テルミン
CINEMA

テルミン

監督:スティーヴン・M・マーティン
THEREMIN AN ELECTRONIC ODYSSEY [ 1993年 アメリカ ]
電子楽器テルミンとその発明家レフ・セルゲイヴィッチ・テルミンのドキュメンタリー・フィルム。独特の浮遊感と哀愁を感じさせるテルミンの持つ不思議な音色のように、テルミン博士自身の人生も謎と波瀾に満ちた97年間だった。年老いた博士が淡々と飾ることなく昔を語り、テルミンを実演し、愛する旧友と再会する姿は、この映画を観て彼の人生、生き様を知った後だけに、胸にくるものがあった。人生における劇的なダメージに屈せず97年生きたことは何より強いメッセージだったように思う。また最後まで博士を愛し、信じ続けたクララ・ロックモア。この女性も素晴らしい。

posted on 2002/04/07
STEREO FUTURE
CINEMA

STEREO FUTURE

監督:中野裕之
[ 2000年 日本 ]
映像に関しては中野監督の面目躍如といったところだけど、ストーリーはちっともピンと来るものがなかったな。永瀬正敏と桃生亜希子のカップルがラブラブだった頃のシーンを見てもそうだし、別れてからのその後で永瀬が三流役者として時代劇に出ようが、桃生が失語症になろうが、「それがどうした」としか思いようがない。人付き合いってこんなにドライなものなのか? どんなにキレイな女の人が出ていても、この映画に僕の居場所は見つかりませんでした。東京23区内に住めないわけだ。

posted on 2002/03/29
岸和田少年愚連隊 カオルちゃん最強伝説
CINEMA

岸和田少年愚連隊 カオルちゃん最強伝説

監督:宮坂武志
[ 2001年 日本 ]
もう誰もリキを止められない! 竹内力があのイカツイ身体と極悪モードの形相そのままに中学〜高校生を演じているのだ! ブツくさメンチを切りまくり、ほとんど何言ってるかわからないセリフまわしがまたスゴい・・・。そんなので恋とかしちゃってるし(その娘の親父を半殺しのボコボコに!)、コワすぎるよ! 加えて、なんだかんだとカラんできては雑魚にされる同級生が田口トモロヲって! とにかくムチャクチャなんだけど、この配役も含めて間違ってないんだな、これが。おもしろければOK納得ってことですね。強烈バカパク。

posted on 2002/03/16
夏至
CINEMA

夏至

監督:トラン・アン・ユン
A LA VERTICALE DE L’ETE [ 2000年 フランス・ベトナム ]
グッド・モーニング・ベトナム。グッド・モーニング・ヴェルヴェット・アンダーグラウンド。そして、真っ黒い髪の女性たちの美しさよ(ホレボレ)。目覚めにかける「ペイル・ブルー・アイズ」や「コニー・アイランド・ベイビー」が映えまくる素敵な朝のシーンが印象的なように、映画全体もこれらの曲が象徴してるような喜びと悲しみの情景深い愛のある生活が格別の映像で美しく描かれている。このロマンス描写と生活描写が本当に素晴らしい。最後のアラブ・ストラップ「ソープス」がまた秀逸。ほのかな瑞々しい気持ちとともに情熱が込み上げてくる。

posted on 2002/03/13
キス・オブ・ザ・ドラゴン
CINEMA

キス・オブ・ザ・ドラゴン

監督:クリス・ナオン
KISS OF THE DRAGON [ 2001年 アメリカ・フランス ]
チェッキー・カリョはやっぱり悪役なんだ。ブリジット・フォンダがちょっと懐かしいね。『シンプル・プラン』を観て以来だなぁ。ジェット・リーはほんま無敵やね。強すぎ。いまいちばん旬じゃない映画人、リュック・ベッソン製作・脚本ということで、マジメに観なかったらそれなりに楽しめました。

posted on 2002/03/12
小説家を見つけたら
CINEMA

小説家を見つけたら

監督:ガス・ヴァン・サント
FINDING FORRESTER [ 2000年 アメリカ ]
ガス・ヴァン・サントにとって『グッド・ウィル・ハンティング』再びといった趣の作品。すっかりメジャーに落ち着いちゃった感じがしますが、ストーリーテリングの巧さは相変わらず。ただあまりに『グッド・ウィル・ハンティング』しすぎな気もする。最後にわざわざマット・デイモン出てきちゃうし。悪くはないけど個人的にいろいろ難癖つけたくもなる映画。ショーン・コネリーがひたすら渋い。いくつになってもカッコよろしいです。

posted on 2002/03/10
あの頃ペニー・レインと
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あの頃ペニー・レインと

監督:キャメロン・クロウ
ALMOST FAMOUS [ 2000年 アメリカ ]
かつては僕もロック評論家に憧れたりしたものだけど、なれなくてよかったなぁとつくづく思う。第一あんな長文書けないし、知識偏重で音楽に接しても楽しいわけないし、独自のスタンスで勝手に音楽を好きでいるほうが絶対にいい。義務も義理もないけれど、好きだからこそ言いたいこともあるわけで、でもそれは少なくとも僕はこの自分のホームページでなんにも気にせず書くだけでいいし、そのほうが性に合ってる。仕事云々に拘らず、誰もが純粋な音楽ファンであればなと思う。この映画が気持ち良くてステキに思えるのは、主人公やペニーが純粋に音楽を感じるまま愛している姿を描いているからだ。サイモンとガーファンクル『ブックエンド』のLPをお姉さんが母親に取り上げられちゃうけど、あのLPは名作ですよ。中年ロック評論家がラジオ局で「イギー・ポップ最高!」って言ってたけど、あのときのイギー・アンド・ザ・ストゥージズ『ロー・パワー』は本当にカッコいいよね。

posted on 2002/03/03
ギター弾きの恋
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ギター弾きの恋

監督:ウディ・アレン
SWEET AND LOWDOWN [ 1999年 アメリカ ]
これもいい映画ですねぇ〜。そして切ないです。いきなり『アニー・ホール』のようなオープニングで驚きましたが、ドキュメンタリーのエッセンスを加えて、伝説の天才ギタリストの半生を描くというアレン流の手法はお見事です。ここまでロクデナシな男であっても、ギターを爪弾いて鳴らされたその音の説得力。天才であるが故の夢想家でありエゴイスト的な生き方であっても、根本としてある人間としての情や優しさを不器用に見せる姿にとても愛着を感じてしまう。ショーン・ペンの哀愁たっぷりの表情がまたいいんだなぁ。サマンサ・モートンも素晴らしかったおかげで、最後は本当に切ない。

posted on 2002/02/21
ジュエルに気をつけろ!
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ジュエルに気をつけろ!

監督:ハラルド・ズワルト
ONE NIGHT AT McCOOL’S [ 2001年 アメリカ ]
リヴ・タイラーがセクシーだなぁーっていう、それだけの映画。それ以上でも以下でもなく、ほんとにそれだけだけど、それだけで満足だったりして。とにかく彼女のサービスショット満載でセクシービーム出しまくりなのだ。こんなの男なら誰だってこの映画のマット・ディロンみたいに振りまわされたくもなるってなもんよ! ま、どう考えても現実にはあり得ないけどね。個人的には『クッキー・フォーチュン』のリヴの方が好きです。それにしてもマット・ディロンはすっかりヘタレな二枚目という役柄に落ち着いちゃって、合ってはいるんだけど、ちょっと残念な気も。『聖者の眠る街』の頃が懐かしい。

posted on 2002/02/19
花様年華
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花様年華

監督:ウォン・カーウァイ
花様年華 / IN THE MOOD FOR LOVE [ 2000年 フランス・香港 ]
1960年代香港。同じ日に引っ越してきた隣り同士の夫婦。男(トニー・レオン)の妻と女(マギー・チャン)の夫が不倫関係となり、後に残された男と女。被害者同士の倫理観、近所の世間体に抑えられながらも惹かれ合うふたり。やがて本気の恋愛感情が芽生えるも、距離を置き、すれ違い続ける切なさがたまらない。結ばれるも引き裂かれるも運命なのかもしれないが、ふたりがお互いを思う、その愛の姿は、ため息出るほど美しいと思った。

posted on 2002/02/15

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