ザ・ロイヤル・テネンバウムズ
CINEMA

ザ・ロイヤル・テネンバウムズ

監督:ウェス・アンダーソン
THE ROYAL TENENBAUMS [ 2001年 アメリカ ]
コメディの要素がふんだんにあって笑えますが、ホームドラマとしての見応えがすごくあって、とても洗練された映画だと思いました。ファッションや音楽、インテリアなどの雰囲気作りも巧いです。少し寒かったのでたまたまアディダスのジャージ(水色)を上に着て行ったのですが、劇中ベン・スティラー&息子たちが着てるジャージにも注目。ほんと細かいところまで凝っていて飽きることなく楽しめました。ジーン・ハックマンの達者すぎる演技にも脱帽。可笑しくて哀しい、変で気持ち悪いクセ者だらけだけど、とても元気になれる素敵で大好きな映画です。

posted on 2002/09/15
ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ
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ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ

監督:ジョン・キャメロン・ミッチェル
HEDWIG AND THE ANGRY INCH [ 2001年 アメリカ ]
オカマちゃん映画として笑い飛ばして楽しめる一方、そのオカマちゃんによってデフォルメされた哀しきロックンロール・スイサイド・ストーリーに我々ロック愛好生活者は激しく共感してしまうという痛快作。元は監督・脚本・主演のジョン・キャメロン・ミッチェルによる舞台劇らしいが、ときおり挿入されるアニメーションもステキでした。

posted on 2002/09/14
ルード・ボーイ
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ルード・ボーイ

監督:ジャック・ハザン、デヴィッド・ミンゲイ
RUDE BOY [ 1980年 イギリス ]
パンクの思想を最もリアルに体現し続けたバンド、ザ・クラッシュのライブ・ドキュメントをふんだんに盛り込みつつ、ひとりのやり場のない若者を通して当時のイギリス社会の姿を映し出した映像は見応え十分。国も人々も経済もとにかく社会全体が行き詰まっていた状況下でのクラッシュの叫び。対訳つきで彼らのライブシーンを観ると、尚のこと気持ちが高ぶってしまうような感覚になってしまいます。

posted on 2002/09/07
ムーラン・ルージュ
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ムーラン・ルージュ

監督:バズ・ラーマン
MOULIN ROUGE! [ 2001年 アメリカ ]
観てる間は「わー」って感じで楽しめるけど、終わってから何も残らないという、今までのバズ・ラーマン作品と比べちゃうと薄味でありましたが、これはこれでいいのかも。新旧ロックの名曲がミュージカルメドレーのスコアにリアレンジされ、ハイテンションできらびやかな映像で駆け抜けるエンターテインメント。ユアンはいつもの調子だけど、ニコール・キッドマンは随分と芸達者なんですね。そういえば散々に酷評されたポール・バーホーベンの『ショーガール』を思い出したのですが、僕はあの映画、意外とよかったと思うんだけどな。

posted on 2002/08/25
スリーパー
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スリーパー

監督:ウディ・アレン
SLEEPER [ 1973年 アメリカ ]
ブリットポップ期に同名の人気バンドがいましたが、そのスリーパーってのはこの映画から取ったという話らしいですね。1973年に軽い胃潰瘍で入院したのに、そこから合併症を起こして意識不明になり冷凍保存された男が200年後の世界で解凍され甦るところから話が始まるズッコケギャグ満載のSFコメディ。安っぽすぎるんだけど、なんか斬新。おもしろいよ。

posted on 2002/08/15
ソング・オブ・サマー
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ソング・オブ・サマー

監督:ケン・ラッセル
SONG OF SUMMER [ 1968年 イギリス ]
作曲家フレデリック・ディーリアスの晩年を、付き添って彼の作曲を助けたフェンビーという青年を通して描いた物語。梅毒におかされ全身麻痺、失明という状態のディーリアスの描かれ方が実にケン・ラッセルらしいもので、やはり笑わずにはいられなかった。衰弱しきって使用人にかつがれて運ばれるときの生気のなさは危なすぎる。偏屈な性格に戸惑いながらも「ターターター♪」と口でいう音を書き拾い、最後まで献身的に尽くしたフェンビーとの関係は、普通の師弟関係、上下関係とは違う、妙な味わいがあって面白かった。人々を感動させるモノを創造する立派な芸術家はどこか狂っているものですね。若き日(といっても当時41歳)のケン・ラッセルがBBCのテレビ向けに作った作品。

posted on 2002/07/23
ゴーストワールド
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ゴーストワールド

監督:テリー・ツワイゴフ
GHOST WORLD [ 2001年 アメリカ ]
感性豊かな毒舌女子にとって痛すぎる映画であると同時に、男にとっても見透かされっぱなしの哀しい状況に笑いながら泣きたくなるような映画であった。クズと呼ばれても(思われても)笑うとして、とぼけた顔でがんばろうと思う。少なくとも僕はダメなままでは絶対いたくないと思っているわけで、ダメ人間賛歌に応じるつもりは無い。この映画のユーモアと、ソーラ・バーチ、スティーブ・ブシェミ、ふたりの演技は素晴らしく、シリアスな人間味がいっそう際立って見える。あきらめてはいるけれど、絶望してはいない。そんな姿や心の気持ちに揺さぶられた。

posted on 2002/06/12
アザーズ
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アザーズ

監督:アレハンドロ・アメナバール
THE OTHERS [ 2001年 アメリカ・フランス・スペイン ]
映画館の前で30分待ち、席についてから本編が始まるまでまた30分待ってたら頭が痛くなってしまった。映画もたいしておもしろくなかったし、消耗しただけだったかも。やっぱメジャーになっちゃうとオドカシとかも並のレベルでさっくり仕上がってしまうのかね。『テシス・次に私が殺される(殺人論文)』のギラギラしたテンションと生々しい緊張感を思えば、全然手応えなかったです。結局、『殺人論文』がこの監督にとってワン・アンド・オンリーな傑作になってしまうのかなぁ。トム・クルーズの誘いは断って、ペドロ・アルモドバルのようにスペインに残って活動を続けて欲しいと思う。オフィシャルサイトのゲームは結構凝ってて、楽しめました。

posted on 2002/05/12
パーフェクト・ストーム
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パーフェクト・ストーム

監督:ウォルフガング・ペーターゼン
THE PERFECT STORM [ 2000年 アメリカ ]
『Uボート』や『ザ・シークレット・サービス』、『アウトブレイク』といったシリアス・アクションの秀作を撮ってきたペーターゼン監督にしては、これは駄作だったように思う。スーパーハリケーン暴風雨でめちゃめちゃ大シケの海の中に漁をしに航海に出るって、いくら実話でも「あかんやろ」とツッ込むしかない。漁師たちよりも、大嵐の中、人命救助をしに飛行機やヘリを飛ばして、さらに海中にまで飛び込んでしまう軍隊の人たちの命知らずな懸命の救助活動のほうが「おいおい、すげーな」と思いながら興味深かっただけに、そっちにもっと焦点を当てたほうがよかったのでは?とも思った。

posted on 2002/05/05
ロッカーズ
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ロッカーズ

監督:セオドロス・バファルコス
ROCKERS [ 1978年 アメリカ ]
ジャマイカのルーツ・ロック・レゲエミュージシャンの物語。ドラマーでありながら低所得のため仲間たちからカンパを募ってバイクを購入し、レコードセールスの仕事を始めるが、ある日そのバイクが地元のマフィアに盗まれてしまう。一度は取り戻すも今度は連中にボコボコにされ、怒ったラスタマンはヤツらが持ってた数々の盗品を奪い返す復讐を仲間と企てるのだった・・・。とまあ浜村淳の解説のようにほぼオチまで書いてしまったけど、復讐劇(?)といっても劇中流れ続けるレゲエ音楽のおかげで緊張感はまるでなく、ストーリーよりジャマイカとレゲエの結びつき、人種の姿といったものに注目してしまう。

posted on 2002/04/24

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