

ナイトクローラー
NIGHTCRAWLER
監督:ダン・ギルロイ
2014年 アメリカ
リーサルウェポンシリーズ以来、久々にみたレネ・ルッソがこの映画の監督ダン・ギルロイの奥さんだったとは! 激ヤセした笑うセールスマンのごとく、死神くんとして仕事出来過ぎなジェイク・ギレンホールが凄い。めっちゃ面白かった!!


男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋
監督:山田洋次
1982年 日本
シリーズ第29作『男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋』は、絶望映画ともウワサされる一本。ヒロインはいしだあゆみ。第27作から満男役が吉岡秀隆に代わっているので、ふたりが出てるシーンは『北の国から』に見えてしまう。ただ今作の見所はそこではない。今作では、寅次郎が一目惚れしたヒロインにお世話して仲良くなっても、最後は彼女に男がいるとかでフラれて旅に出る、というお決まりのパターンで展開しない。寅次郎が恋をするのではなく、ヒロインから本気で惚れられるのだが、寅次郎はジェームズ・ボンドではなく、考え込んで柴又へ逃げ帰り、追いかけてきたいしだあゆみについぞ応えることができず、満男の前で涙を流すという、かくもシリアスな物語となっている。風の吹くまま気の向くままの寅次郎の業というか宿命を露呈したシリーズ異色の一本。フラれるより切ない。


ファンダンゴ
FANDANGO
監督:ケヴィン・レイノルズ
1985年 アメリカ
1985年の青春映画の傑作『ファンダンゴ』。ベトナム戦争中のアメリカ・テキサスで大学卒業を祝い「ファンダンゴ=馬鹿騒ぎ」な旅に出る男子五人衆。昨今の『ハングオーバー』シリーズに負けないくらい、飲みまくりハッチャケまくるも、『ファンダンゴ』の馬鹿騒ぎの旅は、徴兵の招集逃れでメキシコを目指そうとしたり、花火で遊んだ墓地に眠るのはベトナムで戦死したものだったり、結婚したり進む道がバラバラになったり、将来の不安や青春の終わりを捉えた旅でもある。その儚さがじわじわ沁みてくる、たまらない一本。さよならなんて云えないよ!


マッドマックス 怒りのデス・ロード
MAD MAX: FURY ROAD
監督:ジョージ・ミラー
2015年 オーストラリア
TOHOシネマズ新宿にてIMAX 3D鑑賞。もう見ることもないと思っていたサンダードームも含めて、過去3作を見直して臨んだ最新作は、振り切れ具合が半端ない大傑作でありました!!! ほぼ全編弩級のチェイスアクション。戦意を煽るドラムビートとディストーションギターの嵐。追いかけられてるのはマックスというより、支配者に囲われてた美女。演じてるのがリサ・マリーの娘だったり、レニー・クラヴィッツの娘だったりする美女たち。そのために激突爆発炎上大破し散っていく、たくさんたくさんの人・モノ・クルマ。めっちゃ狂ってる! ホント凄い! 最高!!!


ファッションが教えてくれること
THE SEPTEMBER ISSUE
監督:R・J・カトラー
2009年 アメリカ
アメリカ本国のVOGUE 2007年9月号の編集課程を捉えたドキュメント映画。一番の強みは「決断力」と即答する、編集長アナ・ウィンターの凄さ、魅力、ファッション界のスペシャルワンたる姿勢に、おおいに刺激を受ける。ただの嫌みな上司は昨今のドラマでもよく観るけど、彼女はとにかく圧倒的に有能。ブレがなく、腹も肝もすわっている。メリル・ストリープが演じたモデルとなった『プラダを着た悪魔』より、本物はもっと面白かった!


ドラゴンへの道
THE WAY OF THE DRAGON
監督:ブルース・リー
1972年 香港
『ドラゴンへの道』を久々に観る。主演のブルース・リー自身が監督・脚本もしているけど、映画としてはかなりユルい。ローマロケで最後のチャック・ノリスとコロッセオでの闘いは見応えあり。共演のノラ・ミャオが少女時代のユナにすごく似てたのが今回の発見。


単騎、千里を走る。
RIDING ALONE FOR THOUSANDS OF MILES
監督:チャン・イーモウ
2005年 中国・日本
高倉健にとって最後から二番目の主演作品。地味渋度満点ながら、思いのほかよかった。ド派手な史劇のチャン・イーモウではなく、初期の田舎のチャン・イーモウを観てるようなので、とても好感が持てる。話としては美談すぎるものの、だからこそ観るべきものがあったように思う。チャン・イーモウは健さんで映画を撮りたくて、健さんが気に入るまで何度もダメを出されても脚本を送ったらしい。健さんは『初恋のきた道』にいたく感銘を受けていたらしく、この作品も健さんの求めていたチャン・イーモウなのだろう。健さんは日中両国にとってもかけがえのない財産を残してくれたように思う。


ヒート
HEAT
監督:マイケル・マン
1995年 アメリカ
20年ぶりにマイケル・マン監督『ヒート』を観る。当時感じたこと以上に超傑作だった。すっかりいなくなってしまったヴァル・キルマーに限らず、主演のロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノにとっても最後のキレッキレな役だったように思える。


バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
BIRDMAN OR (THE UNEXPECTED VIRTUE OF IGNORANCE)
監督:アレハンドロ・G・イニャリトゥ
2014年 アメリカ
作中の話みたく、今作のキャストが揃ってなかったらどうなっていたのだろう? ニコルソン『シャイニング』状態で最初から分裂してたマイケル・キートンによる未来世紀な劇映画。主人公はボロボロになっていくのに、とにかく高精度に緻密に作りあげられたメキシコチームの技術と才能は圧倒的。ものすごく面白かった!


海にかかる霧
SEA FOG
監督:シム・ソンボ
2014年 韓国
『殺人の追憶』の脚本家だったシム・ソンボの初監督作。元東方神起で現JYJのパク・ユチョンの映画デビュー作とあって、女性客多し。ユチョンは新人賞総ナメも納得のスターのオーラを封じた船員を熱演。今作のように船がらみでヤバいことになっていく『共謀者』も激エグかったわけですが、これもまた韓国映画万歳な、負の連鎖のとめどなさ炸裂!!おもしろかった!!
