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HELPLESS
監督:青山真治
1996年 日本
うーん、なんなんだろうなぁ、というのが正直な僕の印象。退廃、退屈、やるせなさ。病んだ世の中への突発的な怒りと暴力。主演の浅野忠信がNIRVANA『NEVERMIND』のTシャツを着ている、そんな映画。
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MORE LIGHT / J MASCIS + THE FOG
掛け値なしにカッコいい、ロック・アルバムだ。これは本気で惚れ惚れするぞ。ダイナソーJR.もオルタナもなくとも、とにかくJは帰ってきた。さらに強度を増した爽快なノイズ・ギター・ミュージック。相変わらずのヨタった歌唱で吐き出される愛しい愛しい極甘なメロディ。やはり、Jは本物の怪物だった。来年2月の来日公演も決定。昇天確実、行くべし!
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スペース・カウボーイ
監督:クリント・イーストウッド
SPACE COWBOYS
2000年 アメリカ
NASAがない時代にアメリカ空軍パイロットとして「ライト・スタッフ」のごとく大活躍していた4人の年老いた男たちが、宇宙への夢を現代に実現させるお話。『スタンド・バイ・ミー』のように微笑ましいチーム・プレイが、イーストウッドの年齢であってもそれはとてもステキに思えた。宇宙への憧れ、男はロマン。自分も高校時代に「空を見る会」の会員だったのを思い出してしまった。「オレは昔、空を見ながら育ったのさ・・・」というセリフを将来発することを真に許される、これが会発足の理由である。友達同士、会員数わずか3、4名。ごくまれに「昨日の夕焼けサイコーだったよな?」などといった空の話題で楽しいおしゃべり。虹が出た日は大騒ぎしたものだ。
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THE HOUR OF BEWILDERBEAST / BADLY DRAWN BOY
10月のライブではボロボロだったと書いてしまったが、今年を振り返って2000年を代表するアルバムの一枚として、やはり今作は外せない。美しさと完成度ではズバ抜けたものがあって、一生手放すことができない作品だ。せつない冬に聴くとまた余計にセンチメンタルにしんみり浸ってしまいます。
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デッド オア アライブ 犯罪者
監督:三池崇史
1999年 日本
絶句・・・・・・。ウワサには聞いていたけど、このラストって・・・、いやー、興奮しました。オチでまさか、クゥあぁぁー、書かない方がいいですね。哀川翔VS竹内力。竹内力が悪役の表情に徹していた分、刑事哀川翔が人間味のある演技で想像以上に格好いいが、ラストであんなことが起こせるのは竹内力以外に考えられないわけで、それだけの凄みが竹内力には備わっているということだ。とにかく必見!と僕も言わさせていただきます。
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花のランランパワー / THE 真心ブラザーズ
倉持陽一、桜井秀俊、真心の両人ともミレニアム婚を果たし、2枚組ライブ・ベスト盤も先頃リリースされた昨今、そのアルバムには見事に収録されなかった93年の迷曲。彼らのフォーク・デュオ時代、いまとなってはゆずのはしりのようなものだが、当時アルバム4枚も出してのシングルがこれである。苦労してきたんだなぁ〜としみじみしちゃうけど、歌は元気いっぱいいっぱいぱい! 出だしからコーラスなのだが、歌詞が「ランランラリルレロリララン ナンナンナニヌネノニナナン ダラダラ キビキビ グニャグニャ」って、すごくないか? これは思わず歌ってしまいますよ。アニメ「コボちゃん」のオープニング・テーマで、ジャケットに描かれたコボちゃんの後ろで陽気に歌っている二人のイラストも植田まさしによるものなのだろうか? それにしても、自分で所有しておきながら、なんで持ってんだろうと不思議に思う。
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フューチュラマ / スーパーカー
先行の「FAIRWAY」「White Surf style 5.」、この2枚のシングルが良すぎたせいか、アルバム自体にはそれほどときめくことはなかったが、彼らの潜在能力をアッピールするには十分すぎる作品だ。完璧すぎるアルバムや達観しすぎの境地に達するのは、まだ早いというか、花は咲いてもピークはまだ先と思わせるところがすごい。時代の担い手、サウンド・イノベーターとしての期待。歌えるヴォーカリストがいないのが、むしろスーパーカーの強みのように思う。
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雪が降る町 “more bell mix” / ユニコーン
ワム!やタツロー、ジャクソン5にジョンとヨーコのWAR IS OVERと毎年毎年ほんとに毎年ヤなもんです。年末シーズンの気持ちを代弁してくれるのは、やはりこれしかありません! 「世の中は 色々あるから どうか元気で お気をつけて」 読んでくれている皆さんに、この歌詞の言葉を贈りたいと思います。なお、“more bell mix”とはベスト盤に収録された通常のシングル・ヴァージョンより、鈴の音を気持ち大きめに設定されてリカットされた再発シングルのヴァージョンです。
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ファーザー・アロング / スパイラル・ライフ
車谷浩司(現 AIR)と石田小吉(現 スクーデリア・エレクトロ)によるかつてのユニット、スパイラル・ライフ。僕は特別スパイラル・ライフのファンだったわけではなく、その他の持っていたアルバムは売っぱらってしまったりしてるのだが、この『ファーザー・アロング』はそれこそ特別の思いで好きだったりする。誰にもいつになろうとつい棚から引っ張り出して聴いてしまう永遠のマイ・スタンダードといえるようなアルバムが何枚かあると思うが、僕にとって『ファーザー・アロング』はそんなアルバムの一枚です。ネオアコとマンチェのおいしいとこどりな音楽だけど、このアルバム世界の完成度は、どんな凡百のマネっこバンドよりも、スパイラル・ライフのどのアルバムよりも、群を抜いて突出しているというその思いはいまも変わりません。1993年、スパイラル・ライフのファースト・アルバム。
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アンドロメディア
監督:三池崇史
1998年 日本
話題の三池崇史が過去に撮ったアイドル映画。メインにSPEED、サブにDA PUMPという布陣。このいたしかたないキャスティングではあっても、しっかりアイドルたちを引き立たせた立派におもしろい映画だった。ファン以外の一般の目で観ても楽しめるという点で、さすがだなと思う。ファンタジーが強すぎて、僕は泣くには至らなかったけど、ストーリーをまとめてラストは美しく感動的。もちろん、角川映画ではありません。