スーサイズ

監督:ソフィア・コッポラ
THE VIRGIN SUICIDES
1999年 アメリカ

ボーイ・ミーツ・ガールのドキドキ胸キュンな感覚と、自殺という決定的な断絶が脳裏に刻まれるいたたまれぬ傷を負わされる感覚が同居する。人生の輝けるほんの一瞬の時間。過去の美しい思い出を心の中でリピート再生したまま、残りの空虚な日々を生き続ける男たちの哀しい性。世界は女で回っているとはよく言ったものだ。自称ファッションなヒトたちのお手本が詰まった映画でもあるけれど、ソフィア・コッポラにここまで達者にやられるとは。エールの音楽が鳴った時点で、もうお見事でした。

J MASCIS & THE FOG [ 2001.02.17. 赤坂ブリッツ ]

LIVE

J MASCIS & THE FOG [ 2001.02.17. 赤坂ブリッツ ]

OPENING SPECIAL GUEST:NUMBER GIRL
まさにROCKTRANSFORMED状態の壮絶なライブだった。両者による気合の入った演奏には誰もが心を奪われたことだろう。チケットの売れ行きが芳しくないことからオープニング・ゲストに白羽の矢が立った福岡市博多区出身ナンバーガール。「タッチ」から始まった1時間弱の演奏は、インターミッションのほとんどない濃厚すぎる怒涛の直球勝負。激しくも鋭く高度な演奏力で、向井くんのメガネもズレ気味!チャコちゃん、今回もステキにカッコよかった! しかし、やはり本日の真打はJ マスシス!! ナンバーガールがなんぼのモンじゃいと、それほどの勢いでギター弾きまくってて、顔までしかめたりして、それでも弾きまくってて、歌い出すとやっぱりJ マスシスで、それはもう果てしなくロックな佇まいだった。アンコールでのサーストン・ムーア飛び入り(!)「MORE LIGHT」〜キュアー「JUST LIKE HEAVEN」のカヴァー〜「FREAK SCENE」の流れは、会場全体、究極のカタルシスが渦巻き、とめどなく激しい感動が!(泣) ロック幸せ! 

NUMBER GIRL set list
1.タッチ 2.ZEGEN VS UNDERCOVER 3.TUESDAY GIRL 4.OMOIDE IN MY HEAD 5.鉄風 鋭くなって 6.SASU-YOU 7.SAMURAI 8.TATTOOあり 9.日常に生きる少女 10.我起立一個人 11.転校生

J MASCIS & THE FOG set list
1.RAISANS 2.SAME DAY 3.I'M NOT FINE 4.I'VE HAD IT 5.REPULSION 6.WHERE'D YOU GO 7.ALL THE GIRLS 8.OUT THERE 9.BIG TRAIN 10.WAISTIN 11.BLOWIN' IT/LIVE FOR THAT LOOK 12.KEEP THE GLOVE 13.BACK BEFORE YOU GO 14.LOOSE 15.GET ME 16.THE LUNG 17.AMMARING 18.TV EYE
encore
19.MORE LIGHT 20.LITTLE FURY THINGS 21.JUST LIKE HEAVEN 22.THE WAGON 23.FREAK SCENE
FROM HERE TO ETERNITY LIVE / THE CLASH

ALBUM

FROM HERE TO ETERNITY LIVE / THE CLASH

最高! 最っ高!! パンクの思想を最期まで実践し続けた唯一のバンド、時代の先を行き過ぎていた音楽性、ボビー・ギレスピーのカリスマ云々・・・とにかくそんなゴタクは後回しでいい。クラッシュはカッコいい! むちゃくちゃカッコいい!! それが再確認できる絶好のライブ盤。

奇人たちの晩餐会

CINEMA

奇人たちの晩餐会

監督:フランシス・ヴェベール
LE DINER DE CONS
1998年 フランス

バカ映画のセンスに関して、フランスはかなり突き抜けたものがあると思う。狙っているのだろうけど、キャラがリアルすぎて戦慄的ナンセンス・ギャグの応酬がたまらない。大ヒットを記録し、セザール賞も受賞。さすがはエスプリの国である。あー、おもしろかった。

LIVE

LIVE JAPAN Vol.7 [ 2001.02.07. 新宿リキッドルーム ]

出演:GREAT3、SUGIURUMN、NORTHERN BRIGHT
ノーザン・ブライト、真城めぐみのカラオケで盛り上がったスギウラムに続き、4日のときとはセットを入れ替え、この日のGREAT3も申し分ないカッコ良さだった。主催者ロッキング・オンJAPAN編集長、鹿野淳が「この日はLOVE NIGHTにしたい」という意向だったためかわからないけど、アンコールの「SOUL GLOW」はまさにこの日を象徴する彼らからの愛のプレゼントだったと思う。「誰ひとりとしてわかりあえない冷酷かつ無情な世界、それでも愛だけは悪戦苦闘しても忘れたくない、疑いたくもない・・・」 歌詞が非常に身にしみた素晴らしいライブが終わり、ひとり家路に着くのであった。

GREAT3 set list
1.OPEN MY EYES 2.マイ・ウェイ 3.BEE 4.QUINCY 5.影 6.R.I.P 7.METAL LUNCH BOX 8.エデン特急
encore
9.SOUL GLOW
マグノリア

CINEMA

マグノリア

監督:ポール・トーマス・アンダーソン
MAGNOLIA
1999年 アメリカ

みなさん、もう観てると思うけど、これは凄い映画ですよ。オチはどうでもいい。あれは、アルトマンが『ショート・カッツ』で地震を起こしたのと、ある意味同じようなものだ。やってることは相当に頭おかしいが・・・(う〜ん、ブリリアント!)、でも、本当にすごいのは3時間衰えないグイグイ観る者を画面に釘付けにして離さないテンションであり、映画そのものだ。不安であり、恐怖であり、謎であり、愛であり、怒りであり・・・とにかく全編ふっと気を抜かせてはシリアスに緊張感が高まっていく。描かれているのは悲劇まじりのリアルな日常。登場人物が微妙に重なりあっていく巧妙な構成。長まわしショットの多用。エイミー・マン(懐かしい!)の歌声が流れ出すオープニング・シーンから「とんでもない映画だ!」と、ビシビシ興奮を感じさせる。劇場で観なかった自分を本気で呪いたく思うほどの★★★★★作品だった。

STYLE 2001 Vol.18 [ 2001.02.04. 渋谷クラブクアトロ ]

LIVE

STYLE 2001 Vol.18 [ 2001.02.04. 渋谷クラブクアトロ ]

出演:THE SEA AND CAKE、GREAT3
レコードの音を再現するのはもちろん、さらにナマとして観る者を圧倒するライブ空間という別世界を演出するにふさわしい両者による、素晴らしい演奏だった。GREAT3は新作のミックスがジョン・マッケンタイアということで、モロにシー・アンド・ケイクな新曲を披露したあと、大盛り上がりの『ロマンス』大会! 昨年、病欠だったベースの高桑さんは酒飲んで来てたけど、まったく問題なし。片寄さんの額がどんなに広がろうが、まったく関係なし。バンドの熱量にひたすら感動しっぱなし。グレイト!! 後半登場のシー・アンド・ケークはレコード同様ソフトな感触ではあれど、凄まじいテンションが充満したとにかく強烈なものだった。ヴィンテージ・シンセのどうにも気持ち良い温かみとジョン・マッケンタイアの流麗で圧巻な悶え身のドラミングはライブでなければ絶対に味わえない。誰かしら日本に来てるようでいて、シー・アンド・ケークとして実は5年ぶりの貴重な来日公演。今回観れて本当に幸せだったと思う。

GREAT3 set list
1.OH BABY 2.BEE 3.SUNDOWNER 4.玉突き 5.バナナ 6.影 7.R.I.P 8.エデン特急 9.マイ・ウェイ 10.OPEN MY EYES
醜聞(スキャンダル)

CINEMA

醜聞(スキャンダル)

監督:黒澤明
1950年 日本

なんか黒澤明っていうだけで身構えてしまいがちだけど、そんな力む必要のない普通に観て楽しめるエンタテインメント作品が実に多い。それは代名詞的存在の『七人の侍』や『用心棒』のような時代劇に限らず、現代劇においても素晴らしいユーモアに満ちている。今作は有名人カップルのでっちあげ記事に対する裁判劇として話は展開するのだが、半世紀が経ったいまでも、かなりおもしろく観ることができる。志村喬のダメ弁護士ぶりがいいです。弁護士事務所が4階建てビルの屋上(名刺では5階と表記している)だなんて、『マルコヴィッチの穴』だよな〜と思ったりもして。

TEENAGE FANCLUB [ 2001.01.30. 渋谷クラブクアトロ ]

LIVE

TEENAGE FANCLUB [ 2001.01.30. 渋谷クラブクアトロ ]

感無量でございます。えがった! いいライブでした。昨年のサマーソニックのときのような緊張感は皆無でしたが、3人のヴォーカル&コーラス・ワークがある限り、このバンドは永遠にティーンエイジ。やっぱ楽曲の良さは絶大でしたね。ノーマンの絶えない笑顔をみながらほのぼのとステージは進んでいきましたが、気が付けばステージ前方でこぶしを振り上げて熱狂の輪に加わっていました。「THE CONCEPT」が聴けて、本当に幸せ・・・。嬉しすぎるアンコール、最高に幸せ・・・。ライブ後、予定外ながらノーマン、レイモンド、ジェラルドの3人に加え、ドラムのフランシス(元メンバー)とキーボードのクリス(ベルセバ)という来日メンバー全員からサインを貰う。嬉し恥ずかしのサンキュー・ベリー・マッチ!

set list
1.NEAR YOU 2.I CAN'T FIND MY WAY HOME 3.START AGAIN 4.DON'T LOOK BACK 5.YOUR LOVE IS THE PLACE WHERE I COME FROM 6.I DON'T WANT CONTROL OF YOU 7.I NEED DIRECTION 8.ACCIDENTAL LIFE 9.VERISIMILITUDE 10.EVERY PICTURE I PAINT 11.MELLOW DOUBT 12.CUL DE SAC 13.THE CABBAGE 14.AIN'T THAT ENOUGH 15.MY UPTIGHT LIFE 16.SPARKY'S DREAM 17.THE CONCEPT〜SATAN
encore
18.GOD KNOWS IT'S TRUE 19.SPEED OF LIGHT 20.ABOUT YOU 21.ALCOHOLIDAY 22.RADIO