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ザ・ロイヤル・テネンバウムズ

CINEMA

ザ・ロイヤル・テネンバウムズ

監督:ウェス・アンダーソン
THE ROYAL TENENBAUMS
2001年 アメリカ

コメディの要素がふんだんにあって笑えますが、ホームドラマとしての見応えがすごくあって、とても洗練された映画だと思いました。ファッションや音楽、インテリアなどの雰囲気作りも巧いです。少し寒かったのでたまたまアディダスのジャージ(水色)を上に着て行ったのですが、劇中ベン・スティラー&息子たちが着てるジャージにも注目。ほんと細かいところまで凝っていて飽きることなく楽しめました。ジーン・ハックマンの達者すぎる演技にも脱帽。可笑しくて哀しい、変で気持ち悪いクセ者だらけだけど、とても元気になれる素敵で大好きな映画です。

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ

CINEMA

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ

監督:ジョン・キャメロン・ミッチェル
HEDWIG AND THE ANGRY INCH
2001年 アメリカ

オカマちゃん映画として笑い飛ばして楽しめる一方、そのオカマちゃんによってデフォルメされた哀しきロックンロール・スイサイド・ストーリーに我々ロック愛好生活者は激しく共感してしまうという痛快作。元は監督・脚本・主演のジョン・キャメロン・ミッチェルによる舞台劇らしいが、ときおり挿入されるアニメーションもステキでした。

ルード・ボーイ

CINEMA

ルード・ボーイ

監督:ジャック・ハザン、デヴィッド・ミンゲイ
RUDE BOY
1980年 イギリス

パンクの思想を最もリアルに体現し続けたバンド、ザ・クラッシュのライブ・ドキュメントをふんだんに盛り込みつつ、ひとりのやり場のない若者を通して当時のイギリス社会の姿を映し出した映像は見応え十分。国も人々も経済もとにかく社会全体が行き詰まっていた状況下でのクラッシュの叫び。対訳つきで彼らのライブシーンを観ると、尚のこと気持ちが高ぶってしまうような感覚になってしまいます。

ムーラン・ルージュ

CINEMA

ムーラン・ルージュ

監督:バズ・ラーマン
MOULIN ROUGE!
2001年 アメリカ

観てる間は「わー」って感じで楽しめるけど、終わってから何も残らないという、今までのバズ・ラーマン作品と比べちゃうと薄味でありましたが、これはこれでいいのかも。新旧ロックの名曲がミュージカルメドレーのスコアにリアレンジされ、ハイテンションできらびやかな映像で駆け抜けるエンターテインメント。ユアンはいつもの調子だけど、ニコール・キッドマンは随分と芸達者なんですね。そういえば散々に酷評されたポール・バーホーベンの『ショーガール』を思い出したのですが、僕はあの映画、意外とよかったと思うんだけどな。

スリーパー

CINEMA

スリーパー

監督:ウディ・アレン
SLEEPER
1973年 アメリカ

ブリットポップ期に同名の人気バンドがいましたが、そのスリーパーってのはこの映画から取ったという話らしいですね。1973年に軽い胃潰瘍で入院したのに、そこから合併症を起こして意識不明になり冷凍保存された男が200年後の世界で解凍され甦るところから話が始まるズッコケギャグ満載のSFコメディ。安っぽすぎるんだけど、なんか斬新。おもしろいよ。

ソング・オブ・サマー

CINEMA

ソング・オブ・サマー

監督:ケン・ラッセル
SONG OF SUMMER
1968年 イギリス

作曲家フレデリック・ディーリアスの晩年を、付き添って彼の作曲を助けたフェンビーという青年を通して描いた物語。梅毒におかされ全身麻痺、失明という状態のディーリアスの描かれ方が実にケン・ラッセルらしいもので、やはり笑わずにはいられなかった。衰弱しきって使用人にかつがれて運ばれるときの生気のなさは危なすぎる。偏屈な性格に戸惑いながらも「ターターター♪」と口でいう音を書き拾い、最後まで献身的に尽くしたフェンビーとの関係は、普通の師弟関係、上下関係とは違う、妙な味わいがあって面白かった。人々を感動させるモノを創造する立派な芸術家はどこか狂っているものですね。若き日(といっても当時41歳)のケン・ラッセルがBBCのテレビ向けに作った作品。

ゴーストワールド

CINEMA

ゴーストワールド

監督:テリー・ツワイゴフ
GHOST WORLD
2001年 アメリカ

感性豊かな毒舌女子にとって痛すぎる映画であると同時に、男にとっても見透かされっぱなしの哀しい状況に笑いながら泣きたくなるような映画であった。クズと呼ばれても(思われても)笑うとして、とぼけた顔でがんばろうと思う。少なくとも僕はダメなままでは絶対いたくないと思っているわけで、ダメ人間賛歌に応じるつもりは無い。この映画のユーモアと、ソーラ・バーチ、スティーブ・ブシェミ、ふたりの演技は素晴らしく、シリアスな人間味がいっそう際立って見える。あきらめてはいるけれど、絶望してはいない。そんな姿や心の気持ちに揺さぶられた。

ロッカーズ

CINEMA

ロッカーズ

監督:セオドロス・バファルコス
ROCKERS
1978年 アメリカ

ジャマイカのルーツ・ロック・レゲエミュージシャンの物語。ドラマーでありながら低所得のため仲間たちからカンパを募ってバイクを購入し、レコードセールスの仕事を始めるが、ある日そのバイクが地元のマフィアに盗まれてしまう。一度は取り戻すも今度は連中にボコボコにされ、怒ったラスタマンはヤツらが持ってた数々の盗品を奪い返す復讐を仲間と企てるのだった・・・。とまあ浜村淳の解説のようにほぼオチまで書いてしまったけど、復讐劇(?)といっても劇中流れ続けるレゲエ音楽のおかげで緊張感はまるでなく、ストーリーよりジャマイカとレゲエの結びつき、人種の姿といったものに注目してしまう。

テルミン

CINEMA

テルミン

監督:スティーヴン・M・マーティン
THEREMIN AN ELECTRONIC ODYSSEY
1993年 アメリカ

電子楽器テルミンとその発明家レフ・セルゲイヴィッチ・テルミンのドキュメンタリー・フィルム。独特の浮遊感と哀愁を感じさせるテルミンの持つ不思議な音色のように、テルミン博士自身の人生も謎と波瀾に満ちた97年間だった。年老いた博士が淡々と飾ることなく昔を語り、テルミンを実演し、愛する旧友と再会する姿は、この映画を観て彼の人生、生き様を知った後だけに、胸にくるものがあった。人生における劇的なダメージに屈せず97年生きたことは何より強いメッセージだったように思う。また最後まで博士を愛し、信じ続けたクララ・ロックモア。この女性も素晴らしい。

岸和田少年愚連隊 カオルちゃん最強伝説

CINEMA

岸和田少年愚連隊 カオルちゃん最強伝説

監督:宮坂武志
2001年 日本

もう誰もリキを止められない! 竹内力があのイカツイ身体と極悪モードの形相そのままに中学〜高校生を演じているのだ! ブツくさメンチを切りまくり、ほとんど何言ってるかわからないセリフまわしがまたスゴい・・・。そんなので恋とかしちゃってるし(その娘の親父を半殺しのボコボコに!)、コワすぎるよ! 加えて、なんだかんだとカラんできては雑魚にされる同級生が田口トモロヲって! とにかくムチャクチャなんだけど、この配役も含めて間違ってないんだな、これが。おもしろければOK納得ってことですね。強烈バカパク。