

FROM HERE TO ETERNITY LIVE / THE CLASH
最高! 最っ高!! パンクの思想を最期まで実践し続けた唯一のバンド、時代の先を行き過ぎていた音楽性、ボビー・ギレスピーのカリスマ云々・・・とにかくそんなゴタクは後回しでいい。クラッシュはカッコいい! むちゃくちゃカッコいい!! それが再確認できる絶好のライブ盤。


奇人たちの晩餐会
LE DINER DE CONS
監督:フランシス・ヴェベール
1998年 フランス
バカ映画のセンスに関して、フランスはかなり突き抜けたものがあると思う。狙っているのだろうけど、キャラがリアルすぎて戦慄的ナンセンス・ギャグの応酬がたまらない。大ヒットを記録し、セザール賞も受賞。さすがはエスプリの国である。あー、おもしろかった。

LIVE JAPAN Vol.7 2001.02.07. 新宿リキッドルーム
出演:GREAT3、SUGIURUMN、NORTHERN BRIGHT
ノーザン・ブライト、真城めぐみのカラオケで盛り上がったスギウラムに続き、4日のときとはセットを入れ替え、この日のGREAT3も申し分ないカッコ良さだった。主催者ロッキング・オンJAPAN編集長、鹿野淳が「この日はLOVE NIGHTにしたい」という意向だったためかわからないけど、アンコールの「SOUL GLOW」はまさにこの日を象徴する彼らからの愛のプレゼントだったと思う。「誰ひとりとしてわかりあえない冷酷かつ無情な世界、それでも愛だけは悪戦苦闘しても忘れたくない、疑いたくもない・・・」 歌詞が非常に身にしみた素晴らしいライブが終わり、ひとり家路に着くのであった。
GREAT3 set list
1.OPEN MY EYES 2.マイ・ウェイ 3.BEE 4.QUINCY 5.影 6.R.I.P 7.METAL LUNCH BOX 8.エデン特急
encore
9.SOUL GLOW


マグノリア
MAGNOLIA
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
1999年 アメリカ
みなさん、もう観てると思うけど、これは凄い映画ですよ。オチはどうでもいい。あれは、アルトマンが『ショート・カッツ』で地震を起こしたのと、ある意味同じようなものだ。やってることは相当に頭おかしいが・・・(う〜ん、ブリリアント!)、でも、本当にすごいのは3時間衰えないグイグイ観る者を画面に釘付けにして離さないテンションであり、映画そのものだ。不安であり、恐怖であり、謎であり、愛であり、怒りであり・・・とにかく全編ふっと気を抜かせてはシリアスに緊張感が高まっていく。描かれているのは悲劇まじりのリアルな日常。登場人物が微妙に重なりあっていく巧妙な構成。長まわしショットの多用。エイミー・マン(懐かしい!)の歌声が流れ出すオープニング・シーンから「とんでもない映画だ!」と、ビシビシ興奮を感じさせる。劇場で観なかった自分を本気で呪いたく思うほどの★★★★★作品だった。


STYLE 2001 Vol.18 2001.02.04. 渋谷クラブクアトロ
出演:THE SEA AND CAKE、GREAT3
レコードの音を再現するのはもちろん、さらにナマとして観る者を圧倒するライブ空間という別世界を演出するにふさわしい両者による、素晴らしい演奏だった。GREAT3は新作のミックスがジョン・マッケンタイアということで、モロにシー・アンド・ケイクな新曲を披露したあと、大盛り上がりの『ロマンス』大会! 昨年、病欠だったベースの高桑さんは酒飲んで来てたけど、まったく問題なし。片寄さんの額がどんなに広がろうが、まったく関係なし。バンドの熱量にひたすら感動しっぱなし。グレイト!! 後半登場のシー・アンド・ケークはレコード同様ソフトな感触ではあれど、凄まじいテンションが充満したとにかく強烈なものだった。ヴィンテージ・シンセのどうにも気持ち良い温かみとジョン・マッケンタイアの流麗で圧巻な悶え身のドラミングはライブでなければ絶対に味わえない。誰かしら日本に来てるようでいて、シー・アンド・ケークとして実は5年ぶりの貴重な来日公演。今回観れて本当に幸せだったと思う。
GREAT3 set list
1.OH BABY 2.BEE 3.SUNDOWNER 4.玉突き 5.バナナ 6.影 7.R.I.P 8.エデン特急 9.マイ・ウェイ 10.OPEN MY EYES


醜聞(スキャンダル)
監督:黒澤明
1950年 日本
なんか黒澤明っていうだけで身構えてしまいがちだけど、そんな力む必要のない普通に観て楽しめるエンタテインメント作品が実に多い。それは代名詞的存在の『七人の侍』や『用心棒』のような時代劇に限らず、現代劇においても素晴らしいユーモアに満ちている。今作は有名人カップルのでっちあげ記事に対する裁判劇として話は展開するのだが、半世紀が経ったいまでも、かなりおもしろく観ることができる。志村喬のダメ弁護士ぶりがいいです。弁護士事務所が4階建てビルの屋上(名刺では5階と表記している)だなんて、『マルコヴィッチの穴』だよな〜と思ったりもして。


TEENAGE FANCLUB 2001.01.30. 渋谷クラブクアトロ
感無量でございます。えがった! いいライブでした。昨年のサマーソニックのときのような緊張感は皆無でしたが、3人のヴォーカル&コーラス・ワークがある限り、このバンドは永遠にティーンエイジ。やっぱ楽曲の良さは絶大でしたね。ノーマンの絶えない笑顔をみながらほのぼのとステージは進んでいきましたが、気が付けばステージ前方でこぶしを振り上げて熱狂の輪に加わっていました。「THE CONCEPT」が聴けて、本当に幸せ・・・。嬉しすぎるアンコール、最高に幸せ・・・。ライブ後、予定外ながらノーマン、レイモンド、ジェラルドの3人に加え、ドラムのフランシス(元メンバー)とキーボードのクリス(ベルセバ)という来日メンバー全員からサインを貰う。嬉し恥ずかしのサンキュー・ベリー・マッチ!
1.NEAR YOU 2.I CAN'T FIND MY WAY HOME 3.START AGAIN 4.DON'T LOOK BACK 5.YOUR LOVE IS THE PLACE WHERE I COME FROM 6.I DON'T WANT CONTROL OF YOU 7.I NEED DIRECTION 8.ACCIDENTAL LIFE 9.VERISIMILITUDE 10.EVERY PICTURE I PAINT 11.MELLOW DOUBT 12.CUL DE SAC 13.THE CABBAGE 14.AIN'T THAT ENOUGH 15.MY UPTIGHT LIFE 16.SPARKY'S DREAM 17.THE CONCEPT〜SATAN
encore
18.GOD KNOWS IT'S TRUE 19.SPEED OF LIGHT 20.ABOUT YOU 21.ALCOHOLIDAY 22.RADIO


ロスエンジェルス / ザ・ブリリアントグリーン
今年、民生とともに何度となく聴いているブリリアントグリーン通算3枚目の最新作。歌詞がすべて日本語詞となり、UKロック直系のハモンドを巧く効かせたギター・バンド・サウンドと日本人好みな甘くポップなメロディは、さらに深みと強度を増している。普遍的なロックのツボを押さえた曲のよさが今作も際立っていて、とても好きです。歌が多少下手だろうが、川瀬智子の声には独特の存在感があって、これもまた魅力的です。日本のポップシーンの代表格にまで成長したことをさらに決定付ける一枚。


ギャラクシー・クエスト
GALAXIE QUEST
監督:ディーン・パリソット
2000年 アメリカ
「スタートレック」のパロディを下敷きにしながら、話は妙な方向へでっかく展開。旬を過ぎた営業で食いつないでいる元ギャラクシー・クエストの役者たちが、いま一度、一致団結し、捨て身の大冒険を決行する。「NEVER GIVE UP ! NEVER SURRENDER !」という決めゼリフは、あまりに陳腐すぎて失笑されるのが普通だろうけど、これが劇中で猛烈な感動を呼びおこす。本気で戦っている人は、本気で楽しませて感動させてくれる。思いっきり笑ったり泣いたりしたい僕たちにとって、シガニー・ウィーバーのお色気も許せてしまうかけがえのない一本。


ロザリー・ゴーズ・ショッピング
ROSALIE GOES SHOPPING
監督:パーシー・アドロン
1989年 西ドイツ
あまりにも有名すぎる『バグダッド・カフェ』に比べると、こちらの方がカルト映画と呼ぶにはふさわしいように思えるパーシー・アドロン監督作品。アーカンソーの田舎で暮らすドイツ系子沢山変わり者一家の妻ロザリーを同じく『バグダッド・カフェ』のマリアンネ・ゼーゲブレヒトが演じている。一家のやりくりのため、ロザリーは犯罪的なまでにお金に執着。自ら犯した罪や悪事を全部カソリック神父に懺悔しつつも、クレジットカードや小切手に細工を加え、ドイツから旅行で来た両親の帰りの航空券をだまって売却し、しまいにはコンピューター・ハッキングを堂々かまして一財を築いてしまう。まさにカルトなヘンチクリンな映画。
