

ドント・ブリーズ
Don’t Breathe
監督:フェデ・アルバレス
2016年 アメリカ
泥棒3人組vs盲目退役軍人with大型犬のほぼ密室デスマッチ。どっちも応援する気になれない救いようがない奴らだけど、両者不屈のカウント2.9の応酬に大興奮!! まさに息もつかせぬ怖すぎるホーム・アローン!! めっちゃおもしろかった!!!


オアシス:スーパーソニック
Oasis: Supersonic
監督:マット・ホワイトクロス
2016年 イギリス
スマスマ最終回とシング・ストリートと水曜どうでしょうが混ざったような、高純度のオアシス追体験映画でありました。この愛嬌と至極の名曲。まさに歴史だった。たまらん。20年前、オアシスに熱狂してたひとりとして、この映画は愛せます! 最高です!!!!!!


ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー
Rogue One: A Star Wars Story
監督:ギャレス・エドワーズ
2016年 アメリカ
1977年のエピソード4となる最初の『スター・ウォーズ』を見直して臨んだ今作。デススター、そしてダース・ベイダーの真の恐ろしさをようやく知ったように思える。この宇宙の片隅に散っていった強く儚い者たちのエピソード3.9。


エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に
Everybody Wants Some
監督:リチャード・リンクレイター
2016年 アメリカ
大学生活の終わりではなく始まりの3日間の映画だけど、これはリンクレイター版『ファンダンゴ』だと思う。終始バカ騒ぎに徹する彼らを眺めながら、自分はやりそびれていることが山ほどあるんじゃないかという気持ちになる。ちょっと松岡茉優っぽいゾーイ・ドゥイッチがリー・トンプソン&ハワード・ドゥイッチ(『恋しくて』や『プリティ・イン・ピンク』の監督)の娘だった!


この世界の片隅に
監督:片渕須直
2016年 日本
昨年広島を訪れたときに呉まで足を延ばしたものですが、一年後にこのような映画に出会えるとは! 骨折して右腕包帯三角巾状態でも、あのとき行っといて良かった。映画は、劇中より、観終わっていろいろ思い出すたびに涙目になってしまう。かと言って、泣かせに徹するありきたりなものではなく、娯楽作としてとても素晴らしかった。説明はないけど、1コマ1コマに意味が込められているのだろう。いち小市民にすぎない主人公すずの生活を丁寧に豊かに描いていく中で、戦争や原爆を表現してみせた、日常系アニメの歴史的傑作。能年玲奈改めのんの大復活作としても本当に喜ばしい。『野火』『顔のないヒトラーたち』『黄金のアデーレ』『サウルの息子』『この世界の片隅に』。ここのところ、もの凄い傑作の戦争映画が続いている。


FAKE
監督:森達也
2016年 日本
11月27日、TAMA CINEMA FORUMにて『森達也の「ドキュメンタリーは嘘をつく」』『FAKE』。
2006年テレビ東京でメディアリテラシーをテーマにした特番として制作・放映された『森達也の「ドキュメンタリーは嘘をつく」』。ディレクターは村上賢司(森達也ではない)。スタッフロールに真利子哲也や松江哲明の名前もあり、10年前ながらすごい。フェイク・ドキュメンタリーとして作られていて、いま観ても十分に面白かった。番組DVD付きメイキング本が完売絶版状態のようなので、気になる人はネットで探せばあるかも。
『ドキュ嘘』がフェイク・ドキュメンタリーであるのに対し、森達也監督『FAKE』はフェイク・ドキュメンタリーではない。ただ最後まで答え合わせがないので、何かがフェイクだったのかもしれないし、全部フェイクだったのかもしれない。『ドキュ嘘』で「ドキュメンタリー作家にいい人はいない」と断言していた森達也らしい作品だったと思う。上映後に『FAKE』の撮影に一時期同行していたという武田砂鉄さんのトークショー。謎に満ちた作品だけに、こういう補足はとても興味深くありがたかった。


マイマイ新子と千年の魔法
監督:片渕須直
2009年 日本
昭和30年、山口県防府。戦後10年の子どもたちの姿に、人が人として生きるに必要な大事なことを丁寧に織り込んだ素晴らしい作品。魔法と言っても空想でしかないのだけど、過去を思うこと、他人を思うこと、死を思うこと、想像力は未来を作る強大な力だと思う。公開中の『この世界の片隅に』の大ヒットを受けて、この作品も再注目されるチャンスかもしれない。テレビでやってもいいと思う。


ガールズ&パンツァー 劇場版
監督:水島努
2015年 日本
ユナイテッドシネマ豊洲で水島努監督『ガールズ&パンツァー 劇場版』4DX効果マシマシ版。大ロングランを続けてガルパン劇場版公開から今日でちょうど1周年らしいけど、現時点でも、4DXとしてこれほど見事にマッチする作品はないのではないか。4DX初体験にして、そう思えるくらい、劇中ほぼライド状態でめちゃめちゃ楽しかった!!! アクションに特化しまくった今回の劇場版だけに映画としての物語はだいぶ薄いのは仕方がないけど、TVシリーズに感銘を受けたファンとして十分楽しめるし、4DXはさらにド迫力の気持ち良すぎる映画体験として超!最!高! 大洗に常設劇場作った方がいいと思う。ガルパンは本当にいいぞ。


何者
監督:三浦大輔
2016年 日本
朝井リョウ原作、三浦大輔監督『何者』。1991年公開『就職戦線異状なし』から25年を経て、この世の中の変わりようたるや。有村架純でさえそんなにカワいく思えない、キャストのイケてなさ加減が見事で、それはそれで観客にもつきつけられるSNSも絡めた人間関係のえげつなさにドキドキ・ヒリヒリしっぱなし。現代社会を生きるに、必見の作品。主題歌も含めた音楽の中田ヤスタカはここ数年でベストの仕事だと思います。


PK
PK
監督:ラージクマール・ヒラニ
2014年 インド
恵比寿ガーデンシネマにてインド歴代No.1ヒット映画『pk』。日本でもロングランヒットとなった『きっと、うまくいく』のラージクマール・ヒラニ監督&アーミル・カーン主演コンビによる新作。のっけから宇宙船が出てくる超娯楽作ながら、神・宗教・人種・国籍…と人間界にしかない問題に対し、人間こそが裸の王様だと宇宙人目線で社会風刺しまくる痛烈な作品。『命ある限り』のアヌシュカ・シャルマが今回もとてもよいです。日本に入ってくるインド映画にハズレなし。素晴らしかった!!
