MONDAY
監督:サブ
2000年 日本
サブ監督作品には過去の3作ともスタンディング・オーベイションを送ってきた僕でも、今回のシュールすぎる展開には、いい意味ではない方向で思わずうなってしまった。毎度シュールといえばシュールなのだけど、いまいち抜けきれていない歯切れの悪さのほうが目立ってしまっている。おなじみ堤真一が主演といえ、酒に酔っただけの主人公だったのがダメだったのかもしれない。ちょっと今作はムダにメッセージ性を盛り込んだり意識しすぎたか。
スナッチ
監督:ガイ・リッチー
SNATCH
2000年 イギリス
観た人誰もが『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』と同じだと思ったことだろう。悪意まる出しのケチはいくらでもつけられる映画かもしれないけど、やっぱりそれでも面白かったと僕は思う。ロンドンが舞台だし、だいたいそんなに真剣に観る必要のない、単純に楽しんでもらう映画として立派に出来ているのだ。登場人物の多さも、ちゃんと使っては消されているし(ベニチオも早かった!)、勢いで見せきる編集の巧さと音楽の使い方は相変わらず抜群のセンスを発揮している。ブラッド・ピットのヘタレ英語もよかったです。犬、大活躍!
AJICO [ 2001.03.19. 赤坂ブリッツ ]
完璧と形容するにはあまりに容易すぎて恥ずかしい気もするのだけど、CD以上に本当に言葉を失うくらい最高レベルのライブ・パフォーマンスだった。思い思いに歌を歌い、思い思いにギターを刻み、思い思いにベースと戯れ、思い思いにドラムを打ち鳴らす。バンドの4人の個性がそれぞれ強烈に際立ちつつも、一糸乱れぬ完全体の結晶と化す叙情的なAJICOのグルーヴ。彼らの旅が終着を迎えようとも、至高のライブ体験となったこの日のステージを忘れることはないだろう。
1.青い鳥はいつも不満気 2.TAKE5 3.すてきなあたしの夢 4.美しいこと 5.金の泥 6.GARAGE DRIVE 7.毛布もいらない 8.悲しみジョニー 9.深緑 10.ペピン 11.歪んだ太陽 12.フリーダム 13.波動
encore
14.ひまわり 15.午後 16. カゲロウソング
ミッション・トゥ・マーズ
監督:ブライアン・デ・パルマ
MISSION TO MARS
2000年 アメリカ
これはすごい。地球史の驚くべき事実が明らかに! といってもサイエンス・フィクションなわけだけど、こういうのは好き。宇宙人がいるいないの議論には興味はないけど、SFの空想世界を映像で表現されるものには素直に心が惹かれてしまう。『2001年宇宙の旅』や『スターウォーズ』、『未知との遭遇』、『エイリアン』といった懐かしのものから、『ガタカ』、『コンタクト』など最近の素晴らしかったSF作品など、とてもワクワクしながら観たものだ。『スネーク・アイズ』に続いてゲーリー・シニーズが主演。彼は今後もデ・パルマ作品の常連となるのだろうか。
日なたの窓に憧れて / スピッツ
東京へ出てきて3年が経とうとしている。東向きの部屋で3年が経とうとしている。引っ越したいとずっと考えている。日なたの窓に憧れている。落書きだらけの夢を見ている。今日、何度となくこの曲を聴いている。
ビタミン / 電気グルーヴ
自らを祝福する石野卓球のステキなファンファーレで幕開ける1993年発表の大傑作アルバム。昨今の電気の扱われ方は、なんとも大マジメすぎて、悪くはないんだけど、なんというかこの状況はビースティ・ボーイズに非常に似てるなぁと思うのであります。深い考察はヒトにまかして、おいしい『ビタミン』は聴きカジルに限ります。「ハイキング」大好き! おめでとう自分。
I WANT YOU あなたが欲しい
監督:マイケル・ウィンターボトム
I WANT YOU
1998年 イギリス
主演のレイチェル・ワイズに見惚れてしまう、魅惑のサスペンス劇場。ウィンターボトムといえばってことで、『バタフライ・キス』でのニュー・オーダー「WORLD IN MOTION」、『ウェルカム・トゥ・サラエボ』でのストーン・ローゼズ「I WANNA BE ADORED」など音楽でキメてくるのが定番となってますが、今作はタイトルまんまエルビス・コステロ「I WANT YOU」。おかげでいまコステロの『BLOOD & CHOCOLATE』を数年ぶりに聴いてます。
GOLDEN GREATS / IAN BROWN
サマーソニック2001でのオリジナルメンバーによるストーン・ローゼズ再結成ライブの企画案が進行中らしい。96年のローゼズ消滅以降、イアンのソロ作品は立派だった。特にこの2作目は素晴らしい。イアンの存在感はソロでも十分なものであることが、嬉しいほど実感できた作品だった。そんな充実したソロ作品を発表してきたイアンに今こそ僕はやって欲しい。もう一度だけ夢を見させてくれないか!
斉藤和義 [ 2001.02.26. 渋谷 ON AIR EAST ]
数限りなく観てきたライブ人生のなかで、はじめての出来事だった。客電が点いてもしきりにアンコールを求め、今日はそれが実現した。本当に愛されているファンの前で、最後にもう一曲と歌ってくれた感動は、一生忘れはしないだろう。2度もギターの弦が切れる熱演から、「歌うたいのバラッド」弾き語りスタイルまで披露してくれて、とにかくよかった!素晴らしかった! あまりのカッコ良さに、心底ホレボレしてしまいました。
1.幸福な朝食 退屈な夕食 2.歩いて帰ろう 3.WONDERFUL FISH 4.アゲハ 5.JACK POT 6.古い話 7.歌うたいのバラッド 8.HONEY ROASTED PEANUTS 9.MOJO LIFE 10.ささくれ 11.僕の踵はなかなか減らない 12.COLD TUBE
encore
13.月影
TEAM ROCK / くるり
真っ青なジャケットが示すように、悟っているかのようでいて、くるりの音楽はアオい。勇み足のように思えなくもない打ち込みへのアプローチではあれど、生粋のオタクセンスでうまくカバー・・・・・・できているかどうかも微妙だが、僕がくるりを好きなのは彼らのそのオタク感覚であって、音楽にしろ歌詞にしろ微妙であればあるほどそれはくるりらしくていいのだ。屈指の名曲となった「ばらの花」で、なぜジンジャーエールなんて語感の悪いモノを3度も出すほどこだわらなければいけないのか。そういったツッコミを許してしまうところがくるりの魅力であり弱点であるように思う。弱点より魅力の勝る、いまのTEAM ROCK=くるりは強い。