DAYBREAKER / BETH ORTON
ベン・ワットが絡んでいるせいか、トレイシー・ソーンを引き合いに出されがちな彼女ですが、なんとなくスザンヌ・ヴェガに近いようなものを感じる。アコースティックを基礎としながら、多才なゲストたちを交えてのコラボーレートを堂々としてしまう彼女の魅力が、この新作からもうかがえる。ぱっと聴き普通過ぎるようにも思えるけど、聴き進むうちに和んでしまいます。巧みな楽曲プロデュースが適度な具合に冴えてますね。
スリーパー
監督:ウディ・アレン
SLEEPER [ 1973年 アメリカ ]
ブリットポップ期に同名の人気バンドがいましたが、そのスリーパーってのはこの映画から取ったという話らしいですね。1973年に軽い胃潰瘍で入院したのに、そこから合併症を起こして意識不明になり冷凍保存された男が200年後の世界で解凍され甦るところから話が始まるズッコケギャグ満載のSFコメディ。安っぽすぎるんだけど、なんか斬新。おもしろいよ。
KEV HOPPER / MORNING STAR [ 2002.08.10. 下北沢La Cana ]
殺人的な猛暑となったこの週末、下北の街を散歩する気にもなれず夕暮れ電車でギリギリ間に合ったこの日のライブ。地下にたたずむこぢんまりとした素敵な場所で、2人のほんわかと和やかな演奏を楽しんできました。モーニング・スターはムーン・フラワーズのボーカル&ギターのジェシによるひとりユニット。アコースティック・ギターで弾き語りながらカシオトーンのチープな打ち込みを交えたりと小さく盛り上げるナイスガイ。かなりラーメンが食べたそうな見事なまでの小池さんルックでした。その後に登場したケヴ・ホッパーはミュージカル・ソウ(のこぎり)を奏でるおじさん。最初の20分はどういうわけかPOWER BOOKで音出して遊んでるだけでかなり眠たくさせられたけど、残りはのこぎり弾きまくりで気持ち良かった! あのテルミンのような不思議な音色をのこぎりの反り具合で音階を合わせながら弓で弾くという、かなりいいもの観れました。アンコールで「ムーンリバー」を照れながら弾く姿もよかったです。ケヴ・ホッパーさん、東京は初めてだったそうですよ。
RICKETS & SCURVY / DAVID GRUBBS
長年、音の鍛錬を続けてきた人だからこそ、今回の歌モノ作品は説得力があって何より聴きやすいから好きだ。音数少なくベースレスで35分という潔さ。うまいことやるなぁ。ジョン・マッケンタイアのドラムに加え、マトモスとのコラボレートも興味深いが、シンプルなうたに素直に聞き入ってしまうデビッド・グラブスの歌声も魅力的だ。深夜に聴くのが好きです。
FUJI ROCK FESTIVAL ’02(第2日&第3日) [ 2002.07.27-28. 苗場スキー場 ]
昨年度の野宿して朝帰りという強行スケジュールの失敗を反省し、今年は民宿を予約して行ったため格段に気持ちの余裕が増しすぎてダラけまくったフジロック。だからこそ楽しかったんだということを強調したいけど、振り返ってみてほとんどまともにライブ観てなかったことに気付いて苦笑いしたりなんかして。まあでもフジロックとはそんなものだということが今回の二日間でよくわかったわけだし、特別ライブばかり観てなくても十分なほど「僕ら半分夢の中」なロングシーズン状態で開き直れる空間なんですよね。
■7月27日 土曜日
★渋さ知らズオーケストラ – green stage
越後湯沢駅近所の民宿に荷物を置いて、既に長蛇の列となっているシャトルバス待ちに耐え、会場に到着したのはお昼の12時をまわったあたり。携帯電話は今年も機能しないことを確認。事前に待ち合わせを決めておくべきでした。会えなかったみなさんごめんなさい。ひとまずタイカレーで腹ごしらえをしてグリーンステージ方面へ。ちなみに渋さはシャトルバスから一瞬だけグリーンステージが見えたときに50人くらいステージに人がいるのが点で見えただけです。悪しからず。
★LOVE PSYCHEDELICO – green stage
アルバムが出たときに渋谷でかかりまくっていた知っている曲などが演奏されていました。日本語と英語混じりの歌詞と覚えやすいメロディという、何度聴いてもサザンオールスターズみたいと思わずにはいられません。桑田佳祐が歌ってても何の違和感もないような。3曲くらい聴いて、奥地へ移動。
★The Skatalites – field of heaven
この日のお目当てのひとつ。いわゆるジャマイカのスカの元祖というべき存在でその大昔には若き日のボブ・マーリィとのレコードも残されているスカタライツのみなさん。60年代に活動してた人たちということで、フジの暑さに今日のステージで死んでもおかしくない高齢者なので、今回観ることができて本当に良かった! それでも既に何名かは他界しているので、かつての楽団のような大人数と比べると再結成後のスカタライツは随分人数が少なかったです。ただそれでも演奏は驚くべき肺活量で楽しい音楽を美しい音色で響かせていました。元気に弾けてる姿もステキでしたよ。
☆Jude – white stage
しばらくアバロン・フィールド近くの木陰で休んだ後、通りすがりと隣りの小川で手を冷やしたりしてたときに聞こえてただけですが、「ガソリンの揺れ方」がちょっと懐かしかったです。ここ最近、いろんな名前で活動してきたベンジーですが、単に飽きっぽいだけなのか、バンドがビッグな存在になるのを避けてるのか、しっくりくるスタイルが見つからないのか、ブランキー解散以降、ライブは相変わらず好きみたいだけど、活動形態が落ち着かないのが少し気になります。
★井上陽水 – green stage
屋台エリアで休んでいたら「傘がない」が聞こえてきてグリーンへ。しばし初めて耳にする陽水さんの生の歌声に聞き入っていたら「リバーサイドホテル」のイントロが! やはりこの手の大御所はフェスティバルに映える存在感がありますね。中学の頃、当時そこまで好きではなかったけど、陽水さんのベスト盤を買って聴いてたことを思い出してしまいました。予定があって途中で移動しちゃったので、また機会があればじっくり観てみたい。「氷の世界」もやってたのかぁー。
★The White Stripes – red marquee
話題の姉弟ふたりバンド。勢いを感じさせつつも表現の限界も同時に感じられ、数曲で退場してしまった。ブルースロックにしては佇まいはとってもクールでした。
★Pet Shop Boys – green stage
文句無く最高だったのが、このペットショップボーイズ。ロックバンド形態だったためエレポップにかかわらずライブサウンドが重厚なつくりで夜のロックフェスにもってこいの雰囲気を生み出してくれた。知らず知らず耳にしていたヒットソングのオンパレードで僕もまわりもノリノリの大騒ぎ! 絶頂でひとつになった今年のフジロックのベストアクト。ダンシンデスコ! 楽しかった!
☆Sonic Youth – white stage
この日の最後は満を持してのソニックユース。ジム・オルーク加入後に観るのは初めてだったし、最新作が良かっただけに楽しみにしていた今回のライブですが、これほどまともなのも珍しいと思うくらいロックでソニックユースでした。やはりソニックスがソニックスそのものをやると最強にカッコいいということが改めてわかりましたね。キム・ゴードンがミニスカで跳ぶは回るは気合入ってたのには驚き。ジムはナルシスト全開で派手にロックスターみたくギター&ベースを弾きまくってたけど、さすがに上手いと思った。全員が大ベテランのテクニシャンだから横道にそれがちなんだろうけど、この日のステージは本当にまっすぐで素晴らしかったです。
無事に観たかったライブを消化して終了した土曜日のプログラム。しかし、このあとの湯沢駅へのバスで立たされるという酷い仕打ちはこの疲れた身体には辛すぎた。30分強の大試練。天国と地獄の分かれ目で運悪く地獄を強制されたことを思えば、来年は少なくとも苗場近郊で宿を確保したいと願わずにはいられない。フロに入り、宿の布団で寝れる幸せを感じつつ消灯。
■7月28日 日曜日
不思議と早起きしちゃって、体力もほぼ回復。足の裏の樹液シートのベタベタ樹液を落として、いざ出発。バスの待ちも少なくてよかったけど、椅子には座れず連敗。つらいのがわかっているだけに、堂々と床に座る。会場に運ばれて電話を試すもこの日もダメみたい。タイラーメンを食って、フィールド・オブ・ヘブンへ向かう。
★Polaris – field of heaven
開演前に本人たちの演奏が始まって一曲終わるなり「リハでしたー」と一言。その後の本番ではダビーな残響を効かせつつ、苗場の青空の下、とても気持ち良く聴くことができました。ライブだと曲が余計にかなり長くなってしまうのが、ちょっと気になるところ。
★The Sonic Youth Experimental Noise Improvisational – field of heaven
森林の中で休憩中に音だけ聴くというか、聞こえた。昨夜の本気のがんばりもこの日の余興があるためか? まともに聴いてもしょうがないようなノイズ、雑音ですよ。わけわかんねぇ。こういうのも本当に好きなんだろうけど、見せるようなものじゃないと思うんだけど。
★元ちとせ – field of heaven
同じく森林の中で休憩中に音だけ聞こえた。彼女は観に行ってもよかったと思うんだけど、なんとなく動くのがイヤでゴメンナサイ。シュガーキューブスの「BIRTHDAY」やってましたよ。懐かしいですね。そういえばシュガーキューブスのアイナーって、いまどうしてるのでしょう?
★ザ・ハイロウズ – green stage
ヒロト見たさにちょっとだけハイロウズへ。「相談天国」「ミサイルマン」と懐かしの曲に喜ぶ。ズボン下ろしてたけど、遠すぎてよく見えなかった。終了後は屋台エリアの苗場食堂の裏側の木陰で3時間ばかしダラダラ過ごす。ビールにフローズンカクテル、サワーなどでノドを潤し、野菜カレーや焼き鳥、カラアゲなどで腹を満たす小宴会。
★Doves – red marquee
ベースキャンプを利用させてもらうつもりだったのに連絡が取れないままだった某氏から電話が入り、氏との昨年サマーソニック以来の再会を果たす。出会い頭、氏のVサインにちょっと動揺するも、なんとかその他の仲間のみなさんともごあいさつ&記念撮影。で、ダヴズですが、異様なほどお客さんが盛りあがっていてビックリ。セカンドアルバムを全く聴いてないので、ファーストの曲には僕も大喜び! やっぱファーストの方が渋くて好きだな。年の割にはみんな元気でした。最後のダサめなデスコチューンもよかったです。さすが元SUB SUBのおマンチェ組!
★Jane’s Addiction – green stage
ついに初来日を果たしたジェーンズ・アディクション。登場するなり宝塚チックなハデハデ衣装でワインをラッパ飲みして妖しい笑顔をふりまくペリー・ファレルのショーマンとしての姿勢はスバラシイ! これが見れただけで満足です。
★Red Hot Chili Peppers – green stage
記念すべき大嵐に破壊された第一回フジロック大会のリベンジマッチという今回の大トリ。雲のような霧のようなものが立ちこめる危うい雰囲気ではあったけれど、最後まで天気が崩れること無く、見事にそのステージを務め上げたレッチリ選手。風が出てたため多少音が流されたりもしたけど、パフォーマンスとかも関係無く、その立ち姿に感動してしまっていたような、小さく寄り集まってお互い顔を見合わせて演奏しているシーンが本当に素敵だったけど、このバンドの結束こそレッチリのすべてなわけで、観ていて本当に幸福感が伝わってきましたよ。ジョージ・クリントンの嬉しすぎる乱入もあって、最後の「Freaky Styley」〜「Give It Away」は会場中が空前の盛りあがりに! アンコールでの「Under The Bridge」ではジョンがステージ脇に腰掛けてギターイントロをスポットライトを浴びながら弾いたのがとても印象的でした。最後は「Me & My Friends」で派手派手しくステージを去る。否が応にも感動してしまって、ロックな生き様を見せつけてくれた本当に素晴らしいライブでした。
そんなわけで全日程が終了。帰りのバスはなんとか座れて、スッキリした気持ちで苗場を去ることができました。天気も良かったし、楽しい楽しいフジロックでした。みなさん本当にどうもありがとう。チケット代が下がることを期待しつつ、また来年も狙ってみます。
1.傘がない 2.夕立 3.アジアの純真 4.コーヒールンバ 5.リバーサイドホテル 6.嘘つきダイヤモンド 7.飾りじゃないのよ涙は 8.少年時代 9.My House 10.氷の世界 11.最後のニュース
Pet Shop Boys set list
1.HOME AND DRY 2.BEING BORING 3.LOVE COMES QUICKLY 4.I GET ALONG 5.DRUNK 6.DOMINO DANCING 7.NEW YORK CITY BOY 8.ALWAYS ON MY MIND 9.SEXY NORTHERNER 10.WHERE THE STREETS HAVE NO NAME (I CAN'T TAKE MY EYES OFF YOU) 11.BIRTHDAY BOY 12.WEST END GIRLS 13.LOVE IS A CATASTROPHE 14.GO WEST
encore
15.LEFT TO MY OWN DEVICES 16.IT'S A SIN
Sonic Youth set list
1.COTTON CROWN 2.BULL IN THE HEATHER 3.THE EMPTY PAGE 4.RAIN ON TIN 5.ERIC'S TRIP 6.PLASTIC SUN 7.RADICAL ADULTS LICK GODHEAD STYLE 8.KISSABILITY 9.DRUNKEN BUTTERFLY 10.KAREN REVISITED 11.SYMPATHY FOR THE STRAWBERRY 12.CANDLE 13.KOOL THING
encore
14.DISCONNECTION NOTICE 15.SILVER ROCKET
Polaris set list
0.瞬間 1.Slow Motion 2.星と願うなら 3.4:30am 4.光と影
Doves set list
1.POUNDING 2.THERE GOES THE FEAR 3.SEA SONG 4.WORDS 5.N.Y. 6.SATELLITES 7.CATCH THE SUN 8.THE CEDAR ROOM 9.HERE IT COMES 10.SPACE FACE
Red Hot Chili Peppers set list
1.BY THE WAY 2.SCAR TISSUE 3.AROUND THE WORLD 4.UNIVERSALLY SPEAKING 5.OTHERSIDE 6.THE ZEPHYR SONG 7.CAN'T STOP 8.PARALLEL UNIVERSE 9.DON'T FORGET ME 10.RIGHT ON TIME 11.THROW AWAY YOUR TELEVISION 12.I COULD HAVE LIED 13.VENICE QUEEN 14.CALIFORNICATION 15.BOTH SIDES NOW (John Frusciante solo) 16.FREAKY STYLEY 17.GIVE IT AWAY
encore
18.UNDER THE BRIDGE 19.ME AND MY FRIENDS
ソング・オブ・サマー
監督:ケン・ラッセル
SONG OF SUMMER [ 1968年 イギリス ]
作曲家フレデリック・ディーリアスの晩年を、付き添って彼の作曲を助けたフェンビーという青年を通して描いた物語。梅毒におかされ全身麻痺、失明という状態のディーリアスの描かれ方が実にケン・ラッセルらしいもので、やはり笑わずにはいられなかった。衰弱しきって使用人にかつがれて運ばれるときの生気のなさは危なすぎる。偏屈な性格に戸惑いながらも「ターターター♪」と口でいう音を書き拾い、最後まで献身的に尽くしたフェンビーとの関係は、普通の師弟関係、上下関係とは違う、妙な味わいがあって面白かった。人々を感動させるモノを創造する立派な芸術家はどこか狂っているものですね。若き日(といっても当時41歳)のケン・ラッセルがBBCのテレビ向けに作った作品。
CONTROL / PEDRO THE LION
はじめてアンプから音を出したときのときめきが宿っているような、特別いろんなことをしなくてもギターという楽器がこれほど豊潤な音色を響かせてくれることを気付かせてくれる生身のエレクトリックギターサウンドがむちゃくちゃかっこいい。ドラムの音もやたらでかいけど、これも異様に気持ちがいい。ガレージフォークというか、突き抜けたこのロックサウンドは僕のツボをおおいに刺激してくれたみたいです。歌うたいとして、この音で表現してみせたペドロ・ザ・ライオン=デビッド・バルザンのサードアルバム。以前はアコースティックだったそうですが、そちらも聴いてみたく思います。ライブが観たい!
BY THE WAY / RED HOT CHILI PEPPERS
アメリカで最もシリアスなロックバンド、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ。メンバーの老けきった写真はマジなのかギャグなのか多分に気を抜かせてくれるのが嬉しい。相変わらず滑舌のいいアンソニーのボーカルと一音一音が物言いたげなジョン・フルシャンテのギターがとにかく素晴らしい。ファンクなノリは影をひそめたが、強力な存在感はなおのこと大きくなっているように思える。フジロックのステージが本当に楽しみだ。台風が来ても見届ける覚悟で臨みたいと思う。
one tree to true, three trees for free [ 2002.07.14. 渋谷CLUB ASIA ]
出演:テニスコーツ、キセル、world’s end girlfriend with 徳澤青弦&isi、cinq with 二階堂和美、dj klock
テニスコーツとは前々から縁があって、それでもテニスコーツとしてライブを観るのは今回が初めてだったので、とても楽しみでした。にわかにメディアにも取り上げられるようになっているせいか、フロアも大勢のお客さんで注目度もなおのこと高かったのかもしれません。基本バンドに加え、VJ、DJ、フライパンなどの打楽器を加えた独特のスタイルで、音楽性はよりポストロックな方向へシフトしていることに驚かされつつも、自由に演奏を楽しむ雰囲気が如実に伝わってくるとても気持ちの良いものでした。world’s end girlfriendは床に体育座りして目を閉じて聴くとかなり効果あったかも。チェロとサックスをバックに電子音ノイズとサンプリング、ギターを駆使して構築する世界観は非常に美しくもあり非常に暗くもある。ただ個人的にこの暗さは大勢の場で共有したいとは思えなかったし、電子音サンプリングはそう簡単に納得できないものがあって難しいです。キセルはゲストだったので、短い間でしたが、4曲堪能できました。さすが兄弟、声質が似ている。dj klockはテニスコーツの植野さん、さやさんとともにcacoy(囲)としてチームを組んで活動もしていて、今回はテニスコーツのバックでスクラッチプレイをしたり、ラウンジでDJしたりしてました。二階堂和美は残念ながら観れず。全体的に楽しめましたが、余談ながら、ASIAの受付の人がとても恐かったです。
YOSHIMI BATTLES THE PINK ROBOTS / THE FLAMING LIPS
なんかタイトルがピンと来ないなぁーと思っていたのですが、内容の方もイマイチこうグッとくるものがなくて残念。なんか普通に電子音を少し使っておもしろそうなことをやってるバンドという感じで、彼ららしさもあるにはあるのだけど、メルヘンとメランコリックな狂気に達するには至らず、アナログ主義であって欲しかったという願いもあってか、やはり物足りなく思えてしまう。「ライブを観れば人生変わる」とまでいわしめた彼らでも、今度ばかりは少し様子が違うかもしれない。「君は一番美しい顔をしている。」「君の知っている人は皆、いつか死ぬ。」「幸せだと泣きたくなる。」というジャケットやインナーに日本語で書かれた3つのセンテンスはとっても魅力的だと思った。