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WHEN YOU WERE A BEAUTY / GREAT3

ALBUM

WHEN YOU WERE A BEAUTY / GREAT3

前作『MAY AND DECEMBER』で新たな境地を切り開いた彼らが、その勢いを加速させて、わずか9ヶ月のインターバルで発表した今回のアルバム。引き続きジョン・マッケンタイアと組んだシカゴでのコラボレーションはさらに熟成と自信を深めたものへと発展。そのサウンドプロダクツの秀逸さとともに、GREAT3の詞の世界が耳とココロをトリコにして離さない。これは本当に素晴らしい作品だ。 

奥田民生 2002.01.31. 川崎クラブチッタ

LIVE

奥田民生 2002.01.31. 川崎クラブチッタ

いきなり「さすらい」って、どうよ? そのあと「愛のために」って、どうよ? それから「股旅(ジョンと)」、「野ばら」って!! どんなに川崎の客のガラが悪かろうと(民生のMCより)、盛り上がって仕方がないっちゅーねん! 最高潮かつ絶好調。終了したばかりのツアーとは、しっかり異なるメニューを仕込んできてくれた民生に感謝。体の中の熱い血がグルグル躍って、会場全体の熱量も真冬の空気を吹き飛ばすに申し分ないものだった。ベースの根岸さんが、昔に藤井フミヤからツアー衣装で買ってもらったというスーツを着用していて、それを散々民生にいじられてたのが可笑しい。しかしながら、バンドのコンビネーションの冴えたるや、演奏へのスイッチの入れ替えは見事。いつにも増してロケンローな展開で、今回も最高にいいもの観れました。嬉し楽しい素敵な夜をありがとう。

SET LIST
1.さすらい 2.愛のために 3.股旅(ジョンと) 4.野ばら 5.The STANDARD 6.カッコマンブギ 7.マシマロック 8.最後のニュース 9.CUSTOM 10.あくまでドライブ 11.手紙 12.哀愁の金曜日 13.MILLEN BOX 14.BEEF 15.イージュー★ライダー 16.ルート2
encore 1
17.月を超えろ
encore 2
18.近未来
ゲンセンカン主人

CINEMA

ゲンセンカン主人

監督:石井輝男
1993年 日本

つげ義春の漫画作品の中から「季さん一家」「紅い花」「ゲンセンカン主人」「池袋百点会」の4話を映像化したオムニバス作品。すべて佐野史郎主演というわけで、大のつげファンである彼の念願の企画だったようだ。4話をつなぐサイドストーリーは別として、かなり原作そのままに描かれており、その熱意と愛情に僕も拍手を送りたい。ほのぼのとしつつもゾクっとさせる人間描写とエロティシズム。クセのある役者が多数出演する中、最後はその全員に温かく見守られ、つげ義春本人も家族と共に登場してくれる。妙な清々しさがあってステキだった。

MONEY MARK 2002.01.28. 渋谷ON AIR EAST

LIVE

MONEY MARK 2002.01.28. 渋谷ON AIR EAST

大好きな曲をいろいろと演奏してくれたのは、もの凄く嬉しかった。例えば「CRY」「SOMETIMES YOU GOTTA MAKE IT ALONE」「TOMORROW WILL BE LIKE TODAY」「ALL THE PEOPLE」「PRETTY PAIN」。ファーストの代表曲を聴けたのは感激! でも大好きな曲を演奏してくれなかったのは、もの凄く悲しかった。例えば「ROCK IN THE RAIN」「MAYBE I’M DEAD」「HAND IN YOUR HEAD」。この3曲は絶対聴きたいレベルの大好きな曲だったのに! オープニングを務めたKID KOALAのわんぱくDJはターンテーブル3台使ったもので楽しかったし、その後のマニー・マーク(長髪にサングラスのお姿はみうらじゅんに似て蝶!)との共演もかなり見応えのあるものだった。最新作のラテンテイストもたっぷりで、ツインドラムが圧巻。マニー・マーク本人のキーボードは勿論自在に泣かせて楽しませてくれる。そして相変わらず遊びもたっぷり。こんなに楽しいのに、早く終わっちゃうなんて! 正味1時間弱だと、彼の場合思いっきり物足りないよぉ〜! 良かっただけに、無念なり。

SET LIST
1.BOX 2.INFORMATION CONTRABAND 3.LOVE UNDISPUTED 4.CHOCOCHIP 5.INSECTS ARE ALL AROUND US 6.PRETTY PAIN 7.ALL THE PEOPLE 8.PEPE Y IRENE 9.WELCOME 10.BALLOON 11.PUSH THE BUTTON 12.CRY 13.TOMORROW WILL BE LIKE TODAY 14.HARMONICS OF LIFE
encore
15.  16.MARK'S DRUM SOLO 17.SOMETIMES YOU GOTTA MAKE IT ALONE
AND ALL THAT COULD HAVE BEEN / NINE INCH NAILS

ALBUM

AND ALL THAT COULD HAVE BEEN / NINE INCH NAILS

厳寒の1月、ニンの初来日をNKホールまで観に行ったものだけど、あれから2年も経ったんだなぁと思わせる2000年USツアーを収録したライブアルバム。この人の場合、音もヴォーカルも達者すぎるお方なので、ライブといっても原曲とそんなに変わることはないのだが、幾分生バンドの要素が加味されて、肉体的なダイナミズムが味わえる。少なくとも、あのライブを観た人は余計に盛り上がってしまうのではないだろうか。ステージをのたうちまわる豚、トレント・レズナーの姿は強烈な印象を残すものだった。RADIOHEADを存在で打ち負かすことができるのは、年を取ってきてるとはいえ、この男しかいないと思うのだが。「癒し」という生ぬるい言葉が蔓延する世の中を一蹴する本当に傷ついている人が求める音楽がここに凝縮。律義に全キャリアを網羅したベストな選曲にしてしまうトレントが好きだ。

HORSES / PATTI SMITH

ALBUM

HORSES / PATTI SMITH

そろそろ馬も打ち止めか。パティ・スミスの代表的ファーストアルバム。白シャツにサスペンダー姿の有名すぎるロバート・メイプルソープによるジャケット写真だけでも、十分すぎる価値があるわけだが、冒頭で際立つTHEM(ヴァン・モリソン)のカバー曲「GLORIA」(去年のフジロックのパフォーマンスも素晴らしかった!)といい、トム・ヴァーレイン(テレビジョン)の参加やプロデューサーのジョン・ケイルといった人脈など、1975年当時のニュー・ヨークの伝説が生まれるべくして生まれたような、宿命的なパワーが宿っている。

BRINGING DOWN THE HORSE / THE WALLFLOWERS

ALBUM

BRINGING DOWN THE HORSE / THE WALLFLOWERS

さらに馬で引っ張ってみました。ボブ・ディランの息子、ジェイコブ・ディランのバンドのセカンドにして大成功をおさめた作品。さすがに顔が似てるけど、その声質や音楽性から父親よりブルース・スプリングスティーンを彷彿とさせる、どこか懐かしい趣のある良質なアメリカンロック。代表曲「ONE HEADLIGHT」は自作の編集CD-Rに入れたくなるような名曲だと思います。

アメリ

CINEMA

アメリ

LE FABULEUX DESTIN D’AMELIE POULAIN
監督:ジャン・ピエール・ジュネ
2001年 フランス

観ようと思った頃には既に若者のファッションになってしまっていて、なかなか観れずにいたこの映画。結局4度目の挑戦で渋谷シネマライズと決別し、新宿の映画館にて、ついにそのシートをゲットすることができた。映画はまさに素敵な現代ファンタジー。主人公のアメリが誰もが振りかえるような美女ではないにせよフランス的キュートなルックスで、自分の恋を実らせようとあれこれ直線的に行けない、もどかしいほど遠回りして作戦立てたり妄想でウキウキしたり涙を流したりする姿は最高にいとおしい! おじいさんが応援するのもわかるし、同じく不器用なニノもアメリを追いかける彼の気持ちに共感。同じ匂いを持ったふたりがお互い惹かれ結ばれる、このことが何より素晴らしいと思ったし、前向きにさせてくれる。話的に過去のジュネ監督作と比べると毒が薄くなりがちだけど、常連ドミニク・ピノンその他脇役たちのサイドストーリーがしっかりオチまであったり充実してたのが彼らしいし、ニノ役のマチュー・カソヴィッツが自分の撮る映画は陰鬱なのに、こんなに好青年を演じているところがまたニクイ。年は越してしまったけど、観れて良かったと思えたのが良かった。

SPIRITUALIZED 2002.01.08. 渋谷AX

LIVE

SPIRITUALIZED 2002.01.08. 渋谷AX

ケビン・シールズがプライマル・スクリームで余生を送っている現在において、このスピリチュアライズドのライブ体験というのは、それこそマイ・ブラッディ・ヴァレンタイン以上の意味があると思うのだが、初来日のリキッドが嘘のように会場はガラガラ・・・。東京の恥ですよ、これは。なんだか悲しい気分で開演を待ちながら、あのジャケットのお面がプリントされたTシャツは何枚売れたんだろう?などと考えたりしてしまったものだけど、いざ始まればこれほど贅沢なものはなかったわけで、ほんと観なかった人は後悔してください。ラッパのファンファーレに導かれていった2時間半の世界は体験した人にしかわからないでしょう。前回以上にフリーキーに冴え渡る轟音ノイズと目潰し光線が凄い! うるさすぎて轟音モードに入るとジェイソンの声はほとんど聞こえないんだけど、実に計算された演奏で素晴らしいのなんの。グガー!!って状態から急転直下で「SHINE A LIGHT」のイントロに入ったときは、まさに至福昇天ですよ。相変わらずボケーっと突っ立って、手だけはいそがしく動いてるジェイソンだったけど、彼のヴォーカルは頼りなくも心に響くものがあって大好きだ。大仰極まりない音楽かもしれないが、彼らのレベルで発せられては、どうにも気持ち良くて最高としか言いようがない。次回の来日公演があるのか、それが気がかりだ。

SET LIST
1.COP SHOOT COP 2.ELECTRICITY 3.SHINE A LIGHT 4.ELECTRIC MAINLINE 5.OUT OF SIGHT 6.ON FIRE 7.DO IT ALL OVER AGAIN 8.NO GOD ONLY RELIGION 9.THE STRAIGHT AND THE NALLOW 10.TAKE YOUR TIME 11.I THINK I'M IN LOVE 12.WON'T GET TO HEAVEN (THE STATE I'M IN) 13.DON'T JUST DO SOMETHING
encore 1
14.TAKE ME TO THE OTHER SIDE 15.COME TOGETHER
encore 2
16.LORD CAN YOU HEAR ME
ECSTASY / LOU REED

ALBUM

ECSTASY / LOU REED

正真正銘馬年だったのがルー・リード。1942年3月2日生まれ(同じ魚座だったのね)ということで、今年でなんと60歳の還暦を迎えます。ルー・リード60歳、カッコ良すぎるではないか! 彼の一枚なら自信を持って2000年発表の最新作を紹介。これは本気で素晴らしい大傑作でございますよ。これ聴かずしてヴェルヴェッツを語るなかれ。ルーのおじさんがジャケットスリーブでまんまエクスタシーな表情を浮かべておりますが、これほど官能的で攻撃的でロマンティックなものを耳にすると、ステレオの前で土下座するしかないでしょう。最終曲の「BIG SKY」では泣きの8ビートロックという、このダメ押しが嬉しすぎてたまらんです。しっかり聴いて、男の生きる道を修行したいと思います。