UA [ 2002.12.02. 赤坂ブリッツ ]
最新作『泥棒』に伴う形での今回のツアー。バイオリンやチェロを擁し、凛とした佇まいが際立っていたため、スタンディングで観るライブとしては多少腰が痛くなってしまったけど、ステージが神がかって見える瞬間は何度かあって、特に「ドア」と最後にやった「閃光」では驚異的なテンションを感じさせる鳥肌立ちまくりのパフォーマンスでした。アンコールで歌ってくれた「ミルクティ」は純粋に嬉しかったです。
1.泥棒 2.TORO 3.夜の風 4.数え足りない夜の足音 5.男と女 6.記憶喪失 7.青い鳥はいつも不満気 8.瞬間 9.空耳ばかり 10.青空 11.スカートの砂 12.ブエノスアイレス 13.ドア 14.世界
encore
15.ミルクティー 16.彼方 17.閃光
ビフォア・ザ・レイン
監督:ミルチョ・マンチェフスキー
BEFORE THE RAIN [ 1994年 イギリス・フランス・マケドニア ]
バルカン半島、マケドニアに根深く残るアルバニア人との民族対立。ドキュメント出身のマケドニア人監督によるこの長編第一作は様々な賞を獲得し傑作と評された。三部構成のオムニバスでありながら時間がひとつに結ばれる映画的手法も魅力的だが、それ以上に妥協のない物語を描き出す映像のインパクトに圧倒される。マケドニアの田舎の風景に時代を感じつつも、劇中流れるビースティ・ボーイズの「SO WHAT’CHA WANT」に映画の現実が決して古い話ではないことを印象付けられた。
一期一会 Sweets for my SPITZ
企画物カバーコンピって、その全部がいいとは限らないので、カバーされたアーティストそのもののアルバムと比べてあまりそそられたりすることはないのですが、今回のスピッツは奥田民生の「うめぼし」があまりに素晴らしかったので、ついに購入してしまいました。また民生ですか、と冷たくされそうですが、オリジナルを凌駕してるのはこの一曲しかないと思うわけであります。その他はどうにも草野正宗のメロディを歌っている限り、カラオケ感覚で耳に馴染んでしまうけど、民生の歌唱だけは特別な凄みがまじまじと伝わってくるんだよなぁ。
パリの確率
監督:セドリック・クラピッシュ
PEUT-ÊTRE [ 1999年 フランス ]
とあるカップルの子供を作ることに積極的になれない男子が、SFコスプレ年越しパーティーの最中タイムスリップして、未来の自分の息子から「自分を作ってくれ」と数々の作戦で説得されるという物語。その息子をすっかり年老いた姿のジャン・ポール・ベルモンドが演じているという素敵なキャスティングに拍手! ガールフレンドの部屋に『気狂いピエロ』のポスターが貼ってあったのも可笑しい。フランス的なちょっとヘンなノリと発想がとても楽しい映画でした。監督は『猫が行方不明』とかも撮ってるおっちゃんです。
PRINCE [ 2002.11.18. 日本武道館 ]
モーレツに素晴らしすぎるエンターテインメント・パフォーマンスでした! ジャジーでファンク色の強かった最新作『RAINBOW CHILDREN』で魅せた高級感を維持しつつも、超絶テクニシャンを従えた最強のバンドで、終始ノリノリだったプリンス本人のテンションの高さに煽られて、会場全体一丸となって血湧き肉踊れとやんややんやの大騒ぎ。早々と「POP LIFE」が炸裂し、狂熱に取り憑かれるや否や、眩しすぎるシンボルギターが登場しての「PURPLE RAIN」大合唱に激しく感動。ダンス大会やピアノソロも披露され、何度となく発せられる殿下の「トキオー!」にいちいち湧いてしまうすべてが楽しい。あぁ幸せ。
0.PRINCE DRUM SOLO 1.RAINBOW CHILDREN 2.POP LIFE 3.XENOPHOBIA 4.PURPLE RAIN 5.THE WORK PT.1 6.MELLOW 7.1+1+1 IS 3 (HOUSEQUAKE 〜 LOVE ROLLERCOASTER) 8.THE QUESTION OF U 9.STRANGE RELATIONSHIP 10.PASS THE PEAS 11.THE RIDE 12.SIGN 'O' THE TIMES 13.TAKE ME WITH U 14.RASPBERRY BERET 15.THE EVERLASTING NOW
encore1
16.CONDITION OF THE HEART 〜 THE MOST BEAUTIFUL GIRL IN THE WORLD 〜 DIAMONDS AND PEARLS(Prince Piano Solo) 17.ADORE 18.THE BEAUTIFUL ONES 19.NOTHING COMPARES 2 U 20.THE LADDER 21.STARFISH AND COFFEE 22.SOMETIMES IT SNOWS IN APRIL
encore2
23.DAYS OF WILD
PAUL McCARTNEY [ 2002.11.13. 東京ドーム ]
こんなに感動するなんて!というのが正直な感想です。もう、本当に良かった。ギャンブルに匹敵する高額なチケット代も100%救われた。オープニングショーを務めたダンサー達がすーっと引いて、スクリーンにカール・ヘフナーのバイオリンベースを掲げて立つポールのシルエットが映った瞬間から「ハロー・グッバイ」へ突入する喜びの凄まじさ。その後、幾度となく押し寄せるクライマックスの数々はセットリストを見ての通りであります。MC同時通訳字幕チームも手伝って親密に歌を演奏する姿も印象的で、特にジョージを追悼したウクレレを持っての「サムシング」は本気で涙が出ましたね。初来日時(1990年)のワールドツアーを収録したライブアルバムを高校時代に繰り返し聴いたものですが、遠く見つめるステージから連発される名曲に涙腺がこうも緩んでしまうのは、ド真ん中を打ち抜く超越的なメロディと自分自身に内在した思いが凄く強く残っているということなのだろうなぁ。とにかくいたく感動したわけで、ありがとうございましたとお礼を言わせていただきます。
HAVE YOU FED THE FISH? / BADLY DRAWN BOY
アメリカで製作された『ABOUT A BOY』のサントラの流れを加速させて、早々と新作を作り上げてしまったデーモンさん。恋を見ていた少年の心そのままに、洗練されて男になった雰囲気が漂う好盤。何とも優しい素敵な歌声の聖なる酔っ払いの生きた伝説は、まだまだ快進撃を続けそうな勢いだ。
三日月ロック / スピッツ
夏には2枚のシングルがトップ10以内に同時にチャート・インを果たし、このアルバム最新作では堂々の1位獲得を達成したスピッツ。先日から始まったツアーでは中規模ホールでまわっているおかげで、全くチケットが取れそうにないのが大問題だ。潔く武道館とかやってくれたらいいのに。それにしても前作『隼』を相当好き好んで聴き込んだにも拘らず、この新作もさらに納得のどこを取ってもスピッツとしか言いようのない見事なアルバムだ。これだけ曲が良ければ、シングルいくつでも切れるよなぁ。日本語とカタカナレベルの横文字しか使ってない歌詞にとても魅力を感じます。
NICK LOWE [ 2002.11.08. 渋谷クラブクアトロ ]
昨年予定されていた来日公演ではツアーバンドのドラマーがヴァン・モリソンのツアーに駆り出された都合で中止になっちゃったみたいだが、今回は完全ひとりぼっちの弾き語りライブ。開演前に細野晴臣とピーター・バラカンに遭遇してしまいましたが、ほぼ満員に会場を埋めたほとんどがそんな世代だったわけで(しかも圧倒的に男)、パブロックの空気は多分にあったと思われます。アコースティックギター一本のみというパフォーマンスでしたが、これがさすがとしか言いようのない職人的実力十分の巧さと美しさで、元ベーシストの片鱗もうかがわせる見事なプレイでした。懐かしの曲も披露してくれたけど、その辺はいまの激渋の味わいに加えてバンドで観てみたかったという思いが正直なところなので、次は是非バンドで来て欲しいものです。ほんとにこの人は並外れたポップ職人ですからね。愛と平和と相互理解の何が悪い? WHAT’S SO FUNNY ‘BOUT PEACE, LOVE AND UNDERSTANDING?というセリフって最高にカッコイイよなぁ。
サウスパーク 無修正映画版
監督:トレイ・パーカー
SOUTH PARK BIGGER,LONGER & UNCUT [ 1999年 アメリカ ]
ビデオを借りたタイミングでTVブロスがサウスパーク特集をやっていたので、読むといろいろ詳しくなったのだけど、WOWOWで放送の日本語吹き替え版では田口トモロヲが声優やってるみたい。「プロジェクトX」然り、すっかり声も有名になっちゃいましたね。で、映画ですが、評判通り面白かったです。躊躇いや迷いといった思考を取っ払った、何もかも言いっぱなしのセリフ、やり捨てのアクションがギャグとしてサイコー!