PLACEBO [ 2001.01.15. 渋谷 ON AIR EAST ]
21世紀ライブ一発目。きっかり1時間で終わってしまった物足りなさを除いては、期待通りのステージだったと思う。婦女子の大歓声に後押しされ、ブライアン・モルコ以下男子3名のタイトな演奏で一気に突き抜けた感じ。ヴォーカルが弱いだろうと思っていたのでステージ下手PA脇に陣取り、割と近くでモルコを見れましたが、髪を短く刈っておでこ全開でしたね。セットのほとんどを最新作が占める中、「EVERY YOU EVERY ME」が聴けたのはすごく嬉しかった。アンコールでの「TASTE IN MEN」と「PURE MORNING」は、やっぱむっちゃカッコ良かったっす。でもほんとあと5曲多ければ、大満足だったのにな。「YOU DON’T CARE ABOUT US」「BRICK SHITHOUSE」「NANCY BOY」「TEENAGE ANGST」、そして「20th CENTURY BOY」。この5曲があれば! あ、「WITHOUT YOU I’M NOTHING」もやってなかったよ〜。ワン・モア・ターイム!!
1.BLACK EYED 2.DAYS BEFORE YOU CAME 3.ALLERGIC (TO THOUGHTS OF MOTHER EARTH) 4.HEAMOGLOBIN 5.BIONIC 6.36 DEGREES 7.PASSIVE AGRESSIVE 8.EVERY YOU EVERY ME 9.SPECIAL K 10.SLAVE TO THE WAGE
encore
11.TASTE IN MEN 12.PURE MORNING
黒猫白猫
監督:エミール・クストリッツア
CHAT NOIR, CHAT BLANC [ 1999年 フランス・ドイツ・ユーゴスラビア ]
なにかとせわしない東欧の田舎町。老若男女、ヘンな人がたくさんでとにかく楽しい映画だった。その生のエネルギーと躍動感はなにゆえに?と思ってしまうけど、そんな疑問が頭に浮かんだ時点で僕らは負けているのだろう。生活とはそもそもこの映画のようにエネルギーに満ち溢れているものなのだ。正にも負にも振れ幅が少ない生活はつまらない。思いっきり笑ったあとで、そんなことをひとり思う。それにしてもじいちゃんサイコーだったな。
CAR SONGS OF THE YEARS / 奥田民生
早速聴きまくり状態の民生のカー・ソング・ベスト。2年前のキャノンボール・ツアーの流れでこういうのがリリースされていてもおかしくなかったが、この新録8曲、うち新曲4曲(すばらしい!)を含む今作がなんの抵抗もなく聴きいれられるのは、やはり入魂の大傑作『GOLDBLEND』を前年にリリースしているからだと思う。今作に深い意味はなにもない。一曲一曲がまさにパーツとしてあって、ちょいちょいと寄せ集めたモノに過ぎない。しかし、そんな適当な感じが垣間見えるにつれ、奥田民生の凄さがこれまたビンビンに感じられる恐るべき一枚でもあるのだ。やることなすことカッコいい民生にいさん。女は惚れろ!
ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
監督:ヴィム・ヴェンダース
BUENA VISTA SOCIAL CLUB [ 1999年 ドイツ・アメリカ・フランス・キューバ ]
今月のSWITCH北野武号に山本耀司のインタヴューが掲載されていて、北野武と「今時の若い奴より、俺達の方が未来があるよな」といった話をしたと書いてあるのが、ものすごくグサッときた。この映画に登場する伝説的なキューバの老演奏家たちが、とにかくカッコよくて感動的なのは、いまもなお生き生きと人生の歩みを続けているからだ。キューバという国家を背景に生きる姿・表情・言葉・エネルギー。素晴らしく気持ちよいキューバ音楽とともに、強い憧れを抱いてしまう。2000年の単館作品興収ナンバー1を記録。
HOWDY! / TEENAGE FANCLUB
よい。とてもよいです。もはやプレッシャーもなにもない中年となった彼らの音楽的素養がそのままにあらわれた、とても清々しい快作です。どんなにユルかろうが、それはそれで実はよかったりするから許せてしまう。ファンとしてもひとまわりしてしまったってことなのだろうか。しかし、サマーソニックでの自分も含めてオーディエンスの熱狂&合唱の凄まじいテンションを思うに、単に愛されているだけではなく、いまだに必要に時代に求められている幻想郷であるのも事実。今月末のライブも事件の予感がするのであります。
ストレイト・ストーリー
監督:デビッド・リンチ
THE STRAIGHT STORY [ 1999年 アメリカ ]
1998年の夏に東京から実家のある宮崎まで青春18きっぷを使って3日かけて帰ったことがあるけど、それさえも異様に速いと思えるほど、この映画の旅はゆっくりとしたスピードで進んでいく。そもそも旅にスピードを求めるべきではないのだ。人生を旅と置き換えるなら、そのスピードはいかがなものか。僕は僕なりのスピードで目的地にむかって、この映画の主人公のように自力でたどりつきたい。リンチの前作『ロスト・ハイウェイ』から一転、『パリ、テキサス』のハリー・ディーン・スタントンが兄役で登場し、ゆっくり静かに言葉を交わし空を見上げるラストも秀逸な素敵に思える作品だ。
アメリカン・ビューティー
監督:サム・メンデス
AMERICAN BEAUTY [ 1999年 アメリカ ]
いつの時代であれ、人は他者とのコミュニケーションなしには生きている気がしないし、幸せになることはできない。その根本的な認識さえ麻痺してしまうほど、現代社会には時が過ぎていくたびに新たなモラルやルールや価値観が創り出され、他者とのコミュニケーションを成立させるにはあまりに複雑化してしまっている。時が流れるスピードはどうすることもできないが、それでも自分の人生をなんとかしていきたいというポジティブな気持ちに、この映画は思わせてくれる。
デッド オア アライブ 2 逃亡者
監督:三池崇史
[ 2000年 日本 ]
力と翔。前作が敵対する関係だった分、ふたりの本当の共演シーンは世紀の決闘ラストシーンのみで終わってしまったが、今回は三池版「コインロッカー・ベイビーズ」ともいえる完全なるバディ・ムービーとしてVシネ界の最強タッグが存分に楽しめる。予定調和のレベルを軽く超えた豪快で強引なもっていきかたは、今作でも随所に散りばめられ、(SHOW&笑&衝)=ショウ撃度も凄まじい。力のハジけっぷりといい、翔のヌケ具合といい、ふたりとものびのびしてて、ヤクザ映画とのギャップがとても気持ちいい。ラースの『キングダム』とともに続編が待ち遠しく思えるほど、トリコになる作品だ。
WAR ON PLASTIC PLANTS / REGULAR FRIES
イギリス的なインテリ臭さのせいか、今回もすごく充実した作品を発表しておきながら、ほとんど話題にならなかったレギュラー・フライズ。しかし、昨年のモービーのように、十分に大化けする可能性があるだけに、いまこそライブが観てみたい(99年のフジで来てるが、フジは未見だ)。メロウなミドル・ナンバーでのメロディ・センスも光る、プライマル・スクリームが示した近未来型ロック・バンドの裏街道を行ってるような、目が離せないお気に入りのバンドだ。
飛べない鳥 / ゆず
いまやスタジアムクラスの恐ろしい人気を誇り、街並みに溢れかえるフォロワーを見れば明らかなように、ゆずは世紀末における日本の音楽的現象にまでなってしまった。知ったのは、つい3年前だ。ナマったらしい応援歌は他人に任し、とうとうこんなにも素晴らしい名曲を作り上げてしまった。日本代表、今年のベスト・シングル。